IPC分类号:
A47K7/00 | A47L13/17 | G01N33/36
国民经济行业分类号:
C2239 | C3029 | C1772 | C3373 | C2927 | C3054 | C3383 | C3074 | C1779 | C3072
当前申请(专利权)人地址:
愛媛県四国中央市金生町下分182番地
代理人:
青木 篤 | 三橋 真二 | 小野田 浩之 | 奥野 剛規 | 藤本 健治
摘要:
【課題】本発明は、蛋白質を含む薬液を用いたウェットシートが時間の経過に伴って黄変が生じやすいものなのか否かを短時間で評価し得る評価方法、および当該評価方法によって評価されたウェットシートを提供するものである。
【解決手段】本発明の評価方法は、繊維基材に蛋白質を含む薬液を含浸してなるウェットシートの製造前に、ウェットシートの黄変の発生有無を評価する評価方法であって、前記繊維基材を構成する繊維の集合体を容器に入れて、前記容器内の繊維の集合体に前記薬液を添加する第1の工程と、前記容器を非密封状態のまま、40℃以上の温度に設定された加温機内で所定時間加温する第2の工程と、前記所定時間加温した後の容器内の繊維の集合体に対して外観検査を行う第3の工程と、を含むものである。
さらに、本発明のウェットシートは、上記評価方法で黄変が生じないと評価されたものである。
【選択図】図1
技术问题语段:
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなコラーゲン等の蛋白質が薬液に添加されたウェットシートは、時間が経過すると、局所的に黄色や褐色に変色(以下、このような変色を「黄変」と称する。)する場合があった。このような黄変が生じてしまうと、上述の蛋白質による効果に対して疑義を生じかねず、ウェットシートとしての商品価値も低下してしまう恐れがあるため、このようなウェットシートを製造する際は、黄変が生じにくい製造条件(例えば、薬液の組成等)を検討する必要がある。
しかしながら、ウェットシートが時間の経過に伴って黄変を生じやすいものなのか否かを評価するのに、製造後のウェットシートを用いて製品の品質保証期間(例えば、3年間)経過後に黄変の有無を評価していては、その結果が判明するまでに過大な時間が掛かり、上述の黄変が生じにくい製造条件を確立するのに、非常に長い時間を要してしまう恐れがあった。
【0006】
そこで、本発明は、蛋白質を含む薬液を用いたウェットシートが時間の経過に伴って黄変が生じやすいものなのか否かを、短時間で評価し得る評価方法、および当該評価方法によって評価されたウェットシートを提供することを目的とする。
技术功效语段:
【0020】本発明によれば、蛋白質を含む薬液を用いたウェットシートが時間の経過に伴って黄変が生じやすいものなのか否かを、短時間で評価することができる。
权利要求:
【請求項1】
繊維基材に蛋白質を含む薬液を含浸してなるウェットシートの製造前に、ウェットシートの黄変の発生有無を評価する評価方法であって、
前記繊維基材を構成する繊維の集合体を容器に入れて、前記容器内の繊維の集合体に前記薬液を添加する第1の工程と、
前記容器を非密封状態のまま、40℃以上の温度に設定された加温機内で所定時間加温する第2の工程と、
前記所定時間加温した後の容器内の繊維の集合体に対して外観検査を行う第3の工程と、を含むことを特徴とする、前記評価方法。
【請求項2】
前記第1の工程が、100質量部の前記繊維の集合体に対して、150質量部~300質量部の前記薬液を添加することを特徴とする、請求項1に記載の評価方法。
【請求項3】
前記40℃以上の温度が50℃以上の温度であることを特徴とする、請求項1または2に記載の評価方法。
【請求項4】
前記繊維基材を構成する繊維の集合体を複数個用意し、前記複数個の繊維の集合体のそれぞれに対して前記第1の工程から前記第3の工程までを行うことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の評価方法。
技术领域:
】
【0001】
