IPC分类号:
A41H43/00 | B29C44/00 | B29C44/58 | C08J9/30 | B29C64/106 | B29C64/209 | B33Y10/00
当前申请(专利权)人:
シンプリファイバー インコーポレイテッド
原始申请(专利权)人:
シンプリファイバー インコーポレイテッド
当前申请(专利权)人地址:
アメリカ合衆国 デラウェア州 19801 ウィルミントン オレンジ ストリート 1209 コーポレーション トラスト センター
发明人:
インチャー-オウラン マリア | コーエン フィリップ | チュン イー ド | サン イチョウ | ユ スヴェナ ルイ シン | テュー ウィリアム ベンジャミン モンゴメリー
代理人:
田中 伸一郎 | ▲吉▼田 和彦 | 須田 洋之 | 倉澤 伊知郎 | 山本 泰史 | 鈴木 博子 | 渡邊 誠
摘要:
本発明は、少なくとも1つの三次元輪郭を含む衣服の少なくとも一部を製造する方法に関する。開示された方法は、繊維と、繊維間に複数の共有結合の創出を生じさせることが可能な溶媒とを含む繊維及び溶媒の混合物を提供することを含む。多くの実施形態では、熱等の触媒が繊維及び溶媒の混合物に提供されると、複数の共有結合が形成される。プロセスは、例えば、3Dプリンタ又はモールド型のいずれかを使用して実行され得る。使用される繊維は、天然繊維、合成繊維、又は天然繊維及び/若しくは合成繊維のブレンドであり得る。溶媒は、好ましくは、水中のイオン性塩を含む。
权利要求:
【請求項1】
衣服の少なくとも一部分を製造する方法であって、前記方法が、以下:
少なくとも1つのタイプの繊維及び少なくとも1つの界面活性剤を含む水性懸濁液を提供するステップと、
前記水性懸濁液を通気して発泡体を生成するステップと、
モールドであって、衣類又はその一部のための少なくとも1つの三次元輪郭を有する空間を含み、前記モールドから液体が出ることを許容するようサイズ決めされた少なくとも1つの孔を含む、モールド、を提供するステップと、
前記発泡体の少なくとも一部を前記モールドの空間に供給するステップと、
前記発泡体を乾燥させるステップであって、前記発泡体中の前記液体の少なくともいくらかが、前記モールド内の前記少なくとも1つの孔を通して前記モールドを出る、乾燥させるステップと、
成形された前記衣服又はその一部を前記モールドから取り外すステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記水性懸濁液に、増強剤、発泡安定剤、及び軟化剤のうちの少なくとも1つが添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記発泡安定剤が、前記水性懸濁液中に存在し、塩化ナトリウム、セルロースナノファイバー、酸化グラフェン、小麦粉、タルカムパウダー、及び、増強剤からなる群から選択された少なくとも1つの発砲判定剤を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記軟化剤が、前記水性懸濁液中に存在し、グリセリン、a-モノグリセリド、ソルビトール、尿素、ポリエチレングリコール、及びマンニトールのうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記衣服の少なくとも1つの部分が前記衣服の少なくとも1つの他の部分とは異なる厚さを有するように、前記モールドが少なくとも1つのくぼみを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記モールドが、前記衣服又はその一部にテクスチャを提供する複数のくぼみを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記空間が、前記発泡体が成型プロセスの開始時に導入されたときの第1の厚さを規定すると共に、前記発泡体が前記モールド内にあり且つ前記液体の量が前記モールド内の少なくとも1つの穴を通って前記モールドから出た後の第2の厚さを規定し、前記第1の厚さが、前記第2の厚さよりも大きい、請求項1に記載の方法。
技术领域:
】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年9月4日に出願された米国仮特許出願第63/074,695号の利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、衣服製造に関し、より具体的には、少なくとも1つの三次元輪郭を有する衣類を製造するための方法に関する。
【
背景技术:
】
【0003】
現在の衣類製造プロセスは、概して、繊維加工ステップ、糸紡績ステップ、織布ステップ、布切断ステップ、及び布の切断ピースを縫い合わせるステップという5つのステップからなる。各ステップは、しばしばステップ間の材料の輸送を必要とする、別々の、非効率的な、労働集約的なプロセスである。スクラップ材料(例えば、切断されるが使用されない布)は、しばしば、そのまま廃棄され、プロセス中の廃棄物に追加される。
【0004】
実際、多くの人は、現在の衣服の生産方法は地球にとって持続不可能であると主張するであろう。アパレル産業は、世界の人類の炭素排出量のおよそ8~10%、水質汚染のおよそ20%、及び年間推定1500万トン超の繊維廃棄物の原因となっている。この影響の大部分は、製造プロセスにおける上記の非効率性に起因する。
【0005】
より良い原材料の選択、生産の現地化及び/又はリサイクルプログラムの追加によって、ファッション業界の環境への悪影響を軽減するための多くの試みが行われてきた。これらは全て重要であるが、ある長さの布から形状を切り取り、ピースを縫い合わせる現在の減算的な方法のため、その利点は限られている。したがって、当該技術分野におけるこれらの欠点に対処する必要がある。
【
发明内容:
】
