IPC分类号:
A47L13/16 | A47L13/20
国民经济行业分类号:
C2049 | C4111 | C2043
当前申请(专利权)人地址:
大阪府吹田市豊津町1番33号
摘要:
【課題】立体網目型払拭体をハンドル部先端に装着した立体網目型モップを提供する。
【解決手段】立体網目型清掃具1はハンドル部10と把持部20と立体網目型払拭体30からなる立体網目型モップで、立体網目型払拭体30は、20〜80%の側面開口率で立体網目の内部空間に保持する塵埃量を大にし、中央で折り返した湾曲部38と、端部結合部34と中央に開放部33を設け、端部結合部から離れた位置に分割部材35とその間に袋部36を設け、湾曲部の内部に空間部37を設け、把持部20は把持部中央部21と左右に把持部突出部23、24と突板22からなり、突板はハンドル受13とボタン軸14で連結され、ハンドル受はボタン軸を支点に左右に回動自在であり、左右の把持部突出部をロック解除して下方に垂下させて左右の把持部突出部を開放部から袋部の中に挿着し、左右の把持部突出部を水平状態にロックして把持部が立体網目型払拭体と一体化される。
【選択図】図1
技术问题语段:
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述したように、特許文献1では、不織布に開口部103をウォータージェットやニードルパンチで開口するものであるから、開口部の個数に限界があり、多数の開口部の全開口面積の不織布全面積に対する比率、即ち表面開口率が50%を限界とすることである。しかも、不織布では厚さも薄く、開口部に蓄積保持できる塵埃量はかなり少なく、清掃性能が不十分という欠点がある。
【0011】
また、特許文献2では、表面開口率が5~50%に過ぎず、しかも交絡不織布の厚さは、経験上2mm程度が限界であるという点が掲げられる。その結果、清掃用モップを作製して床面を清掃しても、開口部に保持できる塵埃量が少なく、清掃性能の不十分性が指摘される。
【0012】
更に、特許文献3では、どれだけ頑張っても、表面開口率は50%未満であり、厚みは3mm以下であるから、開口部に保持できる塵埃量が少な過ぎ、清掃性能が不十分である。
【0013】
他方、特許文献4の立体編物積層体は、自動車、鉄道車両、航空機、チャイルドシート、ベビーカー等の乗り物用のクッション材、事務用、寝具、ベッドパッド、マットレス、床ずれ防止マット、家具、枕、座布団等のクッション材に使用されるものであり、清掃具の払拭体への利用は全く意図されていない、ことが明らかである。
【0014】
同様に、特許文献5の立体織編地は、下水道施設,厨房除害施設,汚水槽などの腐食性雰囲気、例えば、硫化水素雰囲気に曝されるコンクリート構造物を保護するコンクリート防食用ライニングシートとして使用されるものであり、清掃具の払拭体への利用は全く考慮されていない、ことが明らかである。
【0015】
従って、本発明は、立体織物や立体編物などの立体布帛を従来全く予想もされていなかった清掃具の払拭体に利用し、払拭体に多数形成された穴による表面開口率を90%以上に調整し、しかも穴の深さを深浅自在に調整して、被清掃面の塵埃を大量に捕集できると同時に、大量の塵埃を穴の中に蓄積保持でき、しかも保持した塵埃を塵埃吸引装置により吸引して清浄化できる清掃用の立体網目型払拭体及びそれを利用した立体網目型清掃具を提供するものである。
技术功效语段:
【0029】本発明の第1の形態によれば、清掃具に取着されて払拭清掃に使用される払拭体において、前記払拭体として立体布帛が使用され、前記立体布帛では、多数の網目を略周期的に平面状に配列した網目層が間隔層を介して2層積層されており、前記2層の網目層は相互に同形の上側の網目と下側の網目が上下に連通するように配置された立体網目型払拭体が提供される。本願発明では、立体編物や立体織物などと称される立体布帛から払拭体を構成するところに特徴点を有する。一般の織物、編物、不織布は厚さが薄いため、清掃用の払拭体に利用しても、払拭体の厚みの内部に塵埃を蓄積保持することは極めて難しい。これに対し、立体布帛では、厚みを厚薄自在に調整でき、その厚みの内部に捕集した塵埃を蓄積保持できる利点がある。立体布帛の従来利用技術では、特許文献4、5のように、立体布帛の厚みの弾縮性を利用することに集中していたが、本願発明は、厚みの中に塵埃を捕集し蓄積保持する特徴点に着眼したものであり、本願発明者は、上記新規特性に着目して本願発明を想到したものである。前記立体布帛では、多数の網目を略周期的に平面状に配列した網目層が間隔層だけ離隔して2層積層されており、しかも前記2層の網目層は相互に同形の上側の網目と下側の網目が上下に連通するように配置されている特徴がある。網目の形状は、四角形や六角形や円などの種々の形状が繊維をリング状(下で云う環状糸)に織編みして形成されており、同形の上側の網目と下側の網目が上下に連通するように配置されている。従って、上側の網目から下側の網目を透視すると、途中には障害物が無く、この内部空間に塵埃を蓄積保持することができる。
【0030】また、本発明の第1の形態によれば、上下に連通した上側の網目と下側の網目を形成する2個の環状糸が複数本の連結糸で相互に周回状に連結されて連結糸側面が形成されており、前記間隔層は前記連結糸側面を内部に含んで構成されており、上下に連通した上側の網目と下側の網目及び連結糸側面により立体網目が形成される点に特徴を有する。上述したように、網目は繊維により環状に成形された環状糸から形成されており、上側の網目も下側の網目も同様である。従って、2個の環状糸が上下に離隔して配置されており、これら2個の環状糸を多数本の連結糸で上下に連結し、しかも多数本で周回状に連結している。つまり、上下に離隔した2個の環状糸の全周が多数の連結糸により連結され、多数の連結糸による連結糸側面が形成されることになる。例えば、環状糸が六角形であれば、六面の小側面が存在し、連結糸により小側面が連結糸小側面になり、六面の連結糸小側面により全側面である連結糸側面が形成されることになる。前記連結糸側面は上側の網目層と下側の網目層の間に存在し、前記間隔層はこの連結糸側面を内部に含んで構成されることになる。即ち、間隔層は略周期的に配置される多数の連結糸側面を内部に含んで構成されることになる。そして、上下に連通した上側の網目と下側の網目及び連結糸側面により立体網目が形成される点に特徴を有する。上側の網目と下側の網目とは上下の環状糸のことであり、上下の環状糸と連結糸側面により立体網目と称する筒状体が形成される。この立体網目では、上下の環状糸は開口面を形成し、連結糸側面は連結糸の太さだけ側面の一部に閉鎖が生じるが、連結糸と連結糸の間は開口されている。従って、連結糸の本数が多くなると、側面開口率が小さくなり、逆に連結糸の本数が少なくなると、側面開口率が大きくなる関係を有する。これらの場合に、多数の連結糸は略等間隔に側面に連結固定され、連結糸と連結糸の間にスリット状の微小側面開口部が形成され、これらの微小側面開口部が個数だけ足し合わされて側面開口部を形成する。側面の全面積に対する側面開口部の面積の比率が側面開口率を与える。
