当前申请(专利权)人:
株式会社ニトムズ | 日東電工株式会社
原始申请(专利权)人:
株式会社ニトムズ | 日東電工株式会社
当前申请(专利权)人地址:
東京都品川区東品川四丁目12番4号 | 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号
发明人:
山田 博文 | 永海 洋 | 陶山 陽右 | 大森 常暁 | 重松 義武 | 戎 洋治 | 阪下 貞二 | 鈴川 真央
摘要:
【課題】良好なゴミ捕捉性を少なくとも有する清掃用シート等を提供する。
【解決手段】清掃用シート1であって、クリーニング面10が凹凸を有し、凸部12の先端を被清掃体に摺接させて用いられ、凸部は、クリーニング面の面方向に間隔を空けるように形成された部材によって構成され、クリーニング面は、部材よりも粘着力が高く且つクリーニング面に露出している粘着凹部14をさらに有し、クリーニング面の面方向に拡がり且つ部材の間隔の少なくとも一部に配置された粘着層を備え、粘着層の少なくとも一部が粘着凹部を構成し、クリーニング面における粘着層の露出面積の割合が、30%以上であり、凸部の先端から粘着凹部までの平均凸部高さ(H:mm)と、面方向にて間隔の平均長さが最小になる第1方向における粘着凹部の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)が、15×10-3以上である。
【選択図】図1
技术问题语段:
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の清掃具に固定されて使用される清掃用シートは、繊維が集合した繊維シートを備える。詳しくは、特許文献1に記載の清掃用シートは、厚み方向に貫通する複数の孔が形成された最も外側の繊維シートと、該繊維シートに重なった粘着剤層と、を備える。特許文献1に記載の清掃用シートによれば、繊維シートの微細な繊維構造を利用してゴミを掻き取って捕捉できる。また、ゴミが上記の孔に入り込めば、入り込んだゴミを粘着剤層の表面の粘着力によって捕捉し、捕捉した状態を維持できる。
しかしながら、特許文献1に記載の清掃用シートでは、繊維シートに単に孔が形成されているため、孔における窪みで粘着剤層によってゴミを良好に捕捉できるとはいえない。換言すると、孔における粘着剤層によってゴミを捕捉する性能が必ずしも良好ではない。
従って、特許文献1のごとき従来の清掃用シートは、良好なゴミ捕捉性を有しないという問題を有する。
【0005】
本発明は、上記の問題点等に鑑み、良好なゴミ捕捉性を少なくとも有する清掃用シート、及び、該清掃用シートを備えた清掃具を提供することを課題とする。
技术功效语段:
【0021】本発明の清掃用シート、清掃用シートの積層体、清掃具は、良好なゴミ捕捉性を少なくとも有することができる。本発明の清掃用シートの製造方法は、良好なゴミ捕捉性を有する清掃用シートを製造できるという効果を奏する。
权利要求:
【請求項1】
被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面が形成された清掃用シートであって、
前記クリーニング面が凹凸を有し、凸部の先端を前記被清掃体に摺接させて用いられ、
前記凸部は、前記クリーニング面の面方向に間隔を空けるように形成された部材によって構成され、
前記クリーニング面は、前記部材よりも粘着力が高く且つ前記クリーニング面に露出している粘着凹部をさらに有し、
前記クリーニング面の面方向に拡がり且つ前記部材の間隔の少なくとも一部に配置された粘着層を備え、該粘着層の少なくとも一部が前記粘着凹部を構成し、前記クリーニング面における前記粘着層の露出面積の割合が、30%以上であり、
前記凸部の前記先端から前記粘着凹部までの平均凸部高さ(H:mm)と、前記面方向にて前記間隔の平均長さが最小になる第1方向における前記粘着凹部の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)が、15×10-3以上である、清掃用シート。
【請求項2】
前記クリーニング面における前記粘着層の露出面積の割合が、50%よりも大きい、請求項1に記載の清掃用シート。
【請求項3】
前記凸部の前記先端から前記粘着凹部までの平均凸部高さ(H)が、1000×10-3mm以下である、請求項1又は2に記載の清掃用シート。
【請求項4】
前記平均凸部高さ(H)が、500×10-3mm以下である、請求項3に記載の清掃用シート。
【請求項5】
前記平均凸部高さ(H)が、300×10-3mm以下である、請求項4に記載の清掃用シート。