【0006】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つの三次元輪郭を含む衣服の少なくとも一部分を製造する方法が開示される。一実施形態では、本方法は、以下:1)繊維間に共有結合の創出を生じさせることが可能な溶媒と組み合わせた繊維を含む繊維及び溶媒の混合物を提供するステップと、2)繊維及び溶媒の混合物を3Dプリンタに提供するステップと、3)繊維及び溶媒の混合物が、所定のパターンで3Dプリンタから押し出されるように、デジタルファイルの形態の所定の衣服デザインを3Dプリンタに提供するステップと、4)繊維及び溶媒の混合物が3Dプリンタから押し出され、複数の共有結合が繊維間に形成された後に、溶媒の少なくとも一部分を、繊維及び溶媒の混合物から除去するステップと、を含む。いくつかの実施形態では、繊維間の共有結合の形成を引き起こす及び/又は形成の速度を制御するために、触媒が繊維及び溶媒の混合物に提供される。例えば、熱はしばしば好適な触媒である。
【0007】
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つの三次元輪郭を含む衣服の少なくとも一部分を製造する第2の方法が開示される。本方法は、以下:1)セルロースに分解される繊維を、触媒が提供されるときに繊維間に共有結合の創出を生じさせることが可能な溶媒と組み合わせて含む、繊維及び溶媒の混合物を提供するステップと、2)少なくとも1つの三次元輪郭を規定するモールド型を提供するステップと、3)繊維及び溶媒の混合物をモールド型に提供するステップと、4)触媒として熱を提供して、繊維及び溶媒の混合物中の繊維間に複数の結合を生じさせるステップと、を含む。
【0008】
本発明の更なる態様によれば、衣服の少なくとも一部を製造する別の方法が開示される。本方法は、少なくとも1つのタイプの繊維及び少なくとも1つの界面活性剤を含む水性懸濁液を提供するステップと、水性懸濁液を通気して発泡体を生成するステップと、衣類用の少なくとも1つの三次元輪郭を有する空間を含むモールドを提供するステップとを含む。モールドは、成型プロセス中に液体がモールドから出ることを許容するようサイズ決めされた少なくとも1つの孔を含む。発泡体は、モールドに送達され、次いで乾燥され、発泡体内の液体の少なくともいくらかは、モールド内の少なくとも1つの孔を通ってモールドを出る。成形された衣服(又はその一部分)は、モールドから取り出される。
【0009】
本発明のなお更なる態様によれば、衣服の少なくとも一部分を製造する別の方法が開示される。本方法は、少なくとも1つのピースの予め形成された不織布材料を提供するステップと、不織布材料を溶媒、塩及び結合剤のうちの少なくとも1つで飽和させるステップと、飽和した不織布材料をモールド内に置くステップと、を含む。モールドは、衣類用の少なくとも1つの三次元輪郭及び液体がモールドから出ることを許容するようサイズ決めされた少なくとも1つの孔を有する空間を含む。発泡体は乾燥され、発泡体中の液体の少なくとも一部は、乾燥プロセス中に、モールド内の少なくとも1つの孔を通ってモールドを出る。成形された衣服(又はその一部分)は、モールドから取り出される。
【0010】
本発明のなお更なる態様によれば、上記の実施形態のいずれかで使用される繊維は、少なくとも1つ以上のタイプの天然繊維を含み得る。代替的に、使用される繊維は、1つ以上のタイプの合成繊維を含み得る。更なる代替態様では、合成繊維及び天然繊維のブレンドが利用され得る。
【0011】
本発明の1つの利点は、従来の衣服製造に利用されるいくつかのステップ(例えば、撚糸製造、織布及び切断)が低減又は除外され、それによってより環境に優しくかつ効率的なプロセスが生じるという事実である。
【0012】
本発明の別の利点は、デザイナーが、追加のプロセスを使用して衣服を創出することにより、従来の衣服製造では利用され得ないカスタマイズ能力を可能にすることを許容する。
【0013】
本発明の更なる利点は、本発明が、衣服がデジタル化されかつ容易に伝達されることを許容し、それによって、機器(例えば、3Dプリンタ)及び供給品が利用可能な場所であればどこであろうと衣服物品がその地域で製造され得ることである。例えば、衣服は、エンドユーザーの自宅で、オンデマンドで製造され得る。
【0014】
なお更なる利点は、手作業への依存の減少によるコストの潜在的な削減である。
【0015】
なお更なる利点は、衣服がデザイン段階でクライアントに仮想的に試着され、次いで仕様に適合するように製造され得ることである。
【
具体实施方式:
】
【0017】
本発明の一実施形態は、概して、図1の数字10によって識別される。示されるように、本発明は、本明細書に記載されるように、繊維(好ましくは天然繊維)、溶媒及び(任意選択で)触媒を使用する追加のプロセスにより形成される、少なくとも1つの三次元輪郭を含む衣類、又は衣服を含む。発泡体形成プロセス及び乾燥繊維成形プロセスもまた、具体的に説明される。本発明のプロセスは全て、確かに概して二次元繊維状の物体を製造することが可能であるが、本発明の有用性は、衣類の少なくとも一部分を形成し得る布状の材料を創出する能力であり、衣類は、創出時に少なくとも1つの三次元輪郭を有する。
【0018】
本明細書で使用される場合、「衣服」及び「衣類」という用語は、同一の通常の定義を有することが意図され、本開示では互換的に使用されるであろう。「不織布」という用語は、本明細書では、繊維、撚糸、又は糸を規則的なパターンに織り込むことなく平面内で配向され、物理的又は化学的手段によって互いに結合された繊維からなる布地を指す。「発泡体安定剤」という用語は、本明細書では、分離及び経時的な発泡体構造の損失に対しより良好に抵抗する湿潤発泡体を生じるであろう発泡体への任意の添加剤を指す。「軟化剤」という用語は、本明細書では、より可鍛性であるか、より剛性が低いか、若しくは触覚に対して知覚的に柔らかいか、又はそれらの任意の組み合わせである最終材料を生じるであろう発泡体、繊維、又は不織布への任意の添加剤を指す。「増強剤」という用語は、ここでは、乾燥若しくは湿潤条件下でより強く若しくはより剛性になる、又はそれらの任意の組み合わせである最終材料を生じるであろう発泡体、繊維、又は不織布への任意の添加剤を指す。
