化粧料塗布具

公开(公告)号:
JP2022045013A
公开(公告)日:
2022-03-18
申请号:
JP2020150469
申请日:
2020-09-08
授权日:
-
受理局:
日本
专利类型:
发明申请
简单法律状态:
失效
法律状态/事件:
撤回-视为撤回
IPC分类号:
A45D34/04
战略新兴产业分类:
-
国民经济行业分类号:
C4119
当前申请(专利权)人:
株式会社 資生堂
原始申请(专利权)人:
株式会社 資生堂
当前申请(专利权)人地址:
東京都中央区銀座7-5-5
工商统一社会信用代码:
-
工商登记状态:
其他
工商注册地址:
-
工商成立日期:
1872-01-01
工商企业类型:
-
发明人:
小山 智之 | ▲高▼木 千枝 | 松浦 和司
代理机构:
-
代理人:
柳田 征史 | 坂野 博行 | 高橋 秀明
摘要:
中軸とその周囲に配置された塗布部とを備えた上で、快適な使用感が得られる化粧料塗布具を得る。 【解決手段】棒状の部材からなる中軸1と、中軸1の基端部が結合されて該中軸を保持する把持部3と、化粧料の中に浸漬されたとき該化粧料を保持する空隙2bを一つ以上有する部材からなり、中軸1を囲む状態に配されて一部が該中軸1に結合され、自身の長手方向と交わる方向に可撓性を有する塗布部2とから化粧料塗布具10を構成する。塗布部2は、先端が中軸1の先端を越えた位置まで延びるように形成する。
技术问题语段:
【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかし、上述のようにスプリング等の塗布部と中軸との二重構造からなる塗布部を備えた従来の化粧料塗布具には、塗布部が皮膚等に強く当たることがあって、使用感が良くないという問題が認められている。さらに、塗布部が十分に撓らないため、塗布部と中軸との間の空隙に蓄えられた化粧料を十分に排出できないことがあるという問題も認められている。 本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、中軸とその周囲に配置された塗布部とを備えた上で、快適な使用感が得られ、また、塗布部と中軸との間の空隙に化粧料を多く蓄えて、塗布時に適度な量の化粧料を排出できる化粧料塗布具を提供することを目的とする。
技术功效语段:
【0015】本発明の化粧料塗布具は、自身の長手方向と交わる方向に可撓性を有している塗布部が、中軸の先端を越えた位置まで延びているので、使用者が化粧料を塗布する際には塗布部が柔らかく撓って、いわば優しい快適な使用感が得られるようになる。その一方、塗布部の基端側は中軸を囲む状態に配されている、換言すれば内部に中軸が配されて中軸によって補強されているので、塗布部は軟弱になり過ぎることなく、いわばコシが付与されて、この点からも快適な使用感が得られるようになる。さらに、中軸に補強されながら塗布部が撓ることによって、中軸と塗布部の間の空隙に蓄えられた中味を、塗布部表面の隙間から適度に排出可能となる。
权利要求:
【請求項1】 棒状の部材からなる中軸と、 前記中軸の基端部が結合されて該中軸を保持する把持部と、 化粧料の中に浸漬されたとき該化粧料を保持する空隙を一つ以上有する部材からなり、前記中軸を囲む状態に配されて一部が該中軸に結合され、先端が前記中軸の先端を越えた位置まで延びている、自身の長手方向と交わる方向に可撓性を有する塗布部と、 を有する化粧料塗布具。 【請求項2】 前記中軸が、自身の長手方向と交わる方向に可撓性を有するものである請求項1に記載の化粧料塗布具。 【請求項3】 前記塗布部の少なくとも一部が、前記中軸との間に微小間隙をおいて配置されている請求項1または2に記載の化粧料塗布具。 【請求項4】 前記塗布部は、線材が前記中軸の周囲において該中軸の長手方向に繰り返すように巻回されてなる螺旋状塗布部であり、 隣り合う線材同士が少なくとも一部において接しない状態に前記巻回がなされて、隣り合う線材の間の隙間が前記化粧料を保持する空隙とされている、 請求項1から3のいずれか1項に記載の化粧料塗布具。 【請求項5】 前記塗布部は、多孔質の部材が前記中軸の周囲に配置されてなるものである請求項1から3のいずれか1項に記載の化粧料塗布具。
技术领域:
】 【0001】 本発明は、化粧料を塗布するために使用される化粧料塗布具に関するものである。 【
背景技术:
】 【0002】 従来、例えば特許文献1や2に示されているように、塗布に適した液状あるいは半固体状等の化粧料を塗布するための化粧料塗布具が種々知られている。その種の化粧料塗布具においては、塗布回数を少なく抑えるために、塗布部に十分な量の化粧料を保持可能であることが求められる。 【0003】 そのような要求に応えるために特許文献1では、環状凸部と環状凹部とが交互に並ぶようにそれらを多数配置してなる環状凹凸構造体から塗布部を構成することが提案されている。そのような塗布部によれば、多数の環状凹部のそれぞれに化粧料を保持して、塗布部全体で十分な量の化粧料を保持可能となる。 【0004】 また特許文献2には、特許文献1に示された構成と類似した構成の塗布部を有する化粧料塗布具が示されている。この特許文献2に示された塗布部は、棒状の中軸と、該中軸の外周面に装着されたスプリングとの二重構造から構成されたものである。このような塗布部においては、スプリングを形成している線材と線材との間に空隙ができるので、その空隙にそれぞれ化粧料を保持して、塗布部全体で十分な量の化粧料を保持可能となる。 【0005】 さらに特許文献3にも、塗布部を二重構造とした化粧料塗布具が示されている。この化粧料塗布具は、使用者によって把持される把持部に中軸を固定し、短冊状に形成された塗布部の先端側、手元側(基端側)をそれぞれ、中軸の先端側、手元側(把持部に固定される側)に固定させてなるものである。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0006】 【特許文献1】 特開2017-051267号公報 【特許文献2】 特開2011-136017号公報 【特許文献3】 特許第6267477号公報 【
发明内容:
】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかし、上述のようにスプリング等の塗布部と中軸との二重構造からなる塗布部を備えた従来の化粧料塗布具には、塗布部が皮膚等に強く当たることがあって、使用感が良くないという問題が認められている。さらに、塗布部が十分に撓らないため、塗布部と中軸との間の空隙に蓄えられた化粧料を十分に排出できないことがあるという問題も認められている。 本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、中軸とその周囲に配置された塗布部とを備えた上で、快適な使用感が得られ、また、塗布部と中軸との間の空隙に化粧料を多く蓄えて、塗布時に適度な量の化粧料を排出できる化粧料塗布具を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明による化粧料塗布具は、 棒状の部材からなる中軸と、 前記中軸の基端部が結合されて該中軸を保持する把持部と、 化粧料の中に浸漬されたとき該化粧料を保持する空隙を一つ以上有する部材からなり、前記中軸を囲む状態に配されて一部が該中軸に結合され、先端が前記中軸の先端を越えた位置まで延びている、自身の長手方向と交わる方向に可撓性を有する塗布部と、 を有する、 ことを特徴とするものである。 【0009】 なお、上記の「塗布部の先端が中軸の先端を越えた位置まで延びている」とは、中軸の先端に塗布部が接しない位置まで(両者の間に空間が有る状態に)塗布部が延びていること、あるいは、中軸の先端に塗布部が接していても該先端より更に前方側(中軸の基端と反対側)に塗布部の一部が存在していることを意味するものである。この点については後に図4を参照して、実施形態に即して具体的に詳しく説明する。 【0010】 上記の構成においては、中軸も、自身の長手方向と交わる方向に可撓性を有するものであることが好ましい。また、塗布部の少なくとも一部は、中軸との間に微小間隙をおいて配置され、この間隙が化粧料保持用の空隙となるように構成されていることが望ましい。 【0011】 また本発明の化粧料塗布具において、 塗布部は、線材が中軸の周囲において該中軸の長手方向に繰り返すように巻回されてなる螺旋状塗布部であり、 隣り合う線材同士が少なくとも一部において接しない状態に上記巻回がなされて、隣り合う線材の間の隙間が化粧料を保持する空隙とされている、 ことが望ましい。 【0012】 あるいは塗布部は、多孔質の部材が中軸の周囲に配置されてなるものであってもよい。 【0013】 あるいは塗布部は、メッシュ状のシート状部材が中軸の周囲に配置されてなるものであってもよい。 