当前申请(专利权)人:
株式会社ニトムズ | 日東電工株式会社
原始申请(专利权)人:
株式会社ニトムズ | 日東電工株式会社
当前申请(专利权)人地址:
東京都品川区 | 大阪府茨木市
发明人:
山田 博文 | 永海 洋 | 陶山 陽右 | 大森 常暁 | 重松 義武 | 戎 洋治 | 阪下 貞二 | 鈴川 真央
摘要:
【課題】 良好な滑り性を少なくとも有する清掃用シート等を提供する。
【解決手段】被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面が形成された清掃用シートであって、クリーニング面が凹凸を有し、凸部の先端を被清掃体に摺接させて用いられ、凸部は、クリーニング面の面方向に間隔を空けるように形成された部材によって構成され、ナノインデンテーション法によって測定される部材の硬さが、0.4MPa以上であり、クリーニング面は、部材よりも粘着力が高く且つクリーニング面に露出している粘着凹部をさらに有する、清掃用シートなどを提供する。
【選択図】 図1
技术问题语段:
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の清掃具に固定されて使用される清掃用シートは、繊維が集合した繊維シートを備える。詳しくは、特許文献1に記載の清掃用シートは、厚み方向に貫通する複数の孔が形成された最も外側の繊維シートと、該繊維シートに重なった粘着剤層と、を備える。特許文献1に記載の清掃用シートによれば、繊維シートの微細な繊維構造を利用してゴミを掻き取って捕捉できる。また、ゴミが上記の孔に入り込めば、入り込んだゴミを粘着剤層の表面の粘着力によって捕捉し、捕捉した状態を維持できる。また、特許文献1に記載の清掃用シートは、ある程度の滑り性を有する。
しかしながら、良好な滑り性を有する清掃用シートについては、必ずしも十分に検討されておらず、良好な滑り性を有する清掃用シートが要望されている。
【0005】
本発明は、上記の要望点等に鑑み、良好な滑り性を満足させる清掃用シート、清掃用シートの積層体、及び、該清掃用シートを備えた清掃具を提供することを課題とする。また、清掃用シートの製造方法を提供することを課題とする。
技术功效语段:
【0023】本発明の清掃用シート、清掃用シートの積層体、清掃具は、良好な滑り性を少なくとも有することができる。本発明の清掃用シートの製造方法は、良好な滑り性を有する清掃用シートを製造できるという効果を奏する。
权利要求:
【請求項1】
被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面が形成された清掃用シートであって、
前記クリーニング面が凹凸を有し、凸部の先端を前記被清掃体に摺接させて用いられ、
前記凸部は、前記クリーニング面の面方向に間隔を空けるように形成された部材によって構成され、
ナノインデンテーション法によって測定される前記部材の硬さが、0.4MPa以上であり、
前記クリーニング面は、前記部材よりも粘着力が高く且つ前記クリーニング面に露出している粘着凹部をさらに有する、清掃用シート。
【請求項2】
前記凸部の前記先端から前記粘着凹部までの平均凸部高さ(H:mm)と、前記面方向にて前記間隔の平均長さが最小になる第1方向における前記粘着凹部の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)が、15×10-3以上である、請求項1に記載の清掃用シート。
【請求項3】
前記比(H/L)が、40×10-3以上である、請求項2に記載の清掃用シート。
【請求項4】
前記凸部の前記先端から前記粘着凹部までの平均凸部高さ(H)が、30×10-3mm以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の清掃用シート。
【請求項5】
前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの負荷曲線の最小荷重は、-0.40μN以上0μN以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の清掃用シート。
【請求項6】
前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの負荷曲線の最小荷重は、-0.10μN以上0μN以下である、請求項5に記載の清掃用シート。
【請求項7】
前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの除荷曲線の最小荷重は、-1.50μN以上0μN以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の清掃用シート。
【請求項8】
前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの除荷曲線の最小荷重は、-0.10μN以上0μN以下である、請求項7に記載の清掃用シート。
【請求項9】
前記クリーニング面の静摩擦係数が、1.00以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の清掃用シート。
【請求項10】
前記クリーニング面の面方向に拡がり且つ前記部材の間隔の少なくとも一部に配置された粘着層を備え、該粘着層の少なくとも一部が前記粘着凹部を構成し、プローブタック法によって測定される前記粘着層のプローブタックは、500.0kN/m2以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の清掃用シート。
【請求項11】