【0019】
別の実施形態では、例えば図2に示されるように、衣類10は、少なくとも第1の構成要素12及び第2の構成要素14を含み、少なくとも第1の構成要素12は、本明細書に開示される添加剤プロセスのうちの1つによって創出される。図3に示されるように、図2の別個の構成要素12、14は、第2のプロセスにおいて互いに取り付けられて衣類を創出する。図1~図3に示される実施形態は、パンツに関するが、本発明は、シャツ、ショートパンツ、ドレス、スカート、パンツ、ソックス、履物、ベスト、セーター、スカーフ、帽子、手袋、ミトン等を含むがこれらに限定されない、人によって着用されることが公知である任意のタイプの衣類に適用可能である。
【0020】
本発明のプロセスは、繊維及び溶媒を含む繊維及び溶媒の混合物を提供し、次いで、三次元衣服の少なくとも一部分を生じる形成ステップ(以下で考察する)を実施することを含む。いくつかの実施形態では、触媒が、多くの実施形態における形成ステップ中に提供され、溶媒と繊維との間の化学反応を引き起こすか、促進するか又は増強して、繊維間の化学結合を生じる。本発明の形成ステップは、任意の公知のプロセスで実施され得るが、少なくとも1つの三次元輪郭を有する衣服(又はその一部)を三次元印刷及び/又は成型することが好ましい。代替的に、溶媒の代わりに、結合剤又は接着剤が利用され得る。
【0021】
繊維は、天然又は合成のいずれかであり得る。天然繊維の場合、綿、リネン、麻、ビスコース、木材、カポック、コルク、農業廃棄物、紙、細菌セルロース等のバージン又はリサイクルされた植物ベースの材料が利用され得る。代替品は、菌糸体、コラーゲン、及びウール/毛である。使用する前に、繊維は、サイズが縮小され得るか、かつ/又は繊維の基本的な構造成分に分解され得る。例えば、特定の植物ベースの天然繊維の場合、繊維はセルロースに分解され得る。合成繊維等の他の例では、繊維のサイズが縮小され得る。繊維の実際のサイズは、用途、及び所望の最終製品に応じて変化し得る。
【0022】
天然繊維は、生分解性でありかつリサイクル可能であるため、概して好ましいが、本発明はそれほど限定されない。例えば、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、アクリル、及びスパンデックス等の合成繊維は、これらもまた利用され得かつ特定の有用性を有し得る合成繊維の例であるが、なぜなら、それらはエンドデザイナーの所望の特性を有するように選択及び/又はデザインされ得るからである。
【0023】
複数のタイプの天然繊維又は複数のタイプの合成繊維の様々なブレンドに加えて、いくつかの実施形態では、いくつかのブレンドが、衣類の形成において、天然繊維及び合成繊維のいずれか又は両方の1つ以上を一緒に含み得る。
【0024】
繊維長、気孔率、カール及び厚さ等の繊維の特定の特性は、三次元衣服をデザインするときに考慮され得る。例えば、綿のようなより吸収性の繊維は、それらの多孔質の性質のために特に適し得る。同様に、繊維の長さは最終生成物の強度に影響を及ぼし、より短い繊維は概してより弱い材料を生じるであろう。好ましくは、使用される繊維は、約0.1cm~約7.5cmの範囲である。短い又はより短い繊維は、概して、およそ約0.1cm~およそ約1.0cmの範囲の長さを有する繊維を含むと考えられる。長い繊維又はより長い繊維は、およそ約1.0cm~約7.5cmの範囲の長さを有する繊維を含む。提供される繊維の量は、重量基準で、概して、衣服(又はその一部分)中の繊維の所望の重量から、二次作業で除去されるであろういずれかの部分を差し引いたものに等しい。
【0025】
多くの種類の溶媒が、本発明のプロセスで利用され得る。本発明の一態様によれば、水中のイオン性塩を含む溶媒が利用される。NMMOはまた、特定の有用性を有することが見出される。溶媒は、繊維同士を分子レベルで結合させる。この分子(共有結合)結合は、繊維間に結合を創出し、接着剤又は他の材料を混合物に導入する必要なしに、それらが一緒に保持されるようにする。この化学プロセスの代替又は補足は、結合剤として使用されるセルロース微細繊維であり得る。溶媒の第2の代替物は、メチルセルロース等の天然由来の接着剤であり得る。好ましくは、可能な限り、溶媒は閉ループプロセスで使用され、溶媒中の化学物質及び水の両方が繰り返しリサイクルされる。溶媒の種類、量、及び濃度は、衣服の正確な用途及び種類によって異なる。
【0026】
繊維及び溶媒が衣類を創出するために必要な結合を創出するために、熱又は冷等の触媒は、しばしば、反応を開始、制御及び/又は加速するために必要とされ得る。より具体的には、熱は、多くの実施形態で、溶媒と天然繊維との間の化学反応の触媒として作用し、共有結合によって分子レベルで結合を創出することを可能にする。概して、触媒が長く適用されるほど、より多くの結合が形成されるであろう。その結果、最終製品はおそらくより構造的に安定するであろう。結果として、デザイナーは、所望のレベルの結合が発生して所望の結果が得られるように反応を制御する必要があるであろう。例えば、触媒が比較的短い期間(例えば、数ミリ秒)にわたって適用されると、結合の形成が少なくなるであろうし、効果はより柔軟でしなやかな物体であろう。逆に、触媒が適用される時間が長いほど、より多くの結合が形成され、効果はより硬く、柔軟性の低い物体であろう。熱源は、当業者に公知のいずれかのものであり得る。しかしながら、レーザーの使用又は超音波等の別の波長で放射されるエネルギーによる使用は、特定の有用性を有する。代替熱源もまた、発熱体、又は超音波振動源(例えば、超音波ホーン)と直接接触するか、又はそれに近接することによって適用され得る。代替的に、熱の代わりに、触媒は、酸素又は他の化学物質/酵素であり得る。
