IPC分类号:
A47C31/02 | B60N2/58 | B68G7/052
国民经济行业分类号:
C2190 | C2110 | C2120 | C2130 | C2140
发明人:
齋賀 真介 | 吉野 哲也 | 伊与田 義智
摘要:
クリップ(400)は、第1アーム(410)の先端側に第1爪部(441)が設けられ、第2アーム(420)の先端側に第2爪部(442)が設けられ、第1アーム(410)及び第2アーム(420)の各基端側に底部(406)が設けられた係止部(405)を備える。第1爪部(441)及び第2爪部(442)の各突出により入口(450)の左右幅(W450)が画定される。第1アーム(410)の基端側にて保持空間(430)内に突出する第3爪部(443)が設けられ、第2アーム(420)の基端側にて保持空間(430)内に突出する第4爪部(444)が設けられる。第3爪部(443)は、第1爪部(441)と比較して、入口(450)から底部(406)に向かう保持空間(430)の深さ方向及び入口(450)の左右幅方向に対して直交する前後方向に幅狭である。第2爪部(442)と第4爪部(444)の関係も同様である。
技术问题语段:
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コードの樹脂成形部をクリップの係止部により十分に把持することにより係止部からの樹脂成形部の外れを抑止することができる。しかしながら、例えば、係止部を構成する一組のアームの配置間隔を単に狭めては、係止部への樹脂成形部の挿入が容易ではなくなってしまうかもしれない。
【0006】
本願発明者は、クリップの係止部への被係止部の挿入の簡便さを極端に損なうことなく、係止部からの被係止部の外れの防止を図るという新たな課題を見出した。
技术功效语段:
【0018】本発明によれば、係止部に対する被係止部の挿入性を損なうことなく、係止部からの被係止部の外れを十分に抑止可能である。
权利要求:
【請求項1】
第1アーム(410)の先端側に第1爪部(441)が設けられ、第2アーム(420)の先端側に第2爪部(442)が設けられ、前記第1アーム(410)及び前記第2アーム(420)の各基端側に底部(406)が設けられた係止部(405)を備えるクリップ(400)であって、
前記第1アーム(410)の前記第1爪部(441)が前記第2アーム(420)に向けて突出し、前記第1爪部(441)と前記底部(406)の間に前記係止部(405)に設けられた保持空間(430)が存在し、
前記第2アーム(420)の前記第2爪部(442)が前記第1アーム(410)に向けて突出し、前記第2爪部(442)と前記底部(406)の間に前記保持空間(430)が存在し、
前記第1爪部(441)及び前記第2爪部(442)が少なくとも部分的に対向し、前記第1爪部(441)及び前記第2爪部(442)の各突出により前記保持空間(430)への被係止部(350)の挿入を許容する入口(450)の左右幅(W450)が画定され、
前記第1アーム(410)は、前記第1爪部(441)よりも前記第1アーム(410)の前記基端側において前記保持空間(430)内に突出する第3爪部(443)を更に備え、前記第3爪部(443)と前記底部(406)の間に前記保持空間(430)が存在し、
前記第2アーム(420)は、前記第2爪部(442)よりも前記第2アーム(420)の前記基端側において前記保持空間(430)内に突出する第4爪部(444)を更に備え、前記第4爪部(444)と前記底部(406)の間に前記保持空間(430)が存在し、
前記第3爪部(443)及び前記第4爪部(444)は、各々、前記第1爪部(441)及び前記第2爪部(442)と比較して、前記入口(450)から前記底部(406)に向かう前記保持空間(430)の深さ方向及び前記入口(450)の左右幅方向に対して直交する前後方向に幅狭である、クリップ。
【請求項2】
前記第1アーム(410)及び前記第2アーム(420)が前記前後方向に沿う前後幅を有し、
前記第3爪部(443)及び前記第4爪部(444)は、各々、前記第1アーム(410)及び前記第2アーム(420)の前記前後幅の中央に設けられる、請求項1に記載のクリップ。
【請求項3】
前記第3爪部(443)及び前記第4爪部(444)が対向して設けられ、かつ前記第3爪部(443)と前記第4爪部(444)間の間隔が前記第1爪部(441)及び前記第2爪部(442)から離間するに応じて狭くなる、請求項1又は2に記載のクリップ。
【請求項4】
前記第2アーム(420)に対向する前記第1アーム(410)の対向面には、前記保持空間(430)の前記深さ方向に関して前記第3爪部(443)よりも深い位置にて隆起した第1隆起部(461)が設けられ、