本発明は、ウェットティッシュや清掃シート等のウェットシートにおける黄変の発生有無を短時間で評価する評価方法、および当該評価方法で評価されたウェットシートに関する。
【
背景技术:
】
【0002】
紙や不織布等の繊維基材に水や含水アルコール主体の薬液を含浸させたウェットシート(例えば、ウェットティッシュや清掃シート等)は、手や体を清潔にしたり、家具や各種機器、床、トイレ等を清掃したりするなどの目的で、幅広く普及している。特に、近年では、衛生や美容に対する意識の高まりを受けて、除菌成分や抗ウイルス成分、コラーゲン等の美容成分などの機能性成分が薬液に添加された、様々なウェットシートが提案されている。
【0003】
そのようなウェットシートとして、例えば特許文献1には、コラーゲンやシルクオイル等を含有する含浸剤(薬液)を用いたウェットティッシュが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】
特開2001-000358号公報
【
发明内容:
】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなコラーゲン等の蛋白質が薬液に添加されたウェットシートは、時間が経過すると、局所的に黄色や褐色に変色(以下、このような変色を「黄変」と称する。)する場合があった。このような黄変が生じてしまうと、上述の蛋白質による効果に対して疑義を生じかねず、ウェットシートとしての商品価値も低下してしまう恐れがあるため、このようなウェットシートを製造する際は、黄変が生じにくい製造条件(例えば、薬液の組成等)を検討する必要がある。
しかしながら、ウェットシートが時間の経過に伴って黄変を生じやすいものなのか否かを評価するのに、製造後のウェットシートを用いて製品の品質保証期間(例えば、3年間)経過後に黄変の有無を評価していては、その結果が判明するまでに過大な時間が掛かり、上述の黄変が生じにくい製造条件を確立するのに、非常に長い時間を要してしまう恐れがあった。
【0006】
そこで、本発明は、蛋白質を含む薬液を用いたウェットシートが時間の経過に伴って黄変が生じやすいものなのか否かを、短時間で評価し得る評価方法、および当該評価方法によって評価されたウェットシートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、まず、蛋白質を含む薬液を用いたウェットシートに上述のような黄変が生じる原因について鋭意調査したところ、蛋白質を含む薬液の水分が時間の経過とともに蒸発し、その蒸発の過程で薬液が局所的に集まる(液溜まりが生じる)ことで、薬液中の蛋白質が凝集し、さらに、その凝集した蛋白質がメイラード反応によって黄変することが、上述のようなウェットシートの黄変の要因であることを突き止めた。
そして、本発明者らは、蛋白質を含む薬液を用いたウェットシートが時間の経過に伴って黄変が生じやすいものなのか否かを短時間で評価し得る方法について鋭意検討したところ、繊維基材を構成する繊維の集合体(例えば、原綿や不織布等)を容器に入れて、当該容器内の繊維の集合体に上記薬液を添加する第1の工程と、容器を非密封状態のまま、40℃以上の温度に設定された加温機内で所定時間加温する第2の工程とを行うことによって、薬液中の蛋白質に起因する黄変の発生を促進することができ、比較的短時間で繊維の集合体に黄変を生じさせることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
さらに、本発明者らは、製造後のウェットシートに対しても、このような評価方法を適用し得ることを見出した。
本発明は、以下の各態様を含む。
【0008】
本発明の一態様(態様1)は、繊維基材に蛋白質を含む薬液を含浸してなるウェットシートの製造前に、ウェットシートの黄変の発生有無を評価する評価方法であって、
前記繊維基材を構成する繊維の集合体を容器に入れて、前記容器内の繊維の集合体に前記薬液を添加する第1の工程と、
前記容器を非密封状態のまま、40℃以上の温度に設定された加温機内で所定時間加温する第2の工程と、
前記所定時間加温した後の容器内の繊維の集合体に対して外観検査を行う第3の工程と、を含むことを特徴とする、前記評価方法である。