【0031】更に、本発明の第1の形態によれば、前記立体網目では内部空間を有し且つ上側の網目と下側の網目に開口面を有し、前記清掃具で清掃すると前記網目の開口面から塵埃を捕集して前記立体網目の内部空間に塵埃を保持する立体網目型払拭体が提供される。前述したように、前記立体網目では、上側の網目と下側の網目の環状糸以外の部分は開口面として開口されており、上側の網目又は下側の網目を被清掃面に接触させながら清掃すると、この開口面を介して塵埃を捕集することができる。また、環状糸は糸の太さだけの閉鎖率しか有しておらず、開口面による表面
权利要求:
【請求項1】
ハンドル部とその先端に設けられた把持部とこの把持部により支持される立体網目型払拭体からなる立体網目型モップであり、
前記立体網目型払拭体は、多数の網目を略周期的に平面状に配列した網目層が間隔層を介して2層又は3層以上積層されており、隣り合う前記2層の網目層は相互に同形の上側の網目と下側の網目が上下に連通するように配置されており、上下に連通した上側の網目と下側の網目を形成する2個の環状糸が複数本の連結糸で相互に周回状に連結されて連結糸側面が形成され、前記連結糸側面の側面開口率を20%~80%にして立体網目の内部空間に蓄積保持できる塵埃量を大きくし、前記間隔層は前記連結糸側面を内部に含んで構成されており、上下に連通した上側の網目と下側の網目及び連結糸側面により立体網目が形成され、前記立体網目では内部空間を有し且つ上側の網目と下側の網目に開口面を有し、前記立体網目型モップで清掃すると前記網目の開口面から塵埃を捕集して前記立体網目の内部空間に塵埃を保持するように構成されており、
前記把持部は棒状体で、把持部中央部とその左右に突設された把持部突出部と突板から構成され、突板はハンドル受とボタン軸で連結され、ハンドル受はボタン軸を支点にして左右に回動自在に構成され、
左右の把持部突出部はロック解除すると把持部中央部の両端で折れ曲がり自在になり、左右の把持部突出部を把持部中央部と平行にするとロックされ、
前記立体網目型払拭体は、中央で折り返して中央に湾曲部を形成し、その左右の端部は結合されて端部結合部となり、端部結合部の中央には結合されていない開放部が設けられ、端部結合部から所定距離だけ離れた位置に分割部材が設けられ、湾曲部の内部には分割部材の下方に空間部が設けられ、
左右の把持部突出部をロック解除して下方に垂下させ、この垂下状態で左右の把持部突出部を開放部から袋部の中に挿着して、左右の把持部突出部を水平状態にロックして把持部が立体網目型払拭体と一体化されることを特徴とする立体網目型モップ。
【請求項2】
ハンドル部とその先端に設けられた把持部とこの把持部により支持される立体網目型払拭体からなる立体網目型モップであり、
前記立体網目型払拭体は、多数の網目を略周期的に平面状に配列した網目層が間隔層を介して2層又は3層以上積層されており、隣り合う前記2層の網目層は相互に同形の上側の網目と下側の網目が上下に連通するように配置されており、上下に連通した上側の網目と下側の網目を形成する2個の環状糸が複数本の連結糸で相互に周回状に連結されて連結糸側面が形成され、前記連結糸側面の側面開口率を20%~80%にして立体網目の内部空間に蓄積保持できる塵埃量を大きくし、前記間隔層は前記連結糸側面を内部に含んで構成されており、上下に連通した上側の網目と下側の網目及び連結糸側面により立体網目が形成され、前記立体網目では内部空間を有し且つ上側の網目と下側の網目に開口面を有し、前記立体網目型モップで清掃すると前記網目の開口面から塵埃を捕集して前記立体網目の内部空間に塵埃を保持するように構成されており、
前記ハンドル部はハンドル本体とグリップからなり、
前記把持部は基板から構成され、把持部の上面には一対の突板が突設され、この一対の突板の間にハンドル本体の先端が挿入され、ボタン軸により突板に連結されて、ハンドル部はボタン軸の回りに回動自在に設けられ
前記立体網目型払拭体の中央部を把持部の清掃側面に面着させ、立体網目型払拭体の左右の端部を湾曲させて把持部の非清掃側面へと面着させて固定することを特徴とする立体網目型モップ。
【請求項3】
最上面の網目の開口面及び最下面の網目の開口面のいずれか一方を閉鎖糸で閉鎖面とし、他方を開口面のままとし、前記開口面から塵埃を捕集して拡大内部空間に塵埃を保持し、前記拡大内部空間に保持された塵埃が前記閉鎖面から放出されないようにした請求項1又は2に記載の立体網目型モップ。
【請求項4】
前記立体網目型払拭体において、1種又は2種以上の網目形状を有する請求項1~3のいずれか1項に記載の立体網目型モップ。
【請求項5】
前記立体網目型払拭体には、塵埃を吸着保持する吸着剤が担持される請求項1~4のいずれか1項に記載の立体網目型モップ。
【請求項6】
前記立体網目型払拭体は、固定電荷又は静電気で帯電される請求項1~4のいずれか1項に記載の立体網目型モップ。
【請求項7】
前記立体網目型払拭体として前記立体網目型払拭体に立体網目型払拭体以外の他の清掃用払拭材を組み合わせる請求項1~6のいずれか1項に記載の立体網目型モップ。
技术领域:
】
【0001】
本発明は、床面等の被清掃面を清掃するための払拭体に関し、更に詳細には、塵埃を清掃して捕集し、捕集した塵埃を払拭体の内部に保持することができる払拭体及び当該払拭体を利用した清掃具に関する。
【
背景技术:
】
【0002】
従来より、塵埃を清掃して捕集し、捕集した塵埃を払拭体の内部に保持することができる払拭体及びそれを利用した清掃具の開発が行われており、幾つかの特許文献が存在する。