【0027】
上記のように、3D印刷及び成型を含むが、これらに限定されない、いくつかの異なるプロセスが利用され得る。
【0028】
衣服の3Dプリントに関して、プリンタは、付加的なプロセスで衣服を創出し得る。繊維及び溶媒の組み合わせは、ペースト、又はゲルの形態で3Dプリンタに提供される。次いで、混合物は、ペーストが、1つ以上の層内のベース上に「印刷」されるように、所定の線又はパターンに押し出される。任意選択で、かつ材料の組成に応じて、線が印刷されるにつれて、触媒、例えば、熱が、混合物を押し出している機械の部品、又はいくつかの追加の発熱体(例えば、レーザー、超音波若しくは他の波長、又は超音波振動)のいずれかによって適用され得る。混合物は、一旦押し出されると、デバイスに接続されたコンピュータによって指示されて、一緒に結合して実線/形状になるであろう。最終的に、より多くの材料が3Dプリンタから所定のパターンに押し出されるにつれて、輪郭を有する三次元からなる最終物品が創出される。ユーザーは、衣類又はその一部を印刷する付加的プロセスを開始する前に、印刷される衣類の形状を3Dプリンタに事前にプログラムする。当然のことながら、3Dプリンタの能力の固有の限界を考慮しながら、デザイナーはほぼあらゆるタイプの衣類、又はその一部を自由に創出し得る。印刷プロセスの後又は中に、水等の凝固浴が、「架橋」に使用され得るか、又は印刷物内により多くの結合を創出するために使用され得る。次いで、得られた材料を冷凍庫で乾燥させるか、又は凍結乾燥させて、かつて水があった材料中の隙間を保持して、得られた材料が柔軟性を保持することを許容し得る。
【0029】
代替的に、3Dプリンタを、固体、液体又は粉末のいずれかである一定の体積の混合物から開始し得る。この場合、熱は、レーザー、超音波又は他の波長(デバイスに取り付けられたコンピュータによって誘導される)を介して、特定の点で混合物に導入される。局所的に加熱された繊維/溶媒混合物の体積内の異なる場所では、反応が起こるであろう。そして、その結果は、結合が生じた繊維状固体である。本質的には、プロセスは、体積から事前に決定された三次元形状を彫刻する。次いで、混合物の残りの部分を洗浄又は吹き飛ばして、硬化した3D形状のみを残し得る。少なくともいくつかの例では、廃棄物を最小限に抑える又は削減するために、未使用の部分は、将来、同様のプロセスで使用され得る。
【0030】
本発明はまた、上述のように、成型作業も利用し得る。プロセス内で使用されるモールド型は、所定の形状のポジティブ又はネガティブの印象であり得る。デザイナーに布、生地、又は衣服製造プロセスにおける新たな器用さを与えるために、モールドは「固定」され得(例えば、変更が不可能である)か又は手動で(接触により)又は機械的に(接続されたデバイスのシステムにより、例えば、モールドに接続されたコンピュータにより、モールドのサイズ及び形状がコンピュータベースのソフトウェアプログラムにより制御される)彫刻/「成形」され得る。繊維及び溶媒を含有する混合物又はスラリーは、手動(例えば、注入)又は自動(例えば、射出成型プロセスによる)のいずれかで、モールドの外側に(ポジティブ印象が使用される場合)又はモールドの内側に(ネガティブ印象が使用される場合)添加される。繊維及び溶媒の混合物が射出成型プロセスによりモールドに添加される実施形態では、スラリーを貯蔵容器からモールドの表面(ポジティブ印象を使用する場合)又は内部(ネガティブ印象を使用する場合)に輸送するために、小さな孔のシステムが使用され得る。スラリーの組成物に応じて、一旦水が注がれると、水はスラリーから除去される必要があり得る。モールド中の一連の孔又は少なくとも1つの孔は、水を除去するのに役立つ可能性がある。任意選択で、かつ材料の組成に応じて、熱は、次いで、上記の適切な熱源の1つから繊維及び溶媒の混合物に印加され得る。モールドはまた、熱源を含有し得、かつ生地繊維、化学化合物、水、接着剤、染料、及び/又は混合物/スラリーの他の主要成分のための別の貯蔵室を有し得る。本質的に、モールド自体は、上述の3Dプリンタのようなツールと同様の様式で機能するようにデザインされ得る。オーブン、熱源、冷凍庫又は凍結乾燥機を使用して、材料の乾燥を補助し得る。凝固浴(水等)もまた、材料内に更なる結合を創出するのに使用され得る。
【0031】
第1の実施形態では、少なくとも1つのタイプの繊維、少なくとも1つの界面活性剤、及び任意選択で、増強剤、発泡体安定剤、及び軟化剤を含む水性懸濁液である。水性懸濁液を通気して、機械的攪拌又は空気注入等の任意の公知の手段によって発泡体を生成する。次いで、発泡体を、事前に選択された幾何学形状のモールドに提供する。次いで、発泡体を、直接熱、赤外線放射、若しくは凍結乾燥、又はそれらの任意の組み合わせ等の様々な方法によって乾燥させる。最後に、繊維溶接、カレンダー加工、強度処理、軟化処理、若しくは染色等の様々な処理、又はそれらの任意の組み合わせが、成型衣服又はその一部に対して行われ得る。
【0032】
本発明による方法は、発泡体形成作業に関連して上記に列挙されたもの等の様々な処理の対象となるように、発泡体によって生成される繊維材料の代わりに少なくとも1つのプレハブ繊維不織布材料片が使用される代替の実施形態もまた含む。
【0033】
本実施例における繊維は、天然若しくは合成の任意のバージン若しくはリサイクルされた供給源、又はそれらの任意の組み合わせに由来するリグノセルロース性、セルロース性、キチン性、又はタンパク質性のものであり得る。リサイクルされた供給源は、ポストコンシューマー/廃棄衣類、農業廃棄物、又はポストコンシューマー/古紙等の供給源からのものがしばしば好ましい。天然繊維は、木材供給源又は非木材供給源からのものであり得る。木材供給源は、マツ、モミ、ヘムロック、ヒマラヤスギ、又はトウヒ等の針葉樹、又はカエデ、シラカバ、ユーカリ、及びアスペン等の広葉樹であり得る。非木材供給源は、綿、麻、ジュート、竹、ラミー、リード、亜麻、カポック、マイセリウム、及びバガス等の植物及び真菌繊維供給源、又はキトサン、ウール、シルク、毛、皮膚、若しくは毛皮等の他の動物供給源、又はそれらの実験室で栽培若しくは培養されたバージョンから構成され得る。合成繊維は、ビスコースレーヨン、リヨセル、キュプラ、又はモーダルの場合におけるように、再生セルロースから形成され得る。