【0009】
本態様の評価方法は、製造後のウェットシートが時間経過に伴って黄変を生じやすいものである場合は、当該ウェットシートを製造する前に上記特定の第1の工程および第2の工程を行うことによって、薬液中の蛋白質に起因する黄変の発生が促進されて、比較的短時間で繊維の集合体(例えば、原綿や不織布等)に黄変が生じるため、上記第3の工程において、製造後のウェットシートが時間経過に伴って黄変を生じやすいものであることを、事前に且つ短時間で知ることができる。一方、製造後のウェットシートが時間経過に伴って黄変を生じにくいものである場合は、上記特定の第1の工程および第2の工程を行っても繊維の集合体に黄変が生じないため、上記第3の工程において、製造後のウェットシートが時間経過に伴って黄変を生じにくいものであることを、事前に且つ短時間で知ることができる。
このようにして、本態様の評価方法は、蛋白質を含む薬液を用いたウェットシートを製造する前に、当該ウェットシートが時間の経過に伴って黄変が生じやすいものなのか否かを、短時間で評価することができる。
【0010】
また、本発明の別の態様(態様2)では、上記態様1の評価方法において、前記第1の工程が、100質量部の前記繊維の集合体に対して、150質量部~300質量部の前記薬液を添加することを特徴とする。
【0011】
本態様の評価方法は、繊維の集合体に対して特定量の薬液を添加することで、上記第2の工程時に、繊維の集合体に黄変が鮮明に現出しやすくなるため、上記第3の工程において黄変の生じやすさをより精度よく判別することができる。
【0012】
本発明の更に別の態様(態様3)では、上記態様1または2の評価方法において、前記40℃以上の温度が50℃以上の温度であることを特徴とする。
【0013】
本態様の評価方法は、第2の工程において50℃以上の温度で加温するため、繊維の集合体に黄変が生じるまでの時間をより短縮することができる。
【0014】
本発明の更に別の態様(態様4)では、上記態様1~3のいずれかの評価方法において、前記繊維基材を構成する繊維の集合体を複数個用意し、前記複数個の繊維の集合体のそれぞれに対して前記第1の工程から前記第3の工程までを行うことを特徴とする。
【0015】
本態様の評価方法は、複数個の繊維の集合体のそれぞれに対して上記第1の工程から第3の工程までを行うことで、複数個の評価結果に基づいて判断することができるため、製造後のウェットシートが時間の経過に伴って黄変が生じやすいものなのか否かを、より精度よく評価することができる。
【0016】
本発明の更に別の態様(態様5)は、繊維基材に蛋白質を含む薬液を含浸してなるウェットシートの黄変の発生有無を評価する評価方法であって、
前記ウェットシートを容器に入れて、前記容器を非密封状態のまま、40℃以上の温度に設定された加温機内で所定時間加温する工程と、
前記所定時間加温した後の容器内のウェットシートに対して外観検査を行う工程と、
を含むことを特徴とする、前記評価方法である。
【0017】
本態様の評価方法は、ウェットシートが時間経過に伴って黄変を生じやすいものである場合は、上記の加温する工程を行うことによって、薬液中の蛋白質に起因する黄変の発生が促進されて、比較的短時間でウェットシートに黄変が生じるため、上記の外観検査を行う工程において、ウェットシートが時間経過に伴って黄変を生じやすいものであることを短時間で知ることができる。一方、ウェットシートが時間経過に伴って黄変を生じにくいものである場合は、上記の加温する工程を行ってもウェットシートに黄変が生じないため、上記の外観検査を行う工程において、ウェットシートが時間経過に伴って黄変を生じにくいものであることを短時間で知ることができる。
このようにして、本態様の評価方法は、蛋白質を含む薬液を用いたウェットシートが時間の経過に伴って黄変が生じやすいものなのか否かを、製造後においても短時間で評価することができる。
【0018】
また、本発明の更に別の態様(態様6)は、繊維基材に蛋白質を含む薬液を含浸してなるウェットシートであって、上記態様1~5のいずれかの評価方法で黄変が生じないと評価されたものであることを特徴とする。