前記第1アーム(410)に対向する前記第2アーム(420)の対向面には、前記保持空間(430)の前記深さ方向に関して前記第4爪部(444)よりも深い位置にて隆起した第2隆起部(462)が設けられる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のクリップ。
【請求項5】
前記第1アーム(410)及び前記第2アーム(420)が少なくとも部分的にテーパー状に構成され、前記第1アーム(410)及び前記第2アーム(420)が前記係止部(405)の前記底部(406)側で近接し、かつ前記入口(450)側において離間する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のクリップ。
【請求項6】
線状体(120)を保持可能に構成され、かつ前記係止部(405)に連結したフック部(470)を更に備える、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のクリップ。
【請求項7】
前記クリップ(400)を操作するべく治具が係合可能である治具係合部(480)を更に備え、前記治具係合部(480)は、前記フック部(470)に連結した連結基部(481)と、当該連結基部(481)から前記フック部(470)との間に
技术领域:
【0001】
本開示は、クリップ及びコードに関する。
背景技术:
【0002】
クッション等に対して表皮材を張り付けるためのクリップが特許文献1に開示されている。同文献の図3に示すように、ガイドバー13がチャック11の側面に結合し、これにより、ガイドバー13の十分な撓みを確保することができる。このようなガイドバー13の十分な撓みにより、同文献の図6及び図7から理解できるようにフック12の中へワイヤをより容易に導入できる。更に、フック12がチャック11の下面に連結するため、図2及び図7等に示す状態において荷重が直線的にクリップ10に付与されることを確保できる。
【0003】
特許文献2には、クリップにより把持されるコードの構造が開示されている。同文献の図1に示すように、ブロック部同士がジョイント部71により連結されており、図1に示すコード8の長手方向の曲げ性が確保される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】
国際公開第2012/017986号パンフレット
【特許文献2】
国際公開第2013/069114号パンフレット
发明内容:
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コードの樹脂成形部をクリップの係止部により十分に把持することにより係止部からの樹脂成形部の外れを抑止することができる。しかしながら、例えば、係止部を構成する一組のアームの配置間隔を単に狭めては、係止部への樹脂成形部の挿入が容易ではなくなってしまうかもしれない。
【0006】
本願発明者は、クリップの係止部への被係止部の挿入の簡便さを極端に損なうことなく、係止部からの被係止部の外れの防止を図るという新たな課題を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るクリップは、第1アーム(410)の先端側に第1爪部(441)が設けられ、第2アーム(420)の先端側に第2爪部(442)が設けられ、前記第1アーム(410)及び前記第2アーム(420)の各基端側に底部(406)が設けられた係止部(405)を備えるクリップ(400)である。前記第1アーム(410)の前記第1爪部(441)が前記第2アーム(420)に向けて突出する。前記第2アーム(420)の前記第2爪部(442)が前記第1アーム(410)に向けて突出する。前記第1爪部(441)及び前記第2爪部(442)が少なくとも部分的に対向する。前記第1爪部(441)及び前記第2爪部(442)の各突出により前記係止部(405)に設けられた保持空間(430)への被係止部(350)の挿入を許容する入口(450)の左右幅(W450)が画定される。前記第1アーム(410)は、前記第1爪部(441)よりも前記第1アーム(410)の前記基端側において前記保持空間(430)内に突出する第3爪部(443)を更に備える。前記第2アーム(420)は、前記第2爪部(442)よりも前記第2アーム(420)の前記基端側において前記保持空間(430)内に突出する第4爪部(444)を更に備える。前記第3爪部(443)及び前記第4爪部(444)は、各々、前記第1爪部(441)及び前記第2爪部(442)と比較して、前記入口(450)から前記底部(406)に向かう前記保持空間(430)の深さ方向及び前記入口(450)の左右幅方向に対して直交する前後方向に幅狭である。
【0008】
前記第1アーム(410)及び前記第2アーム(420)が前記前後方向に沿う前後幅を有し、前記第3爪部(443)及び前記第4爪部(444)は、各々、前記第1アーム(410)及び前記第2アーム(420)の前記前後幅の中央に設けられる、と良い。
【0009】