前記粘着層のプローブタックは、25.0kN/m2以上500.0kN/m2以下である、請求項10に記載の清掃用シート。
【請求項12】
前記クリーニング面の面方向に拡がり且つ前記部材の間隔の少なくとも一部に配置された粘着層を備え、該粘着層の少なくとも一部が前記粘着凹部を構成し、
前記クリーニング面における前記粘着層の露出面積の割合が、30%以上である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の清掃用シート。
【請求項13】
前記クリーニング面における前記粘着層の露出面積の割合が、50%よりも大きい、請求項12に記載の清掃用シート。
【請求項14】
前記凸部の前記部材が、ワックス、硬化された樹脂、及び、無機粉体のうち少なくとも1種を含有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の清掃用シート。
【請求項15】
前記凸部の前記部材が、ポリオレフィン樹脂、エチレン·酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、及び、ポリカーボネート樹脂のうち少なくとも1種を含有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の清掃用シート。
【請求項16】
前記凸部の前記部材が、前記無機粉体として体質顔料を含有する、請求項14に記載の清掃用シート。
【請求項17】
前記クリーニング面が両面に形成されている、請求項1〜16のいずれか1項に記載の清掃用シート。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の清掃用シートの製造方法であって、
前記凸部の前記部材を塗工によって形成する、清掃用シートの製造方法。
【請求項19】
前記清掃用シートが支持基材を有し、
前記凸部の前記部材を塗工によって前記支持基材に重ねて形成する、請求項18に記載の清掃用シートの製造方法。
【請求項20】
前記清掃用シートが、支持基材と、該支持基材に重なる粘着層とを有し、
前記凸部の前記部材を塗工によって前記粘着層に重ねて形成する請求項18に記載の清掃用シートの製造方法。
【請求項21】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の清掃用シートが巻回された状態、又は、
請求項1〜17のいずれか1項に記載の清掃用シートの複数が厚さ方向に積層された状態の積層体。
【請求項22】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の清掃用シートと、
該清掃用シートが着脱可能に取り付けられたシート固定部と、を備える清掃具。
技术领域:
【0001】
本発明は、清掃用シート、清掃用シートの積層体、清掃用シートを備える清掃具、及び、清掃用シートの製造方法に関する。
背景技术:
【0002】
フローリング等の床面を清掃するための各種の清掃具(拭取り用具)が広く知られている。この種の清掃具は、例えば、棒状の柄の端部に取り付けられたヘッドと、該ヘッドに着脱可能な清掃用シートとを備え、清掃用シートをヘッドに固定して使用される(特許文献1)。
特許文献1に記載の清掃具は、床等の被清掃体の面に対して、上記の清掃用シートの片面(クリーニング面)を摺接させることによって、被清掃体上のゴミ(除去対象物)を捕捉できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】
特開平9-220191号公報
发明内容:
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の清掃具に固定されて使用される清掃用シートは、繊維が集合した繊維シートを備える。詳しくは、特許文献1に記載の清掃用シートは、厚み方向に貫通する複数の孔が形成された最も外側の繊維シートと、該繊維シートに重なった粘着剤層と、を備える。特許文献1に記載の清掃用シートによれば、繊維シートの微細な繊維構造を利用してゴミを掻き取って捕捉できる。また、ゴミが上記の孔に入り込めば、入り込んだゴミを粘着剤層の表面の粘着力によって捕捉し、捕捉した状態を維持できる。また、特許文献1に記載の清掃用シートは、ある程度の滑り性を有する。
しかしながら、良好な滑り性を有する清掃用シートについては、必ずしも十分に検討されておらず、良好な滑り性を有する清掃用シートが要望されている。
【0005】
本発明は、上記の要望点等に鑑み、良好な滑り性を満足させる清掃用シート、清掃用シートの積層体、及び、該清掃用シートを備えた清掃具を提供することを課題とする。また、清掃用シートの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る清掃用シートは、被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面が形成された清掃用シートであって、
前記クリーニング面が凹凸を有し、凸部の先端を前記被清掃体に摺接させて用いられ、
前記凸部は、前記クリーニング面の面方向に間隔を空けるように形成された部材によって構成され、
ナノインデンテーション法によって測定される前記部材の硬さが、0.4MPa以上であり、
前記クリーニング面は、前記部材よりも粘着力が高く且つ前記クリーニング面に露出している粘着凹部をさらに有する。
【0007】
上記構成の清掃用シートは、クリーニング面が凹凸を有し、主に凸部の先端を前記被清掃体に摺接させて用いることとなる。比較的粘着力が高く凸部よりも凹んだ粘着凹部が例えば被清掃体に接触することなく、被清掃体の面に沿ってクリーニング面が移動できる。よって、摺接時の摩擦力を比較的小さくすることができる。従って、上記の清掃用シートは、被清掃体の面に対して比較的小さい摩擦力で摺接できるため、良好な滑り性を有する。