【0019】
本態様のウェットシートは、上記評価方法で黄変が生じないと評価されたものであるため、安心して使用に供することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、蛋白質を含む薬液を用いたウェットシートが時間の経過に伴って黄変が生じやすいものなのか否かを、短時間で評価することができる。
【
具体实施方式:
】
【0022】
以下、ウェットシートの黄変の発生有無を評価する本発明の評価方法の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る評価方法、すなわちウェットシートの黄変の発生有無を製造前に短時間で評価する評価方法の説明図である。
本第1実施形態の評価方法は、繊維基材に蛋白質を含む薬液を含浸してなるウェットシートの製造前に、ウェットシートの黄変の発生有無を評価する評価方法であり、図1に示すように、上記繊維基材を構成するレーヨン等の繊維の原綿1(本発明の「繊維の集合体」の一例である。)を無色透明の広口の容器2に入れて、該容器2内の繊維の原綿1に上記薬液3を添加する第1の工程Iと、上記容器2を非密封状態のまま、40℃以上の温度に設定された加温機7内で所定時間加温する第2の工程IIと、所定時間加温した後の容器2内の繊維の原綿1に対して外観検査を行う第3の工程IIIと、を主な工程として有している。
【0024】
なお、本第1実施形態では、第1の工程Iは、図1に示すように、繊維の原綿1を上記容器2に入れる工程(a)と、該容器2内の繊維の原綿1に薬液3を任意の滴下手段4で添加する工程(b)と、上記容器2の口をラップフィルム5で覆い、ラップフィルムが外れないようにゴムバンド等の固定手段6で固定する工程(c)と、を有しており、これらの工程(a)~工程(c)を経ることにより、黄変評価用のサンプルが作製される。かかるサンプルは、工程(c)において、ラップフィルムに通気用の穴を複数個(2個以上の穴)形成することで、非密封状態が維持されている。
【0025】
本第1実施形態の評価方法は、製造後のウェットシートが時間経過に伴って黄変を生じやすいものである場合は、当該ウェットシートを製造する前に上記特定の第1の工程Iおよび第2の工程IIを行うことによって、薬液3中の蛋白質に起因する黄変の発生が促進されて、比較的短時間で繊維の原綿1に黄変が生じるため、上記第3の工程IIIにおいて、製造後のウェットシートが時間経過に伴って黄変を生じやすいものであることを、事前に且つ短時間で知ることができる。一方、製造後のウェットシートが時間経過に伴って黄変を生じにくいものである場合は、上記特定の第1の工程Iおよび第2の工程IIを行っても繊維の原綿1に黄変が生じないため、上記第3の工程IIIにおいて、製造後のウェットシートが時間経過に伴って黄変を生じにくいものであることを、事前に且つ短時間で知ることができる。
このようにして、本第1実施形態の評価方法は、蛋白質を含む薬液を用いたウェットシートを製造する前に、当該ウェットシートが時間の経過に伴って黄変が生じやすいものなのか否かを、短時間で評価することができる。
【0026】
以下、本第1実施形態の評価方法の各工程について詳説する。
【0027】
[第1の工程]
上述のとおり本第1実施形態の第1の工程Iは、ウェットシートの繊維基材を構成するレーヨン等の繊維の原綿1を無色透明の広口の容器2に入れて、該容器2内の繊維の原綿1に上記薬液3を添加する工程である。更に具体的には、第1の工程Iは、図1に示すように、繊維の原綿1を容器2に入れる工程(a)と、該容器2内の繊維の原綿1に薬液3を任意の滴下手段4で添加する工程(b)と、上記容器2の口をラップフィルム5で覆い、ラップフィルムが外れないように固定手段6で固定する工程(c)と、を有している。
【0028】
この第1の工程Iでは、ウェットシートの繊維基材を構成する繊維の集合体として、当該繊維の原綿1を用いているが、本発明において、繊維の集合体はこのような原綿に限定されず、例えば、不織布等からなる繊維基材の少なくとも一部分(すなわち、不織布等)を繊維の集合体として用いてもよい。