【0034】
水性懸濁液は、0.1重量%~5重量%の繊維、及び0.01重量%~2重量%の懸濁液を含む少なくとも1つの界面活性剤から構成される。界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン性、ラウリルグルコシド等の非イオン性、塩化アルキルベンゼンアンモニウム等のカチオン性、若しくはコカミドプロピルベタイン等の両性、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0035】
懸濁液はまた、塩化ナトリウム、セルロースナノファイバー、酸化グラフェン、小麦粉、又はタルカムパウダー等の発泡体安定剤、ロジン、アルキルケテン二量体、コハク酸アルキル無水物、キトサン、若しくはポリアミドエピクロロヒドリン等の増強剤、及び/又はグリセリン、モノグリセリド、ソルビトール、尿素、ポリエチレングリコール、若しくはマンニトール等の軟化剤、又はそれらの任意の組み合わせ等の改質剤を含有してもよい。一部の改質剤は、使用前に溶媒又は他の処理中で溶解する必要がある。キトサンは、特定の有用性を有することが見出された。例えば、0.1重量%~10重量%の濃度のデンプンを100~130℃の温度で、水中で調理して溶解し、0.25重量%~3重量%の濃度のキトサンを3~5重量%の酢酸を含む水中に溶解し、0.5~3重量%のセルロースナノファイバーを超音波処理によって分散させるが、全ては懸濁液に組み合わせる前に行われる。
【0036】
次に、懸濁液を通気して空気を懸濁液に組み込むことにより湿った発泡体を創出し、懸濁液の全ての成分を完全に混合する。総空気含有量は、20~90体積%であり得る。渦の形成及びせん断を促進するために、羽根付き若しくは羽根なしインペラ、マグネティックバー、又は隆起若しくは滑らかなシリンダと、バッフル若しくは隆起あり若しくはなしの混合容器を用いる機械的ボルテックス混合等の、異なる方法が通気に使用され得る。制御されたサイズのマイクロメートル規模のバブルが懸濁液中に流し込まれ、バブルサイズの変動が狭い十分に混合された発泡体を生成する、空気注入等の非機械的混合方法も使用され得る。通気はまた、それらのプロセスの任意の組み合わせによって達成され得る。
【0037】
次いで、湿った発泡体をモールドに注ぎ、発泡体から水を排出し、少なくとも1つの三次元輪郭を有する衣類の形状で構造化された不織布を構成する乾燥発泡体を創出する。モールドは、主にポジティブ及びネガティブ部分で構成されており、均等に分散された孔が、発泡体から水を排出するチャネルにつながっている。これらのモールド部分は、少なくとも1つの三次元輪郭を有する衣類の形状である。
【0038】
モールドはまた、ポジティブ及びネガティブモールドの形状内のより細かいスクリーン材料の二次成分を有して、水が排出されることを可能にしながら、発泡体の繊維及び固体成分が通過し得ない細かいメッシュスクリーンを提供し得る。このスクリーンはまた、モールド本体から取り外し可能であり、更なる加工中に発泡体の安定化支持体として使用され得る。代替的に、モールドは、平坦な完成品を生成するための単純な平面スクリーン、又は材料の連続的なロールを生成するためのコンベヤベルトシステムを含み得る。
【0039】
発泡体からの水の排出中に、真空圧力、回転による求心力、若しくは真空バッグ、エアバッグ、若しくはウォーターバッグ、又はそれらの任意の組み合わせによる圧力の適用等の他の方法によって、排水の質を加速及び/又は改善する、異なる方法。モールド内/周辺の対流加熱、モールドを直接通って/モールドからの導電加熱、それらの古い中/上の放射性赤外線加熱、又はそれらの任意の組み合わせ等の加熱方法もまた適用され得る。加熱は、概して、水の沸点の近く、概して90~120℃で適用される。-50~-10℃の温度での凍結、続いて、-150~-90℃の温度で、0.01~0.05mbarの圧力での凍結乾燥等のコールドドライ法もまた適用され得る。
【0040】
繊維溶接を行うために、次いで、生成された発泡体不織布を適切な溶媒で飽和させる。セルロース繊維の場合、N-メチルモルホリンN-オキシド、水中の水酸化ナトリウムを有する尿素、水中の水酸化ナトリウムを有するチオ尿素、水中の水酸化ナトリウムを有する酸化亜鉛、若しくはジメチルアセトアミドを有する塩化リチウム、又はそれらの任意の組み合わせ等の適切な溶媒が適用され得る。水酸化ナトリウム系溶媒の場合、水酸化ナトリウムの濃度は5重量%~15重量%であり、他の成分の濃度は0.5重量%~5重量%である。
【0041】
不織布が一旦飽和すると、繊維は、繊維間の結合を容易にするために、表面に沿って部分的に溶解される。次いで、いくつかの溶媒は、-25~-10℃の温度で、2~24時間の間凍結することを必要とし得る。次いで、飽和不織布を、20~120Paの圧力で、10~240分間加圧する。圧力は、直接重量、バイスグリップ又は空気圧/油圧プレスの適用、真空バギング、エアバッグ、ウォーターバッグ、又はそれらの任意の組み合わせ等の異なる方法によって適用され得る。加圧は、2つの吸収性材料の間で実施され、均一な圧力並びに過剰な溶媒の除去を容易にし得る。加圧中に、繊維の部分的に溶解した表面が接触させられて、繊維の溶融を可能にし、強力な繊維結合及び不織布構造の部分的な崩壊を実現する。一度押されると、不織布を、水、エタノール、イソプロパノール、アセトン、又はこれらの任意の組み合わせ等の逆溶媒で洗浄して、溶媒を除去し、室温で乾燥させ、よりスムーズで革のような手触りの、より薄く、より強く、より柔軟な不織布をもたらす。