また、上記の清掃用シートは、ナノインデンテーション法によって測定される、凸部を構成する部材の硬さが、0.4MPa以上であるため、摺接時において、被清掃体の面に摺接する凸部と、被清掃体の面との間の摩擦力を比較的小さくすることができる。よって、このような比較的大きい剛性を有する部材をクリーニング面に有する清掃用シートは、良好な滑り性を有する。
【0008】
上記の清掃用シートでは、前記凸部の前記先端から前記粘着凹部までの平均凸部高さ(H:mm)と、前記面方向にて前記間隔の平均長さが最小になる第1方向における前記粘着凹部の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)が、15×10-3以上であることが好ましく、40×10-3以上であることがより好ましい。
上記の比(H/L)が、15×10-3以上であることによって、各粘着凹部の形状の平均長さに対する平均凸部高さが比較的高くなるため、粘着凹部が被清掃体の面に接触することがより抑制される。従って、クリーニング面全体における摩擦力がより小さくなり、より良好な滑り性が発揮される。従って、上記の清掃用シートがより良好な滑り性を有する。
【0009】
上記の清掃用シートでは、前記凸部の前記先端から前記粘着凹部までの平均凸部高さ(H)が、30×10-3mm以上であることが好ましい。これにより、上記の清掃用シートがより良好な滑り性を有する。
【0010】
上記の清掃用シートでは、前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの負荷曲線の最小荷重は、-0.40μN以上0μN以下であることが好ましく、-0.10μN以上0μN以下であることがより好ましい。
上記の清掃用シートでは、前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの除荷曲線の最小荷重は、-1.50μN以上0μN以下であることが好ましく、-0.10μN以上0μN以下であることがより好ましい。
これにより、上記の清掃用シートがより良好な滑り性を有する。
【0011】
上記の清掃用シートでは、前記クリーニング面の静摩擦係数が、1.00以下であることが好ましい。
【0012】
上記の清掃用シートは、前記クリーニング面の面方向に拡がり且つ前記部材の間隔の少なくとも一部に配置された粘着層を備え、該粘着層の少なくとも一部が前記粘着凹部を構成し、プローブタック法によって測定される前記粘着層のプローブタックが500.0kN/m2以下であることが好ましい。
前記粘着層のプローブタックが500.0kN/m2以下であることによって、粘着凹部が被清掃体の面に接触した場合であっても、摺接のときにクリーニング面が被清掃体の面に沿って動くことで、粘着凹部が被清掃体の面から比較的容易に離れることができる。よって、被清掃体の面に対してクリーニング面がより良好に滑る。従って、上記の清掃用シートがより良好な滑り性を有する。
【0013】
上記の清掃用シートでは、ナノインデンテーション法によって測定される前記粘着層のプローブタックが、25.0kN/m2以上500.0kN/m2以下であることが好ましい。
前記粘着層のプローブタックが、25.0kN/m2以上であり、しかも、上記のごとく凸部を構成する部材のナノインデンテーション法による硬さが、0.4MPa以上であることによって、良好な滑り性を発揮させつつ良好なゴミ捕獲性を発揮させることができる。前記粘着層のプローブタックが、25.0kN/m2以上であることにより、粘着剤がより柔らかくなり、捉えたゴミをより確実に保持できる。
【0014】
上記の清掃用シートは、前記クリーニング面の面方向に拡がり且つ前記部材の間隔の少なくとも一部に配置された粘着層を備え、該粘着層の少なくとも一部が前記粘着凹部を構成し、前記クリーニング面における前記粘着層の露出面積の割合が、30%以上であることが好ましい。露出面積の割合は、より好ましくは50%よりも大きい。露出面積の割合が30%以上であることで、粘着凹部においてゴミが詰まることを抑制しつつ、1枚のシートで清掃できる被清掃体の面積をより大きくできる。また、良好な滑り性に加えて、良好なゴミ捕獲性をも発揮させることができる。
【0015】
上記の清掃用シートでは、前記凸部の前記部材が、ワックス、硬化された樹脂、及び、無機粉体のうち少なくとも1種を含有することが好ましい。
【0016】
上記の清掃用シートでは、前記凸部の前記部材が、ポリオレフィン樹脂、エチレン·酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、及び、ポリカーボネート樹脂のうち少なくとも1種を含有してもよい。
【0017】
上記の清掃用シートでは、前記凸部の前記部材が、前記無機粉体として体質顔料を含有してもよい。
【0018】
上記の清掃用シートでは、前記クリーニング面が両面に形成されていてもよい。
【0019】
本発明に係る清掃用シートの製造方法は、上記の清掃用シートの製造方法であって、
前記凸部の前記部材を塗工によって形成することを特徴とする。
【0020】
上記の清掃用シートの製造方法では、前記清掃用シートが支持基材を有し、前記凸部の前記部材を塗工によって前記支持基材に重ねて形成してもよい。
また、上記の清掃用シートの製造方法では、前記清掃用シートが、支持基材と、該支持基材に重なる粘着層とを有し、前記凸部の前記部材を塗工によって前記粘着層に重ねて形成してもよい。
【0021】