【0014】 他方、上述したような各種の塗布部は、各種表面処理、例えばフロック加工が施されたものであることが望ましい。 【発明の効果】 【0015】 本発明の化粧料塗布具は、自身の長手方向と交わる方向に可撓性を有している塗布部が、中軸の先端を越えた位置まで延びているので、使用者が化粧料を塗布する際には塗布部が柔らかく撓って、いわば優しい快適な使用感が得られるようになる。その一方、塗布部の基端側は中軸を囲む状態に配されている、換言すれば内部に中軸が配されて中軸によって補強されているので、塗布部は軟弱になり過ぎることなく、いわばコシが付与されて、この点からも快適な使用感が得られるようになる。さらに、中軸に補強されながら塗布部が撓ることによって、中軸と塗布部の間の空隙に蓄えられた中味を、塗布部表面の隙間から適度に排出可能となる。 【
具体实施方式:
】 【0017】 以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態による化粧料塗布具10の一部を示すものであり、(1)はその正面形状を、また(2)はその縦断面の形状を示している。なおこの縦断面は、化粧料塗布具10をその長手方向軸を含む面で切断した断面である。図1に示される通りこの化粧料塗布具10は、棒状の部材からなる中軸1と、この中軸1を囲む状態に配されて一部が該中軸1に結合された塗布部2と、中軸1の基端部(図中の上端部)が結合されて該中軸1を保持する把持部3とを有する。 【0018】 本実施形態の化粧料塗布具10は、一例として液状リップグロスを塗布するためのものであり、詳しくは図2に示すようにして使用される。すなわち、蓋体50および、この蓋体50と口元のねじ51aを介して螺合する容器本体51とからなるリップグロス容器において、化粧料塗布具10は把持部3を介して蓋体50側に固定されている。リップグロスMを貯える容器本体51には、上記螺合によって蓋体50が離脱可能に一体化されるが、一体化したとき、あるいはそれに近い状態に蓋体50が容器本体51に組み合わされたとき、リップグロスM内に塗布部2が浸漬する。以上の点は、後述する第2、3および4実施形態においても同様である。 【0019】 それにより、リップグロスMが塗布部2および、該塗布部2と中軸1との間の空隙に保持されるので、使用者はこの保持されたリップグロスMを口唇等に塗布することができる。なお、使用者がこのようにリップグロスMを塗布する際、一般には蓋体50を把持して塗布部2を操作するが、この状態は、蓋体50を介して間接的に把持部3を把持していると言える。なお容器本体51の口元部の内部には、一般にシゴキと称される扱き部材15が配設されるのが望ましい。図2ではこの扱き部材15を容器本体51の口元部から外した状態で示している。扱き部材15は例えばNBR(アクリロニトリル·ブタジエンゴム)等を用いて内径6.3mm程度の概略円管状に形成される。リップグロスM等の化粧料を付着させた塗布部2がこの扱き部材15の中を通過する際、塗布部2に付着した過分の化粧料が扱き部材15の内周面15aで扱かれ、容器本体51内に戻される。 【0020】 図1に戻って化粧料塗布具10の構成を詳しく説明する。中軸1は例えば弾性変形可能な合成樹脂から形成されたものであり、自身の長手方向(図中の上下方向)と交わる方向に可撓性を有している。把持部3には、この中軸1の基端部1bつまり図1中の上端部が結合されるが、この結合は、嵌合や接着や溶着等の公知の方法を適宜適用して行うことができる。 【0021】 塗布部2は、例えば合成樹脂からなる概略円柱状の線材2aが、中軸1の長手方向に繰り返すように巻回されて、概略先細りの螺旋状に形成されたものである。このように形成された塗布部2は、隣り合う線材2a同士がほぼ全域に亘って接しない状態となっており、隣り合う線材2aの間に隙間2bが形成されている。 【0022】 中軸1は、先端部1aつまり図1中の下端部が縮径した形状とされており、塗布部2は螺旋状の線材2aがこの先端部1aを囲む状態にして中軸1に結合されている。この中軸1と塗布部2との結合も、前述した中軸1と把持部3との結合と同様に、公知の方法を適宜適用して行うことができる。なお、このように別個に成型した中軸1と塗布部2とを結合する他、例えば3Dプリンター等を用いて両者を一体成型することも可能である。また、中軸1へ結合する塗布部2の部分は特に限られるものではなく、塗布部2の長さ方向中央に近い部分でもよいし、そこから離れた部分、塗布部2の基端(図1中の上端)に近い部分等であってもよい。 