支持構造物及び同支持構造物が取付けられている椅子

公开(公告)号:
JP6353956B2
公开(公告)日:
2018-07-04
申请号:
JP2017100928
申请日:
2017-05-22
授权日:
2018-06-15
受理局:
日本
专利类型:
授权发明
简单法律状态:
有效
法律状态/事件:
授权
IPC分类号:
A47C7/00 | A47C7/32 | A47C7/02
战略新兴产业分类:
-
国民经济行业分类号:
C2190 | C2110 | C2120 | C2042 | C2130 | C2140
当前申请(专利权)人:
タカノ株式会社
原始申请(专利权)人:
タカノ株式会社
当前申请(专利权)人地址:
長野県上伊那郡宮田村
工商统一社会信用代码:
-
工商登记状态:
-
工商注册地址:
-
工商成立日期:
1953-07-18
工商企业类型:
-
发明人:
藤本 和男 | 堀内 和幸 | 市川 智昭
代理机构:
-
代理人:
下田 容一郎 | 下田 憲雅 | 住吉 勝彦 | 瀧澤 匡則
摘要:
【課題】膜状部材に容易にストッパを形成することのできる技術を提供すること。 【解決手段】支持構造物(20)は、着座者の臀部を挟むように設けられた一対のフレーム(11,11)に取り付けられ着座者の臀部を支える。一対のフレーム(11,11)に直接的に又は枠状部材(21)を介して間接的に張設される樹脂製の糸から構成されたメッシュ状の膜状部材(22)と、この膜状部材(22)の少なくとも表面側に設けられた樹脂製のストッパ(30)とからなる。ストッパ(30)は、射出成形により膜状部材(22)に形成され、膜状部材(22)の前部及び/又は後部に設けられている。 【選択図】図1
技术问题语段:
【発明が解決しようとする課題】 【0005】 着座者の移動を抑制するために膜状部材にストッパを形成することが考えられる。膜状部材に容易にストッパを形成することができれば好ましい。 【0006】 本発明は、膜状部材に容易にストッパを形成することのできる技術の提供を課題とする。
技术功效语段:
【0008】本発明では、ストッパは、射出成形により膜状部材に形成されている。射出成形により成形する場合には、膜状部材への成形作業が容易であり、好適である。
权利要求:
【請求項1】 着座者の臀部を挟むように設けられた一対のフレームに取り付けられ前記着座者の臀部を支える支持構造物であって、 前記一対のフレームに直接的に又は枠状部材を介して間接的に張設される樹脂製の糸から構成されたメッシュ状の膜状部材と、この膜状部材の少なくとも着座面側に設けられた樹脂製のストッパとからなり、 前記膜状部材は、後端側から前方に向かって平坦に延びる平坦面部を有し、 前記ストッパは、射出成形により前記平坦面部に形成され、前記平坦面部の前部及び/又は後部に設けられ、かつ、前記平坦面部の前記着座面から突出していることを特徴とする支持構造物。 【請求項2】 前記ストッパは、前記膜状部材の後部に沿って左右に渡って延びている基部を有していることを特徴とする請求項1記載の支持構造物。 【請求項3】 前記ストッパは、前記膜状部材の前部に沿って左右に延びている基部を有し、 前記基部の端部は、前記膜状部材の前部の角部に沿って形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の支持構造物。 【請求項4】 前記ストッパは、左右に渡って延び、 前記ストッパの前後方向の長さは、左右の部位によって異なっていることを特徴とする請求項1記載の支持構造物。 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の支持構造物が前記フレームに取付けられていることを特徴とする椅子。
技术领域:
【0001】 本発明は、椅子に取付けられる支持構造物の改良技術に関する。
背景技术:
【0002】 椅子には、着座者の臀部を支える着座部及び着座者の背面部を支える背もたれ部が設けられている物がある。これらの着座部及び背もたれ部は、着座者を支持する支持構造物ということができる。支持構造物は、フレームに張設され、樹脂製の糸を織る又は編む事によって構成されたメッシュ状の膜状部材を有する(例えば、特許文献1(図1)参照。)。特許文献1を図9に基づいて説明する。 【0003】 図9に示されるように、椅子100は、脚部101と、この脚部101の上部に取り付けられているフレーム102と、このフレーム102に張設されているメッシュ状の膜状部材103とからなる。膜状部材103は、着座者が着座する座面部104及び着座者の背面部を支持する背もたれ部105を一体に構成する。膜状部材103の素材には、合成樹脂が用いられている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】 特開2011-45569号公報
发明内容:
【発明が解決しようとする課題】 【0005】 着座者の移動を抑制するために膜状部材にストッパを形成することが考えられる。膜状部材に容易にストッパを形成することができれば好ましい。 【0006】 本発明は、膜状部材に容易にストッパを形成することのできる技術の提供を課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明によれば、着座者の臀部を挟むように設けられた一対のフレームに取り付けられ前記着座者の臀部を支える支持構造物であって、 前記一対のフレームに直接的に又は枠状部材を介して間接的に張設される樹脂製の糸から構成されたメッシュ状の膜状部材と、この膜状部材の少なくとも着座面側に設けられた樹脂製のストッパとからなり、 前記膜状部材は、後端側から前方に向かって平坦に延びる平坦面部を有し、 前記ストッパは、射出成形により前記平坦面部に形成され、前記平坦面部の前部及び/又は後部に設けられ、かつ、前記平坦面部の前記着座面から突出していることを特徴とする支持構造物が提供される。 【発明の効果】 【0008】 本発明では、ストッパは、射出成形により膜状部材に形成されている。射出成形により成形する場合には、膜状部材への成形作業が容易であり、好適である。
具体实施方式:
【0010】 本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、前後左右は着座者を基準として前後左右を指す。また、図中Frは着座者から見て前、Rrは着座者から見て後、Lは着座者から見て左、Rは着座者から見て右、Upは上、Dwは下を示している。 <実施例1> 【0011】 本発明の実施例による支持構造物が採用された椅子について、図1に基づき説明する。 図1に示されるように、椅子10は、左右一対のフレーム11,11に、着座者の臀部を支持する臀部支持構造物20(座20)及び着座者の背面部を支持する背面部支持構造物40(背もたれ40)を取り付けてなる。左右一対のフレーム11,11は、それぞれ、一本の金属パイプが6の字に曲げられて形成されている。 【0012】 フレーム11は、上端に背面部支持構造物40が差し込まれる後部フレーム11aと、この後部フレーム11aの下端から前方に向かって延びているベースフレーム11bと、このベースフレーム11bの先端から上方に向かって延びている前フレーム11cと、この前フレーム11cの上端から後方に向かって延び上面に臀部支持構造物20が載せられる座支持フレーム11dとからなる。フレーム11,11間には、横架フレームが渡されている。この横架フレームを介してフレーム11,11は、一体的に形成されている。 【0013】 臀部支持構造物20は、左右のフレーム11,11間に渡されると共に矩形状を呈する臀部枠状部材21と、この臀部枠状部材21に周縁が支持されているメッシュ状の臀部膜状部材22と、この臀部膜状部材22に設けられ着座者の移動を抑制する臀部ストッパ30とからなる。 【0014】 臀部ストッパ30は、着座者が接触した際に、着座者の移動を抑制するための部材である。このため、臀部膜状部材22の少なくとも表面(着座面)側に設けられている必要がある。臀部ストッパ30が臀部膜状部材22の裏面側にまで形成されるか否かは、臀部ストッパ30の形成方法による。 【0015】 背面部支持構造物40も基本的な構造は同様である。