【0029】
また、第1の工程において、繊維の集合体の量(質量)は、本発明の効果を阻害しない限り特に限定されず、任意の量(例えば、0.1g~10gの範囲内の量など)を採用することができる。
【0030】
繊維の集合体を入れる容器は、当該繊維の集合体が収容可能な容積(例えば、10mL~500mL等)を有するものであれば特に限定されず、ガラスや樹脂などの任意の材質からなる容器を用いることができる。中でも、第3の工程において黄変の有無を確認しやすい点などから無色透明の容器であることが好ましく、さらに、ガラス(例えば、ソーダ石灰ガラス)等の耐水性や耐油性、耐溶剤性、耐熱性などに優れた材質からなる容器が特に好ましい。
【0031】
第1の工程において、繊維の集合体に添加する薬液は、黄変の評価対象となるウェットシートに用いられる薬液である。かかる薬液の具体的な組成等は後述する。
なお、容器内の繊維の集合体に薬液を添加する手段は特に限定されず、公知のピペット(例えば、マイクロピペット、マクロピペット等)やシリンジ、スポイトなどの滴下手段を好適に用いることができる。
【0032】
なお、薬液を添加する際は、繊維の集合体と容器の内面との接触部分に滴下しながら、回し入れることが好ましい。このように薬液を添加することで、第2の工程時に、薬液が局所的に集まりやすく(すなわち、液溜まりが生じやすく)、繊維の集合体に黄変が現出しやすくなる。
【0033】
そして、容器内の繊維の集合体に薬液を滴下する量(質量)は、本発明の効果を阻害しない限り特に限定されないが、100質量部の繊維の集合体に対して、150質量部~300質量部の薬液を添加することが好ましい。
繊維の集合体に対してこのような特定量の薬液を添加することで、第2の工程時に、繊維の集合体に黄変が鮮明に現出しやすくなるため、第3の工程において黄変の生じやすさをより精度よく判別することができる。
【0034】
また、上述の第1の工程では、容器内の繊維の集合体に薬液を添加した後、容器の口をラップフィルムで皺が入らないように覆い、ラップフィルムが外れないようにゴムバンド等の固定手段で固定している。さらに、ラップフィルムに通気用の穴を複数個形成することで、非密封状態の黄変評価用のサンプルが作製される。
【0035】
なお、繊維の集合体を入れた容器の口は、ラップフィルムや蓋部材などで覆われていなくてもよいが、第2の工程時に不純物が混入するのを回避する点から、当該容器の口は、ラップフィルムや蓋部材などによって覆われていることが好ましい。
但し、容器の口をこのようなラップフィルムや蓋部材などによって覆う場合は、容器を非密封状態に維持するために、ラップフィルムや蓋部材に通気用の穴を形成するか、或いは、通気性を有する材質ないし構成のラップフィルムや蓋部材を採用する必要がある。
【0036】
なお、ラップフィルムや蓋部材に通気用の穴を形成する場合、当該穴の大きさや個数は、第2の工程時に薬液の主成分(すなわち、水や含水アルコール)が蒸発し得るものであれば特に限定されない。また、ラップフィルムや蓋部材に形成される通気用の穴は、容器の口を覆った後に形成してもよいし、容器の口を覆う前に形成してもよい。
【0037】
ここで、本明細書において非密封状態とは、容器内に添加された薬液の水分が、第2の工程の加温温度(すなわち、40℃以上の温度)の条件下で蒸発して、容器の外部へ放出し得る状態を意味する。かかる非密封状態は、上述の通気用の穴や所定の通気性を有することによって実現することができる。
【0038】
また、第1の工程により作製される黄変評価用のサンプルの個数は特に限定されず、1個以上の任意の個数を採用することができるが、後述するように、本発明においては、同じ薬液を用いて上述の第1の工程を複数回行うことにより、黄変評価用のサンプルを複数個(例えば10個以上、具体的には10個や30個、60個等)作製することが好ましい。
【0039】
[第2の工程]
上述のとおり第1実施形態の第2の工程IIは、図1に示すように、第1の工程I後の容器2を非密封状態のまま、40℃以上の温度に設定された加温機7内で所定時間加温する工程(d)を有する。