【0023】 ただし、塗布部2の先端(図1中の下端)近傍で中軸1と結合させることは避けるべきである。つまり、塗布部2が良好に撓るようにするためには、塗布部2が、中軸1の先端を越えて十分な長さに亘って延びていることが必要である。この結合部分がどこであっても、塗布部2は中軸1を囲む状態にして中軸1に結合されているから、塗布部2にその長手方向と交わる方向の力が作用すると、中軸1もそれと同じ方向の力を受け止めるようになる。つまり、中軸1はこのようにして、塗布部2が簡単に潰れたり変形したりしないように塗布部2を補強している。 【0024】 塗布部2は上述した通り、隣り合う線材2aの間に隙間2bを有するものであるので、リップグロスM内に浸漬されると、この隙間2bおよび、塗布部2と中軸1との間の空隙に十分な量のリップグロスMが保持される。そこで使用者は、一塗り等の少ない回数で十分な量のリップグロスMを塗布できるようになる。なお、塗布部2の先端つまり図中の下端は、中軸1の先端を越えた位置まで延びているので、この点からも十分な量のリップグロスMを塗布部2に保持可能となっている。また、中軸1の先端部1aと線材2aとは、互いに隙間無く配置してもよいし、あるいは図1の(2)に示すように微小間隙を置いて配置してもよい。後者とする場合は、この微小間隙にも化粧料が保持され得るので、多量の化粧料を保持する上で好ましい。一方、前者とする場合でも、中軸1が弾性変形可能な部材から形成されて可撓性を有していれば、塗布部2は中軸1と共に良好に撓ることが可能である。 【0025】 本実施形態の化粧料塗布具10においては、自身の長手方向と交わる方向に可撓性を有している塗布部2が、中軸1の先端を越えた位置まで延びているので、使用者がリップグロスMを塗布する際には塗布部2が柔らかく撓って、いわば優しい快適な使用感が得られるようになる。また、塗布部2の基端側は中軸1を囲む状態に配されている、換言すれば内部に中軸1が配されて中軸1によって補強されているので、塗布部2は軟弱になり過ぎることなく、いわばコシが付与されて、この点からも快適な使用感が得られるようになる。 【0026】 なお、弾性変形可能な部材からなる中軸1の太さ、長さ、あるいは材料や、塗布部2の線材2aの太さあるいは材料を適宜選択することにより、中軸1および塗布部2の撓り易さを調整して、塗布対象の化粧料に適した、口唇等の塗布部分に適した、または使用者の要望に対応した使用感を得ることができる。さらには、塗布部2の螺旋形状(スパイラル形状)の長さ、太さ、あるいは螺旋のピッチを適宜選択しても同様である。 【0027】 また、塗布部2を構成する線材2aは、概略円環状とする他に、その他の形状例えば多角形の環状とされてもよい。さらに線材2aは、塗布部2の全長に亘って同じ形状でなくてもよく、例えば概略円環状のものと多角形の環状のものとが、例えば1巻き毎に、あるいは2、3巻き毎に交互に配設されてもよい。 【0028】 次に図3を参照して、本発明の第2実施形態による化粧料塗布具20について説明する。本実施形態の化粧料塗布具20は正面形状を図3に示すように、棒状の部材からなる中軸31と、この中軸31を囲む状態に配された袋状の塗布部32とを有する。塗布部32は、弾性変形可能で自身の長手方向(図3中の上下方向)と交わる方向に可撓性を有する。 【0029】 中軸31は、弾性変形可能な棒状の部材からなり、自身の長手方向と交わる方向に可撓性を有する。この中軸31は、縮径した先端部31aを有する。この先端部31aは塗布部32の内部を延びて、前述した中軸1の先端部1aと同様に塗布部32を補強している。また中軸31は、中軸1の基端部1bと同様の基端部31bを有する。なお中軸31は、上述のような可撓性を有しないものであってもよい。 【0030】 塗布部32は、例えば合成樹脂からなる弾性変形可能な袋状のシート状部材32aを有する。このシート状部材32aは、中軸31の先端部31aを周りから微小間隙を置いて取り囲む状態に配置されている。シート状部材32aには、ほぼその全面に亘って多数の小孔32b(空隙)が形成されている。塗布部32がリップグロスM等の化粧料に浸漬されると、これらの小孔32bおよび、中軸31と塗布部32との間の空隙に化粧料が保持される。 【0031】 小孔32bは多数設けられているので、塗布部32には全体で十分な量の化粧料が保持される。