第1に、特開平11-267079号公報(特許文献1)に記載された「多層構造の清掃用物品」がある。本願の図18は特許文献1における払拭体及び清掃具を示している。払拭体は清掃用物品Sとして示され、開口部を持たない層102の両面を開口部を持つ層101、101で狭着した3層構造の清掃用物品Sが示されている。実施例では、開口部を持たない層102と開口部を持つ層101は共に不織布から構成され、開口部103はウォータージェット又はニードルパンチで開口される、と記載されている。塵埃は開口部3の内部に保持され、開口部を持たない層102で通過を遮断される構成となっている。
特許文献1の問題点は、不織布に開口部103をウォータージェットやニードルパンチで開口するから、【0016】にあるように開口部103の個数密度として10~100個/cm2が限界であり、本願発明者の経験では、多数の開口部103の全開口面積の不織布全面積に対する比率、即ち表面開口率は50%が限界であると考えられる。また、【0014】にあるように開口部103を持つ層101の厚みは0.3~2.0mm程度であり、2.0mmが限界と考えられる。従って、この清掃用物品Sを清掃プレート111に巻回した清掃用モップ110で床面を清掃しても、開口部103に保持できる塵埃量はかなり少なく、清掃性能が不十分と考えられる。
【0003】
第2に、特許第3557047号公報(特許文献2)に記載された「床面掃除用シート」がある。本願の図19は特許文献2における払拭体を示している。その請求項1から分かるように、「スパンレース方式により得られた交絡不織布であって、穴あけ加工された不織布を含んで構成され、その開口数が30~300個/in2で、かつ開口率が5~50%である交絡不織布··からなることを特徴とする床面掃除用シート」が記載されている。
特許文献2の問題点として、表面開口率が5~50%に過ぎず、しかも交絡不織布の厚さは、経験上2mm程度が限界であるという点が掲げられる。その結果、清掃用モップを作製して床面を清掃しても、開口部に保持できる塵埃量が少なく、清掃性能の不十分性が指摘できる。
【0004】
第3に、特開2011-229871号公報(特許文献3)に記載された「清掃用シート」がある。本願の図20は特許文献3における清掃用シートを示す。この清掃用シート301は不織布302に多数の開孔部303を開口して形成されている。開孔部303には開孔部内を横断する繊維304が存在し、開孔部303からパン粉などの塵埃が脱落するのを防止している。そして、この清掃用シート301を台座311に巻回してモップ310を構成し、このモップ310で床材314を清掃することが図示されている。
特許文献3の問題点として、その請求項3に開孔部の最大径は1mm~3mm以下と限定され、【0012】に「清掃用シート1としての塵取性能をより確実に確保するためには··厚みが0.01~3mmであるものが好ましい。」と記載されていることである。また、開孔部の個数については、【0024】に、「··実施例1から8のいずれのスパンレース不織布についても、寸法が縦210mm×横310mm、厚さ0.8mm、開孔部の
配列パターンと数が格子状で縦20個/1列×横40個/1列··」と記載されている。つまり、不織布全面積=65100mm2、全開孔部面積=5652mm2であるから、表面開口率=5652/65100×100%=8.7%である。
即ち、どれだけ頑張っても、特許文献3では表面開口率は50%未満であり、厚みは3mm以下であるから、開口部に保持できる塵埃量が少な過ぎ、清掃性能の不十分性が顕著である。
【0005】
发明内容:
】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述したように、特許文献1では、不織布に開口部103をウォータージェットやニードルパンチで開口するものであるから、開口部の個数に限界があり、多数の開口部の全開口面積の不織布全面積に対する比率、即ち表面開口率が50%を限界とすることである。しかも、不織布では厚さも薄く、開口部に蓄積保持できる塵埃量はかなり少なく、清掃性能が不十分という欠点がある。
【0011】
また、特許文献2では、表面開口率が5~50%に過ぎず、しかも交絡不織布の厚さは、経験上2mm程度が限界であるという点が掲げられる。その結果、清掃用モップを作製して床面を清掃しても、開口部に保持できる塵埃量が少なく、清掃性能の不十分性が指摘される。
【0012】
更に、特許文献3では、どれだけ頑張っても、表面開口率は50%未満であり、厚みは3mm以下であるから、開口部に保持できる塵埃量が少な過ぎ、清掃性能が不十分である。
【0013】
他方、特許文献4の立体編物積層体は、自動車、鉄道車両、航空機、チャイルドシート、ベビーカー等の乗り物用のクッション材、事務用、寝具、ベッドパッド、マットレス、床ずれ防止マット、家具、枕、座布団等のクッション材に使用されるものであり、清掃具の払拭体への利用は全く意図されていない、ことが明らかである。
【0014】
同様に、特許文献5の立体織編地は、下水道施設,厨房除害施設,汚水槽などの腐食性雰囲気、例えば、硫化水素雰囲気に曝されるコンクリート構造物を保護するコンクリート防食用ライニングシートとして使用されるものであり、清掃具の払拭体への利用は全く考慮されていない、ことが明らかである。
【0015】
従って、本発明は、立体織物や立体編物などの立体布帛を従来全く予想もされていなかった清掃具の払拭体に利用し、払拭体に多数形成された穴による表面開口率を90%以上に調整し、しかも穴の深さを深浅自在に調整して、被清掃面の塵埃を大量に捕集できると同時に、大量の塵埃を穴の中に蓄積保持でき、しかも保持した塵埃を塵埃吸引装置により吸引して清浄化できる清掃用の立体網目型払拭体及びそれを利用した立体網目型清掃具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、本発明の第1の形態は、清掃具に取着されて払拭清掃に使用される払拭体において、前記払拭体として立体布帛が使用され、前記立体布帛では、多数の網目を略周期的に平面状に配列した網目層が間隔層を介して2層積層されており、前記2層の網目層は相互に同形の上側の網目と下側の網目が上下に連通するように配置されており、上下に連通した上側の網目と下側の網目を形成す
