圧力容器および圧力容器の製造方法

公开(公告)号:
JPWO2022123883A1
公开(公告)日:
2022-06-16
申请号:
JP2021577940
申请日:
2021-10-06
授权日:
-
受理局:
日本
专利类型:
发明申请
简单法律状态:
有效
法律状态/事件:
授权
IPC分类号:
-
战略新兴产业分类:
-
国民经济行业分类号:
-
当前申请(专利权)人:
三菱瓦斯化学株式会社
原始申请(专利权)人:
三菱瓦斯化学株式会社
当前申请(专利权)人地址:
東京都千代田区丸の内2丁目5番2号
工商统一社会信用代码:
-
工商登记状态:
其他
工商注册地址:
-
工商成立日期:
1933-01-01
工商企业类型:
-
发明人:
-
代理机构:
-
代理人:
-
摘要:
ガスバリア性に優れ、かつ、クラックが発生しにくく、また、内圧疲労に優れた圧力容器およびその製造方法の提供。 樹脂成分と連続強化繊維を含む繊維強化樹脂材料から形成された層を少なくとも胴部に有する圧力容器であって、前記層のうち、内側から厚み方向に0.1%までの内側領域における連続強化繊維含有率(体積%)と前記層のうち外側から厚み方向に0.1%までの外側領域における連続強化繊維含有率(体積%)の比率(内側領域/外側領域)が、0.80~0.99であり、前記層のうち、内側から厚み方向に0.1%超から外側から厚み方向に0.1%超までの間の中心領域における連続強化繊維含有率(体積%)が40~60体積%である、圧力容器。
技术问题语段:
-
技术功效语段:
【0007】本発明により、ガスバリア性に優れ、かつ、様々な条件でクラックが発生しにくい圧力容器およびその製造方法を提供可能になった。
权利要求:
【請求項1】 樹脂成分と連続強化繊維を含む繊維強化樹脂材料から形成された層を少なくとも胴部に有する圧力容器であって、 前記層のうち、内側から厚み方向に0.1%までの内側領域における連続強化繊維含有率(体積%)と前記層のうち外側から厚み方向に0.1%までの外側領域における連続強化繊維含有率(体積%)の比率(内側領域/外側領域)が、0.80~0.99であり、 前記層のうち、内側から厚み方向に0.1%超から外側から厚み方向に0.1%超までの間の中心領域における連続強化繊維含有率(体積%)が30~70体積%である、圧力容器。 【請求項2】 前記外側領域と前記中心領域における連続強化繊維含有率(体積%)の比率(外側領域/中心領域)が、1.01~1.11である、請求項1に記載の圧力容器。 【請求項3】 前記内側領域と前記中心領域における連続強化繊維含有率(体積%)の比率(内側領域/中心領域)が、0.95~1.05である、請求項1または2に記載の圧力容器。 【請求項4】 前記層の厚さが1~10cmである、請求項1~3のいずれか1項に記載の圧力容器。 【請求項5】 前記樹脂成分が熱硬化性樹脂を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の圧力容器。 【請求項6】 前記樹脂成分が、エポキシ樹脂、および、下記の成分(x1)と成分(x2)との反応生成物を含むエポキシ樹脂硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物から形成されたものである、請求項1~5のいずれか1項に記載の圧力容器。 (x1)メタキシリレンジアミンおよびパラキシリレンジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種 (x2)式(1)で表される不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種 【化1】 (式(1)中、R 1およびR 2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、または、炭素数7~13のアラルキル基を表す。) 【請求項7】 前記連続強化繊維が、炭素繊維を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の圧力容器。 【請求項8】 前記層のボイド率が1体積%以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の圧力容器。 【請求項9】 前記圧力容器の胴部は、前記層の内側にライナーを有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の圧力容器。 【請求項10】 前記圧力容器の胴部は、前記層の内側に層を有さない、請求項1~8のいずれか1項に記載の圧力容器。 【請求項11】 樹脂成分と連続強化繊維を含む繊維強化樹脂材料を、円筒状に巻き付けることを含み、前記円筒状に巻き付ける際の前記繊維強化樹脂材料の張力が、連続強化繊維一本当たり、0.01gf~3gfである、請求項1~10のいずれか1項に記載の圧力容器の製造方法。
技术领域:
】 【0001】 本発明は、圧力容器および圧力容器の製造方法に関する。 【
背景技术:
】 【0002】 近年、環境に配慮した天然ガス自動車(CNG車)や燃料電池自動車(FCV)の普及が進んでいる。燃料電池自動車は燃料電池を動力源としており、その燃料となる水素を高圧に圧縮して自動車に充填する水素ステーションの整備が不可欠である。 燃料電池自動車用の水素ステーションに設置されるタンクや、あるいは、CNG車、燃料電池自動車等の車載用燃料タンクとして用いられる高圧ガス貯蔵タンクとして、これまで鋼製のタンクが使用されてきた。しかしながら、車体の軽量化の要請に伴い、タンクのライナーあるいはその外層に樹脂材料を用いた、より軽量な高圧ガス貯蔵タンクの開発が進められてきている。車載用燃料タンクを軽量化することにより、搭載車の燃費を改善できるなどのメリットがある。 【0003】 高圧ガス貯蔵タンクを構成する樹脂材料として、ガスバリア性を有する樹脂、および、前記樹脂を強化繊維に含浸させた繊維強化複合材(FRP)を用いることが知られている。 例えば、特許文献には、ライナーと、前記ライナーの外層とを有し、外層が連続繊維と前記連続繊維に含浸した所定のガスバリア性ポリアミド樹脂を含む複合材料から構成された圧力容器、および、前記複合材料から構成されるライナーが開示されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】 国際公開第2016/084475号 【
发明内容:
】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 ここで、上記特許文献1に記載の圧力容器は優れた圧力容器ではあるが、近年、多種多様な用途で圧力容器が用いられるようになり、さらに新規の繊維強化樹脂材料を用いた圧力容器が求められている。 特に、ガスバリア性に優れ、かつ、様々な条件でクラックが発生しにくい圧力容器が求められている。 本発明はかかる課題を解決することを目的とするものであって、ガスバリア性に優れ、かつ、様々な条件でクラックが発生しにくい圧力容器およびその製造方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、繊維強化樹脂材料から形成された層を有する圧力容器において、連続強化繊維の体積比率を調整することにより、上記課題を解決しうることを見出した。 具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。 <1>樹脂成分と連続強化繊維を含む繊維強化樹脂材料から形成された層を少なくとも胴部に有する圧力容器であって、前記層のうち、内側から厚み方向に0.1%までの内側領域における連続強化繊維含有率(体積%)と前記層のうち外側から厚み方向に0.1%までの外側領域における連続強化繊維含有率(体積%)の比率(内側領域/外側領域)が、0.80~0.99であり、前記層のうち、内側から厚み方向に0.1%超から外側から厚み方向に0.1%超までの間の中心領域における連続強化繊維含有率(体積%)が30~70体積%である、圧力容器。 <2>前記外側領域と前記中心領域における連続強化繊維含有率(体積%)の比率(外側領域/中心領域)が、1.01~1.11である、<1>に記載の圧力容器。 <3>前記内側領域と前記中心領域における連続強化繊維含有率(体積%)の比率(内側領域/中心領域)が、0.95~1.05である、<1>または<2>に記載の圧力容器。 <4>前記層の厚さが1~10cmである、<1>~<3>のいずれか1つに記載の圧力容器。 <5>前記樹脂成分が熱硬化性樹脂を含む、<1>~<4>のいずれか1つに記載の圧力容器。 <6>前記樹脂成分が、エポキシ樹脂、および、下記の成分(x1)と成分(x2)との反応生成物を含むエポキシ樹脂硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物から形成されたものである、<1>~<5>のいずれか1つに記載の圧力容器。 (x1)メタキシリレンジアミンおよびパラキシリレンジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種 (x2)式(1)で表される不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種 【化】 (式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、または、炭素数7~13のアラルキル基を表す。) <7>前記連続強化繊維が、炭素繊維を含む、<1>~<6>のいずれか1つに記載の圧力容器。 <8>前記層のボイド率が1体積%以下である、<1>~<7>のいずれか1つに記載の圧力容器。 <9>前記圧力容器の胴部は、前記層の内側にライナーを有する、<1>~<8>のいずれか1つに記載の圧力容器。 <10>前記圧力容器の胴部は、前記層の内側に層を有さない、<1>~<8>のいずれか1つに記載の圧力容器。 <11>樹脂成分と連続強化繊維を含む繊維強化樹脂材料を、円筒状に巻き付けることを含み、前記円筒状に巻き付ける際の前記繊維強化樹脂材料の張力が、連続強化繊維一本当たり、0.01gf~3gfである、<1>~<10>のいずれか1つに記載の圧力容器の製造方法。 【発明の効果】 【0007】 本発明により、ガスバリア性に優れ、かつ、様々な条件でクラックが発生しにくい圧力容器およびその製造方法を提供可能になった。 【
具体实施方式:
】 【0009】 以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。 なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。 本明細書において、各種物性値および特性値は、特に述べない限り、23℃におけるものとする。 【0010】 本実施形態の圧力容器は、樹脂成分と連続強化繊維を含む繊維強化樹脂材料から形成された層(以下、「ガスバリア層」ということがある)を少なくとも胴部に有する圧力容器であって、前記ガスバリア層のうち、内側から厚み方向に0.1%までの内側領域における連続強化繊維含有率(体積%)と前記層のうち外側から厚み方向に0.1%までの外側領域における連続強化繊維含有率(体積%)の比率(内側領域/外側領域)が、0.80~0.99であり、前記ガスバリア層のうち、内側から厚み方向に0.1%超から外側から厚み方向に0.1%超までの間の中心領域における連続強化繊維含有率(体積%)が30~70体積%であることを特徴とする。 このような構成とすることにより、ガスバリア性に優れ、かつ、様々な条件でクラックが発生しにくい圧力容器が得られる。 このメカニズムは推定であるが、以下の通りと推測される。ガスバリア層における厚み方向の連続強化繊維の含有率について、内側から厚み方向に0.1%までのごく薄い内側領域の連続強化繊維の割合をやや低めとすることにより、内部ガスの充填による膨張を吸収し、クラックの発生が抑えられる。また、ガスバリア層における厚み方向の連続強化繊維の含有率について、外側から厚み方向に0.1%までのごく薄い外側領域の連続強化繊維の割合をやや高めとすることにより、圧力容器の機械物性がより改善されると推測される。そして、ガスバリア層の厚み方向における連続強化繊維の内側から厚み方向に0.1%超から外側から厚み方向に0.1%超までの間の中心領域における連続強化繊維含有率(体積%)を30~70体積%と密にし、さらに、上述のように、ガスバリア層の厚み方向における連続強化繊維の含有率を段階的ないしグラデーションを持つように設定することにより、気泡を放出しやすくでき、ボイド率を低下させることができ、ガスバリア性に優れた胴部とすることができると推測される。 以下、本実施形態の詳細について説明する。 【0011】 図1は、本実施形態の圧力容器の一例を示す断面模式図であり、図2は圧力容器の胴部が有する樹脂成分と連続強化繊維を含む繊維強化樹脂材料から形成された層(ガスバリア層)の断面拡大図である。 図1において、1は圧力容器を、2は胴部を、3は内層を、4は外層を、5は口金を、6はボスを、7はバルブを、図2において、8は内側領域を、9は中心領域を、10は外側領域をそれぞれ示している。図1および図2は、模式図であり、尺度は、実際の値と必ずしも一致していない。 本実施形態におけるガスバリア層は、例えば、図1における圧力容器1の胴部2を構成する層であり、内層3または外層4のいずれであってもよいが、外層4であることが好ましい。また、図1に示す圧力容器では、内層3と外層4の2層構成となっているが、さらに、他の層を有していてもよい。他の層については、後述する。 【0012】 最初にガスバリア層について説明する。本実施形態におけるガスバリア層は、樹脂成分と連続強化繊維を含む繊維強化樹脂材料から形成された層である。ガスバリア層は、通常、前記繊維強化樹脂材料によって胴部2を覆うように形成されている。このような構成とすることにより、後述する圧力容器を透過するガス量を低くすることができる。ガスバリア層において連続強化繊維は、規則的に配列していることが好ましい。規則的に配列しているとは、ガスバリア層における連続強化繊維の70質量%以上(好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上)が、一定の方向性を持って並んでいることをいう。一定の方向性とは、螺旋状、縦方向、横方向またはこれらの組み合わせが例示される。尚、本実施形態における螺旋状、縦方向、横方向は、厳密な螺旋状等の配列に加え、当業者に一般的に解釈される程度の誤差を含む趣旨である。このように規則的に配列することにより、ガスバリア層(圧力容器)の胴部の表面に連続強化繊維が含まれていない領域を極力少なくすることができ、ガスバリア性がより向上する傾向にある。本実施形態におけるガスバリア層は、通常、その表面の97質量%以上(好ましくは99質量%以上)に連続強化繊維が存在するように連続強化繊維が配列されている。 また、一つの圧力容器に対して複数の種類の連続強化繊維を用いてもよい。例えば、炭素繊維を配列した上から、ガラス繊維を配列することで、耐衝撃性を改善することができる。 【0013】 本実施形態におけるガスバリア層は、図2に示すように、内側領域8、中心領域9、外側領域10で、連続強化繊維の含有量が異なっている。 具体的には、内側領域8とは、胴部の内側から厚み方向に0.1%までの領域をいい、中心領域9とは胴部の内側から厚み方向に0.1%超から外側から厚み方向に0.1%超までの間の領域をいい、外側領域10とは胴部の外側から厚み方向に0.1%までの領域をいう。 そして、内側領域8における連続強化繊維の含有率(体積%)と外側領域10における連続強化繊維の含有率(体積%)の比率(内側領域/外側領域)が、0.80~0.99である。