【請求項6】
前記面方向にて前記間隔の平均長さが最小になる第1方向における前記粘着凹部の形状の平均長さ(L)が、0.3mm以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の清掃用シート。
【請求項7】
前記平均長さ(L)が、0.5mm以上である、請求項6に記載の清掃用シート。
【請求項8】
前記平均長さ(L)が、0.8mm以上である、請求項7に記載の清掃用シート。
【請求項9】
前記平均長さ(L)が、1.0mm以上である、請求項8に記載の清掃用シート。
【請求項10】
前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの負荷曲線の最小荷重は、-0.40μN以上0μN以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の清掃用シート。
【請求項11】
前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの負荷曲線の最小荷重は、-0.10μN以上0μN以下である、請求項10に記載の清掃用シート。
【請求項12】
前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの除荷曲線の最小荷重は、-1.50μN以上0μN以下である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の清掃用シート。
【請求項13】
前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの除荷曲線の最小荷重は、-0.10μN以上0μN以下である、請求項12に記載の清掃用シート。
【請求項14】
前記クリーニング面の静摩擦係数が、1.00以下である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の清掃用シート。
【請求項15】
ナノインデンテーション法によって測定される前記部材の硬さが、0.4MPa以上であり、且つ、プローブタック法によって測定される前記粘着層のプローブタックが、1.0kN/m2以上500.0kN/m2以下である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の清掃用シート。
【請求項16】
前記凸部の前記部材が、ワックス、硬化された樹脂、及び、無機粉体のうち少なくとも1種を含有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の清掃用シート。
【請求項17】
前記凸部の前記部材が、ポリオレフィン樹脂、エチレン·酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、及び、ポリカーボネート樹脂のうち少なくとも1種を含有する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の清掃用シート。
【請求項18】
前記凸部の前記部材が、前記無機粉体として体質顔料を含有する、請求項16に記載の清掃用シート。
【請求項19】
前記クリーニング面が両面に形成されている、請求項1〜18のいずれか1項に記載の清掃用シート。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1項に記載の清掃用シートの製造方法であって、
前記凸部の前記部材を塗工によって形成する、清掃用シートの製造方法。
【請求項21】
前記清掃用シートが支持基材を有し、
前記凸部の前記部材を塗工によって前記支持基材に重ねて形成する、請求項20に記載の清掃用シートの製造方法。
【請求項22】
前記清掃用シートが、支持基材と、該支持基材に重なる粘着層とを有し、
前記凸部の前記部材を塗工によって前記粘着層に重ねて形成する、請求項20に記載の清掃用シートの製造方法。
【請求項23】
請求項1〜19のいずれか1項に記載の清掃用シートが巻回された状態、又は、
請求項1〜19のいずれか1項に記載の清掃用シートの複数が厚さ方向に積層された状態の積層体。
【請求項24】
請求項1〜19のいずれか1項に記載の清掃用シートと、
該清掃用シートが着脱可能に取り付けられたシート固定部と、を備える清掃具。
技术领域:
【0001】
本発明は、清掃用シート、清掃用シートの積層体、清掃用シートを備える清掃具、及び、清掃用シートの製造方法に関する。
背景技术:
【0002】
フローリング等の床面を清掃するための各種の清掃具(拭取り用具)が広く知られている。この種の清掃具は、例えば、棒状の柄の端部に取り付けられたヘッドと、該ヘッドに着脱可能な清掃用シートとを備え、清掃用シートをヘッドに固定して使用される(特許文献1)。
特許文献1に記載の清掃具は、床等の被清掃体の面に対して、上記の清掃用シートの片面(クリーニング面)を摺接させることによって、被清掃体上のゴミ(除去対象物)を捕捉できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】
特開平9-220191号公報
发明内容:
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の清掃具に固定されて使用される清掃用シートは、繊維が集合した繊維シートを備える。詳しくは、特許文献1に記載の清掃用シートは、厚み方向に貫通する複数の孔が形成された最も外側の繊維シートと、該繊維シートに重なった粘着剤層と、を備える。特許文献1に記載の清掃用シートによれば、繊維シートの微細な繊維構造を利用してゴミを掻き取って捕捉できる。また、ゴミが上記の孔に入り込めば、入り込んだゴミを粘着剤層の表面の粘着力によって捕捉し、捕捉した状態を維持できる。
しかしながら、特許文献1に記載の清掃用シートでは、繊維シートに単に孔が形成されているため、孔における窪みで粘着剤層によってゴミを良好に捕捉できるとはいえない。換言すると、孔における粘着剤層によってゴミを捕捉する性能が必ずしも良好ではない。
従って、特許文献1のごとき従来の清掃用シートは、良好なゴミ捕捉性を有しないという問題を有する。
【0005】
本発明は、上記の問題点等に鑑み、良好なゴミ捕捉性を少なくとも有する清掃用シート、及び、該清掃用シートを備えた清掃具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る清掃用シートは、被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面が形成された清掃用シートであって、
前記クリーニング面が凹凸を有し、凸部の先端を前記被清掃体に摺接させて用いられ、
前記凸部は、前記クリーニング面の面方向に間隔を空けるように形成された部材によって構成され、
前記クリーニング面は、前記部材よりも粘着力が高く且つ前記クリーニング面に露出している粘着凹部をさらに有し、
前記クリーニング面の面方向に拡がり且つ前記部材の間隔の少なくとも一部に配置された粘着層を備え、該粘着層の少なくとも一部が前記粘着凹部を構成し、前記クリーニング面における前記粘着層の露出面積の割合が、30%以上であり、
前記凸部の前記先端から前記粘着凹部までの平均凸部高さ(H:mm)と、前記面方向にて前記間隔の平均長さが最小になる第1方向における前記粘着凹部の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)が、15×10-3以上である。
【0007】
上記構成の清掃用シートは、クリーニング面が凹凸を有し、主に凸部の先端を被清掃体に摺接させて用いることとなる。粘着層の露出面積の割合が30%以上であるため、粘着凹部によってゴミを十分に捕捉できる。また、平均凸部高さ(H:mm)と、粘着凹部の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)が、15×10-3以上であるため、粘着凹部が被清掃体の面に接触することが抑制されつつ凸部の先端の摺接が可能である。よって、凸部を被清掃体に摺接させながら、凸部を構成する部材における間隔にゴミがかき寄せられ得る。上記の間隔には、凸部よりも凹み比較的粘着力が高い粘着凹部が配置されているため、この粘着凹部によって、かき寄せられたゴミを捕捉できる。しかも、捕捉したゴミを粘着力によって粘着凹部の表面で保持することができる。従って、上記の清掃用シートは、良好なゴミ捕捉性を有する。
【0008】
上記の清掃用シートでは、前記クリーニング面における前記粘着層の露出面積の割合が、50%よりも大きくてもよい。これにより、上記の清掃用シートがより良好なゴミ捕捉性を有することができる。
【0009】
上記の清掃用シー
具体实施方式:
【0023】
以下、本発明に係る清掃用シートおよび清掃具の一実施形態について、図面を参照しつつ詳しく説明する。
【0024】
<清掃具>
本実施形態の清掃具100は、図3に示すように、後に詳述する清掃用シート1と、該清掃用シート1を固定するシート固定部120と、を備える。さらに、本実施形態の清掃具100は、柄として機能する棒状の把持部材110を備える。