本発明の積層体は、上記の清掃用シートが巻回された状態、又は、上記の清掃用シートの複数が厚さ方向に積層された状態であることを特徴とする。
【0022】
本発明の清掃具は、上記の清掃用シートと、該清掃用シートが着脱可能に取り付けられたシート固定部と、を備える。
上記の清掃具では、上述したいずれかの清掃用シートが前記シート固定部に着脱可能に取り付けられている。清掃時に、例えばモップやフローリングワイパーの操作方法と同様にしてシート固定部を操作することによって、シート固定部に取り付けられた清掃用シート
具体实施方式:
【0025】
以下、本発明に係る清掃用シートおよび清掃具の一実施形態について、図面を参照しつつ詳しく説明する。
【0026】
<清掃具>
本実施形態の清掃具100は、図3に示すように、後に詳述する清掃用シート1と、該清掃用シート1を固定するシート固定部120と、を備える。さらに、本実施形態の清掃具100は、柄として機能する棒状の把持部材110を備える。
シート固定部120は、清掃用シート1のクリーニング面10を平面状に保持するため平板状であり、自在継手130を介して把持部材110の一端で回動自在に連結されている。本実施形態では、シート固定部120は、平板状であり、厚さ方向の一方から見て矩形(長方形)である。
シート固定部120は、清掃用シート1を固定した状態で、清掃用シート1のクリーニング面10の少なくとも一部を作業者によって被清掃体の面に接触させ、被清掃体の面方向のいずれかの方向に向けてクリーニング面10を摺接させるように構成されている。
【0027】
本実施形態の清掃用シート1は、例えば次のようにしてシート固定部120に取り付けられる。詳しくは、清掃用シート1の一方の面には、被清掃体に摺接されるクリーニング面10と、摺接されない非クリーニング面20とが形成されている。清掃用シート1のクリーニング面10が外側を向くように、シート固定部120の一方の面(使用時に被清掃体に対向する平滑面)に、清掃用シート1を重ねる。シート固定部120の向かい合う長辺の縁で、清掃用シート1を折り返して、シート固定部120の他方の面(被清掃体に対向しない面)に非クリーニング面20の形成部分を固定する。本実施形態において、シート固定部120の他方の面には、可撓性部材に放射状スリット140が形成されている。斯かる放射状スリット140に非クリーニング面20の形成部分の一部を押し込むことによって、シート固定部120に清掃用シート1を着脱可能に固定できる。このようにして、清掃用シート1は、シート固定部120に着脱可能に取り付けられる
なお、固定する手段としては、これに限定されず、クリップ等の公知の固定手段も採用できる。また、両面テープ等によって清掃用シート1をシート固定部120に貼りつけてもよい。清掃用シート1の背面側の全体又は一部分に接着層を重ねて、接着層をシート固定部120に貼りつけてもよい。1枚の清掃用シート1のみをシート固定部120に固定させてもよく、複数枚の清掃用シート1を積層させた状態でシート固定部120に固定させてもよい。
使用されることによって傷みや汚れが生じた清掃用シート1は、交換が必要となったときに、シート固定部120から簡単に取り外すことができる。そして、使用済みの清掃用シート1は、未使用の新しい清掃用シートと取り換えられる。
複数枚の清掃用シート1を積層させた状態でシート固定部120に固定させた場合、最も外側の清掃用シート1が汚れると、その清掃用シート1を、例えばミシン目に沿って剥がし、汚れていない清掃用シート1を露出させることができる。
【0028】
本実施形態の清掃用シート1について、図面を参照しつつさらに詳しく説明する。
【0029】
<清掃用シート>
本実施形態の清掃用シート1は、図1及び図2Aに示すように、比較的薄い厚さを有する。本実施形態の清掃用シート1には、被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面10が形成されている。
クリーニング面10は、凹凸を有し、凸部12の先端を被清掃体に摺接させて用いられる。凸部12は、クリーニング面10の面方向に間隔Aを空けるように形成された部材30によって構成されている。また、ナノインデンテーション法によって測定される上記部材30の硬さが、0.4MPa以上である。クリーニング面10は、上記部材30よりも粘着力が高く且つクリーニング面10に露出している粘着凹部14をさらに有する。
詳しくは、本実施形態の清掃用シート1は、被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面10を有する。クリーニング面10は、凹凸形状を有する。本実施形態の清掃用シート1は、凹形状の底部の少なくとも一部を構成する粘着層40と、凸部を形成し且つ粘着層40よりも粘着力が低い凸部の構成部材30と、を備える。凸部の構成部材30は、クリーニング面10の面方向のうち少なくとも一方向に間隔が形成され、該間隔に凹形状が配置されるように構成されている。本実施形態の清掃用シート1では、凸部の構成部材30が粘着層40よりも突出するように配置されることによって、クリーニング面10に、凸部12が形成されている。また、凹形状の底部に粘着層40の少なくとも一部が配置されることによって、粘着凹部14が形成されている。粘着凹部14では、粘着層40の少なくとも一部がクリーニング面10に露出している。そして、ナノインデンテーション法によって測定される凸部の構成部材30の硬さは、0.4MPa以上である。
【0030】
本実施形態の清掃用シート1は、図2Aに示すように、被清掃体に摺接させる上記の部材30と、支持基材50と、上記の部材と支持基材50との間に配置された粘着層40とを備える。