る2個の環状糸が複数本の連結糸で相互に周回状に連結されて連結糸側面が形成され、前記間隔層は前記連結糸側面を内部に含んで構成されており、上下に連通した上側の網目と下側の網目及び連結糸側面により立体網目が形成され、前記立体網目では内部空間を有し且つ上側の網目と下側の網目に開口面を有し、前記清掃具で清掃すると前記網目の開口面から塵埃を捕集して前記立体網目の内部空間に塵埃を保持する立体網目型払拭体である。
【0017】
本発明の第2の形態は、前記上側の網目の開口面及び前記下側の網目の開口面のいずれか一方を閉鎖糸で閉鎖面とし、他方を開口面のままとし、前記開口面から塵埃を捕集して内部空間に塵埃を保持し、前記内部空間に保持された塵埃が前記閉鎖面から放出され難くした立体網目型払拭体である。
【0018】
本発明の第3の形態は、清掃具に取着されて払拭清掃に使用される払拭体において、前記払拭体として立体布帛が使用され、前記立体布帛では、多数の網目を略周期的に平面状に配列した網目層を間隔層を介して3層以上積層することにより前記間隔層が2層以上積層状態で存在し、隣り合う2層の網目層は相互に同形の上側の網目と下側の網目が上下に連通するように配置されており、上下に連通した上側の網目と下側の網目を形成する2個の環状糸が複数本の連結糸で相互に周回状に連結されて連結糸側面が形成され、前記間隔層は前記連結糸側面を内部に含んで構成されており、上下に連通した上側の網目と下側の網目及び連結糸側面により立体網目が形成され、前記立体網目では内部空間を有し且つ上側の網目と下側の網目に開口面を有し、一つの間隔層では多数の前記立体網目が略周期的に配列して構成されており、前記間隔層が2層以上積層されることにより、前記立体網目が直上に2個以上積層されて拡大立体網目が形成され、前記拡大立体網目では2個以上の前記内部空間が連通状に積層された拡大内部空間が形成され、しかも最上面の網目と最下面の網目に開口面を有し、多数の拡大立体網目が略周期的に配列して構成されており、前記清掃具で清掃すると前記拡大立体網目の開口面から塵埃を捕集して前記拡大立体網目の拡大内部空間に塵埃を保持する立体網目型払拭体である。
【0019】
本発明の第4の形態は、前記最上面の網目の開口面及び前記最下面の網目の開口面のいずれか一方を閉鎖糸で閉鎖面とし、他方を開口面のままとし、前記開口面から塵埃を捕集して拡大内部空間に塵埃を保持し、前記拡大内部空間に保持された塵埃が前記閉鎖面から放出されないようにした立体網目型払拭体である。
【0020】
本発明の第5の形態は、前記立体布帛において、2種以上の網目形状を有する立体網目型払拭体である。
【0021】
本発明の第6の形態は、前記立体布帛には、塵埃を吸着保持する吸着剤が担持される立体網目型払拭体である。
【0022】
本発明の第7の形態は、前記立体布帛が、固定電荷又は静電気で帯電される立体網目型払拭体である。
【0023】
本発明の第8の形態は、前記払拭体として前記立体布帛に立体布帛以外の他の清掃用払拭材を組み合わせる立体網目型払拭体である。
【0024】
本発明の第9の形態は、第1形態~第8形態のいずれかの立体網目型払拭体を使用し、前記立体網目型払拭体が装着される把持部と、前記把持部に連結されたハンドル部から構成され、前記立体網目型払拭体を被清掃面に接触させて清掃すると、被清掃面から塵埃が前記網目の開口面を通して捕集され、前記立体網目の内部空間又は前記拡大立体網目の拡大内部空間に塵埃を保持する立体網目型清掃具である。
【0025】
本発明の第10の形態は、前記把持部が基板からなり、前記立体網目型払拭体の払拭体中央部を前記把持部の清掃側面に面接させて配置し、前記立体網目型払拭体の両端部を前記把持部に固定し、前記立体網目型払拭体を前記被清掃面に押接して清掃する立体網目型清掃具である。
【0026】
本発明の第11の形態は、前記立体網目型払拭体は湾曲状に折り返された湾曲部を有し、その左右の端部は前記把持部と連結され、前記湾曲部の内部には空間部が形成され、前記湾曲部を被清掃面に押接して清掃する立体網目型清掃具である。
【0027】
本発明の第12の形態は、左右の前記端部を相互に結合させて端部結合部を形成し、端部結合部の一部を開口して開放部を設け、端部結合部に連接して袋部を設け、開放部から前記把持部を挿入して袋部に挿着し、把持部を前記立体網目型払拭体と一体化する立体網目型清掃具である。
【0028】
本発明の第13の形態は、前記把持部は二つの噛合部が弾性的に開閉自在に構成され、前記立体網目型払拭体の左右の端部が前記噛合部により噛合されて前記把持部と一体化する立体網目型清掃具である。
【発明の効果】
【0029】
本発明の第1の形態によれば、清掃具に取着されて払拭清掃に使用される払拭体において、前記払拭体として立体布帛が使用され、前記立体布帛では、多数の網目を略周期的に平面状に配列した網目層が間隔層を介して2層積層されており、前記2層の網目層は相互に同形の上側の網目と下側の網目が上下に連通するように配置された立体網目型払拭体が提供される。
本願発明では、立体編物や立体織物などと称される立体布帛から払拭体を構成するところに特徴点を有する。一般の織物、編物、不織布は厚さが薄いため、清掃用の払拭体に利用しても、払拭体の厚みの内部に塵埃を蓄積保持することは極めて難しい。これに対し、立体布帛では、厚みを厚薄自在に調整でき、その厚みの内部に捕集した塵埃を蓄積保持できる利点がある。立体布帛の従来利用技術では、特許文献4、5のように、立体布帛の厚みの弾縮性を利用することに集中していたが、本願発明は、厚みの中に塵埃を捕集し蓄積保持する特徴点に着眼したものであり、本願発明者は、上記新規特性に着目して本願発明を想到したものである。
前記立体布帛では、多数の網目を略周期的に平面状に配列した網目層が間隔層だけ離隔して2層積層されており、しかも前記2層の網目層は相互に同形の上側の網目と下側の網目が上下に連通するように配置されている特徴がある。網目の形状は、四角形や六角形や円などの種々の形状が繊維をリング状(下で云う環状糸)に織編みして形成されており、同形の上側の網目と下側の網目が上下に連通するように配置されている。従って、上側の網目から下側の網目を透視すると、途中には障害物が無く、この内部空間に塵埃を蓄積保持することができる。
【0030】