また本実施形態でも中軸31は上述の通りの可撓性を有しているので、本実施形態の化粧料塗布具20においても、第1実施形態の化粧料塗布具10におけるのと同様の効果が得られる。本実施形態においては、小孔32bのサイズや配置密度を変えることにより、塗布部32に保持させる化粧料の量を調整可能である。なお、上述のようにシート状部材32aに多数の小孔32bを形成する代わりに、元より多孔質の部材であるスポンジ等から塗布部32を構成してもよい。 【0032】 ここで図4を参照して、本実施形態のタイプの化粧料塗布具における中軸の先端と塗布部との位置関係について説明する。図4は、中軸31の先端部31aと塗布部32を、先端部31aの長軸を含む面で切断して示す概略縦断面図である。本発明による化粧料塗布具においては、前述した通り、塗布部の先端が中軸の先端を越えた位置まで延びていることが必要である。同図には上記位置関係として、(1)~(4)の4つの関係を示すが、これらのうち(1)~(3)が本発明に含まれる位置関係を示し、(4)は本発明外の位置関係を示している。なお、このタイプでは中軸31の先端は、先端部31aの図中下端であり、これを31Fとして示している。 【0033】 同図に示す(1)は、本実施形態の化粧料塗布具20における位置関係であり、中軸先端31Fと塗布部32とが間に空間を置いて配置された状態となっている。この(1)の位置関係は、中軸先端31Fを越えた位置にある塗布部32の部分が、自身の長手方向と交わる方向に大きく動き得るので、最も好ましい位置関係である。(2)の位置関係は、中軸先端31Fが塗布部32に接しているが、中軸先端31Fが先細りの形状とされているため、該中軸先端31Fを越えた位置にある塗布部32の部分が動き易くなっており、上記(1)の次に好ましい位置関係と言える。(3)の位置関係でも、中軸先端31Fが塗布部32に接しており、中軸先端31Fが平坦な形状とされている分、(2)の位置関係と比べれば、該中軸先端31Fを越えた位置にある塗布部32の部分が動き難いが、それでもこの部分は動き得る状態となっている。 【0034】 一方(4)の位置関係では、中軸31の先端に、塗布部32よりも先まで延びて塗布部32を固定する固定部31cが形成されているので、塗布部32は自身の長手方向と交わる方向に動き得ない状態となっている。そこで、この(4)の位置関係にある中軸31および塗布部32を含む化粧料塗布具は、本発明外のものとする。 【0035】 次に図5および6を参照して、本発明の第3実施形態による化粧料塗布具30について説明する。図5の正面図に示されるように本実施形態の化粧料塗布具30は、棒状の部材からなる中軸41と、この中軸41の先端部41aを囲む状態に配されて一部が該中軸41に結合された塗布部42とを有する。塗布部42の詳しい形状は後述するが、図5ではこの塗布部42を概略的に示している。なお、この第3実施形態の化粧料塗布具30および後に説明する第4実施形態の化粧料塗布具40については把持部の図示を省略するが、これらの実施形態においても把持部は、第1実施形態における把持部と同様にして中軸を保持するように構成すればよい。 【0036】 中軸41は、弾性変形可能な棒状の部材からなり、自身の長手方向と交わる方向に可撓性を有する。この中軸41の先端部41aは、塗布部42の形状に合わせた形に形成されている。中軸41はこの先端部41aを塗布部42の内部に結合させて、塗布部42を補強している。なお中軸41は、上述のような可撓性を有しないものであってもよい。 【0037】 塗布部42は、例えば樹脂等からなるシート状部材を立体的に加工して形成されたものである。以下図6および図7を参照して、この塗布部42の加工について説明する。図6には、一例として四角形のシート状部材42Pを示す。このシート状部材42Pには、該シート状部材42Pを細かく刻む互いに不連続の複数のスリット42aおよび、該シート状部材42Pをその部分で山折りさせる一例として8本の山折り線42bが形成されている。山折り線42bはシート状部材42Pのほぼ中央で互いに交差するように形成されている。複数のスリット42aは、上記交差点を取り囲むように形成されている。そしてそれらのスリット42aは、隣り合う2本の山折り線42bの間で各山折り線42bのやや内側までを延びるものと、各山折り線42bの所で折れて隣りの山折り線42bとの中間位置付近まで延びるものとが、上記交差点からシート外方に向かって交互に繰り返すように形成されている。 