換言すると、本実施形態の清掃用シート1は、清掃具100に固定されたときに把持部材110と向き合う支持基材50と、支持基材50の表面の一部に重ねられた粘着層40と、粘着層40の表面に重ねられた上記の部材30と、を有する。より詳しくは、支持基材50の一方の面の中央部分を少なくとも覆うように粘着層40が配置され、粘着層40の一方の面(被清掃体に対向する面)に重なるように上記の部材30が配置されている。
なお、図2Aにおいて上記の部材30の数は、見やすくするために図1よりも少なくしている。
【0031】
本実施形態の清掃用シート1には、図1及び図2Aに示すように、片面側(シート固定部120に固定されたときに外を向く側)に、床等の被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面10が形成されている。また、清掃用シート1には、本実施形態のごとく非クリーニング面20があってもよい。本実施形態において、クリーニング面10は、凸部12と粘着層40の一部(粘着凹部14)とによって形成され、一方、非クリーニング面20は、支持基材50の表面によって形成されている。なお、非クリーニング面20は、支持基材50の表面に配置された1つまたは複数の離型層によって形成されていてもよい。
図1に示すように、矩形状の清掃用シート1を片面側から見たときに、向かい合う2つの帯状の非クリーニング面20の間に、1つのクリーニング面10が配置されている。換言すると、長方形状のクリーニング面10が、帯状の2つの非クリーニング面20に挟み込まれるように配置されている。
なお、クリーニング面10は、上記のごとく清掃用シート1の片面側のみに形成されていてもよく、両面側にそれぞれ形成されていてもよい。
【0032】
本実施形態において、凸部の構成部材30は、複数の線部材(線状部材)を有する。清掃用シート1のクリーニング面10は、複数の線部材が面方向に間隔Aを空けるように配置された部材(凸部の構成部材30)によって構成される凸部12を有する。また、クリーニング面10は、上述したように、粘着凹部14を有する。
本実施形態において、凸部の構成部材30は、複数の線部材を有する。複数の線部材は、粘着層40の表面に接するように配置されている。複数の線部材は、クリーニング面10の面方向におけるいずれかの一方向に沿って間隔Aを空けて並んでいる。並行する複数の線部材は、上記の帯状の非クリーニング面20の長手方向と同じ方向に延在している。
粘着凹部14における粘着層40は、凸部の構成部材30よりも粘着力が高い。また、粘着層40の少なくとも一部は、クリーニング面10に露出している。本実施形態において、粘着凹部14は、上記の間隔Aにおいて配置され、凸部12の突出高さ分、凸部12の先端から窪んでいる。そして、粘着層40の少なくとも一部が露出しつつ粘着凹部14の底部を構成している。
上記の構成により、粘着層40が比較的強い粘着力を有するものの、凸部12の先端よりも粘着凹部14が窪んでいるため、クリーニング面10は、粘着層40の粘着力による摩擦力の影響をあまり受けずに、主に凸部12の先端が被清掃体の面に接触しつつ、摺接される。よって、上記の清掃用シート1は、良好な滑り性を有する。
また、上記の構成により、主に凸部12の先端を被清掃体に摺接させて清掃用シート1を用いることとなる。また、摺接時において、隣り合う線部材を互いに隔てる間隔Aにゴミがかき寄せられ得る。上記の間隔Aには、比較的粘着力が高く凸部よりも凹んだ粘着凹部14が配置されているため、粘着凹部14における粘着層40によって、かき寄せられたゴミを捕捉できる。しかも、捕捉されたゴミが比較的重いゴミであっても、ゴミを粘着力によって粘着凹部14の表面で保持することができる。従って、上記の清掃用シートは、良好なゴミ捕捉性を有する。
【0033】
前記クリーニング面の静摩擦係数(対SUS304板)は、3.00以下であることが好ましく、1.50以下であることがより好ましく、1.00以下であることがさらに好ましい。これにより、より良好な滑り性を発揮できる。なお、斯かる静摩擦係数は、0.20以上であってもよい。
静摩擦係数は、JIS K7125:1999(ISO8295:1995)に記載の測定条件に準拠して測定される。測定温度は、23℃である。
同様に、動摩擦係数が求められ得る。
摩擦係数の測定では、JISZ0237:2009で使用されるSUS304鋼板(100×200mm)を用いる。このSUS304鋼板の上に、清掃用シートから切り出した80×160mmの大きさのシートをクリーニング面がSUS鋼板面に接触するように載せ、接触面積40cm2(一辺長さ63mm)の滑り片を載せる。滑り片の全質量が200gになるよう調整する。摩擦係数測定における速度は100mm/minで行い、測定距離60mm間の最大力からなる静摩擦係数および動摩擦係数を算出する。5回の測定回数の平均値をそれぞれ記録する。なお、静摩擦係数の測定時にはスプリングを通して補助版をロードセルに接続し、動摩擦係数の測定時にはスプリングを使用しない。
なお、上記の静摩擦係数および動摩擦係数は、例えば、後述する比(H/L)を大きくすることによって、小さくすることができる。ここで、比(H/L)は、凸部12の先端から粘着凹部14までの平均凸部高さ(H:mm)と、クリーニング面の面方向にて上記間隔の平均長さが最小になる第1方向における粘着凹部の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)である。
【0034】
(凸部を構成する部材)