また、本発明の第1の形態によれば、上下に連通した上側の網目と下側の網目を形成する2個の環状糸が複数本の連結糸で相互に周回状に連結されて連結糸側面が形成されており、前記間隔層は前記連結糸側面を内部に含んで構成されており、上下に連通した上側の網目と下側の網目及び連結糸側面により立体網目が形成される点に特徴を有する。
上述したように、網目は繊維により環状に成形された環状糸から形成されており、上側の網目も下側の網目も同様である。従って、2個の環状糸が上下に離隔して配置されており、これら2個の環状糸を多数本の連結糸で上下に連結し、しかも多数本で周回状に連結している。つまり、上下に離隔した2個の環状糸の全周が多数の連結糸により連結され、多数の連結糸による連結糸側面が形成されることになる。例えば、環状糸が六角形であれば、六面の小側面が存在し、連結糸により小側面が連結糸小側面になり、六面の連結糸小
側面により全側面である連結糸側面が形成されることになる。
前記連結糸側面は上側の網目層と下側の網目層の間に存在し、前記間隔層はこの連結糸側面を内部に含んで構成されることになる。即ち、間隔層は略周期的に配置される多数の連結糸側面を内部に含んで構成されることになる。
そして、上下に連通した上側の網目と下側の網目及び連結糸側面により立体網目が形成される点に特徴を有する。上側の網目と下側の網目とは上下の環状糸のことであり、上下の環状糸と連結糸側面により立体網目と称する筒状体が形成される。この立体網目では、上下の環状糸は開口面を形成し、連結糸側面は連結糸の太さだけ側面の一部に閉鎖が生じるが、連結糸と連結糸の間は開口されている。従って、連結糸の本数が多くなると、側面開口率が小さくなり、逆に連結糸の本数が少なくなると、側面開口率が大きくなる関係を有する。これらの場合に、多数の連結糸は略等間隔に側面に連結固定され、連結糸と連結糸の間にスリット状の微小側面開口部が形成され、これらの微小側面開口部が個数だけ足し合わされて側面開口部を形成する。側面の全面積に対する側面開口部の面積の比率が側面開口率を与える。
【0031】
更に、本発明の第1の形態によれば、前記立体網目では内部空間を有し且つ上側の網目と下側の網目に開口面を有し、前記清掃具で清掃すると前記網目の開口面から塵埃を捕集して前記立体網目の内部空間に塵埃を保持する立体網目型払拭体が提供される。
前述したように、前記立体網目では、上側の網目と下側の網目の環状糸以外の部分は開口面として開口されており、上側の網目又は下側の網目を被清掃面に接触させながら清掃すると、この開口面を介して塵埃を捕集することができる。また、環状糸は糸の太さだけの閉鎖率しか有しておらず、開口面による表面開口率は90%以上であり、大量の塵埃を誘導捕集することが可能である。
また、前記立体網目では内部空間を有し、この内部空間に塵埃を蓄積保持することができる。しかも、側面は多数の連結糸からなる連結糸側面となっており、連結糸の本数により、側面開口率が0%~100%まで調整できる。即ち、多数の連結糸で側面を完全に閉鎖すれば、側面開口率は0%になる。また、連結糸を完全にゼロ本にすれば、側面開口率は100%になる。連結糸の本数を制御すれば、側面開口率は0%~100%まで調整できるのである。側面開口率は連結糸の太さと本数の両者に依存する。
【0032】
また更に、本発明の第1の形態によれば、側面開口率が20%~80%のときに、本願発明の立体網目型払拭体を最適化でき、有効な清掃具を提供することができる。
後述するように、本発明者の実験によれば、側面開口率が20%~80%のときに、塵埃捕集量が実用に耐えることが分かった。また、塵埃捕集量が最大になるのは、上記実験では側面開口率が50%前後のときであったが、更に詳細研究により、最大塵埃捕集量の側面開口率は変動すると思われる。しかし、側面開口率が20%~80%が有効であることは重要な結果を与え、且つ30%~70%のときにはより効率的であることが分かった。
また、再度記すが、本発明では表面開口率を90%以上にすることは容易であり、特許文献1~特許文献3の従来技術では、表面開口率が50%以下でしかないのと比較すると、本願発明が画期的な清掃具を提供していることが分かる。それに加えて、側面開口率が20%~80%、より望ましくは30%~70%のときに立体網目の内部空間に蓄積保持できる塵埃量が大きくなることが、本発明者の研究により初めて明らかになった。
【0033】
本発明の第2の形態によれば、前記上側の網目の開口面及び前記下側の網目の開口面のいずれか一方を閉鎖糸で閉鎖面とし、他方を開口面のままとし、前記開口面から塵埃を捕集して内部空間に塵埃を保持し、前記内部空間に保持された塵埃が前記閉鎖面から放出され難くした立体網目型払拭体を提供できる。
上側の網目と下側の網目の両方が開口面を有する場合には、一方の開口面から捕集された塵埃が他方の開口面から逃散してゆくこともあり得る。その場合には、内部空間に蓄積
保持される塵埃が減量することになる。そこで、本形態では、他方の開口面を閉鎖糸で閉鎖して閉鎖面とすれば、内部空間に蓄積された塵埃は閉鎖面から逃散することが無くなり、逆に塵埃の減量を防止して蓄積保持できる塵埃量の増大を図ることが可能になる。
開口面を閉鎖糸で閉鎖するには、一本の閉鎖糸を開口面の真中に配置するだけでもよいし、複数本の閉鎖糸で閉鎖してもよいし、多数の閉鎖糸により完全遮断してもよい等、種々の形態をとることができる。塵埃には砂のような粒子成分だけでなく、特に家庭ごみの多くは糸屑も多く、一本だけで遮断できる塵埃も多い。閉鎖糸の形態は状況に応じて可変である。
【0034】
本発明の第3の形態によれば、清掃具に取着されて払拭清掃に使用される払拭体において、前記払拭体として立体布帛が使用され、前記立体布帛では、多数の網目を略周期的に平面状に配列した網目層を間隔層を介して3層以上積層することにより前記間隔層が2層以上積層状態で存在する立体網目型払拭体が提供される。
本形態では、立体布帛が網目層-間隔層-網目層-間隔層-網目層··といった具合に構成されており、換言すれば3層以上の網目層と2層以上の間隔層からなる多重の立体布帛で構成された立体網目型払拭体が対象となる。立体編成や立体織成の装置では、連続的に積み上げながら多層に編織成できるから、全ての網目層が同じ太さで形成することができ、最上層と最下層と中間層の網目層の全てが同等の構造を有している。
他方、第1形態では、網目層-間隔層-網目層からなる最小単位の立体布帛が対象とさ