前記第3爪部(443)及び前記第4爪部(444)が対向して設けられ、かつ前記第3爪部(443)と前記第4爪部(444)間の間隔が前記第1爪部(441)及び前記第2爪部(442)から離間するに応じて狭くなる、と良い。
【0010】
前記第2アーム(420)に対向する前記第1アーム(410)の対向面には、前記保持空間(430)の前記深さ方向に関して前記第3爪部(443)よりも深い位置にて隆起した第1隆起部(461)が設けられ、前記第1アーム(410)に対向する前記第2アーム(420)の対向面には、前記保持空間(430)の前記深さ方向に関して前記第4爪部(444)よりも深い位置にて隆起した第2隆起部(462)が設けられる、と良い。
【0011】
前記第1アーム(410)及び前記第2アーム(420)が少なくとも部分的にテーパー状に構成され、前記第1アーム(410)及び前記第2アーム(420)が前記係止部(405)の前記底部(406)側で近接し、かつ前記入口(450)側において離間する、と良い。
【0012】
線状体(120)を保持可能に構成され、かつ前記係止部(405)に連
具体实施方式:
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。各実施形態は、個々に独立したものではなく、過剰説明をするまでもなく、当業者をすれば、適宜、組み合わせることが可能であり、この組み合わせによる相乗効果も把握可能である。実施形態間の重複説明は、原則的に省略する。参照図面は、発明説明を主目的とするものであり、適宜、簡略化されている。
【0021】
説明の便宜のため、図1に図示の状態を基準として方向を示す用語を用いる。前後方向は、例えば、クッション材の溝の深部にあるワイヤの延在方向に一致し、若しくは、表皮材の端辺が延びる方向に一致し、若しくは、コードのテープの端辺が延びる方向に一致する。後述の説明を踏まえると、前後方向は、入口から底部に向かう保持空間の深さ方向及び第1爪部及び第2爪部間の入口の左右幅方向に対して直交する方向と把握できる。クリップの係止部の保持空間の深さ方向は、保持空間への被保持部の挿入方向に一致する。
【0022】
上下方向は、クッション材の溝の深さ方向に一致し、若しくは、クッション材上に張られた表皮材の面に対して垂直な方向に一致し、若しくは、表皮材に縫着されたコードが吊り下げられた方向に一致する。外側や内側は、前後方向及び上下方向に対して直交する左右方向に関し、クッション材の溝を基準として溝の内部へ向かう方向を内側と把握し、溝から離れる方向を外側と把握する。左右方向に関し、係止部の保持空間を基準として保持空間の内部へ向かう方向を内側と把握し、保持空間から離れる方向を外側と把握する場合もある。更に、これ以外の態様にて同用語が用いられる場合もある。
【0023】
クリップやコードの用い方は図1等に図示の態様に限られるべきものではなく、異なる態様にて用いられても構わない。この場合、図1に基づいて把握した上述の方向に関する説明をそのまま用いることが適切ではなくなる可能性も否定できない。しかしながら、当業者は、方向を示す用語があくまで便宜的なもの、つまり非本質的なものと理解し、本願に添付の全図又は一部の図に基づいて再定義し得るものと理解するだろう。
【0024】
<第1実施形態>
図1乃至図12を参照して第1実施形態について説明する。図1は、表皮材に縫着したコードがクリップを介してクッション材の溝内のワイヤに掛けられた状態を斜視した模式図であり、クッション材の溝の深部にあるワイヤにクリップを介して表皮材が引き込まれることによりクッション材上の表皮材が張られた状態を模式的に示し、ここで、クリップ及びコードが本発明の第1実施形態に関する。図2は、クリップの斜視図である。図3は、クリップの側面図である。図4は、クリップの部分側面図であり、特にクリップのり係止部を示す。図5は、クリップの断面模式図であり、図4に示す第1アームと第2アームの対称面から第1アームを見た断面を示す。図6は、コードの側面図である。図7は、コードの断面図であり、図6の一点破線VII-VIIに沿う断面を示す。図8は、破線で示すコードの樹脂成形部が実施線で示す係止部により把持された状態を示す断面模式図である。図9は、図8の一点破線IX-IXに沿う樹脂成形部及び係止部の断面を示す断面図である。図10は、クリップに対してコードの樹脂成形部を嵌め込む過程を示す模式図である。図11及び図12は、クリップに対してコードの樹脂成形部を嵌め込んだ後の状態を示す模式図である。
【0025】
図1に示すように、弾発性の多孔の厚肉のクッション材100の表面105には前後に長尺な溝110が形成される。溝110の深部には金属撚線等のワイヤ120が架設されており、ワイヤ120は弛みなく張られた状態にある。なお、実施形態によっては、ワイヤ120が湾曲又は屈曲して設けられるだろう。
【0026】