本実施形態において、凸部を構成する部材30は、並行して延びる複数の線部材を有する。隣り合う線部材の間の間隔Aにおいて、粘着層40の一部が露出している。これにより、摺接に伴って粘着凹部14付近に集まったゴミが粘着層40によって捕捉され、粘着凹部14の粘着力によってゴミの捕捉が維持され得る。従って、良好なゴミ捕捉性が発揮される。
【0035】
上記の線部材の幅は、通常、0.01mm以上である。線部材の幅は、より好ましくは0.02mm以上、さらに好ましくは0.03mm以上、特に好ましくは0.1mm以上である。線部材の幅は、20mm以下であってもよく、10mm以下であってもよく、5mm以下であってもよく、1mm以下であってもよい。複数の並行する線部材で凸部が構成されている場合、また、複数の交差する線部材で凸部が構成されている場合に、線部材の幅が上記の範囲であることが好ましい。
【0036】
凸部を構成する部材30の硬さは、ナノインデンテーション法によって測定される。斯かる硬さは、0.4MPa以上である。斯かる硬さが0.4MPa以上であることによって、摺接時において、被清掃体の面に摺接する凸部12と、被清掃体の面との間の摩擦力を比較的小さくすることができる。よって、このような比較的大きい剛性を有する部材をクリーニング面10に有する清掃用シート1は、良好な滑り性を有する。また、このような比較的剛性の高い部材で凸部12を構成することによって、清掃のときの摺接によって部材が摩耗することが抑制されるため、清掃用シート1が良好な耐久性を発揮できる。
凸部の構成部材30の上記硬さは、0.4MPa以上であり、好ましくは1.5MPa以上、より好ましくは3.0MPa以上、さらに好ましくは5.0MPa以上、特に好ましくは10.0MPa以上である。部材の上記硬さの上限は、特に制限されず、部材の上記硬さは、200MPa以下であってもよい。上記の部材30に適度な変形性を付与できる点、また、凸部12によって被清掃体表面に擦過傷が生じることを抑制する点で、上記の部材30の硬さは、好ましくは100MPa以下であり、より好ましくは70MPa以下であり、特に好ましくは50MPa以下である。
【0037】
ナノインデンテーション法による上記の部材30の硬さは、ISO14577に準拠して測定される。具体的には、測定装置「TI950 TriboIndenter」(Hysitron,社製)によって測定する。より具体的には、「圧子を最も深く押し込んだときの荷重(最大荷重Pmax)」を、「圧子と測定試料が接触する面積(接触投影面積B)」で除することによって算出される。圧子としては、バーコビッチ(Berkovich)型ダイヤモンド圧子(三角錐型圧子)を用い、単一押し込み測定で実施する。測定値が上記部材30以外の影響を受けないように、測定時における上記の部材30の厚さは、少なくとも50μmであることが望ましい。圧子の押し込み速度は、500nm/秒であり、引き抜き速度は、500nm/秒である。圧子の押し込み深さは、5μmである。測定は、25℃において実施される。少なくとも3回の測定を行って平均値を求める。後述の実施例も同様の方法で測定される。
【0038】
ナノインデンテーション法による上記の部材30の弾性率は、例えば、4.5MPa以上1000MPa以下であってもよく、4.5MPa以上500MPa以下であってもよく、4.5MPa以上200MPa以下であってもよい。斯かる弾性率は、上記の部材30の硬さの測定と同様に測定した結果を基にして算出される。ただし、斯かる弾性率は、「除荷曲線の最大負荷時における接線の傾き(接線剛性S=dP/dh)」と、「圧子と測定試料が接触する面積(接触投影面積B)」とを用いて、下記式によって算出される。なお、圧子の押し込み深さは、5μmである。
除荷曲線の最大負荷時における接線の傾きは、以下の方法によって算出される。前提として、除荷曲線において下記の式(1)のべき乗則が成り立つと仮定する。式(1)において、A、hf、mは、除荷曲線に最小二乗法を適用することによって決定される各定数である。式(1)を微分すると式(2)となる。式(2)から、除荷曲線の最大負荷時における接線の傾きが算出される。なお、除荷曲線の圧子の押し込み荷重の20%と95%との間の除荷曲線に最小二乗法を適用して、A、hf、mをそれぞれ算出する。
【数1】
【数2】
【数3】
【0039】
上記の部材30をナノインデンテーション法によって測定したときの負荷曲線の傾きは、1[μN/nm]以上5[μN/nm]以下であることが好ましい。斯かる負荷曲線の傾きは、上記の部材30の硬さの測定と同様に測定した結果を基にして算出される。負荷曲線の傾きとして、圧子の押し込み深さが50%と85%との間であるときの傾きを採用する。上記測定において、圧子の押し込み深さが5μmであるため、変位が2.5μmと4.25μmとの間であるときの傾きを負荷曲線の傾きとする。
【0040】
ナノインデンテーション法による上記の部材30の硬さ、弾性率、負荷曲線の傾きをより大きくするためには、例えば、より弾性率の高い樹脂材料をより多く部材30に配合する。一方、上記の部材30の硬さ、弾性率、負荷曲線の傾きをより小さくするためには、例えば、可塑剤又はより弾性率の低い樹脂材料などをより多く部材30に配合する。
【0041】
上記の部材30をナノインデンテーション法によって測定したときの負荷曲線の最小荷重は、好ましくは-0.40μN以上0μN以下であり、より好ましくは-0.10μN以上0μN以下である。負荷曲線の最小荷重が-0.10μN以上0μN以下であることによって、上記の部材30の濡れ性がほとんどなくなるため、より良好な滑り性が発揮される。
上記の部材30をナノインデンテーション法によって測定したときの除荷曲線の最小荷重は、好ましくは-1.50μN以上0μN以下であり、より好ましくは-0.10μN以上0μN以下である。除荷曲線の最小荷重が-0.10μN以上0μN以下であることによって、上記の部材30の吸着力(粘着力)がほとんどなくなるため、より良好な滑り性が発揮される。