れていた。この最小単位の立体布帛を2段以上重ねて本形態の多重の立体布帛を構成してもよい。この場合には、網目層-間隔層-網目層と網目層-間隔層-網目層を重ねるから、網目層-間隔層-網目層·網目層-間隔層-網目層··となり、最下面と最上面の網目層を除いて、中間の網目層が網目層·網目層のように太くなる傾向を有する。
以上のように構成すれば、立体布帛の厚さを厚薄自在に調整でき、内部に貯蔵保持できる塵埃量の増大化を図ることができる。
【0035】
また、本発明の第3の形態によれば、隣り合う2層の網目層は相互に同形の上側の網目と下側の網目が上下に連通するように配置されており、上下に連通した上側の網目と下側の網目を形成する2個の環状糸が複数本の連結糸で相互に周回状に連結されて連結糸側面が形成され、前記間隔層は前記連結糸側面を内部に含んで構成された立体網目型払拭体が提供される。
しかも、上下に連通した上側の網目と下側の網目及び連結糸側面により立体網目が形成され、前記立体網目では内部空間を有し且つ上側の網目と下側の網目に開口面を有し、一つの間隔層では多数の前記立体網目が略周期的に配列して構成されており、内部空間に塵埃を保持する立体網目型払拭体が提供できる。
以上の構成は、第1形態で提供される立体網目型払拭体と同じ構成であるから、第1形態が有する作用·効果を当然に発現する者であり、第1形態での記載を参酌してここでは
その記載を省略する。
【0036】
更に、本発明の第3の形態によれば、前記間隔層が2層以上積層されることにより、前記立体網目が直上に2個以上積層されて拡大立体網目が形成され、前記拡大立体網目では2個以上の前記内部空間が連通状に積層された拡大内部空間が形成され、しかも最上面の網目と最下面の網目に開口面を有し、多数の拡大立体網目が略周期的に配列して構成された立体網目型払拭体が提供できる。
第1形態で説明した立体網目の2個以上が直上に積層されて、2個以上の立体網目の合成体である拡大立体網目が構成される。個々の立体網目は内部空間を有しているから、これらの内部空間が合成された拡大内部空間が拡大立体網目の内部に形成されることになる。障害物が存在しない内部空間の2個以上が連通状態で合成されて拡大内部空間が形成されているから、拡大内部空間の内部にも障害物は存在していない。
拡大内部空間の最上面の網目と最下面の網目にはそれぞれ開口面が存在するから、最上
面の網目の開口面から最下面の網目の開口面を見ると、大きな拡大内部空間が透視できる。被清掃面に最上面の開口面又は最下面の開口面を接触させて清掃作業を行うと、前記開口面から塵埃を捕集して、拡大内部空間が一杯になるまで塵埃を蓄積保持することができる。従って、当該立体布帛を立体網目型払拭体として利用した清掃具では、前記清掃具で清掃すると前記拡大立体網目の開口面から塵埃を捕集して前記拡大立体網目の拡大内部空間に塵埃を大量に蓄積保持することができる立体網目型払拭体を実現することができた。
【0037】
また更に、本発明の第3の形態では、拡大立体網目の側面は、個々の立体網目の連結糸側面が上下に連続した拡大連結糸側面から構成されている。従って、拡大立体網目は最上面の網目と最下面の網目と拡大連結糸側面から形成されることになる。
拡大連結糸側面では、連結糸の本数により、側面開口率が0%~100%まで調整できる。即ち、多数の連結糸で側面を完全に閉鎖すれば、側面開口率は0%になる。また、連結糸を完全にゼロ本にすれば、側面開口率は100%になる。連結糸の本数を制御すれば、側面開口率は0%~100%まで調整できるのである。側面開口率は連結糸の太さと本数の両者に依存する。
また、本発明の第3の形態においても、第1形態と同様に、拡大連結糸側面の側面開口率が20%~80%のときに、本願発明の立体網目型払拭体を最適化でき、有効な清掃具を提供することができる。前述したように、本発明者の実験によれば、側面開口率が20%~80%のときに、塵埃捕集量が実用に耐えることが分かった。また、塵埃捕集量が最大になるのは、上記実験では側面開口率が50%前後のときであった。しかし、この値は、更なる詳細研究により変動すると思われる。しかし、側面開口率が20%~80%が有効であることは重要な結果を与え、且つ30%~70%のときにはより効率的であることが分かった。
最後に、本発明では表面開口率を90%以上にすることは容易であり、特許文献1~特許文献3の従来技術では、表面開口率が50%以下でしかないのと比較すると、本願発明が画期的な清掃具を提供していることが分かる。それに加えて、側面開口率が20%~80%、より望ましくは30%~70%のときに立体網目の内部空間に蓄積保持できる塵埃量が大きくなることが、本発明者の研究により初めて明らかになった。
【0038】
本発明の第4の形態によれば、前記最上面の網目の開口面及び前記最下面の網目の開口面のいずれか一方を閉鎖糸で閉鎖面とし、他方を開口面のままとし、前記開口面から塵埃を捕集して拡大内部空間に塵埃を保持し、前記拡大内部空間に保持された塵埃が前記閉鎖面から放出されないようにした立体網目型払拭体である。
拡大立体網目において、最上面の網目と最下面の網目の両方が開口面を有する場合には、一方の開口面から捕集された塵埃が他方の開口面から逃散してゆくこともあり得る。この場合には、拡大内部空間に蓄積保持される塵埃が減量することになる。そこで、本形態では、他方の開口面を閉鎖糸で閉鎖して閉鎖面とすれば、拡大内部空間に蓄積された塵埃は閉鎖面から逃散することが無くなり、逆に塵埃の減量を防止して蓄積保持で
具体实施方式:
】
【0049】
以下に、本発明に係る立体網目型払拭体30及び立体網目型清掃具1の実施形態を添付する図面に従って詳細に説明する。
【0050】
図1は、本発明に係る立体網目型払拭体30を使用した立体網目型清掃具1の実施例1を説明する全体斜視図である。
大きく分けると、立体網目型清掃具1はハンドル部10と、その先端に設けられた把持部20と、この把持部20により支持される立体網目型払拭体30から構成されている。
【0051】