【0038】 本例では、スリット42aに隣接するシート部分を網目のドーム状に立体化させて、その立体化した部分を塗布部42とする。そこで図7に示すように、8本の山折り線42bが交差しているシート状部材42Pの略中央部分に、両面粘着シート45を介して引き上げ部材46を貼着させ、引き上げ部材46を上方に引き上げる。すると、上記複数のスリット42aで分断されているシート部分が網目状に拡がって、ドーム状に立体化する。この立体化したシート部分を塗布部42として、図5に示す中軸41の先端部41aの周りに保持させることにより、化粧料塗布具30が得られる。この化粧料塗布具30の塗布部42は、網目状に拡がった細いシート部分から構成されているので、自身の長手方向と交わる方向に可撓性を有する。 【0039】 このようにして形成された図5の化粧料塗布具30を使用する際、塗布部42がリップグロスM等の化粧料に浸漬されると、塗布部42のスリット42aの部分、および、塗布部42と中軸41との間の空隙に化粧料が保持される。スリット42aは多数設けられているので、塗布部42には全体で十分な量の化粧料が保持される。また本実施形態でも中軸41および塗布部42は上述の通りの可撓性を有しているので、本実施形態の化粧料塗布具30においても、第1実施形態の化粧料塗布具10におけるのと同様の効果が得られる。本実施形態においては、スリット42aのサイズや配置密度を変えることにより、塗布部42に保持させる化粧料の量、および塗布時に排出させる化粧料の量を調整可能である。また、スリット42aのサイズを調節することにより、スリット42aの伸縮の程度(つまり網目状部分の伸縮の程度)を調節することも可能である。 【0040】 本実施形態の化粧料塗布具30においても、図5に示すように中軸41の先端41dは、塗布部42を越えない位置に有って、該先端41dと塗布部42との間に空間が存在することが望ましい。ただしそれに限らず、中軸41の先端と塗布部42との位置関係は、図4の(2)や(3)に示したような位置関係とされてもよい。 【0041】 なお、上述のようにスリット42aを設けたシート状部材42Pから塗布部42を形成する代わりに、元より多孔質の部材であるメッシュ状のシート状部材からドーム状の塗布部42を構成してもよい。また、ドーム状の塗布部42に代えて、円錐状の塗布部等も適用可能である。 【0042】 次に図8を参照して、本発明の第4実施形態による化粧料塗布具40について説明する。図8の正面図に示されるように本実施形態の化粧料塗布具40は、棒状の部材からなる中軸61と、この中軸61の先端部61aを囲む状態に配されて一部が該中軸61に結合された塗布部62とを有する。塗布部62は概略茶筅状に形成されたもので、中軸61に近い方の一端から他端に向かってやや外側に湾曲しながら延びる複数の線材62aを集合して構成されている。複数の線材62aは、互いの間に適宜空隙ができるように、微小間隔を置いて配置されている。上記の構成とされた塗布部62は、自身の長手方向と交わる方向に可撓性を有する。 【0043】 この化粧料塗布具40を使用する際、塗布部62がリップグロスM等の化粧料に浸漬されると、塗布部62の線材62a同士の間、および、塗布部62と中軸先端部61aとの間の空隙に化粧料が保持される。線材62aは多数設けられているので、塗布部42には全体で十分な量の化粧料が保持される。また本実施形態でも塗布部62は上述の通りの可撓性を有し、また中軸61も第1実施形態の中軸1と同様に可撓性を有しているので、本実施形態の化粧料塗布具40においても、第1実施形態の化粧料塗布具10におけるのと同様の効果が得られる。本実施形態においては、線材62aのサイズや配置密度を変えることにより、塗布部62に保持させる化粧料の量、および塗布時に排出させる化粧料の量を調整可能である。 【0044】 以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明による化粧料塗布具は実施形態では説明していない従来公知の技術を適宜組み合わせて構成することも可能である。例えば塗布部の表面には、フロック加工等の表面処理が施されてもよい。また本発明による化粧料塗布具は液状リップグロスに限らず、塗布され得るあらゆる化粧料の塗布に適用可能である。 【0045】 ここで、本発明の化粧料塗布具によれば十分な量の化粧料を付着可能であること、また、快適な使用感が得られることを確認したテストの結果について順次説明する。