シート固定部120は、清掃用シート1のクリーニング面10を平面状に保持するため平板状であり、自在継手130を介して把持部材110の一端で回動自在に連結されている。本実施形態では、シート固定部120は、平板状であり、厚さ方向の一方から見て矩形(長方形)である。
シート固定部120は、清掃用シート1を固定した状態で、清掃用シート1のクリーニング面10の少なくとも一部を作業者によって被清掃体の面に接触させ、被清掃体の面方向のいずれかの方向に向けてクリーニング面10を摺接させるように構成されている。
【0025】
本実施形態の清掃用シート1は、例えば次のようにしてシート固定部120に取り付けられる。詳しくは、清掃用シート1の一方の面には、被清掃体に摺接されるクリーニング面10と、摺接されない非クリーニング面20とが形成されている。清掃用シート1のクリーニング面10が外側を向くように、シート固定部120の一方の面(使用時に被清掃体に対向する平滑面)に、清掃用シート1を重ねる。シート固定部120の向かい合う長辺の縁で、清掃用シート1を折り返して、シート固定部120の他方の面(被清掃体に対向しない面)に非クリーニング面20の形成部分を固定する。本実施形態において、シート固定部120の他方の面には、可撓性部材に放射状スリット140が形成されている。斯かる放射状スリット140に非クリーニング面20の形成部分の一部を押し込むことによって、シート固定部120に清掃用シート1を着脱可能に固定できる。このようにして、清掃用シート1は、シート固定部120に着脱可能に取り付けられる
なお、固定する手段としては、これに限定されず、クリップ等の公知の固定手段も採用できる。また、両面テープ等によって清掃用シート1をシート固定部120に貼りつけてもよい。清掃用シート1の背面側の全体又は一部分に接着層を重ねて、接着層をシート固定部120に貼りつけてもよい。1枚の清掃用シート1のみをシート固定部120に固定させてもよく、複数枚の清掃用シート1を積層させた状態でシート固定部120に固定させてもよい。
使用されることによって傷みや汚れが生じた清掃用シート1は、交換が必要となったときに、シート固定部120から簡単に取り外すことができる。そして、使用済みの清掃用シート1は、未使用の新しい清掃用シートと取り換えられる。
複数枚の清掃用シート1を積層させた状態でシート固定部120に固定させた場合、最も外側の清掃用シート1が汚れると、その清掃用シート1を、例えばミシン目に沿って剥がし、汚れていない清掃用シート1を露出させることができる。
【0026】
本実施形態の清掃用シート1について、図面を参照しつつさらに詳しく説明する。
【0027】
<清掃用シート>
本実施形態の清掃用シート1は、図1及び図2Aに示すように、比較的薄い厚さを有する。本実施形態の清掃用シート1には、被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面10が形成されている。
クリーニング面10は、凹凸を有し、凸部12の先端を被清掃体に摺接させて用いられる。凸部12は、クリーニング面10の面方向に間隔Aを空けるように形成された部材30によって構成されている。クリーニング面10は、上記部材30よりも粘着力が高く且つクリーニング面10に露出している粘着凹部14をさらに有する。
詳しくは、本実施形態の清掃用シート1は、被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面10を有する。クリーニング面10は、凹凸形状を有する。本実施形態の清掃用シート1は、凹形状の底部の少なくとも一部を構成する粘着層40と、凸部を形成し且つ粘着層40よりも粘着力が低い凸部の構成部材30と、を備える。凸部の構成部材30は、クリーニング面10の面方向のうち少なくとも一方向に間隔が形成され、該間隔に凹形状が配置されるように構成されている。本実施形態の清掃用シート1では、凸部の構成部材30が粘着層40よりも突出するように配置されることによって、クリーニング面10に、凸部12が形成されている。また、凹形状の底部に粘着層40の少なくとも一部が配置されることによって、粘着凹部14が形成されている。粘着凹部14では、粘着層40の少なくとも一部がクリーニング面10に露出している。
本実施形態の清掃用シート1は、クリーニング面10の面方向に拡がり且つ上記部材30の間隔の少なくとも一部に配置された粘着層40を備える。粘着層40の少なくとも一部が粘着凹部14を構成し、クリーニング面10における粘着層40の露出面積の割合が、30%以上である。