クッション材100の保護や美観の向上の観点からクッション材100に対して表皮材200を張ることが望ましく、とりわけ、クッション材100上に張られた表皮材200に皺や弛みが無いことが望ましい。表皮材200は、人工皮革、天然皮革、織物等の可撓性や柔軟性を備えるシートであり、クッション材100の平坦面ばかりか湾曲面も柔軟に被覆することができる。
【0027】
表皮材200は、コード300及びクリップ400を介してクッション材100のワイヤ120に対して引っ掛けられ、これにより、表皮材200がクッション材100の溝110の深部側へ引き込まれ、クッション材100の表面上で表皮材200が張られた状態になる。図1に示す範囲においては、表皮材200は、一組の別々のシート201、202が重ね合わされて縫着等により固定された重ね合わせ部203を有し、重ね合わせ部203の下端205がコード300のテープ310に対して縫着等により固定される。単一のシートから成る表皮材200をその一辺に沿ってコード300のテープ310に固定しても構わない。
【0028】
コード300は、可撓性を有するシートであるテープ310と、テープ310に対して一体的に設けられた樹脂成形部320を含む。テープ310は、典型的には織物シートであるが、所定厚の樹脂シート等であっても構わない。樹脂成形部320は、典型的には金型等の活用によりテープ310に一体的に設けられる。樹脂成形部320は前後方向に連続しているが、前後方向において所定の間隔にて分断されていても構わず、また前後方向において所定の間隔にて薄肉化されていても構わない。
【0029】
コード300と表皮材200間の固定方法は任意であるが、典型的には、テープ310の上端部が表皮材200の重ね合わせ部203の下端部に重ね合わされて前後方向に沿って連続的又は断続的に縫着される。必ずしもこの限りではないが、強い張力に対抗して固定を維持する必要があるため、接着剤等を活用するよりも縫着を活用することが望ましい。
【0030】
クッション材100への表皮材200の張り付けは、例えば、次の手順で行う。まず、表皮材200の重ね合わせ部203にコード300のテープ310を縫着等により固定する。次に、コード300の下端に設けられた樹脂成形部320をクリップ400の係止部405により把持する。コード300に対してクリップ400を取付けた状態でクッション材100の溝110内へクリップ400を挿入し、クリップ400によりワイヤ120を捕捉してフック部470内でワイヤ120を保持する。なお、この手順に関しては、特許文献1及び2に関連する開示があり、特許文献1及び2の開示は参照により此処に組み込まれる。
【0031】
図2乃至図4に示すように、クリップ400は、係止部405、フック部470、治具係合部480、及びフック閉鎖部490を含む。クリップ400は、典型的には金型等により成形された樹脂成形品であるが、これに限らず金属製であっても良く、或いは樹脂及び金属の複合品であっても良い。3Dプリンターの活用によりクリップ400を製造しても構わないが、製造コスト、製造時間等を考慮すれば金型成形が望ましい。
【0032】
係止部405は、対向配置された第1アーム410及び第2アーム420の間にコード300の樹脂成形部320の保持空間430が設けられた部分である。第1アーム410と第2アーム420は、下方が狭く上方が広いテーパー状に配置されており、つまり、後述の底部406側で近接し、後述の入口450側で離間する。これにより第1アーム410と第2アーム間の間隔の拡大を許容する各アームの枢動を好適に確保することができる。なお、係止部405を構成するアームの数は任意であり、第1アーム410及び第2アーム420の一方又は両方を複数のアームに分割しても構わない。
【0033】
第1アーム410の先端には第1爪部441が設けられ、第2アーム420の先端には第2爪部442が設けられ、第1爪部441が第2爪部442に向って突出し、第2爪部442が第1爪部441に向って突出する。第1アーム410と第2アーム420が同じ程度だけ突出し、第1爪部441と第2爪部442が対向する。なお、第1アーム410と第1爪部441との前後方向寸法は同じであり、第2アーム420と第2爪部442との前後方向寸法は同じである。第1爪部441及び第2爪部442の各先端の間に入口450が画定され、従って、第1爪部441及び第2爪部442により上方から部分的に閉じられた保持空間430への樹脂成形部320の挿入が許容される。入口450は、第1爪部441及び第2爪部442の各突出により画定された左右幅W450を有する。入口450は、入口450の左右幅方向及び入口450から底部406に向かう保持空間430の深さ方向の各方向に対して直交する前後方向に延在する。入口450から底部406に向かう保持空間430の深さ方向は、保持空間430への被保持部350の挿入方向に一致する。
【0034】