即ち、背面部支持構造物40は、左右のフレーム11,11の上端に取り付けられる背面部枠状部材41と、この背面部枠状部材41に周縁が支持されているメッシュ状の背面部膜状部材42と、この背面部膜状部材42の表面(背面部の当接面)に設けられ着座者の移動を抑制する背面部ストッパ50とからなる。 【0016】 臀部支持構造物20と、背面部支持構造物40とは、フレーム11に取り付けられると共に着座者を支持する点において共通している。これらの臀部支持構造物20及び背面部支持構造物40を、適宜「支持構造物20,40」という。 【0017】 支持構造物20,40を構成する、臀部枠状部材21と背面部枠状部材41も同様に、それぞれの機能が共通する部材である。これらも、適宜「枠状部材21,41」という。以下、同様に臀部膜状部材22と背面部膜状部材42を、適宜「膜状部材22,42」といい、臀部ストッパ30と背面部ストッパ50を、適宜「ストッパ30,50」という。 【0018】 臀部枠状部材21及び臀部膜状部材22は、共に樹脂を材料とする部材である。予め織られた樹脂素材からなる臀部膜状部材22を射出成形型にセットし、射出成形を行うことにより、臀部膜状部材22の周縁に臀部枠状部材21を一体的に形成する。この後、臀部膜状部材22に熱を加える。熱により、臀部膜状部材22は、収縮し、所定の張力を得る。 【0019】 臀部枠状部材21が臀部膜状部材22の外周縁に形成された直後には、臀部膜状部材22は、臀部支持構造物20としての必要な張力を有していない。このため、臀部膜状部材21を加熱して収縮させることにより、臀部支持構造物20として必要な弾力性を発揮させる張力を付与する。例えば、臀部枠状部材21の素材には、ポリプロピレンが用いられ、臀部膜状部材22の素材には、ポリエステルが用いられる。背面部支持構造物40の成形方法及び素材も同様である。 【0020】 図2に示されるように、臀部枠状部材21は、前端が下方に向かって湾曲している。即ち、臀部枠状部材21は、平坦な平坦部21aと、この平坦部21aの前端から前方に向かって下がるように湾曲する湾曲部21bとからなる。 【0021】 臀部枠状部材21によって周縁が支持されている臀部膜状部材22も同様である。即ち、臀部膜状部材22は、臀部枠状部材21の平坦部21aによって支持され平坦な平坦面部22aと、臀部枠状部材21の湾曲部21bによって支持され前方に向かって下がるよう湾曲している湾曲面部22bとからなる。 【0022】 臀部ストッパ30は、厚みの分だけ臀部膜状部材22の表面から突出しており、臀部膜状部材22の前部に成形されている前部ストッパ31と、臀部膜状部材22の後部に成形されている後部ストッパ32とからなる。臀部ストッパ30の素材には、例えば、熱可塑性ポリウレタンが用いられる。前部ストッパ31は、主に着座者の前方及び左右への移動を抑制するための部材である。同様に、後部ストッパ32は、主に着座者の後方への移動を抑制するための部材である。 【0023】 臀部ストッパ30は、任意の方法によって臀部膜状部材22に形成することができる。即ち、上述の方法の他にも、貼着、溶着、接着、3Dプリンタによる積層造形方法、流体物を塗布し固化させる方法等を採用することができる。 【0024】 前部ストッパ31は、臀部膜状部材22の湾曲面部22bに対応する部位から平坦面部22aに対応する部位に渡って設けられている。後部ストッパ32は、臀部膜状部材22の平坦面部22aに対応する部位にのみ設けられている。 【0025】 図1に戻り、前部ストッパ31は、櫛形形状を呈し、臀部膜状部材22の湾曲面部22bにおいて幅方向に渡って設けられている基部31aと、この基部31aから後方に向かって略垂直に延びる複数の垂直部31bとからなる。前部ストッパ31は、これらの基部31a及び複数の垂直部31bが一体的に形成されてなる。 【0026】 垂直部31bは、それぞれ長さが異なり、垂直部31bのそれぞれの後端を結んだときに、後端がW字を描いている。即ち、垂直部31bは、両端及び中央の長さが長く、これらの間が短く形成されている。 