凸部12の先端から粘着凹部14までの平均凸部高さ(H:mm)と、上記の面方向にて間隔の平均長さが最小になる第1方向における粘着凹部14の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)が、15×10-3以上である。
【0028】
本実施形態の清掃用シート1は、図2Aに示すように、被清掃体に摺接させる上記の部材30と、支持基材50と、上記の部材と支持基材50との間に配置された粘着層40とを備える。
換言すると、本実施形態の清掃用シート1は、清掃具100に固定されたときに把持部材110と向き合う支持基材50と、支持基材50の表面の一部に重ねられた粘着層40と、粘着層40の表面に重ねられた上記の部材30と、を有する。より詳しくは、支持基材50の一方の面の中央部分を少なくとも覆うように粘着層40が配置され、粘着層40の一方の面(被清掃体に対向する面)に重なるように上記の部材30が配置されている。
なお、図2Aにおいて上記の部材30の数は、見やすくするために図1よりも少なくしている。
【0029】
本実施形態の清掃用シート1には、図1及び図2Aに示すように、片面側(シート固定部120に固定されたときに外を向く側)に、床等の被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面10が形成されている。また、清掃用シート1には、本実施形態のごとく非クリーニング面20があってもよい。本実施形態において、クリーニング面10は、凸部12と粘着層40の一部(粘着凹部14)とによって形成され、一方、非クリーニング面20は、支持基材50の表面によって形成されている。なお、非クリーニング面20は、支持基材50の表面に配置された1つまたは複数の離型層によって形成されていてもよい。
図1に示すように、矩形状の清掃用シート1を片面側から見たときに、向かい合う2つの帯状の非クリーニング面20の間に、1つのクリーニング面10が配置されている。換言すると、長方形状のクリーニング面10が、帯状の2つの非クリーニング面20に挟み込まれるように配置されている。
なお、クリーニング面10は、上記のごとく清掃用シート1の片面側のみに形成されていてもよく、両面側にそれぞれ形成されていてもよい。
【0030】
本実施形態において、凸部の構成部材30は、複数の線部材(線状部材)を有する。清掃用シート1のクリーニング面10は、複数の線部材が面方向に間隔Aを空けるように配置された部材(凸部の構成部材30)によって構成される凸部12を有する。また、クリーニング面10は、上述したように、粘着凹部14を有する。
本実施形態において、凸部の構成部材30は、複数の線部材を有する。複数の線部材は、粘着層40の表面に接するように配置されている。複数の線部材は、クリーニング面10の面方向におけるいずれかの一方向に沿って間隔Aを空けて並んでいる。並行する複数の線部材は、上記の帯状の非クリーニング面20の長手方向と同じ方向に延在している。
粘着凹部14における粘着層40は、凸部の構成部材30よりも粘着力が高い。また、粘着層40の少なくとも一部は、クリーニング面10に露出している。本実施形態において、粘着凹部14は、上記の間隔Aにおいて配置され、凸部12の突出高さ分、凸部12の先端から窪んでいる。そして、粘着層40の少なくとも一部が露出しつつ粘着凹部14の底部を構成している。
上記の構成により、主に凸部12の先端を被清掃体に摺接させて清掃用シート1を用いることとなる。また、摺接時において、隣り合う線部材を互いに隔てる間隔Aにゴミがかき寄せられ得る。上記の間隔Aには、比較的粘着力が高く凸部よりも凹んだ粘着凹部14が配置されているため、粘着凹部14における粘着層40によって、かき寄せられたゴミを捕捉できる。しかも、捕捉されたゴミが比較的重いゴミであっても、ゴミを粘着力によって粘着凹部14の表面で保持することができる。従って、上記の清掃用シートは、良好なゴミ捕捉性を有する。
また、上記の構成により、粘着層40が比較的強い粘着力を有するものの、凸部12の先端よりも粘着凹部14が窪んでいるため、クリーニング面10は、粘着層40の粘着力による摩擦力の影響をあまり受けずに、主に凸部12の先端が被清掃体の面に接触しつつ、摺接される。よって、上記の清掃用シート1は、良好な滑り性を有する。
【0031】