前記下限値以上とすることにより、クラックの発生が抑えられる傾向にある。また、前記上限値以下とすることにより、機械物性により優れる傾向にある。 前記内側領域8における連続強化繊維の含有率(体積%)/外側領域10における連続強化繊維の含有率(体積%)は、0.85以上であることが好ましく、0.90以上であることがより好ましく、0.95以上であることがさらに好ましい。 また、ガスバリア層においては、外側領域10と中心領域9における連続強化繊維含有率(体積%)の比率(外側領域/中心領域)が、1.01~1.11であることが好ましく、1.01~1.07であることがより好ましい。また、ガスバリア層においては、内側領域8と中心領域9における連続強化繊維含有率(体積%)の比率(内側領域/中心領域)が、0.95~1.05であることが好ましく、0.95以上1.00未満であることがより好ましく、0.96以上1.00未満であることがさらに好ましい。このような比率とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される。 【0014】 また、本実施形態におけるガスバリア層においては、中心領域9における連続強化繊維含有率(体積%)が30~70体積%である。前記下限値以上とすることにより、機械物性により優れる。また、前記上限値以下とすることにより、ボイド率をより少なくすることができる。前記中心領域9の連続強化繊維含有率は、33体積%以上であることが好ましく、36体積%以上であることがより好ましく、また、65体積%以下であることがより好ましい。 本実施形態において、中心領域9は、厚み方向において連続強化繊維の含有率が一定であってもよいし、内側領域から外側領域に徐々に増加していてもよい。 【0015】 また、本実施形態におけるガスバリア層においては、内側領域8における連続強化繊維含有率(体積%)が、29体積%以上であることが好ましく、32体積%以上であることがより好ましく、35体積%以上あることがさらに好ましく、また、69体積%以下であることが好ましく、64体積%以下であることがより好ましい。前記下限値以上とすることにより、機械物性により優れる傾向にある。また、前記上限値以下とすることにより、ボイド率がより少なくなる傾向にある。 また、本実施形態におけるガスバリア層は、外側領域10における連続強化繊維含有率(体積%)が、30体積%以上であることが好ましく、33体積%以上であることがより好ましく、36体積%以上であることがさらに好ましく、また、70体積%以下であることが好ましく、65体積%以下であることがより好ましい。前記下限値以上とすることにより、機械物性により優れる傾向にある。また、前記上限値以下とすることにより、ボイド率がより少なくなる傾向にある。 本実施形態におけるガスバリア層においては、内側領域8、中心領域9、外側領域10を構成する連続強化繊維の組成は同一であってもよいし、異なっていてもよい。本実施形態では、内側領域8、中心領域9、外側領域10を構成する連続強化繊維の組成はその95質量%以上(好ましくは99質量%以上)が共通することが好ましい。 ガスバリア層は、連続強化繊維を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。 【0016】 本実施形態におけるガスバリア層の厚さは、ガスバリア層1層につき、1cm以上であることが好ましく、3cm以上であることがより好ましく、4cm以上であることがさらに好ましい。また、15cm以下であることが好ましく、10cm以下であることがより好ましく、8cm以下であることがさらに好ましい。 また、本実施形態における胴部の厚さ(1層または2層以上のガスバリア層および他の層の合計厚さ)は、1cm以上であることが好ましく、3cm以上であることがより好ましく、4cm以上であることがさらに好ましい。また、30cm以下であることが好ましく、20cm以下であることがより好ましく、15cm以下であることがさらに好ましく、10cm以下であってもよく、さらには6cm以下であってもよい。 【0017】 本実施形態におけるガスバリア層においては、ボイド率が1体積%以下であることが好ましい。ボイド率とは、ガスバリア層中に含まれる気泡(ボイド)の割合であり、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。ボイド率がこのように低いことにより透過ガス量がより低減する傾向にある。ボイド率は、0.7体積%以下であることが好ましく、0.5体積%以下であることがより好ましく、0.3体積%以下であることがさらに好ましく、0.1体積%未満であることが一層好ましい。ボイド率の下限値は0が理想である。 ボイド率を低くする方法としては、連続強化繊維含有率の調整、樹脂の粘度調整、成形温度の調整、フィラメントワインド時のワインド角度やクリール張力の調整などが例示される。 【0018】 次に、本実施形態の圧力容器の胴部の層構成について説明する。 本実施形態の圧力容器は、上述の通り、胴部に上記ガスバリア層のみを有していてもよいし、他の層を有していてもよい。 【0019】 本実施態様の圧力容器の一例は、胴部が、ガスバリア層の内側に層を有さない態様(態様1)である。