【0027】 複数の後部ストッパ32は、櫛形形状を呈し、平坦面部22aの後部において幅方向に渡って設けられている基部32aと、この基部32aから前方に向かって略垂直に延びる複数の垂直部32bとからなる。後部ストッパ32は、これらの基部32a及び複数の垂直部32bが一体的に形成されてなる。垂直部32bは、それぞれ長さが異なり、両端から中央に向かって徐々に短くなる。垂直部32bの前端を結んだ線は、後方に向かって突出する円弧形状を描く。 【0028】 背面部枠状部材41は、上部が後方に向かって傾斜している。即ち、背面部枠状部材41は、フレーム11,11から一体的に延びている起立部41aと、この起立部41aの上端から起立部41aに対して後方に向かって傾斜している傾斜部41bとからなる。 【0029】 背面部枠状部材41によって周縁が支持されている背面部膜状部材42も同様である。即ち、背面部膜状部材42は、背面部枠状部材41の起立部41aによって支持されている一般面部42aと、背面部枠状部材41の傾斜部41bによって支持され後方に向かって傾斜している傾斜面部42bとからなる。 【0030】 背面部ストッパ50は、厚みの分だけ背面部膜状部材42の表面から突出しており、背面部膜状部材42の下部に貼着されている下部ストッパ51と、背面部膜状部材42の上部に貼着されている上部ストッパ52とからなる。背面部ストッパ50の素材には、例えば、熱可塑性ポリウレタンが用いられる。下部ストッパ51は、主に着座者の下方及び左右への移動を抑制するための部材である。同様に、上部ストッパ52は、主に着座者の上方への移動を抑制するための部材である。 【0031】 下部ストッパ51は、背面部膜状部材42の一般面部42aに対応する部位から傾斜面部42bに対応する部位に渡って設けられている。上部ストッパ52は、背面部膜状部材42の傾斜面部42bに対応する部位にのみ設けられている。 【0032】 下部ストッパ51は、櫛形形状を呈し、背面部膜状部材42の一般面部42aにおいて幅方向に渡って設けられている基部51aと、この基部51aから上方に向かって略垂直に延びる複数の垂直部51bとからなる。下部ストッパ51は、これらの基部51a及び複数の垂直部51bが一体的に形成されてなる。 【0033】 垂直部51bは、それぞれ長さが異なり、両端から中央に向かって徐々に短くなる。下部ストッパ51の垂直部51bの上端を結んだ線は、下方に向かって突出する円弧形状を描く。 【0034】 上部ストッパ52は、櫛形形状を呈し、背面部膜状部材52の傾斜面部42bにおいて幅方向に渡って設けられている基部52aと、この基部52aから下方に向かって略垂直に延びる複数の垂直部52bとからなる。上部ストッパ52は、これらの基部52a及び複数の垂直部52bが一体的に形成されてなる。 【0035】 垂直部52bは、それぞれの長さが同じである。上部ストッパ52の垂直部52bの下端を結んだ線は、直線を描く。 【0036】 ストッパ30,50の素材には、熱可塑性樹脂素材、あるいは熱可塑性エラストマー素材が用いられている。具体的には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、サーモポリオレフィン(TPO)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアミド(PA、登録商標名「ナイロン」)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることができる。 【0037】 これらのうち、ポリプロピレン、ポリエチレン、サーモポリオレフィン、熱可塑性ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリアミド(ガラス繊維入りを含まない)は、弾性率が低く望ましい。 【0038】 特に、ポリプロピレン(ガラス繊維入りを含まない)、ポリエチレン、サーモポリオレフィン、熱可塑性ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体は、弾性率が適度であり特に望ましい。 