【0042】
生成された不織布は、カレンダー、強度処理、軟化処理、若しくは染色、又はそれらの任意の組み合わせ等の様々な処理に供され得る。
【0043】
本発明の第2の実施形態では、繊維は、発泡体担体媒体を使用することなく、モールド表面に直接塗布される。このような繊維の許容される形態としては、繊維バッティング、フェルト、紙、毛羽、ルーズファイバー、組織、及び上記の繊維源、例えば、コットン、ウール、カポック、ジュート、キチン、又はそれらの任意の組み合わせから製造された不織布が挙げられるが、これらに限定されず、これは、前述のプロセスによって生成された乾燥発泡体に代わるものである。
【0044】
この実施形態では、繊維若しくは不織布、又はそれらの任意の組み合わせは、好適な溶媒中で飽和され、繊維の表面を部分的に溶解して、繊維間の結合を容易にする。例えば、セルロース繊維の場合、N-メチルモルホリンN-オキシド、水中に水酸化ナトリウムを含む尿素、水中に水酸化ナトリウムを含むチオ尿素、水中に水酸化ナトリウムを含む酸化亜鉛、又はジメチルアセトアミドを含む塩化リチウム、又はそれらの任意の組み合わせ等の適切な溶媒が適用され得る。水酸化ナトリウム系溶媒の場合、水酸化ナトリウムの濃度は5重量%~15重量%であり得、他の成分の濃度は0.5重量%~5重量%である。溶媒はまた、繊維又は不織布に塗布する前に、0.5重量%~10重量%の溶解セルロースを充填してもよい。溶媒は、噴霧、浸漬、塗装、押出、若しくはスクリーン印刷、又はそれらの任意の組み合わせ等の様々な方法によって適用され得る。次いで、飽和材料を、ポジティブ若しくはネガティブ型、又はそれらの組み合わせに直接塗布する。モールドはまた、ポジティブ若しくはネガティブモールドの形状内のより細かいスクリーン材料の二次成分を有してもよく、発泡体の繊維及び固体成分が通過することができず、水が排出されることを可能にする細かいメッシュスクリーンを提供する。このスクリーンはまた、本体から取り外し可能であり、更なる加工中に発泡体の安定化支持体として使用され得る。
【0045】
次いで、いくつかの溶媒は、-25~-10℃の温度で、2~24時間の間凍結することを必要とし得る。次いで、飽和不織布は、20~120Paの圧力で10~240分間加圧され得る。圧力は、直接重量、バイスグリップ又は空気圧/油圧プレスの適用、真空バギング、エアバッグ、ウォーターバッグ、又はそれらの任意の組み合わせ等の異なる方法によって適用され得る。加圧は、2つの吸収性材料の間で実施されて、均一な圧力並びに過剰な溶媒の除去を促進し得る。飽和又は加圧の後、不織布を、水、エタノール、イソプロパノール、アセトン、又は硫酸、又はそれらの任意の組み合わせ等の逆溶媒で洗浄して、溶媒を除去し、室温で乾燥させ、凝集性の繊維溶接不織布材料を得る。
【0046】
生成された不織布は、カレンダー、強度処理、軟化処理、又は染色、又はそれらの任意の組み合わせ等の様々な処理に供され得る。
【0047】
作業中、3Dプリントプロセスを利用するとき、天然繊維は、最初に溶媒で分解されるか、又は部分的に分解され、押し出されて、成形されたオブジェクトを3Dプリントするためのインクとして使用され得るペースト/スラリーを創出する。衣服は、コンピュータ及び適切なソフトウェアを使用してデザインされる。次いで、得られたデザインは、3Dプリンタに送信され、3Dプリンタは、追加のプロセスによって、三次元衣服(又はその一部分)を印刷する。熱は、繊維及び溶媒の混合物がプリンタから所定の時間押し出された直後に提供されて、溶媒と繊維との間の化学反応を起こす。化学反応は、繊維間に結合(好ましくは共有結合)を起こし、所望の輪郭を有する布様材料を生じる。
【0048】
代替的に、上述したように、繊維及び溶媒の混合物が初期体積で提供される場合、同様のプロセスが利用され得る。次いで、熱が混合物の特定の部分に加えられ、熱が繊維及び溶媒の混合物に加えられる場所で化学反応を創出する。上記の例と同様に、初期体積の混合物から三次元の布状の物体が形成される。残りの材料は除去されて、任意選択で再利用され得る。
【0049】
両方の場合において、カラー染料は、所望の効果に応じて、前もって、又は任意の段階で、プロセスに導入され得る。
【0050】
ここで、少なくとも1つの輪郭を含む所定の形状を有する発泡体を使用して、あるタイプのモールドを使用して、衣服又はその一部が形成され得るプロセスを参照する。成型方法の例示的な実施形態が、以下に提供される。
【0051】
第1の実施例では、及びここで図4~図5を参照しながら、モールド装置15を用いて、ポジティブ及びネガティブ側面を有する固定モールドに発泡体を注入することを含む第1の方法を説明する。モールド装置15は、真空チャンバ16、ラッチング手段18、真空チャンバシール20、取り外し可能な蓋22、下部多孔質モールド真空シール24、下部多孔質モールド26、成型スペーサ28、上部多孔質モールド30、真空チャンバドレン32、圧力計34、及び空気入口36を含む。取り外し可能な蓋22は、概して、真空チャンバ16の上に配置され、構成要素の間に適切なシールを形成する。取り外し可能な蓋、下部多孔質モールド26を受け入れるように設計された内部開口部。示される実施形態では、上部多孔質モールド30は、下部多孔質モールド26内に概して配置され、それらの間に配置された下部多孔質モールド真空シール24により、適切なシールを創出する。成型スペーサ28は、上部及び下部モールド部分26、30の間に配置されて、それらの間のギャップを規定し得る(例えば、図6を参照)。
【0052】