態様1におけるガスバリア層は、ライナーとしての機能を果たしつつ、ライナーを補強する外層としての役割も果たす。本実施態様で用いるガスバリア層は、クラックが発生しにくく、ガスの充填と使用による容器の膨張·収縮等の影響を受けにくいため、好ましく用いることができる。 また、態様1においては、胴部が1層または2層のガスバリア層のみから構成されていてもよいし、ガスバリア層の外側に層を有していてもよい。前記外側の層としては、第二のガスバリア層、意匠性層、金属層(例えば、アルミニウム層)、前記ガスバリア層以外の繊維強化樹脂層などが例示される。例えば、第一のガスバリア層を構成する樹脂成分が熱硬化性樹脂を含むものであり、第二のガスバリア層を構成する樹脂成分が熱可塑性樹脂を含むものとすることができる。このような構成とすることにより、熱硬化性樹脂のメリットと熱可塑性樹脂のメリットの両方を有する圧力容器とすることができる。 本実施形態の圧力容器においては、前記内側領域/外側領域の比率等を満たしているガスバリア層に加え、前記内側領域/外側領域の比率等を満たしていないガスバリア性を有する層を有していてもよい。 ガスバリア層は、内層(例えばライナー)であってもよいし、樹脂製ライナーの外側に設けられた外層であってもよい。好ましくは内層であり、より好ましくは最内層である。 態様1における胴部の合計厚さは、1cm以上であることが好ましく、3cm以上であることがより好ましく、4cm以上であることがさらに好ましい。また、20cm以下であることが好ましく、18cm以下であることがより好ましく、16cm以下であることがさらに好ましい。 【0020】 本実施形態の圧力容器の他の一例は、胴部が、ガスバリア層の内側に他の層を有する態様(態様2)である。態様2における他の層としては、ライナーや、ライナーおよびガスバリア層の間に設けられた粘着層などが例示される。態様2では、ライナーと前記ライナーと接しているガスバリア層を有する態様が挙げられる。態様2においては、さらに、ガスバリア層の外側に他の層を有していてもよい。この場合の他の層としては、意匠性層などが挙げられる。 態様2におけるライナーは、金属製ライナー、樹脂製ライナーが例示され、樹脂製ライナーが好ましい。樹脂製ライナーを用いる場合であって、ガスバリア層を構成する樹脂成分が熱硬化性樹脂である場合、樹脂製ライナーの樹脂成分は、熱可塑性樹脂が好ましい。また、樹脂製ライナーを用いる場合であって、ガスバリア層を構成する樹脂成分が熱可塑性樹脂である場合、樹脂製ライナーの樹脂成分も熱可塑性樹脂が好ましい。 態様2におけるライナーの厚さは、100μm以上であることが好ましく、200μm以上であることがより好ましく、500μm以上であることがさらに好ましい。また、10,000μm以下であることが好ましく、7,000μm以下であることがより好ましく、5,000μm以下であることがさらに好ましい。 態様2における胴部の合計厚さは、1cm以上であることが好ましく、3cm以上であることがより好ましく、4cm以上であることがさらに好ましい。また、20cm以下であることが好ましく、18cm以下であることがより好ましく、16cm以下であることがさらに好ましい。 【0021】 さらに、本実施形態の圧力容器は、図1に示すように、ガスバリア層を有する胴部2に加え、口金5、ボス6、バルブ7などを有している。また、胴部を延長する形で、胴部の口金5側およびボス6側に胴部を封止するドーム部を有する。ドーム部は、通常、胴部(内層3、内層4)等と同じ組成で形成されている。 その他、他部材との着脱を行うための着脱部等(非図示)を設けることもできる。 【0022】 次に、ガスバリア層を構成する繊維強化樹脂材料について説明する。 本実施形態におけるガスバリア層は、樹脂成分と連続強化繊維を含む繊維強化樹脂材料から形成された層である。連続強化繊維を用いることにより、ガスバリア性を高めることができ、また、圧力容器の強度を高くすることができる。また、連続強化繊維だけでは隙間を完全に密に埋めることができないが、樹脂成分を設けることにより、このような隙間を埋めることができる。 【0023】 本実施形態における繊維強化樹脂材料は樹脂成分を含む。樹脂成分は、熱可塑性樹脂であっても、熱硬化性樹脂であってもよいし、両者の混合物であってもよい。樹脂成分の態様の一例は、樹脂成分が熱可塑性樹脂を含む態様であり、樹脂成分の90質量%以上が熱可塑性樹脂である態様である。樹脂成分の態様の他の一例は、樹脂成分が熱硬化性樹脂を含む態様であり、樹脂成分の90質量%以上が熱硬化性樹脂である態様である。 【0024】 熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリル二レート樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂が例示され、エポキシ樹脂が好ましい。 エポキシ樹脂を用いる場合、樹脂成分として、エポキシ樹脂、および、下記の成分(x1)と成分(x2)との反応生成物を含むエポキシ樹脂硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物を用いることが好ましい。 (x1)メタキシリレンジアミンおよびパラキシリレンジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種 (x2)式(1)で表される不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種 【化】 (式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、または、炭素数7~13のアラルキル基を表す。) また、エポキシ樹脂組成物としては、特開2017-008316号公報に記載のエポキシ樹脂組成物および特開2016-190920号公報に記載のエポキシ樹脂組成物も用いることができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。 【0025】 熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂等が例示され、ポリアミド樹脂が好ましい。ポリアミド樹脂は、脂肪族ポリアミド樹脂であっても、半芳香族ポリアミド樹脂であってもよいが、半芳香族ポリアミド樹脂が好ましい。半芳香族ポリアミド樹脂としては、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を含み、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上(好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上)がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%以上が炭素数4~20のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位(好ましくは、アジピン酸、セバシン酸およびドデカンニ酸のいずれか1種以上由来の構成単位)であるポリアミド樹脂が好ましい。 【0026】 前記樹脂成分は、水素透過係数が低いことが好ましい。水素透過係数が低いことにより、水素ガス用の圧力容器として好ましく用いることができる。樹脂成分の水素透過係数は、15.0×10-11cc·cm/(cm2·s·cmHg)以下であることが好ましく、12.0×10-11cc·cm/(cm2·s·cmHg)以下であることがより好ましく、5.0×10-11cc·cm/(cm2·s·cmHg)以下であることがさらに好ましく、3.0×10-11cc·cm/(cm2·s·cmHg)以下であることが一層好ましく、2.5×10-11cc·cm/(cm2·s·cmHg)以下であることがより一層好ましい。下限値は、0が理想であるが、1.0×10-11cc·cm/(cm2·s·cmHg)以上が実際的である。 樹脂成分が2種以上の樹脂を含む場合、混合物の水素透過係数とする。 【0027】 本実施形態においては、樹脂成分は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の成分を含んでいてもよい。具体的には、カップリング剤、反応性希釈剤、溶剤、溶剤以外の反応性希釈剤、硬化促進剤、湿潤剤、粘着付与剤、消泡剤、艶消剤、防錆剤、滑剤、着色剤、酸素捕捉剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、分散剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤等の添加剤が例示される。これらの合計量は、樹脂成分の10質量%以下であることが好ましい。 【0028】 本実施形態においては、繊維強化樹脂材料は連続強化繊維を含む。 本実施形態のガスバリア層に用いる連続強化繊維は、100mmを超える繊維長を有する強化繊維である。 連続強化繊維の形状としては、トウ、糸、フィラメント、シート、テープ等と称されるものが挙げられ、シートまたはテープを構成する連続強化繊維としては、一方向(UD)材、織物、不織布等が挙げられる。 繊維強化樹脂材料における連続強化繊維のフィラメント数は、2400本以上であることが好ましく、また、240000本以下であることが好ましい。前記下限値以上とすることにより、生産性に優れる傾向にある。前記上限値以下とすることにより、成形性に優れる傾向にある。 【0029】 連続強化繊維束の平均繊維長には特に制限はないが、成形加工性の観点から、好ましくは5cm以上であり、より好ましくは1m以上であり、さらに好ましくは100m以上であり、また、好ましくは10,000m以下である。 連続強化繊維束の平均繊度は、成形加工性の観点、高強度および高弾性率が得られやすいという観点から、好ましくは50tex(g/1000m)以上であり、より好ましくは200tex以上であり、さらに好ましくは500tex以上である。また、好ましくは、2,000tex以下であり、より好ましくは1,500tex以下であり、さらに好ましくは1,000tex以下である。 また、連続強化繊維束の平均引張弾性率は、好ましくは50GPa以上であり、また、好ましくは1000GPa以下である。 