より端的には、入口450は、前後方向に長いスリットであり、係止部405の左右方向の寸法よりも長く、前後両端が開放している。また、入口450を画定する第1爪部441及び第2爪部442の前後方向の寸法も、係止部405の左右方向の寸法よりも長いと言える。なお、第1爪部441が第1アーム410から突出する突出方向および第2爪部442が第2アーム420から突出する突出方向は、第1爪部441の先端から第2爪部442の先端に向かう方向若しくはこの逆の方向に一致している。
【0035】
より詳細には、第1アーム410は、係止部405の底部406に連結した基端を有し、その基端から上側及び外側へ傾斜して延在し、その先端が内側へ屈曲して成る。第1アーム410の先端の内側への屈曲により第1爪部441が設けられる。第2アーム420も第1アーム410と同様に構成され、第2アーム420の先端の内側への屈曲により第2爪部442が設けられる。第1アーム410の先端の内側への屈曲以外の態様にて第1アーム410の先端側に第1爪部441を設けても良く、同様に、第2アーム420の先端の内側への屈曲以外の態様にて第2アーム420の先端側に第2爪部442を設けても良い。
【0036】
底部406が平板部として構成されているが、必ずしもこの限りではなく、第1アーム410の基端と第2アーム420の基端を結合してV字状に係止部405を構成しても良い。この場合、第1アーム410と第2アーム420の基端の結合箇所が底部406を構成する。第1アーム410と第2アーム420の基端が結合する底部406を係止部405の基部と把握しても構わない。
【0037】
第1爪部441及び第2爪部442の突出方向の寸法は、第1アーム410及び第2アーム420が図1に示す上下方向に沿って延びる寸法に比べて小さく形成されており、これにより、第1アーム410及び第2アーム420が弾性変形しやすくなっている。
【0038】
保持空間430は、第1アーム410、第2アーム420、及び底部406により囲まれると共に、第1アーム410の先端の第1爪部441と第2アーム420の先端の第2爪部442により上方から規定され、また第1アーム410の先端の第1爪部441と第2アーム420の先端の第2爪部442との間の入口450にて開口している。保持空間430は、図3の紙面に直交する方向、つまり本願で述べる前後方向に延在し、同方向において両端が開口している。なお、保持空間430のかかる形態に即して図3の紙面に直交する方向を貫通方向と呼んでも良い。貫通方向は、本願で述べる前後方向に一致する。貫通方向は、上述の第1爪部441が第1アーム410から突出する突出方向および第2爪部442が第2アーム420から突出する突出方向に直交し、また保持空間430への被保持部350の挿入方向に対しても直交する。
【0039】
図2及び図4に端的に示すように、第1アーム410には第3爪部443が設けられ、第2アーム420には第4爪部444が設けられる。第3爪部443は、第1爪部441の下にて保持空間430内に突出する。換言すれば、第3爪部443は、入口450を介した樹脂成形部320の挿入方向に一致する保持空間430の深さ方向にて第1爪部441よりも深い位置において保持空間430に突出する。第4爪部444は、第2爪部442の下にて保持空間430内に突出する。換言すれば、第4爪部444は、保持空間430の深さ方向にて第2爪部442よりも深い位置にて保持空間430に突出する。
【0040】
かかる構成によれば、係止部405に対する樹脂成形部320の挿入性を極端に損なわないように第1アーム410と第2アーム420を構成するとしても、第3爪部443及び第4爪部444により、係止部405からの樹脂成形部320の外れを十分に抑止可能である。
【0041】
図4に示すように、第3爪部443と第4爪部444間の間隔W445が第1爪部441及び第2爪部442から離間するに応じて狭くなると良い。図4に示すように、第1爪部441及び第2爪部442の間隔が入口450の左右幅W450に等しく、これに対して第3爪部443と第4爪部444の間隔W445は、第1爪部441及び第2爪部442の直下において最大となり、第1爪部441及び第2爪部442から離間するに応じて徐々に狭くなる。このような態様とすることにより、第3爪部443と第4爪部444により、係止部405への樹脂成形部320の挿入が極端に妨げられることを回避することができる。
【0042】
図4に示すように、第2爪部442の先端位置よりも第4爪部444の先端位置が間隔W449だけより内側にある。第1爪部441と第3爪部443の関係についても同様であり、第1爪部441の内端位置よりも第3爪部443の内端位置が間隔W449だけ内側にある。このような関係を満足することにより、樹脂成形部320からの係止部405の抜けの防止性能を高めることが期待できる。例えば、図4の紙面を正面視して左斜め上に樹脂成形部320が引かれるとする。この時、樹脂成形部320が第4爪部444により特に妨害されて図4の紙面を正面視して左回転する力が樹脂成形部320に付与され、これにより、係止部405からの樹脂成形部320の抜けを抑止することができる。なお、上述の爪部の先端位置を内端位置と呼んでも構わない。