分散繊維を有する溶液は、攪拌機、ミキサー、ブレンダー、圧縮ガス又は溶液にガスを添加する任意の他の手段とブレンドされて、発泡体を創出する。発泡体は、下部多孔質モールド26と上部多孔質モールド30との間で、モールド装置15に注がれ、押し出され、噴霧されるか又は放出される。2つのモールド部分26、30間の距離は、最初は所望の完成品よりも広い。例えば、およそ1mm~2mmの所望の仕上げ厚さについて、初期モールドは、モールド部分26、30の間におよそ1cm~4cmの隙間を有し得る。必要に応じて、モールドの壁に対する発泡体の均一な分布は、真空チャンバ16から真空圧力を加えるか又は遠心力を加えることによって補助され得る。
【0053】
モールド部分26、30は、形成プロセス中に液体排出を可能にする何らかの方法で、孔を有するか又は多孔質であるべきである。モールド部分26、30内の細孔は、概して、液体がそこを通過することを可能にするが、成型された材料がモールド部分26、30から出るのを防ぐために、有効直径が1mm未満である。実際のサイズは、デザイナー及び所望の完成品によって決定され得る。液体が排出されると、ガスの泡が残る。これらの気泡(発泡体)は、概して、濡れていても固体として挙動し、かつ乾燥することを許容される。気泡が乾燥すると、それらは軽量かつ概して柔軟な不織結合構造を形成する。乾燥プロセス中、発泡体の構造は可鍛性であり、所望ならば、衣類(又はその一部分)が元の形状とは異なる形状になるように操作され得る。
【0054】
ここで図6及び図7を参照すると、2つのモールド部分26、30の断面図が、それらの間にギャップを有する(G1及びG2を比較)ことが示されている。図6は、概して、成型プロセスの開始時に、衣服創出プロセスの最終段階で図7に示されるギャップ(G2)よりも概して大きいオフセット(G1)を有する2つのモールド部分26、30を示す。いくつかの実施形態では、モールド部分26、30の補完部分間のギャップG1は、成型プロセスの開始時におよそ1cm~4cmであり得る。いくつかの実施形態では、モールド部分26、30の補完部分間のギャップG2は、およそ1~2mmであり得る。
【0055】
発泡体の厚さを低減することが所望される実施形態では、以下の1つ以上の組み合わせが使用され得る:1)小さいオフセットを達成するためにポジティブ及びネガティブモールドの部品によって加えられる圧力;2)手又は手持ち型用具によって加えられる圧力;3)真空袋、水袋又は空気圧式システムによって加えられる圧力;4)加熱されたモールドによって加えられる圧力及び熱;5)手持ち型アイロンによって加えられる圧力及び熱;並びに6)結合を増強するか、又は柔らかさ、柔軟性及び疎水性等の、しかしこれらに限定されない機械的特性を改善するための化学的後処理。そのような処理には、NMMO、MA処理、気相処理、グリセリン、PLA、イオン性液体が挙げられるが、これらに限定されない。モールド部分間の隙間を変更するための多数の方法が利用され得る。
【0056】
更に、及びここで図8を参照すると、膨張可能な内部袋44がモールド部分26、30の間に設置され得、空気入口46により膨張させられ得る。内部膨張可能な袋44が膨張するにつれて、内部膨張可能な袋44は、成型された部分に圧力を加え、所望の形状を形成する。
【0057】
所望であれば、結果として生じる成型された部分の厚さは、いくつかの領域で他の領域よりも局所的に減少され得る。例えば、図9及び図9Aに示されるように、モールド部分26、30の1つ以上は、1つ以上の特徴(例えば、くぼみ)48を含み得る。くぼみ48は、衣服にテクスチャを追加することを含むが、これらに限定されない多様な目的のために使用され得る。局所的厚さが異なる領域を有する衣服では、各領域の挙動は異なり得、例えば、いくつかの領域が他の領域よりも柔軟であることを許容する。このことは、パッド、馬巣織りキャンバス、ボーニング、又は他の構造要素を通常必要とするであろう衣類に有利であり得るが、これは、同様の結果が、1つのタイプの材料で1つのピースで達成される可能性があるためである。異なる要素の数を減らすことは、少ない必要な分解で衣服がリサイクルされることが許容されるという利点を有するであろう。その結果、衣服を完成させるために必要とされる手作業及び/又は二次作業も有利に排除され得る。第1の例では、概して図4及び図5を参照すると、緩い及び/又は不織布繊維をモールドで成形することが説明されている。乾燥した繊維は、モールド中に伸張/加圧することによって、三次元形に成形され得る。繊維は、バッティング、ワディング、フェルト、フラフ、カット若しくは連続ロービング、ルーズファイバー、又は他の繊維の不織布構成として供給され得る。繊維は、溶媒(NaOH/ZnO(8.1%/1.3%)溶液等)、塩、又は結合剤/接着剤を含有する溶液で飽和させられ、次にモールドに押し込まれ、次に乾燥させられ、次にすすがれる。
【0058】
ルーズファイバー、フラフ又はカットロービングの場合、繊維は液体に分散させられ得、かつ、繊維が通過するのを遮断するが液体が通過することは許容するフィルタを備えた真空を使用して、モールドに対して引っ張られ得る。次いで、真空がなお繊維を形状に加圧するにつれて、モールドは液体/繊維分散体から取り出され得る。モールド上の繊維を真空から切り離して乾燥させ得る。乾燥繊維は、冷凍庫に入れるか、凍結乾燥させるか、室温で空気乾燥させるか、又はオーブン、赤外線ヒーター等の加熱装置に入れ得る。
【0059】
バッティング、フェルト、詰め物又は連続ロービングの場合、繊維は、溶媒(NaOH/ZnO(8.1%/1.3%)溶液等)、塩、又は結合剤/接着剤で飽和させられ、次に手でモールドの上に延伸され、表面又はポジティブ若しくはネガティブモールド、又はポジティブ若しくはネガティブモールドの間に押し付けられる。次に、繊維は、冷凍庫若しくは凍結乾燥機に入れられ、室温で空気乾燥させられるか、又はそれらをオーブン若しくは赤外線ヒーター等の加熱装置に配置することによって、乾燥させられる。
【0060】