【0030】 連続強化繊維の材質としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ボロン繊維、バサルト繊維、セラミック繊維等の無機繊維;アラミド繊維、ポリオキシメチレン繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等の有機繊維が挙げられる。これらの中でも、高強度を得る観点からは無機繊維が好ましく、軽量でかつ高強度、高弾性率であることからガラス繊維、炭素繊維およびバサルト繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、炭素繊維がさらに好ましい。 炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等が挙げられる。また、リグニンやセルロースなど、植物由来原料の炭素繊維も用いることができる。 【0031】 本実施形態に用いる連続強化繊維は、処理剤で処理されたものでもよい。処理剤としては、表面処理剤または集束剤が例示される。 上記表面処理剤としては、シランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤としては、ビニル基を有するシランカップリング剤、アミノ基を有するシランカップリング剤、エポキシ基を有するシランカップリング剤、(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤、メルカプト基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。 【0032】 上記集束剤としては、例えば、ウレタン系集束剤、エポキシ系集束剤、アクリル系集束剤、ポリエステル系集束剤、ビニルエステル系集束剤、ポリオレフィン系集束剤、ポリエーテル系集束剤、およびカルボン酸系集束剤等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上を組み合わせた集束剤としては、例えば、ウレタン/エポキシ系集束剤、ウレタン/アクリル系集束剤、ウレタン/カルボン酸系集束剤等が挙げられる。 【0033】 上記の中でも、熱硬化性樹脂、特にエポキシ樹脂組成物の硬化物との界面接着性を向上させ、得られるガスバリア層の強度および耐衝撃性をより向上させる観点から、連続強化繊維はウレタン系集束剤、エポキシ系集束剤およびウレタン/エポキシ系集束剤からなる群から選ばれる1種以上により処理されたものであることが好ましく、エポキシ系集束剤により処理されたものであることがより好ましい。 【0034】 前記処理剤の量は、熱硬化性樹脂または熱硬化性樹脂組成物の硬化物との界面接着性を向上させ、得られるガスバリア層の強度および耐衝撃性をより向上させる観点から、連続強化繊維に対し、好ましくは0.001~5質量%、より好ましくは0.1~3質量%、さらに好ましくは0.5~2質量%である。 【0035】 連続強化繊維として市販品を用いることもできる。連続強化繊維である炭素繊維の市販品としては、例えば東レ(株)製のトレカ糸「T300」、「T300B」、「T400HB」、「T700SC」、「T800SC」、「T800HB」、「T830HB」、「T1000GB」、「T100GC」、「M35JB」、「M40JB」、「M46JB」、「M50JB」、「M55J」、「M55JB」、「M60JB」、「M30SC」、「Z600」の各シリーズ、トレカクロス「CO6142」「CO6151B」、「CO6343」、「CO6343B」、「CO6347B」、「CO6644B」、「CK6244C」、「CK6273C」、「CK6261C」、「UT70」シリーズ、「UM46」シリーズ、「BT70」シリーズ等が挙げられる。 【0036】 本実施形態における繊維強化樹脂材料においては、本実施形態の効果を得る観点から、樹脂成分(上述の添加剤を含む)と連続強化繊維の合計が、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上であり、さらに好ましくは99質量%以上であり、上限は100質量%である。 【0037】 次に、圧力容器の製造方法について説明する。 本実施形態の圧力容器は、公知の方法で製造することができる。特に、胴部は、繊維強化樹脂材料を用いて、ブレーディング法、ワインディング法、3Dプリント法等により成形される。このときの、繊維強化樹脂材料は、一方向または二方向以上に連続強化繊維が規則的に配列したものに樹脂成分が含浸している材料が好ましく、プリプレグなどが代表例として例示される。 胴部は、上述の通り、通常、上記繊維強化樹脂材料を円筒状に連続強化繊維がほぼ隙間なく存在するように成形して形成される。 本実施形態においては、上述のように内側領域、中心領域および外側領域の連続強化繊維含有率およびガスバリア層の厚さを達成するために、公知の手段で調整することができる。 具体的には、繊維強化樹脂材料を調整する方法が挙げられる。すなわち、フィラメントワインド成形品は、通常、常温での樹脂の流動性が高いため、内側ほど絞られて、連続強化繊維の割合が高くなる。また、通常、最後にラッピングフィルムを巻く際に、外側の樹脂が流出するため、外側の連続強化繊維の割合が高くなる。