公开(公告)号:
JPWO2022145339A1
摘要:
光透過性優れ、歯科用樹脂組成物等の用途に好適なガラスを提供する。 ガラス組成中にTi成分を含有するガラスであって、 Ti3+イオンの含有量が80ppm以下であることを特徴とするガラス。
权利要求:
1. ガラス組成中にTi成分を含有するガラスであって、
Ti3+イオンの含有量が80ppm以下であることを特徴とするガラス。
2. 質量%でTiO2を0.1質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載のガラス。
3. さらにFe成分を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のガラス。
4. Fe成分を、Fe2O3換算で10ppm以上含有することを特徴とする請求項3に記載のガラス。
5. 質量%で、SiO2 30~80%、Al2O3 0~30%、B2O3 0~30%、CaO 0~25%、Na2O 0~30%、K2O 0~30%、Li2O 0~10%、TiO2 0.1~15%、Nb2O5 0~20%、WO3 0~20%、及び、F 0~10%を含有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のガラス。
6. 粒子状であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のガラス。
7. 略球状であることを特徴とする請求項6に記載のガラス。
8. 平均粒子径が0.5~50μmであることを特徴とする請求項6または7に記載のガラス。
9. 請求項1~8のいずれか一項に記載のガラスを製造するための方法であって、
原料を溶融、成形することにより前駆体ガラスを得る工程、及び、
前記前駆体ガラスを、ガラス転移点±300℃以内の温度で熱処理する工程、
を備えることを特徴とするガラスの製造方法。
10. 硬化性樹脂、及び、請求項1~8のいずれか一項に記載のガラスを含有することを特徴とする樹脂組成物。
11. 体積%で、前記ガラスを1~70%含有することを特徴とする請求項10に記載の樹脂組成物。
12. 歯科用であることを特徴とする請求項10または11に記載の樹脂組成物。
13. 請求項10~12のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする成形体。
14. 樹脂組成物に光線を照射して硬化させることを特徴とする成形体の製造方法であって、
樹脂組成物として請求項10~12のいずれか一項に記載の樹脂組成物を使用することを特徴とする成形体の製造方法。
15. 樹脂組成物からなる液状層に選択的に光線を照射して所定のパターンを有する硬化物層を形成し、前記硬化物層上に新たな液状層を形成した後に前記光線を照射して前記硬化物層と連続した所定パターンを有する新たな硬化物層を形成し、所定の成形体が得られるまで前記硬化物層の積層を繰り返す成形体の製造方法であって、
樹脂組成物として、請求項10~12のいずれか一項に記載の樹脂組成物を使用することを特徴とする成形体の製造方法。
背景技术:
【0002】 従来、歯科修復材、歯科用床、歯冠、仮歯等の用途として、樹脂と無機フィラーの混合物である歯科用樹脂組成物が使用されている。歯科用樹脂組成物には、通常、UV硬化性樹脂が使用される。例えば歯科修復材の場合は、歯科用樹脂組成物を歯の治療箇所に塗布した後、UV光を照射して硬化させることにより治療を行う。ここで、治療後の歯の審美性を高める観点から、無機フィラーとして光透過性の高いガラスフィラーを使用することが提案されている(例えば特許文献1参照)
【0003】特開2010-202560号公報
发明内容:
【発明が解決しようとする課題】
【0004】 無機フィラーとしてガラスフィラーを使用した場合であっても、歯科用樹脂組成物等の用途に使用した場合に所望の光透過性が得られない場合がある。
【0005】 以上に鑑み、本発明は光透過性優れ、歯科用樹脂組成物等の用途に好適なガラス及びその製造方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】 本発明者等が鋭意検討した結果、ガラス中の特定成分に起因して光透過率が低下することがわかり、当該特定成分の含有量を規制することにより所望の光透過性が得られることを見出した。
【0007】 即ち、本発明のガラスは、ガラス組成中にTi成分を含有するガラスであって、Ti3+イオンの含有量が80ppm以下であることを特徴とする。本発明者等の調査の結果、ガラス組成中にTi成分を含有するガラスにおいて、Ti成分の内のTi3+イオンが着色をもたらすことがわかった。そこで、ガラス組成中にTi成分を含有するガラスにおいて、着色に影響を与えるTi3+イオンの含有量を上記の通り規制することにより、不当な着色を抑制でき、所望の光透過性を得ることが可能となる。
【0008】 本発明のガラスは、質量%でTiO2を0.1質量%以上含有することが好ましい。この場合、本発明の効果を享受しやすくなる。
【0009】 本発明のガラスは、さらにFe成分を含有していてもよい。ガラス組成中のTi3+イオンはFe成分と共存することにより着色が強められる傾向がある。そのため、ガラス組成中にTi成分とともにFe成分を含有するガラスにおいては、本発明の効果を享受しやすくなる。
【0010】 本発明のガラスは、Fe成分を、Fe2O3換算で10ppm以上含有していてもよい。この場合、本発明の効果を享受しやすくなる。
【0011】 本発明のガラスは、質量%で、SiO2 30~80%、Al2O3 0~30%、B2O3 0~30%、CaO 0~25%、Na2O 0~30%、K2O 0~30%、Li2O 0~10%、TiO2 0.1~15%、Nb2O5 0~20%、WO3 0~20%、及び、F 0~10%を含有することが好ましい。
【0012】 本発明のガラスは、粒子状であることが好ましい。この場合、樹脂組成物中にガラスをフィラーとして均一に含有させやすくなり、樹脂組成物の硬化物からなる成形体の機械的強度を向上させやすくなる。
【0013】 本発明のガラスは、略球状であることが好ましい。この場合、樹脂組成物の粘度を上昇させにくいことから、樹脂組成物の流動性に優れ、取り扱いが容易になる。また、樹脂組成物中に高濃度で含有させることができ、樹脂組成物の硬化物からなる成形体の機械的強度を高めやすくなる。
【0014】 本発明のガラスは、平均粒子径が0.5~50μmであることが好ましい。
【0015】 本発明のガラスの製造方法は、上記のガラスを製造するための方法であって、原料を溶融、成形することにより前駆体ガラスを得る工程、及び、前駆体ガラスを、ガラス転移点±300℃以内の温度で熱処理する工程、を備えることを特徴とする。このように一旦前駆体ガラスを得た後に所定温度で熱処理することにより、ガラス中のTi3+イオンの含有量を低減することができる。その結果、Ti3+イオンによる着色を低減することが可能となる。
【0016】 本発明の樹脂組成物は、硬化性樹脂、及び、上記のガラスを含有することを特徴とする。
【0017】 本発明の樹脂組成物は、体積%で、ガラスを1~70%含有することが好ましい。
【0018】 本発明の樹脂組成物は、歯科用であることが好ましい。
【0019】 本発明の成形体は、上記の樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする。
【0020】 本発明の成形体の製造方法は、樹脂組成物に光線を照射して硬化させることを特徴とする成形体の製造方法であって、樹脂組成物として上記の樹脂組成物を使用することを特徴とする。
【0021】 本発明の成形体の製造方法は、樹脂組成物からなる液状層に選択的に光線を照射して所定のパターンを有する硬化物層を形成し、硬化物層上に新たな液状層を形成した後に光線を照射して硬化物層と連続した所定パターンを有する新たな硬化物層を形成し、所定の成形体が得られるまで硬化物層の積層を繰り返す成形体の製造方法であって、樹脂組成物として、上記の樹脂組成物を使用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】 本発明によれば、光透過性優れ、歯科用樹脂組成物等の用途に好適なガラスを提供することができる。