ハンドル部10は、手で把握されるグリップ12と、長軸のハンドル本体10aから構成される。把持部20は棒状体で、把持部中央部21とその左右に突設された把持部突出部23、24と突板22から構成されている。突板22はハンドル受13とボタン軸14で連結され、ハンドル受13はボタン軸14を支点にして左右に回動自在に構成される。また、前記ハンドル本体10aの先端はハンドル受13に挿入されてハンドル部10と把持部20が一体になる。従って、ハンドル部10はボタン軸14を支点に把持部20に対し左右に回動することができる。左右の把持部突出部23、24はロック解除すると把持部中央部21の両端で折れ曲がり自在になり、自由状態で重力により垂下して左右に揺動自在になる。また、左右の把持部突出部23、24を把持部中央部21と平行に水平状態にするとロックされ、図1の如く水平状態に保持される。
【0052】
立体網目型払拭体30は、矩形状の立体布帛31を中央で折り返して中央に湾曲部38を形成し、その左右の端部34a、34aは結合されて端部結合部34となっている。結合には融着や縫着などの各種結合が利用される。また、端部結合部34の中央には結合されていない開放部33が設けられている。また、端部結合部34から所定距離だけ離れた位置に分割部材35が立体布帛31の幅一杯に設けられて、端部結合部34と分割部材35の間に袋部36が立体布帛31の幅一杯に設けられている。更に、湾曲部38の内部には、分割部材35の下方に空間部37が設けられている。
【0053】
ハンドル部10の前記把持部20を前記袋部36の中に挿着するために、次の手順が行われる。まず、ハンドル部10を挿着する前に、左右の把持部突出部23、24をロック解除して下方に垂下させる。左右の把持部突出部23、24は揺動状態で垂下しており、この揺動垂下状態で左右の把持部突出部23、24を同時に袋部36の中に挿着する。勿論一本ずつ挿着してもよい。挿着されると、左右の把持部突出部23、24は水平状態にロックされる。こうして、把持部20が立体網目型払拭体30と一体化される。
【0054】
前述したように、立体網目型払拭体30は立体布帛31で成形されている。この立体布帛31の構造が図1に一点鎖線に囲繞されて図示されている。つまり、一点鎖線で囲繞された立体布帛構造31aが全面に広がって形成されたものが立体布帛31である。この立体布帛31は、織物や編物のようなタオル状の布帛であるが、タオルと異なるのは厚みがかなりあり、厚み方向に弾縮性能を有する点である。業界では、立体織物や立体編物と称されるが、本願では両者を含む広義の概念として立体布帛31と称する。立体布帛31は無数の立体網目32が略周期的に平面状に配列して構成され、立体網目32の特性に基づいて弾縮性能を発現する。その詳細な構造は後述する。
【0055】
この実施例1の立体網目型清掃具1を用いて二点鎖線で示す被清掃面60を清掃するには、湾曲部38の最下端部を被清掃面60に接触させ、ハンドル部10を両手で握って掃き掃除すればよい。前記立体網目32の開口面の表面開口率、即ち、開口面の全面積と立体網目32の表面の全面積との比率は90%以上と極めて大きいから、塵埃62の捕集効率が極めて大きい。従って、被清掃面60の塵埃は、湾曲部38にある多数の立体網目32の表面の開口面43から高効率に捕集される。 捕集された塵埃62は立体網目32の
内部に確実に蓄積して保持される。後述するように、立体網目32の側面には多数の連結糸45が存在し、立体網目32から側面側へ塵埃62が放出されることはない。また、立体網目32の奥が開口面43になっているときには、仮に塵埃62が排出されても、塵埃62は立体網目型払拭体30の内部の空間部37に保持されるから、被清掃面60に排出されることはない。更に、立体網目32の奥が閉鎖されている場合には、立体網目32から塵埃62が逃散ことができず、塵埃62の保持機能は最大効率に達する。
【0056】
図2は、本発明に係る立体網目型払拭体30を使用した立体網目型清掃具1の実施例2を説明する全体斜視図である。
この実施例2では、ハンドル部10はハンドル本体10aとグリップ12からなり、把持部20は基板から構成されている。図示されていないが、把持部20の上面には一対の突板が突設され、この一対の突板の間にハンドル本体10aの先端が挿入され、ボタン軸14により突板に連結されて、ハンドル部10はボタン軸14の回りに回動自在に設けられている。
【0057】
立体網目型払拭体30は立体布帛31を矩形状に裁断して形成されており、立体網目型払拭体30の中央部を把持部20の清掃側面25に面着させ、立体布帛31の左右の端部34a、34aを湾曲させて把持部20の非清掃側面26へと面着させて面ファスナーなどの手段で固定する。
前述したように、立体網目型払拭体30は立体布帛31で成形されおり、立体布帛31の一部が立体布帛構造31aとして一点鎖線に囲繞されて図示されている。前述と同様、一点鎖線で囲繞された立体布帛構造31aが全面に広がって形成されたものが立体布帛31である。この立体布帛31は、厚さが大きくて厚さ方向に弾縮性能を有している。この立体布帛31は無数の立体網目32が略周期的に平面状に配列して構成され、立体網目32の特性に基づいて弾縮性能を発現する。その詳細な構造は後述する。
【0058】
この実施例2の立体網目型清掃具1を用いて二点鎖線で示す被清掃面60を清掃するには、把持部20の清掃側面25にある立体網目型払拭体30の中央を被清掃面60に面接触させて、ハンドル部20を押し引きするだけでよい。
前述したように、立体網目32の開口面43の表面開口率、即ち、開口面43の全面積と立体網目32の表面の全面積との比率は90%以上と極めて大きいから、塵埃62の捕集効率が極めて大きい。この理由は、立体網目32では、網目を形成する網目糸以外の領域は全て開放されているから、網目糸の表面被覆率は10%以下とかなり小さく、その結果表面開口率が90%以上となるからである。従って、被清掃面60の塵埃62は、湾曲部38にある多数の立体網目32の表面の開口面43から高効率に捕集される。
捕集された塵埃は立体網目32の内部に確実に蓄積して保持される。後述するように、立体網目32の側面には多数の連結糸45が存在し、立体網目32から側面側へ塵埃が放出されることはない。また、立体網目32の奥は把持部20の表面で閉鎖されているから、塵埃62が立体網目32から逃散されることはない。従って、塵埃62を蓄積し保持する機能は最大効率に達する。
【0059】
図3は、本発明に係る立体網目型払拭体30を網目層-間隔層-網目層からなる1層式の立体布帛31で構成した立体布帛構造31aの斜視図である。