【0039】 なお、ストッパ30,50は、膜状部材22,42に貼着される他、膜状部材22,42に一体成形されていても良い。即ち、着座者の移動を抑制するストッパ30,50が膜状部材22,42の表面に設けられていることが重要であり、その形成方法には、任意の方法を選択することができる。このような支持構造物20,40の作用について、次図において詳細に説明する。 【0040】 図3(a)に示されるように、臀部ストッパ30は、着座者の臀部Buを囲うように設けられている。なお、この臀部Buは、平均的な成人男性の臀部の大きさを想定している。矢印によって示されるように、臀部膜状部材22の上面において、着座者の臀部Buが移動することがある。移動することにより、着座者の臀部Buは、臀部ストッパ30に接触する。臀部ストッパ30が抵抗となり、着座者の移動が抑制される。 【0041】 前部ストッパ31は、臀部膜状部材22の前部に設けられている。即ち、前部ストッパ31は、着座者の太股Thに対応する部位に設けられている。着座者が滑る際には、着座者の太股Thが座面に沿って前方に滑る。このため、着座者の太股Thが前方に向かって滑ることを抑制することにより、着座者の滑りを抑制する。これにより、着座者は、容易に同じ姿勢を保つことができる。 【0042】 即ち、着座者は、臀部ストッパ30によって移動を防止されるため、容易にリラックスした姿勢を保つことができる。これにより、座り直す回数を削減することができ、長時間同じ姿勢を保つことが容易になる。このため、臀部膜状部材22の表面にストッパが形成されていないものに比べて、着座者に高い座り心地を与えることができる。即ち、座り心地の向上を図ることができる。 【0043】 加えて、臀部ストッパ30の形状は、任意の形状を選択することができる。これにより、臀部膜状部材22の表面に臀部ストッパ30が形成されていないものに比べて、デザイン性を向上させることができる。即ち、外観性を向上させることができる。 【0044】 さらに、臀部ストッパ30によって移動が防止されることにより、着座者は、臀部膜状部材22に接触した状態を保つことができる。これにより、臀部膜状部材22の外周に設けられている臀部枠状部材21への接触を抑制することができる。臀部枠状部材21は、臀部膜状部材22を支持するために、臀部膜状部材22に比べて高い剛性が付与されている。一方、臀部膜状部材22は、着座者が接触する部位であるため、適度に撓む構成とされている。このため、着座者が接触した場合に受ける当たり感は、臀部枠状部材21よりも臀部膜状部材22の方が高く設定されている。臀部枠状部材21への接触を防止することにより、さらに高い座り心地を確保することができる。 【0045】 加えて、前部ストッパ31は、椅子10の幅方向に渡って延びている基部31aと、この基部31aから垂直に延びる複数の垂直部31bとからなる。これにより、前部ストッパ31は櫛形形状を呈している。櫛形形状を採用することにより、少ない素材によって広い範囲に前部ストッパ31を設けることができる。また、櫛形形状を採用することにより、前部ストッパ31の設けられる面積を小さくする。これにより、メッシュ状の臀部膜状部材22の通気性を確保しつつ、着座者の滑りを抑制することができる。 【0046】 さらに、櫛形形状とされることにより、臀部ストッパ30は、臀部支持構造物20の幅方向を基準として断続的に形成される。断続的に形成されていることにより、着座者の臀部Buに対する臀部ストッパ30の接触面積を削減することができる。臀部Bu全体に臀部ストッパ30が接触している場合には、臀部Buの全体が臀部ストッパ30から抵抗を受ける。臀部ストッパ30の接触面積を削減することにより、着座時の快適性を高めることができる。 【0047】 さらに、櫛形形状を採用することにより、前部ストッパ31(ストッパ)を一体物とすることができる。前部ストッパ31を臀部膜状部材22(膜状部材)に貼り付ける構成を採用した場合には、前部ストッパ31を一体物とすることにより、貼り付け作業が容易になる。