前記クリーニング面の静摩擦係数(対SUS304板)は、3.00以下であることが好ましく、1.50以下であることがより好ましく、1.00以下であることがさらに好ましい。これにより、より良好な滑り性を発揮できる。なお、斯かる静摩擦係数は、0.20以上であってもよい。
静摩擦係数は、JIS K7125:1999(ISO8295:1995)に記載の測定条件に準拠して測定される。測定温度は、23℃である。
同様に、動摩擦係数が求められ得る。
摩擦係数の測定では、JISZ0237:2009で使用されるSUS304鋼板(100×200mm)を用いる。このSUS304鋼板の上に、清掃用シートから切り出した80×160mmの大きさのシートをクリーニング面がSUS鋼板面に接触するように載せ、接触面積40cm2(一辺長さ63mm)の滑り片を載せる。滑り片の全質量が200gになるよう調整する。摩擦係数測定における速度は100mm/minで行い、測定距離60mm間の最大力からなる静摩擦係数および動摩擦係数を算出する。5回の測定回数の平均値をそれぞれ記録する。なお、静摩擦係数の測定時にはスプリングを通して補助版をロードセルに接続し、動摩擦係数の測定時にはスプリングを使用しない。
なお、上記の静摩擦係数および動摩擦係数は、例えば、後述する比(H/L)を大きくすることによって、小さくすることができる。ここで、比(H/L)は、凸部12の先端から粘着凹部14までの平均凸部高さ(H:mm)と、クリーニング面の面方向にて上記間隔の平均長さが最小になる第1方向における粘着凹部の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)である。
【0032】
(凸部を構成する部材)
本実施形態において、凸部を構成する部材30は、並行して延びる複数の線部材を有する。隣り合う線部材の間の間隔Aにおいて、粘着層40の一部が露出している。これにより、摺接に伴って粘着凹部14付近に集まったゴミが粘着層40によって捕捉され、粘着凹部14の粘着力によってゴミの捕捉が維持され得る。従って、良好なゴミ捕捉性が発揮される。
【0033】
上記の線部材の幅は、通常、0.01mm以上である。線部材の幅は、より好ましくは0.02mm以上、さらに好ましくは0.03mm以上、特に好ましくは0.1mm以上である。線部材の幅は、20mm以下であってもよく、10mm以下であってもよく、5mm以下であってもよく、1mm以下であってもよい。複数の並行する線部材で凸部が構成されている場合、また、複数の交差する線部材で凸部が構成されている場合に、線部材の幅が上記の範囲であることが好ましい。
【0034】
凸部を構成する部材30の硬さは、ナノインデンテーション法によって測定される。斯かる硬さは、0.4MPa以上であることが好ましい。斯かる硬さが0.4MPa以上であることによって、摺接時において、被清掃体の面に摺接する凸部12と、被清掃体の面との間の摩擦力を比較的小さくすることができる。よって、このような比較的大きい剛性を有する部材をクリーニング面10に有する清掃用シート1は、良好な滑り性を有する。また、このような比較的剛性の高い部材で凸部12を構成することによって、清掃のときの摺接によって部材が摩耗することが抑制されるため、清掃用シート1が良好な耐久性を発揮できる。
凸部の構成部材30の上記硬さは、好ましくは0.4MPa以上であり、より好ましくは1.5MPa以上、さらに好ましくは3.0MPa以上、特に好ましくは5.0MPa以上、最も好ましくは10.0MPa以上である。部材の上記硬さの上限は、特に制限されず、部材の上記硬さは、200MPa以下であってもよい。上記の部材30に適度な変形性を付与できる点、また、凸部12によって被清掃体表面に擦過傷が生じることを抑制する点で、上記の部材30の硬さは、好ましくは100MPa以下であり、より好ましくは70MPa以下であり、特に好ましくは50MPa以下である。
【0035】
ナノインデンテーション法による上記の部材30の硬さは、ISO14577に準拠して測定される。具体的には、測定装置「TI950 TriboIndenter」(Hysitron,社製)によって測定する。より具体的には、「圧子を最も深く押し込んだときの荷重(最大荷重Pmax)」を、「圧子と測定試料が接触する面積(接触投影面積B)」で除することによって算出される。圧子としては、バーコビッチ(Berkovich)型ダイヤモンド圧子(三角錐型圧子)を用い、単一押し込み測定で実施する。測定値が上記部材30以外の影響を受けないように、測定時における上記の部材30の厚さは、少なくとも50μmであることが望ましい。圧子の押し込み速度は、500nm/秒であり、引き抜き速度は、500nm/秒である。圧子の押し込み深さは、5μmである。測定は、25℃において実施される。少なくとも3回の測定を行って平均値を求める。後述の実施例も同様の方法で測定される。