【0043】
図2及び図5に示すように、第3爪部443及び第4爪部444は、第1爪部441及び第2爪部442と比較して前後方向にて幅狭に構成される。より端的には、第3爪部443及び第4爪部444の各前後幅は、第1爪部441及び第2爪部442の各前後幅よりも十分に狭い。より具体的には、第1爪部441及び第2爪部442が前後方向に長尺に延在し、他方、第3爪部443及び第4爪部444は、各々、前後方向に対して直交する一組の面により厚みが規定された板状部分、より端的には、平板部、更には薄板部である。
【0044】
かかる構成によれば、コード300の樹脂成形部320にクリップ400の係止部405が取り付けられた状態においてコード300に曲げ又は捩れが生じ、若しくは前後方向における引張力がコード300に付与されても、第1爪部441及び第2爪部442よりも前後幅が狭い第3爪部443及び第4爪部444によって樹脂成形部320からの係止部405の外れが好適に抑止される。また、かかる構成によれば、樹脂成形部320に対する第3爪部443及び第4爪部444の接触面積を小さく確保することができ、第3爪部443と第4爪部444によって係止部405への樹脂成形部320の挿入が極端に妨げられることが回避される。
【0045】
図5に示すように、本例に係る第3爪部443は、前側面4431と後側面4432を有し、これらは両方とも前後方向に直交する。第3爪部443に対向する第4爪部444についても同様である。第3爪部443の前側面4431と後側面4432は、前後方向にクリップ400が移動するのに対抗する対抗面である。第3爪部443の対抗面及び第4爪部444の対抗面により、上述のコード300の樹脂成形部320の前後方向の変位に好適に対処できる。なお、第3爪部443や第4爪部444の配置態様は任意であり、第1爪部441及び第2爪部442に対して一体的に連結しても構わない。
【0046】
なお、クリップ400は、コード300とワイヤ120間で引っ張られて位置固定された状態にあるため、ワイヤ120に沿ってクリップ400が変位したとしても微々たるものである。コード300の樹脂成形部320の前後方向の変位の抑止により、クッション材100に表皮材200が張られた初期状態を好適に維持することが期待できる。
【0047】
必ずしもこの限りではないが、第3爪部443及び第4爪部444は、各々、第1アーム410及び第2アーム420の前後幅の中央に設けられると良い。かかる構成によれば、樹脂成形部320に設けられた溝340に対する各第3爪部443及び第4爪部444の位置合わせが感覚的に容易になる。
【0048】
第1アーム410の保持空間430側の内側面415は、第3爪部443の前側面4431の前側にある前側領域4151と、第3爪部443の後側面4432の後側にある後側領域4152を有する。第2アーム420の保持空間430側の内側面425についても同様であり、第4爪部444の前側面の前側にある前側領域と、第4爪部444の後側面の後側にある後側領域を有する。第3爪部443及び第4爪部444の前後方向の両面により、コード300に係合した状態にて、クリップ400がコード300から外すように作用する力に耐えることができ、係合状態が維持しやすくなる。ここで、前後幅の中央とは、第3爪部443の前側面4431から前側に延びる前後方向の寸法と、後側面4432から後ろ側に延びる前後方向の寸法とがほぼ等しいことを言う。また、第2アーム420についても同様、第4爪部444の前側面から前側に延びる前後方向の寸法と、第4爪部444の後側面から後ろ側に延びる前後方向の寸法とがほぼ等しいことを言う。
【0049】
図5に示すように、第3爪部443は、第1アーム410の前後幅W410の中央に設けられる。なお、第3爪部443の前後幅W413は、第1アーム410の前後幅W410未満であり、好適には、1/2〜1/20の範囲内である。第3爪部443に対向する第4爪部444についても同様である。本例では第1アーム410の前後幅W410は、係止部405の前後幅にも等しい。
【0050】
図2、図4及び図5に端的に示すように、第2アーム420に対向する第1アーム410の内側面415には、保持空間430の深さ方向に関して第3爪部443よりも深い位置にて隆起した第1隆起部461が設けられる。同様に、第1アーム410に対向する第2アーム420の内側面425には、保持空間430の深さ方向に関して第4爪部444よりも深い位置にて隆起した第2隆起部462が設けられる。かかる構成によれば、第1隆起部461と第2隆起部462により保持空間430が深部にて狭められ、係止部405による樹脂成形部320のより強い挟み込み保持を確保できる。なお、内側面415、425を対向面と呼んでも良い。第1隆起部461および第2隆起部462の前後方向の寸法は、第3爪部443並びに第4爪部444の前後方向の寸法より大きく、かつ第1アーム410並びに第2アーム420の前後方向の寸法よりも小さい。