ナノインデンテーション法による上記の負荷曲線の最小荷重、除荷曲線の最小荷重をより大きくするためには、例えば、粘着性に乏しい硬い材料を部材30により多く配合する。一方、上記の負荷曲線の最小荷重、除荷曲線の最小荷重をより小さくするためには、例えば、粘着性が良好な柔らかい材料を部材30により多く配合する。
【0042】
凸部の構成部材30は、上記の硬さを有する材料で作製される。凸部の構成部材30は、例えば少なくとも樹脂材料を含む樹脂製である。そのような樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂;エチレン·酢酸ビニル共重合樹脂(EVA);SISやSEBSなどのスチレン系熱可塑性エラストマー樹脂(スチレン系ブロック共重合体);アクリル樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂、CEBC樹脂;PET等のポリエステル;ポリウレタン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂の1種または2種以上が採用される。凸部の構成部材30は、特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン·酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、SISやSEBSなどのスチレン系熱可塑性エラストマー樹脂;ポリオレフィン系エラストマー樹脂;ポリウレタン系エラストマー樹脂;アクリル系エラストマー樹脂;アクリル樹脂;およびポリアミド樹脂からなる群より選択される1種または2種以上の樹脂を主成分として含む材料で形成されたものが好ましい。凸部の構成部材30は、これらの樹脂のいずれかを10質量%を超えて含むことが好ましい。凸部の構成部材30は、上記樹脂材料を30質量%以上含むことが好ましい。
上記の樹脂材料のなかでも、ポリオレフィン樹脂、エチレン·酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、上記のスチレン系熱可塑性エラストマー樹脂、アクリル樹脂、及びポリアミド樹脂からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。換言すると、凸部の構成部材30は、ポリオレフィン、エチレン·酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、上記のスチレン系熱可塑性エラストマー樹脂、アクリル樹脂、及びポリアミド樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。特に好ましくは、凸部の構成部材30は、ポリオレフィン樹脂、エチレン·酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、上記のスチレン系熱可塑性エラストマー樹脂、及びアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含むことがより好ましい。
凸部の構成部材30が上記のごとき好ましい樹脂材料を含むことにより、摺接によって被清掃体の表面が損傷することが抑制される。また、凸部の構成部材30が上記のごとき好ましい樹脂材料を含むことによって、良好な滑り性、及び、良好な耐久性(強度)をより十分に発揮させることができる。
【0043】
凸部の構成部材30は、より高い弾性率を有するべく、上記の樹脂材料以外に、ワックス、硬化された樹脂、及び、無機粉体のうち少なくとも1種を含んでもよい。また、凸部の構成部材30は、より良好な滑り性を有するべく、ワックスを含むことが特に好ましい。凸部の構成部材30は、体質顔料を無機粉体として含有することが好ましい。凸部の構成部材30が、樹脂材料以外にワックス、無機粉体としての体質顔料を含むことによって、凸部の構成部材30自体の滑り性がより向上し、凸部の構成部材30自体の摩擦力がより低くなり、清掃用シート1の滑り性がかなり向上する。
【0044】
ワックス(固形ワックス)とは、常温(20℃)において固体状であるが、そのワックスの融点よりも高い温度(例えば融点よりも2〜3度高い温度)においてペースト状又は液状に変化するものである。融点は、市販されている融点測定装置や示差走査熱量計(DSC)によって測定できる。
ワックスの融点は、通常、50℃以上130℃以下であり、好ましくは80℃以上である。
ワックスは、常温においては硬いため、ワックスを含む凸部の構成部材30は、常温での硬さ又は弾性率が比較的高い。
これに対して、ワックスの融点よりもわずかに高い温度において、ワックスは、急激に熱溶融して樹脂材料よりも粘度が下がる。そのため、ワックスを含む凸部の構成部材30は、ホットメルト塗工における加工適正が良好である。また、樹脂材料以外にワックスを含む凸部の構成部材30は、樹脂材料に起因する伸びやすさが抑制されるため、容易にカットされやすくなるという利点を有することができる。よって、清掃用シート1がテープカット性を有し得ることとなる。
【0045】
ワックスの硬さは、針入度で表すと、通常、0.1以上60以下である。上記ワックスの針入度は、好ましくは50以下、より好ましくは35以下、さらに好ましくは30以下、さらに好ましは15以下、特に好ましくは10以下である。上記ワックスの針入度は、1以上であってもよい。
上記の針入度は、日本工業規格(JIS K2235 2009 5.4 針入度試験方法)に従って測定される値である。測定条件は、温度25℃、荷重100g、時間5秒である。