前部ストッパ31を臀部膜状部材22に貼り付ける構成を採用した場合には、既存の椅子に対しても前部ストッパ31を貼り付けることができ、本発明の効果を得ることができる。 【0048】 仮に、櫛形形状の臀部ストッパ30を臀部膜状部材22に対して射出成形により成形する場合には、成形金型の1箇所のゲートから樹脂を流し込むことにより、臀部ストッパ30を成形することが可能となる。金型内に複数箇所のゲートを設ける必要がなくなり、好適である。また、射出成形により成形する場合には、膜状部材の成形作業が容易であり、好適である。 【0049】 特に、臀部ストッパ30は、前後方向中央部を避けて設けられている。臀部支持構造物20の前後方向中央部は、着座者の臀部Buが接触する部位である。即ち、臀部Buが直接接触する部位を避けて、臀部ストッパ30が設けられている。さらに確実に、メッシュ状の臀部膜状部材22の通気性を確保しつつ、着座者の滑りを抑制することができる。 【0050】 さらに、前部ストッパ31(臀部ストッパ30)の垂直部31bは複数形成され、これらの後端(端部)を結んだ線は、両端及び幅方向中央が後方(前後方向中央)に突出するW字を描く。これにより、前部ストッパ31の垂直部31bは、後端が着座者の臀部Buに沿って設けられることになる。着座者が所定量移動した際に、より確実に前部ストッパ31に接触させることができる。 【0051】 加えて、垂直部31bは、それぞれの長さが異なる。臀部膜状部材22のなかの、垂直部31bが形成されていない部位は、垂直部31bが形成されている部位に比べて、撓みやすい。臀部膜状部材22の部位によって撓みやすさを異ならせることにより、より快適な座り心地を得ることができる。 【0052】 また、垂直部32bは複数形成され、これらの前端を結んだ線は、両端が前方に突出する略円弧形状を描く。これにより、垂直部32bは、着座者の臀部Buの後側部に沿って設けられることになる。このような形状の場合にも、着座者が所定量移動した際に、より確実に垂直部32bに接触させることができる。 【0053】 臀部ストッパ30の形状についてまとめると、以下のようにいうことができる。着座者の移動量をもっとも確実に抑制することができるのは、先端の描く線がW字状の場合である。この場合は、幅方向中央においても着座者の移動を抑制することができる。しかし、ストッパの先端が円弧形状である場合にも、着座者の前後及び左右の両方向への移動を抑制することができ、有益である。 【0054】 図3(b)に示されるように、背面部ストッパ50は、着座者の背面部Baを囲うように(特に背面部Baの下部を囲うように)設けられている。なお、この背面部Baは、平均的な成人男性の背面部の大きさを想定している。着座者は、矢印で示される範囲内において、上下方向及び左右方向に移動することができる。しかし、矢印で示される範囲を超えて移動する場合には、背面部ストッパ50が抵抗となる。このため、着座者の移動が抑制される。 【0055】 着座者が滑る際には、着座者の背面部Baが下方に向かって滑ることがある。このため、着座者の背面部Baが下方に向かって滑ることを抑制することにより、着座者の下方への滑りを抑制する。これにより、着座者は、容易に同じ姿勢を保つことができる。 【0056】 図3(a)も併せて参照し、ストッパ30,50の素材に、ポリプロピレン、ポリエチレン、サーモポリオレフィン、熱可塑性ポリウレタン又はエチレン酢酸ビニル共重合体のいずれかが用いられている場合には、さらに以下のことがいえる。 【0057】 ポリプロピレン、ポリエチレン、サーモポリオレフィン、熱可塑性ポリウレタン及びエチレン酢酸ビニル共重合体、いずれも弾性率の低い材料である。即ち、容易に弾性変形させることのできる材料である。ストッパ30,50は、弾性変形したことにより生じる元の形状に戻ろうとする力により、着座者の移動を抑制するものと考えられる。着座者がストッパ30,50に接触した際に、容易に弾性変形する素材を用いることにより、着座者の移動に対して容易に抗力を発生させることができる。このため、より確実に着座者の滑りを抑制し、着座者は、容易に同じ姿勢を保つことができる。 <実施例2> 【0058】 次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。図4には、実施例2による支持構造物が採用された椅子が示され、上記図1に対応させて表している。実施例1に対してストッパを変更した。 【0059】 図4に示されるように、椅子10Aは、金属製のフレーム11と、このフレーム11に取り付けられ着座者の臀部を支持する臀部支持構造物20Aと、フレーム11に取り付けられ着座者の背面部を支持する背面部支持構造物40Aとからなる。 【0060】 臀部支持構造物20Aに設けられている臀部ストッパ30Aは、前部ストッパ31Aと、後部ストッパ32Aとからなる。前部及び後部ストッパ31A,32Aには、共に板状の部材が用いられている。板状のストッパは、櫛状の物に比べて捻り剛性が高く、臀部膜状部材22への貼り付けが容易になる。 【0061】 前部ストッパ31Aの後端は、着座者の臀部に沿うよう、略W字状に形成されている。また、前部及び後部ストッパ31A,32Aは、通常時において着座者の臀部が接触する部位を避けて設けられている。 【0062】 背面部支持構造物40Aに設けられている背面部ストッパ50Aは、下部ストッパ51Aと、上部ストッパ52Aとからなる。下部及び上部ストッパ51A,52Aには、共に板状の部材が用いられている。下部ストッパ51Aは、2枚の略三角形状の部材からなる。また、下部及び上部ストッパ51A,52Aは、通常時において着座者の背面部が接触する部位を避けて設けられている。このような支持構造物20A,40Aにおいても本発明所定の効果を得ることができる。 <実施例3> 【0063】 次に、本発明の実施例3を図面に基づいて説明する。図5には、実施例3による支持構造物が採用された椅子が示され、上記図1に対応させて表している。実施例1に対してストッパを変更した。 【0064】 図5に示されるように、椅子10Bは、金属製のフレーム11と、このフレーム11に取り付けられ着座者の臀部を支持する臀部支持構造物20Bと、フレーム11に取り付けられ着座者の背面部を支持する背面部支持構造物40Bとからなる。 【0065】 臀部支持構造物20Bに設けられている臀部ストッパ30Bは、前部ストッパ31Bのみによって形成されている。前部ストッパ31Bは四角形の点状の部材が多数設けられることにより構成されている。前部ストッパ31Bは、通常時において着座者の臀部が接触する部位を避けて設けられている。 【0066】 背面部支持構造物40Bに設けられている背面部ストッパ50Bは、下部ストッパ51Bと、上部ストッパ52Bとからなる。下部及び上部ストッパ51B,52Bには、共に四角形の点状の部材が用いられている。下部及び上部ストッパ51B,52Bは、通常時において着座者の背面部が接触する部位を避けて設けられている。このような支持構造物20B,40Bにおいても本発明所定の効果を得ることができる。 <実施例4> 【0067】 次に、本発明の実施例4を図面に基づいて説明する。図6には、実施例4による支持構造物が採用された椅子が示され、上記図1に対応させて表している。実施例1に対してストッパを変更した。 【0068】 図6に示されるように、椅子10Cは、金属製のフレーム11と、このフレーム11に取り付けられ着座者の臀部を支持する臀部支持構造物20Cと、フレーム11に取り付けられ着座者の背面部を支持する背面部支持構造物40Cとからなる。 【0069】 臀部支持構造物20Cに設けられている臀部ストッパ30Cは、略長方形状の前部ストッパ31Cのみによって形成されている。前部ストッパ31Cは、臀部膜状部材22の平坦面部22a及び湾曲面部22bの境界に渡って形成されている。前部ストッパ31Cは、通常時において着座者の臀部が接触する部位を避けて設けられている。 【0070】 背面部支持構造物40Cに設けられている背面部ストッパ50Cは、直線上の下部ストッパ51Cのみからなる。下部及び上部ストッパ51C,52Cには、共に四角形の点状の部材が用いられている。下部ストッパ51Cは、背面部膜状部材42の一般面部42a及び傾斜面部42bに渡って形成されている。