代替的に、バッティング、フェルト、詰め物又は連続ロービングの場合、繊維は、溶媒(NaOH/ZnO(8.1%/1.3%)溶液等)、塩、又は結合剤/接着剤で飽和させられ、次に高圧成型システムに挿入され得る。成型システムは、高圧を使用して材料をモールドの形状に形成する、ネガティブ及びポジティブモールドを備えた油圧プレスで構成されるであろう。次に、繊維は、冷凍庫又は凍結乾燥機に入れられ、室温で空気乾燥させられるか、又はそれらをオーブン、赤外線ヒーター等の加熱装置に配置することによって、乾燥させられる。
【0061】
第3の実施例では、繊維は溶媒で分解又は部分的に分解され、スラリーを創出する。スラリーは、浴槽に置かれ、所望の衣服の形状に相補的な形状を有する成形されたフィルタヘッドが、混合物に浸される。このフィルタヘッド、又はモールド型は、真空に取り付けられている。真空は、フィルタの孔を通して、繊維及び溶媒の混合物内の、繊維ではなく、水を引き込む吸引力を創出する。繊維はフィルタの孔を通過しないため、モールドの形状にしがみついて、少なくとも1つの三次元輪郭を有する天然繊維の層を創出する。熱は、モールドとの接触から、又はレーザー又は他のタイプの放射線、熱い金属又は超音波振動等の外部熱源から、直接適用され得る。熱は化学反応を触媒し、繊維を分子レベルで結合させる。真空のスイッチが切られた後、現在結合されている繊維は、成型フィルタから剥離されるか又は吹き飛ばされる。衣服の質感は、モールドの表面質感及び材料に依存するであろう。
【0062】
第4の実施例では、繊維は、溶媒で分解されるか又は部分的に分解されて、繊維及び溶媒の混合物を、好ましくはゲル又はペーストの形態で創出する。繊維及び溶媒の混合物は、成形されたモールド型の上に、又はその中から押し出される。混合物がモールド内から押し出される場合、モールドの周りの一連の小さな孔(モールドの内側からモールドの表面への経路として機能する)を使用して、混合物をモールド自体の外側に均等に分散させ得る。熱は、モールド自体と直接接触するか、又はモールド自体に近接するか、又はレーザー若しくは他の種類の放射線、又は超音波振動のいずれかによって印加される。モールドは、開放されかつ取り除かれ、現在結合されている繊維はモールドの形状に形成されており、少なくとも1つの三次元輪郭を含む。衣服の質感は、モールドの表面質感及び材料に依存するであろう。
【0063】
第5の実施例では、繊維は、不織布のフラフ/バッティングのシートとして供給され、これは、必要に応じて、事前に平たくされるかかつ/又は針で穿孔され得る(すなわち、薄さを維持しながら強度を追加する)。モールド型は、ファイバーバッティングの上に押圧される。溶媒又は接着剤が添加される。溶媒の場合、次いで、触媒が、適切な熱源(例えば、発熱体、レーザー等)から塗布される。結合剤(例えば、接着剤)の場合、形が乾燥させられる。モールドは除去され、繊維シートはモールドの形状を保持し、かつ少なくとも1つの三次元輪郭を含む。端の周りの余分な材料は切り取られ、再利用又はリサイクルされ得る。衣服の質感は、モールドの表面質感及び材料に依存するであろう。
【0064】
上に開示される各実施例の態様は、多くの場合、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の実施例の教示とともに利用され得ることが当業者に知られている。
【0065】
一実施例では、上記のプロセスは、大量生産又はカスタム生産のいずれかによって、中央工場で衣服を製造するために使用され得る。このプロセスは、衣服全体又は衣服の一部に使用され得る。衣服、又はその一部が一旦形成されると、それは店舗に又は消費者に直接出荷され得る。
【0066】
別の実施例では、上記のプロセスは、衣服を地元で製造するために使用され得る。例えば、衣服のデザインは、多くの場合デジタル化されるので、ファイルがデザイナーから転送され、物品が、地元の工場で又はエンドユーザーの要求に応じて自宅でも、局所的に印刷される。
【0067】
上述したように、上記のプロセスは、衣類/衣服製造プロセスから独立した、従来の二次元布地の製造の代替として更に使用され得る。本特許の発明と一致する方法で結合された繊維の大きなシートを使用して、フローリング、家具製造、家庭用インテリア装飾、及び様々な他の用途を製造し得る。
【0068】
上記の実施例のいずれかにおいて、後形成作業もまた可能であり、しばしば望ましい。例えば、好適な後形成作業は、発泡体を形成した繊維性材料のNMMO処理、気相処理、並びに処理された綿バッティングのMA及びキトサン処理を含む。発泡体形成繊維性材料のNMMO処理に関して、依然としてモールド中にある発泡体形成衣服は、50%NMMO中での浸漬によって完全に飽和される。反応は、24時間、室温又は室温付近で起こることを許容される。気相処理に関して、脂肪クロルヒド酸は、噴霧によって繊維状材料上に液体状態で塗布される。温度は、脂肪クロルヒド酸を気体状態にするのに十分に上昇する。8%NaOH及び1.3%ZnO処理綿バッティングのMA及びキトサン処理に関して、8%NaOH及び1.3%ZnO処理綿バッティングは、1%MA溶液(アセトンに溶解)に24時間浸漬され、次いで25℃又は約25℃で空気乾燥させられる。続いて、これらの綿バッティングは、更に24時間、1%のキトサンを含有する2%(v/v)の酢酸水溶液に浸漬される。過剰なキトサン溶液を除去するために、綿バッティングは、例えば、2枚の吸取紙の間に配置され得るか、又は吸取紙で吸い取られ得るか、又はハンドローラーが使用され得る。最後に、含浸した綿バッティングは、空気中で乾燥させられ、硬化させられる。当業者であれば、上記の後形成作業の具体的な例も、本明細書に開示される形成作業のいずれかでの使用に好適であるように修正され得ることも知っているであろう。
【0069】
当業者は、追加の実施形態、又は上記の説明の変形が、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく行われ得ることを知っているであろう。