これらのテストでは、効果を比較するために3種のサンプルを試作して使用した。第1のサンプルは前述した本発明による第1実施形態の化粧料塗布具10である。以下、これを本発明品という。第2のサンプルは上記化粧料塗布具10の塗布部2の線材2a(図1参照)を、塗布部長手方向に空隙が生じないように互いに密接させたものである。以下、これを比較品Aという。第3のサンプルは従来広く知られている刷毛状の塗布部を有するものである。以下、これを比較品Bという。これらのサンプルにおいて、塗布部の外径は共通に揃えており、その値は6.55mmである。これらのサンプルの概略形状を、上記の記載順に図9の(1)、(2)および(3)に示す。同図中、それぞれ1が中軸、2が塗布部である。 【0046】 化粧料付着量を調べるテストは、図2に示す構成を利用して行った。すなわち、図2に示す蓋体50に把持部3を介して各サンプルを保持させ、容器本体51内に貯えたリップグロスMを各サンプルの塗布部2に付着させた。この場合、容器本体51には扱き部材15も取り付けており、その材質はNBR、内径は6.3mmである。リップグロスMの付着量は、各サンプルおよびそれを保持している把持部3、蓋体50の合計重量を、サンプルをリップグロスMに浸漬する前と、浸漬してから容器本体51より取り出した後について測定し、後者の重量から前者の重量を差し引いて求めた。 【0047】 以上のようにして求めた各サンプルについての付着量(10回平均値)を、標準偏差および付着量比率と共に下の表1に示す。付着量比率は、本発明品における付着量に対する比率を%で示すものである。この表1から明らかな通り、本発明の化粧料塗布具によれば、その他の化粧料塗布具を用いる場合と比較して、十分多い化粧料を付着させることができる。 【0048】 【表1】 【0049】 次に、本発明の化粧料塗布具によれば、快適な使用感が得られることを確認したテストの結果について説明する。この快適な使用感とは、前述した通り塗布部が軟弱になり過ぎることなく、いわゆるコシ(撓り)が付与されていることから得られるものである。このテストは、明らかに異なる使用感が実際に体感できる本発明品と比較品Bとについて行った。より詳しく説明すると、上記のコシが有って快適な使用感が得られる本発明品は、化粧料塗布時に使用者の手指に、化粧料塗布具側から跳ね返るような力あるいは押し返すような力を感じさせるものである。それに対して比較品Bは、そのような力を顕著に感じさせるものではない。 【0050】 このテストは、図9に示すように中軸1および塗布部2から構成された(つまり把持部は除いた)チップに作用する応力を測定することにより行った。具体的には、上記チップの長さ方向中央位置PCと先端近傍位置PT(先端から2mm上記中央位置側に入った位置)との2箇所でチップを長さ方向と直交する方向に押し、そのときの各位置PC、PTでの応力を測定した。各チップを押す条件は互いに共通で、押す速度は0.2mm/秒、押している時間は15秒、押した距離は3mmである。そして各サンプルについて、この条件での応力測定を3回行い、中央位置PCでの応力(3回平均値)に対する先端近傍位置PTでの応力(3回平均値)の比を求めた。 【0051】 本発明者の研究によれば、上記応力の比が、前述したコシ(撓り)の有無に関与していると考えられる。すなわち上記チップにおいて、長さ方向中央位置PCの部分も先端近傍位置PTの部分も軟弱過ぎる場合(コシが無いあるいは少なくて、チップが元の状態に戻らない場合)や、あるいはその逆に上記両位置PC、PTの各部分が硬過ぎて全く曲がらないような場合、上記応力の比は共に100%に近い大きな値を示す。つまり、この応力の比が小さい程、コシの有る快適な使用感が得られると言える。具体的にこの応力の比は、本発明品では5.56で、比較品Bでは55.50であった。 【符号の説明】 【0052】 10、20、30、40 化粧料塗布具 1、31、41、61 中軸 1a、31a、41a、61a 中軸の先端部 1b、31b 中軸の基端部 2、32、42、62 塗布部 2a、62a 塗布部の線材 2b、 塗布部の隙間 3 把持部 15 扱き部材 31c 中軸の固定部 31F 中軸の先端 32a、42P シート状部材 32b 小孔 42a スリット 42b 山折り線 50 蓋体 M 液状リップグロス
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