【0051】
係止部405内へ挿入しやすいように下側へ先細りに樹脂成形部320を形状づけることが望ましく、この点は、第3爪部443及び第4爪部444を係止部405に設ける場合にはより顕著になる。しかし、この樹脂成形部320の先細り形状は樹脂成形部320と各第1アーム410及び第2アーム420の間に隙間を生じさせてしまうおそれがある。本実施形態では、この点に鑑みて特に第3爪部443及び第4爪部444の直下に第1隆起部461及び第2隆起部462を設け樹脂成形部320を周囲から圧迫する。これにより、係止部405による樹脂成形部320の把持をより強くすることができる。
【0052】
図5に示すように、第1隆起部461の前後幅W461を第3爪部の前後幅W413よりも広くすることが望ましい。この場合、第1隆起部461は、より広い範囲で樹脂成形部320を内側へ押圧することができる。第1隆起部461に対向する第2隆起部462についても同様である。係止部405への樹脂成形部320の挿入の容易性の観点から、第1隆起部461の前後幅W461は、第1アーム410の前後幅W410以下とすることが望ましい。
【0053】
図5に示すように、係止部405の底部406に第1アーム410及び第2アーム420の間の保持空間430へ突出する突出部465を設けても良い。かかる構成によれば、突出部465により保持空間430内の樹脂成形部320が上側へ押し上げられ、各爪部と協調した樹脂成形部320の上下からの挟み込みをより十分に確保することができる。突出部465は、好適には、第1隆起部461と第2隆起部462の間の底部406の底面407に設けられる。
【0054】
上述の説明から理解できるように、第3爪部443と第4爪部444の下方の保持空間430は、第1隆起部461、突出部465、及び第2隆起部462により三方から減じられ、これにより、係止部405による樹脂成形部320のより十分な保持が確保される。
【0055】
フック部470は、係止部405に連結した略J字状の部分であり、フック部470内にワイヤ120を保持可能に構成される。フック部470は、係止部405の底部406の下面に連結したフック壁部471と、フック壁部471の下端部に連結した弧状部472を含む。フック壁部471は、係止部405の底部406の下面から下方向に直線的に延びる。弧状部472は、フック壁部471の下端部から弧状に湾曲する部分とフック壁部471の下端部から弧状部472の先端に向けて傾斜する部分が一体化して成り、弧状部472の湾曲した凹部が係止部405側に向いている。
【0056】
治具係合部480は、クリップ400を操作するための治具が係合可能な部分であり、端的には、フック部470の外側に配置され、フック部470との間に治具挿通空間485を形成する。本例においては、治具係合部480は、フック部470の弧状部472に連結した連結基部481と、連結基部481から係止部405に至るまでフック部470のフック壁部471及び係止部405との間に間隔をあけて延在する外壁部482を含む。連結基部481は、フック部470の弧状部472から下側かつ外側へ斜めに延在する。外壁部482は、連結基部481の外端部から上方向へ垂直に起立して上側へ直接的に延在する。
【0057】
治具係合部480の基端がフック部470の弧状部472に連結することにより、治具挿通空間485の深さをより深めることができ、また、外壁部482の揺動をより十分に確保することが期待できる。図3に示すように、外壁部482の先端489は、第2アーム420の外側面の上下中間位置に隣接し、第2アーム420の外側面の間に治具挿入用開口486を形成する。
【0058】
外壁部482は、フック壁部471の外側面と係止部405の第2アーム420の外側面に対して等しい間隔を形成するように延在する。フック壁部471に対して第2アーム420が僅かに外側へ倒れるように傾斜している。これに応じてフック壁部471と第2アーム420の連結位置の隣において外壁部482が屈曲した屈曲部483が設けられる。屈曲部483はその頂部がフック部470及び係止部405側に向くように屈曲する。屈曲部483により第2アーム420と外壁部482の間に十分な間隔を確保することができ、治具挿通空間485への治具の挿入の容易さが確保される。また、屈曲部483の外側面には外側へ隆起した補強用隆起部484が形成され、これにより、屈曲部483の補強が施される。なお、治具係合部480に嵌め込まれる治具は、例えば、マイナスドライバー等であるが、この他の治具を用いても構わない。
【0059】