【0046】
ワックスとしては、例えば、炭化水素系ワックス又は非炭化水素系ワックス等が挙げられる。
炭化水素系ワックスとしては、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油鉱物系ワックス、また、ポリエチレンワックス(低分子量ポリエチレン)、ポリプロピレンワックス(低分子量ポリプロピレン)、フィッシャー·トロプシュワックス等の合成ワックスなどが用いられる。
非炭化水素系ワックスとしては、カスターワックス、カルナウバワックス、木蝋、イボタロウ、密蝋、モンタンワックス、キャンデリラワックス、ライスワックスといった天然ワックス、また、ジヘプタデシルケトン、ジペンタデシルケトン、ジウンデシルケトン、ジトリデシルケトンといった合成ワックスなどが用いられる。
ワックスとしては、炭化水素系ワックスが好ましい。
【0047】
市販されているワックスの商品名の具体例は、以下の通りである。
日本精蝋社製のマイクロクリスタリンワックスである、商品名Hi-Mic-1045(融点72℃、針入度37)、Hi-Mic-1070(融点80℃、針入度20)、Hi-Mic-2095(融点101℃、針入度8)、Hi-Mic-1090(融点88℃、針入度6)、Hi-Mic-1080(融点84℃、針入度12)などのワックスが挙げられる。
また、日本精蝋社製のフィッシャー·トロプシュワックスである、商品名FT115(融点113℃、針入度1)、SX105(融点102℃、針入度1)、FT-0165(融点73℃、針入度5)、FT-0070(融点72℃、針入度11)などのワックスが挙げられる。
また、サゾール社製のフィッシャー·トロプシュワックスである、商品名サゾールワックスH1(融点112℃、針入度1)、サゾールワックスC80(融点88℃、針入度4〜9)などのワックスが挙げられる。
また、三洋化成工業社製の低分子量ポリオレフィンワックスである、商品名サンワックス171-P(針入度5)、サンワックス151-P(針入度4)、サンワックス131-P(針入度4)、サンワックス161-P(針入度2)、サンワックスE-310(針入度5)、サンワックスE-330(針入度4)、サンワックスE-250P(針入度5)などのワックスが挙げられる。
また、ヤスハラケミカル社製のポリエチレンワックスである商品名ネオワックス(融点110℃、針入度5)、三井化学社製のポリエチレンワックスである、商品名ハイワックスHP10A(融点116℃、針入度2)、ハイワックス210P(融点114℃、針入度4)、ハイワックス210MP(融点112℃、針入度3)、ハイワックス4202E(融点100℃、針入度5)、ハイワックスNL100(融点103℃、針入度3)、ハイワックスNP056(融点124℃、針入度2)などのワックスが挙げられる。
【0048】
凸部の構成部材30は、上記樹脂材料100質量部に対してワックスを、5質量部以上含むことが好ましく、10質量部以上含むことがより好ましく、50質量部以上含むことがさらに好ましく、100質量部以上含むことが特に好ましい。また、上記樹脂材料100質量部に対してワックスを、300質量部以下含んでもよく、250質量部以下含んでもよく、200質量部以下含んでもよい。なお、凸部の構成部材30は、ワックスのみを含んでもよい。
【0049】
凸部の構成部材30は、上記樹脂材料100質量部に対して無機粉体を、1質量部以上含むことが好ましく、5質量部以上含むことがより好ましく、50質量部以上含むことがさらに好ましく、100質量部以上含むことが特に好ましい。また、上記樹脂材料100質量部に対して上記無機粉体を、400質量部以下含んでもよく、250質量部以下含んでもよく、200質量部以下含んでもよい。
無機粉体としては、体質顔料、着色顔料、又は、機能性粒子などが挙げられる。体質顔料としては、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、又は、タルクなどが挙げられる。
凸部の構成部材30は、無機粉体以外に、有機顔料、有機染料を含んでもよい。
【0050】
凸部の構成部材30が、上記樹脂材料と、上記体質顔料(無機粉体)と、上記ワックスとを含む場合、上記樹脂材料100質量部に対して体質顔料を1質量部以上300質量部以下含んでもよく、上記樹脂材料100質量部に対してワックスを1質量部以上300質量部以下含んでもよい。
【0051】
凸部の構成部材30は、硬化された樹脂(硬化樹脂)を含んでもよい。硬化された樹脂としては、エネルギー線によって硬化する未硬化の樹脂が、紫外線や電子線などのエネルギー線によって硬化したものが挙げられる。硬化された樹脂としては、具体的には、紫外線硬化型(UV硬化型)樹脂が硬化したもの、電子線硬化型(EB硬化型)樹脂が硬化したものなどが挙げられる。また、硬化された樹脂は、二液反応架橋型の硬化物であってもよい。
例えば、UV硬化型樹脂を配合した凸部の構成部材30の組成物を塗工し、UV照射によって組成物を硬化させることで、十分な硬さや弾性率を有する凸部の構成部材30を作製できる。これにより、滑り性が良好な清掃用シート1を得ることもできる。
【0052】
凸部の構成部材30は、上記樹脂材料(熱可塑性樹脂)100質量部に対して、硬化された樹脂を、10質量部以上含むことが好ましく、50質量部以上含むことがより好ましい。また、上記樹脂材料100質量部に対して、硬化された樹脂を、400質量部以下含んでもよく、200質量部以下含んでもよい。なお、凸部の構成部材30は、硬化された樹脂のみを含んでもよい。
【0053】
なお、本実施形態の清掃用シート1は、一般に織布や不織布と称される繊維集合