【0036】
ナノインデンテーション法による上記の部材30の弾性率は、例えば、4.5MPa以上1000MPa以下であってもよく、4.5MPa以上500MPa以下であってもよく、4.5MPa以上200MPa以下であってもよい。斯かる弾性率は、上記の部材30の硬さの測定と同様に測定した結果を基にして算出される。ただし、斯かる弾性率は、「除荷曲線の最大負荷時における接線の傾き(接線剛性S=dP/dh)」と、「圧子と測定試料が接触する面積(接触投影面積B)」とを用いて、下記式によって算出される。なお、圧子の押し込み深さは、5μmである。
除荷曲線の最大負荷時における接線の傾きは、以下の方法によって算出される。前提として、除荷曲線において下記の式(1)のべき乗則が成り立つと仮定する。式(1)において、A、hf、mは、除荷曲線に最小二乗法を適用することによって決定される各定数である。式(1)を微分すると式(2)となる。式(2)から、除荷曲線の最大負荷時における接線の傾きが算出される。なお、除荷曲線の圧子の押し込み荷重の20%と95%との間の除荷曲線に最小二乗法を適用して、A、hf、mをそれぞれ算出する。
【数1】
【数2】
【数3】
【0037】
上記の部材30をナノインデンテーション法によって測定したときの負荷曲線の傾きは、1[μN/nm]以上5[μN/nm]以下であることが好ましい。斯かる負荷曲線の傾きは、上記の部材30の硬さの測定と同様に測定した結果を基にして算出される。負荷曲線の傾きとして、圧子の押し込み深さが50%と85%との間であるときの傾きを採用する。上記測定において、圧子の押し込み深さが5μmであるため、変位が2.5μmと4.25μmとの間であるときの傾きを負荷曲線の傾きとする。
【0038】
ナノインデンテーション法による上記の部材30の硬さ、弾性率、負荷曲線の傾きをより大きくするためには、例えば、より弾性率の高い樹脂材料をより多く部材30に配合する。一方、上記の部材30の硬さ、弾性率、負荷曲線の傾きをより小さくするためには、例えば、可塑剤又はより弾性率の低い樹脂材料などをより多く部材30に配合する。
【0039】
上記の部材30をナノインデンテーション法によって測定したときの負荷曲線の最小荷重は、好ましくは-0.40μN以上0μN以下であり、より好ましくは-0.10μN以上0μN以下である。負荷曲線の最小荷重が-0.10μN以上0μN以下であることによって、上記の部材30の濡れ性がほとんどなくなるため、より良好な滑り性が発揮される。
上記の部材30をナノインデンテーション法によって測定したときの除荷曲線の最小荷重は、好ましくは-1.50μN以上0μN以下であり、より好ましくは-0.10μN以上0μN以下である。除荷曲線の最小荷重が-0.10μN以上0μN以下であることによって、上記の部材30の吸着力(粘着力)がほとんどなくなるため、より良好な滑り性が発揮される。
ナノインデンテーション法による上記の負荷曲線の最小荷重、除荷曲線の最小荷重をより大きくするためには、例えば、粘着性に乏しい硬い材料を部材30により多く配合する。一方、上記の負荷曲線の最小荷重、除荷曲線の最小荷重をより小さくするためには、例えば、粘着性が良好な柔らかい材料を部材30により多く配合する。
【0040】
凸部の構成部材30は、上記の硬さを有する材料で作製される。凸部の構成部材30は、例えば少なくとも樹脂材料を含む樹脂製である。そのような樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂;エチレン·酢酸ビニル共重合樹脂(EVA);SISやSEBSなどのスチレン系熱可塑性エラストマー樹脂(スチレン系ブロック共重合体);アクリル樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂、CEBC樹脂;PET等のポリエステル;ポリウレタン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂の1種または2種以上が採用される。凸部の構成部材30は、特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン·酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、SISやSEBSなどのスチレン