フック閉鎖部490は、フック部470を閉鎖するように構成され、フック部470の外側に配置される。本例においては、フック部470の欠きが治具係合部480とは反対側に向いているため、フック閉鎖部490が治具係合部480とは反対側に配置される。換言すれば、フック閉鎖部490と治具係合部480によりフック部470が挟み込まれる。
【0060】
フック閉鎖部490は、根本部491、閉鎖壁部492、及びガイド壁部493を含む。根本部491は、係止部405の第1アーム410の外側面に連結し、下側へ湾曲した部分である。閉鎖壁部492は、フック部470の欠きを閉鎖するように下側へ延在する部分である。ガイド壁部493は、ワイヤ210の捕捉の容易さを確保するためにフック部470の先端部479よりも更に下側へ延在した部分である。
【0061】
閉鎖壁部492とガイド壁部493は外側に屈曲して結合し、この結合箇所には屈曲部494が設けられる。屈曲部494の頂部はフック部470側に向いている。屈曲部494の近傍の内側面にはフック部470のフック内空間475に突出するように隆起した外れ防止隆起部495が形成される。外れ防止隆起部495は、フック内空間475に入ったワイヤ120がフック外へ外れることを抑制する。
【0062】
ガイド壁部493の内側面、つまりガイド壁部493のフック部470側の面は第1ガイド面46として機能し、フック部470外のワイヤ120をフック部470内へ案内する。なお、フック部470の弧状部472と治具係合部480の連結基部481の連結によって第2ガイド面47が構成される。第1ガイド面46と第2ガイド面47は、フック部470とフック閉鎖部490の間のワイヤ用入口に向って互いに近接するように配向され、これにより、フック部470外のワイヤ120をフック部470内へ好適に案内できる。
【0063】
ここで特に図6乃至図9を参照してコード300について説明する。コード300は、平坦で薄いテープ310の下端の両面に樹脂成形部320が一体的に結合して成る。樹脂成形部320は、係止部405内への挿入と係止部405内での保持に適するような形状に金型等により成形される。上述のように係止部405に第3爪部443及び第4爪部444を設けたことに対応して、樹脂成形部320には溝340がテープ310の表裏の両側に所定間隔で形成され、各第3爪部443及び第4爪部444を挿入可能である。
【0064】
本例に係る樹脂成形部320は、被係止部350、中間接続部360、及びフランジ部370を含み、いずれもテープ310の一組の主面上に設けられ、テープ310を対称面として対称に構成される。被係止部350は、係止部405により把持される断面視略逆三角形部分であり、下部351及び上部352を含む。下部351は、第3爪部443と底部406の間で保持され、かつ第4爪部444と底部406の間で保持される。上部352は、下部351上に一体的に設けられる。下部351と上部352の一体が、第1爪部441と底部406の間で保持され、第2爪部442と底部406の間で保持される。
【0065】
被係止部350の上部352は、テープ310の両側において前後方向に並走する一組の上面330を有する。各上面330には、テープ310の一辺に沿う前後方向に沿って所定間隔で複数の溝340が設けられる。溝340は、第3爪部443又は第4爪部444を収容するために設けられる。
【0066】
図7を参照して説明すれば、被係止部350の上部352は、第1アーム410の第1爪部441が接触可能である第1接触面331、及び第2アーム420の第2爪部442が接触可能である第2接触面332を含む。第1接触面331には第1溝341が形成され、第2接触面332には第2溝342が形成される。第1溝341の底面333に対して第3爪部443が接触可能であり、第2溝342の底面334に対して第4爪部444が接触可能である。
【0067】
中間接続部360は、係止部405の第1爪部441と第2爪部442の間の入口450を塞ぐように構成される。フランジ部370は、中間接続部360を介して被係止部350に連結する。フランジ部370は、テープ310の主面から突出する態様にあり、被係止部350との間に間隔を形成する。フランジ部370は、クッション材100の溝110内でワイヤ120に向けてコード300を押し下げるために治具が係合可能な部分である。
【0068】
図8及び図9に示すようにテープ310の一面側において、被係止部350に設けられる溝340の配置間隔は、係止部405の前後幅よりも狭い。これにより、前後方向に長い被係止部350の任意の位置においてクリップ400の係止部405を配置できる。好適には、係止部405の前後幅の範囲内にテープ310の一面側において3個以上の溝340が配置され、同様にテープ310の他面側において3個以上の溝340が配置される。
【0069】
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