立体網目型払拭体30の立体布帛構造31aは、多数の網目41を略周期的に平面状に配列した網目層40が間隔層42を介して2層積層されており、前記2層の網目層40、40は相互に同形の上側の網目41aと下側の網目41bが上下に連通するように配置されている。上下に連通した上側の網目41aと下側の網目41bを形成する2個の環状糸44、44が複数本の連結糸45で相互に周回状に連結されて連結糸側面46が形成されている。前記間隔層42は前記連結糸側面46を内部に含んで構成されている。
上下に連通した上側の網目41aと下側の網目41b及び連結糸側面46により立体網
目32が形成され、この立体網目32では内部空間47を有し且つ上側の網目41aと下側の網目41bに開口面43、43を有している。換言すれば、上側の環状糸44と下側の環状糸44を多数の連結糸45で連結して連結糸側面46を形成すると、上下の環状糸44と連結糸側面46から筒状体、つまり立体網目32が形成され、この筒状体が平面状に略周期的に並設されると、上下の環状糸44、44を除いた厚み層が間隔層42になるわけである。筒状体である立体網目32の内部は全くの空間で内部空間47になる。
【0060】
前記立体網目型清掃具1で被清掃面60を清掃すると前記網目41の開口面43から塵埃62を効率的に捕集することができる。その理由は、立体網目32の開口面43の表面開口率、即ち、開口面43の全面積と立体網目32の表面の全面積との比率は90%以上と極めて大きいから、塵埃62の捕集効率が極めて大きい。この理由は、立体網目32では、網目を形成する環状糸44以外の領域は全て開放されており、環状糸44の表面被覆率は10%以下とかなり小さく、その結果表面開口率が90%以上となるからである。
また、立体網目32に捕集された塵埃62は、前記立体網目32の内部空間47に蓄積され、内部空間47から逃散することができない。その理由は、捕集された塵埃62は連結糸側面46から逃散しようとしても多数本の連結糸45に阻止されて逃散することができず、内部空間47に保持されることになる。
より詳細には、連結糸45の本数により、側面開口率を0%~100%まで調整して試験すると、側面開口率が20%~80%のときに、内部空間47での塵埃62の蓄積と保持が効率的になり、本願発明の立体網目型払拭体30を最適化でき、有効な清掃具を提供できることが分かった。塵埃捕集率が最大になるのは、後述の実験では側面開口率が約50%であったが、実際には条件により変動して40%~60%であると考えられる。この塵埃捕集率の最大点の変動性を考慮すると、側面開口率が20%~80%が有利であり、30%~70%のときにはより効率的であると考えられる。
【0061】
図4は、本発明に係る立体網目型払拭体30を網目層-間隔層-網目層-間隔層-網目層からなる2層式の立体布帛31で構成した立体布帛構造31aの斜視図である。
前記立体布帛構造31aでは、多数の網目41を略周期的に平面状に配列した網目層40を間隔層42を介して3層以上積層することにより前記間隔層42が2層以上積層状態で存在している。隣り合う2層の網目層40、40は相互に同形の上側の網目41aと下側の網目41bが上下に連通するように配置されている。
上下に連通した上側の網目41aと下側の網目41bを形成する2個の環状糸44、44が複数本の連結糸45で相互に周回状に連結されて連結糸側面46が形成される。前記間隔層42は前記連結糸側面46を内部に含んで構成されており、上下に連通した上側の網目41aと下側の網目41b及び連結糸側面46により立体網目32が形成されている。
前記立体網目32では内部空間47を有し、且つ上側の網目41aと下側の網目41bに開口面43を有している。
【0062】
一つの間隔層42では多数の前記立体網目32が略周期的に配列して構成されており、前記間隔層42が2層以上積層されることにより、前記立体網目32が直上に2個以上積層されて拡大立体網目50が形成される。前記拡大立体網目50では、2個以上の前記内部空間47が連通状に積層されて拡大内部空間52が形成され、しかも最上面の網目51aと最下面の網目51bに開口面43を有し、多数の拡大立体網目50が略周期的に配列して構成されている。
前記立体布帛31を多層に積層した立体網目型清掃具1で清掃すると、前記拡大立体網目50の開口面43から塵埃62を捕集して前記拡大立体網目50の拡大内部空間52に塵埃62を捕集し、蓄積して保持することができる。
【0063】
この多層式の立体網目型清掃具1で被清掃面60を清掃しても、最上面の網目51a又
は最下面の網目51bの開口面43から塵埃62を効率的に捕集することができる。その理由は、一層式の立体網目型清掃具1と同様で、立体網目32の開口面43の表面開口率、即ち、開口面43の全面積と立体網目32の表面の全面積との比率は90%以上と極めて大きいから、塵埃62の捕集効率が極めて大きいからである。
また、拡大立体網目50に捕集された塵埃62は、前記拡大立体網目50の拡大内部空間52に大量に蓄積され、拡大内部空間52から逃散することができない。その理由は、捕集された塵埃62は連結糸側面46の多数本の連結糸45に阻止されて逃散することができず、拡大内部空間52に保持されることになる。
この多層式の立体網目型清掃具1においても、側面開口率が20%~80%のときに、内部空間47での塵埃62の蓄積と保持が効率的になり、30%~70%のときにより効率的であると考えられる。
【0064】
図5は、本発明に係る立体網目型払拭体30を網目層-厚目の間隔層-網目層からなる1層式の立体布帛31で構成した立体布帛構造31aの斜視図である。
この立体網目型払拭体30は図3と比較して連結糸45の長さが長いだけで、その他の特徴は全く同様である。つまり、間隔層42の厚さが厚いだけであり、図3の立体網目型払拭体30の構成と作用と効果はほぼ同様であると云える。
間隔層42を厚くするには、図4の如く多層式にしてもよいし、図5の如く連結糸45の長さを長くしてもよい。いずれの方式でも、作用効果は同様であり、茲ではそれ以上の説明を省略する。
【0065】
図6は、本発明に係る立体網目型払拭体30において、四角·六角·円·楕円などの各種網目形状を示した立体布帛31の部分平面図である。
(6A)では、六角形状の多数の網目41からなる立体布帛31が示されている。(6B)では、四角形状の