本実施形態では、例えば、常温での樹脂粘度が高い樹脂を用いることで、内側の連続強化繊維の割合を外側よりも低くすることができる。このような樹脂成分として、上述のエポキシ樹脂、および、上記の成分(x1)と成分(x2)との反応生成物を含むエポキシ樹脂硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物が例示される。また、トウプリプレグを用いることでも、内側領域が絞られにくく、また、外側の樹脂も流出しにくくし、内側領域および外側領域の連続強化繊維の割合を調整することができる。 また、繊維強化樹脂材料を円筒状の胴部に形成する際に、その巻き付け方などを工夫することもできる。具体的には、繊維強化樹脂材料としてテープ状または紐状の材料を用い、その巻き付ける角度を調整すること、繊維強化樹脂材料を胴部に成形加工する際の加熱条件を調整すること、繊維強化樹脂材料を巻き付ける際のテンションなどを調整することが例示される。例えば、樹脂成分と連続強化繊維を含む繊維強化樹脂材料を、円筒状に巻き付けることを含み、前記円筒状に巻き付ける際の前記繊維強化樹脂材料の張力が、連続強化繊維一本当たり、0.01gf~3gf(好ましくは、0.05~2.5gf)である、圧力容器の製造方法が例示される。 なお、円筒状とは、筒の長手方向に垂直な断面が円形であることが例示されるが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で楕円形なども含む趣旨である。 【0038】 本実施形態の圧力容器は、高圧ガス貯蔵タンクとして好ましく用いることができる。高圧ガス貯蔵タンクの貯蔵対象となるガスは、25℃、1atmで気体のものであればよく、水素の他、酸素、二酸化炭素、窒素、アルゴン、LPG、代替フロン、メタン等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは水素である。 本実施形態の圧力容器は、水素ガス等のガスバリア性が良好で、軽量性、耐圧性、耐衝撃性にも優れるものとなる。 本実施形態の高圧ガス貯蔵タンクは、胴部が前記ガスバリア層のみで構成されていてもよく、ガスバリア層と他の層とを備えたものでもよい。これらの詳細は、上述の胴部の説明を参酌できる。本実施形態におけるガスバリア層は耐圧性、耐衝撃性に優れるため、さらに他の層を設ける場合でも、その厚みを薄くすることが可能である。 【実施例】 【0039】 以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。 実施例で用いた測定機器等が廃番等により入手困難な場合、他の同等の性能を有する機器を用いて測定することができる。 【0040】 1.原料 <アミン系エポキシ樹脂硬化剤Aの調製> 反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、88molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。生成するメタノールを留去しながら165℃に昇温し、2.5時間165℃を保持した。メタノールを、固形分濃度が65質量%相当になるよう、1.5時間かけて滴下し、65℃に冷却した後、溶融したエチレンカーボネート0.27molを30分かけて滴下し、5時間65℃に保持し、アミン系エポキシ樹脂硬化剤Aを得た。 【0041】 <アミン系エポキシ樹脂硬化剤Bの調製> 反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、93molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。生成するメタノールを留去しながら165℃に昇温し、2.5時間165℃を保持した。メタノールを、固形分濃度が65質量%相当になるよう、1.5時間かけて滴下し、65℃に冷却し、アミン系エポキシ樹脂硬化剤Bを得た。 【0042】 <樹脂成分A1の調製> 上記アミン系エポキシ樹脂硬化剤Aに、メタノールおよびTETRAD-X(エポキシ樹脂、三菱瓦斯化学(株)製)を、固形分濃度が40質量%、かつ、アミン系エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数が1.0になるように加え、十分に攪拌した。 【0043】 <樹脂成分A2の調製> 上記アミン系エポキシ樹脂硬化剤Aに、メタノールを、次いでTETRAD-X(エポキシ樹脂、三菱瓦斯化学(株)製)を、固形分濃度が40質量%かつ、アミン系エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数が1.2になるように加え、十分に攪拌した。 【0044】 <樹脂成分Bの調製> 上記アミン系エポキシ樹脂硬化剤Bに、メタノールを、次いでTETRAD-X(エポキシ樹脂、三菱瓦斯化学(株)製)を、固形分濃度が40質量%かつ、エポキシ樹脂硬化剤中の活性アミン水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数が1.0になるように加え、十分
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