【0040】
第2の工程において、加温機の温度条件は40℃以上の温度であれば特に限定されないが、当該加温機の温度は50℃以上であることが好ましい。このような温度で加温することにより、繊維の集合体に黄変が生じるまでの時間をより短縮することができる。
【0041】
なお、加温機の温度条件の上限は特に限定されず、加温機は、例えば100℃以下の任意の温度に設定することができるが、薬液がエタノール等のアルコールを含む場合、すなわち、薬液が含水アルコールを主成分として含む場合は、アルコールの含有割合に応じた含水アルコールの引火点などを考慮した温度(例えば、60℃以下の温度)に設定することが好ましい。
【0042】
また、第2の工程において、第1の工程後の容器を加温する時間条件は、本発明の効果を阻害しない限り特に限定されず、例えば、1日~30日の範囲内の任意の時間を採用することができる。
【0043】
また、第2の工程で用い得る加温機は、第2の工程の加温温度を所定時間維持し得るものであれば特に限定されず、イナートオーブン等の任意の加温機を用いることができる。
【0044】
[第3の工程]
上述のとおり第1実施形態の第3の工程IIIは、図1に示すように、上記第2の工程IIにおいて所定時間加温した後の容器2内の繊維の原綿1に対して、目視または色差計等の任意の手段によって外観検査を行う工程(e)を有する。
【0045】
この第3の工程において、外観検査に用い得る検査手段は、繊維の集合体における黄変の発生の有無を確認し得るものであれば特に限定されず、例えば、繊維の集合体に黄変が鮮明に現出している場合などの、黄変の発生の有無が明らかな場合は、目視により黄変の発生の有無を確認することができ、黄変の発生の有無が目視では確認しにくい場合は、色差計(例えば、日本電色工業(株)製の交照測光式色差計Z-300A等)などを用いて黄変の発生の有無を確認することができる。
【0046】
なお、かかる第3の工程の外観検査を行うタイミングは、特に限定されず、第2の工程の所定時間経過直後のみに外観検査を行ってもよいし、第2の工程の加温時間を短縮する目的で、第2の工程の所定時間が経過するまでの間の所定時間ごと(例えば、1日おきに7日間等)に外観検査を行ってもよい。
【0047】
また、本発明においては、繊維基材を構成する繊維の集合体を複数個(例えば10個以上、具体的には10個や30個、60個等)用意し、当該複数個の繊維の集合体のそれぞれに対して、同じ薬液を用いて上記の第1の工程から第3の工程までを行うことが好ましい。複数個の繊維の集合体のそれぞれに対して上記の第1の工程から第3の工程までを行うことで、複数個の評価結果に基づいて黄変の発生の有無を判断することができるため、製造後のウェットシートが時間の経過に伴って黄変が生じやすいものなのか否かを、より精度よく評価することができる。
【0048】
このようにして、複数個の繊維の集合体に対して黄変の発生の有無を評価する場合は、
黄変が発生した繊維の集合体の個数(すなわち、黄変が発生した黄変評価用のサンプルの個数)をカウントして、全個数で除することにより、薬液の黄変発生率(%)を算出することができる。
さらに、この薬液の黄変発生率は、以下の基準にて評価することができる。
黄変発生率が10%以下 :◎(黄変がほとんど発生しない)
黄変発生率が10%超、30%以下:○(黄変が発生しにくい)
黄変発生率が30%超 :×(黄変が発生しやすい)
【0049】
本発明の評価方法は、上述の第1実施形態のような態様に限定されず、当該評価方法は、製造後のウェットシートに対しても同様に適用することができる。
以下、本発明の評価方法を製造後のウェットシートに適用した実施形態(本発明の第2実施形態)について詳細に説明する。
【0050】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る評価方法は、ウェットシートの黄変の発生有無を製造後に短時間で評価する評価方法である。
すなわち、本第2実施形態の評価方法は、繊維基材に蛋白質を含む薬液を含浸してなるウェットシート