下部ストッパ51Cは、通常時において着座者の背面部が接触する部位を避けて設けられている。このような支持構造物20C,40Cにおいても本発明所定の効果を得ることができる。 <実施例5> 【0071】 次に、本発明の実施例5を図面に基づいて説明する。図7には、実施例5による支持構造物が採用された椅子が示され、上記図1に対応させて表している。実施例1に対してストッパを変更した。 【0072】 図7に示されるように、椅子10Dは、金属製のフレーム11と、このフレーム11に取り付けられ着座者の臀部を支持する臀部支持構造物20Dと、フレーム11に取り付けられ着座者の背面部を支持する背面部支持構造物40Dとからなる。 【0073】 臀部支持構造物20Dに設けられている臀部ストッパ30Dは、幅方向にわたって延びている前部ストッパ31Dと、幅方向に沿って延びている後部ストッパ32Dと、前部ストッパ31Dの幅方向の両端から後部ストッパ32Dの幅方向の両端に延びている接続部33Dと、後部ストッパ32Dの幅方向の両端から臀部膜状部材22の後部コーナ部まで延びている延長部34Dとからなる。 【0074】 前部ストッパ31Dは、臀部膜状部材22の平坦面部22a及び湾曲面部22bの境界に渡って形成されている。それぞれ幅方向に向かって直線状に延びている前部及び後部ストッパ31D,32Dを接続部33Dによって接続した構成を採用した場合にも、着座者の幅方向への移動を抑制することができる。通常時において着座者の臀部が接触する部位を避けて前部ストッパ31D、後部ストッパ32D及び接続部33Dが形成されている。 【0075】 背面部支持構造物40Dに設けられている背面部ストッパ50Dは、直線上の下部ストッパ51Dと、この下部ストッパ51Dの幅方向両端から背面部膜状部材42の下部コーナ部まで延びている下部延長部53Dと、下部ストッパ51Dの幅方向両端から背面部膜状部材42の上部コーナ部まで延びている上部延長部54Dとからなる。このような支持構造物20D,40Dにおいても本発明所定の効果を得ることができる。 <実施例6> 【0076】 次に、本発明の実施例6を図面に基づいて説明する。図8には、実施例6による支持構造物が採用された椅子が示され、上記図1に対応させて表している。実施例1に対してストッパを変更した。 【0077】 図8に示されるように、椅子10Eは、金属製のフレーム11と、このフレーム11に取り付けられ着座者の臀部を支持する臀部支持構造物20Eと、フレーム11に取り付けられ着座者の背面部を支持する背面部支持構造物40Eとからなる。 【0078】 臀部支持構造物20Eに設けられている臀部ストッパ30Eは、略U字状の2つの前部ストッパ31Eと、これらの前部ストッパ31Eの後方において臀部膜状部材22を装飾するように設けられている装飾部35Eとからなる。 【0079】 背面部支持構造物40Eに設けられている背面部ストッパ50Eは、背面部膜状部材42を装飾するように設けられている。 【0080】 ストッパ30E,50Eは、着座者の姿勢を保つ目的に加え、支持構造物20E,40Eを装飾することを目的に設けることもできる。このような支持構造物20E,40Eにおいては、本発明所定の効果に加え、高い意匠性を確保することができる。 【0081】 尚、本発明による膜状部材は、枠状部材に周縁を支持される物を例に説明したが、フレームに直接張設される形式のものであっても適用可能であり、これらの形式のものに限られるものではない。この他、椅子の形状、ストッパの素材、位置、形状、製法などは、本発明の趣旨に反しないものである限りすべて含まれる。 【産業上の利用可能性】 【0082】 本発明の支持構造物は、椅子の着座面部又は背面部に適用するのに好適である。 【符号の説明】 【0083】 10…椅子 11…フレーム 20…臀部支持構造物(支持構造物) 21…臀部枠状部材(枠状部材) 22…臀部膜状部材(膜状部材) 30…臀部ストッパ(ストッパ) 31a、32a…基部 31b、32b…垂直
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