IPC分类号:
A45D29/00 | A61K8/34 | A61K8/33 | A61K8/49 | A61K8/41 | A61K8/37 | A61K8/35 | A61K8/31 | A61K8/898 | A45D40/28
发明人:
アンリ·サマン | クリステル·ジェヴレ | フランク·ジロン
摘要:
本発明は、ヒトケラチン材料をメイクアップするための転写デバイス(1)であって:- 少なくとも1つの転写面(3)を有する基材(2)と、- 転写面(3)によって支持されかつ少なくとも1つのデジタルプリンタを使用して印刷することによって得られた少なくとも1種の化粧品用着色インクのコート(4)とを含み、着色インクは、転写によってケラチン材料上にメイクアップの結果が得られるように、ケラチン材料に施与されることが意図されるものであり、着色インク(4)は:- 色素と、- 色素以外の、120℃以上の沸点を有する転写化合物とを含む、デバイスに関する。
技术问题语段:
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、これらの必要性のすべてまたはいくつかを満たすことを対象とする。
权利要求:
【請求項1】
ヒトケラチン材料(P)をメイクアップするための転写デバイス(1)であって、
- 少なくとも1つの転写面(3)を有する基材(2)と、
- 前記転写面(3)によって支持されかつ少なくとも1つのデジタルプリンタを使用して印刷することによって得られた少なくとも1種の化粧品用着色インクのコート(4)であり、前記着色インクは、転写によって前記ケラチン材料(P)上にメイクアップの結果が得られるように、前記ケラチン材料(P)に施与されることが意図されるものであるコートと
を含み、前記着色インク(4)は、
· 色素と、
· 前記色素以外の、120℃以上の沸点を有する転写化合物と
を含むデバイス(1)。
【請求項2】
前記転写化合物が、好ましくは、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、ベンジルアルコール、1-ヘキサナール、1-ヘプタナール、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチルピロリジン、炭酸プロピレン、1,3-ジアミノプロパン、2-イミダゾリジノン、2-アミノ-1-ブタノール、2-アミノプロパノール、エタノールアミン、酢酸ブチル、およびこれらの混合物から選択される、請求項1に記載のデバイス(1)。
【請求項3】
前記インク(4)が、好ましくは、C5〜C6モノアルコール、C2〜C6ポリオール、C6〜C10エステル、C5〜C8ケトン(特に、環状ケトン)、C6〜C7アルデヒド、C3〜C8環状カーボネート、C3〜C8環状尿素、C2〜C6アミノアルコール、C3〜C6ジアミン、および水混和性アミノシリコーンから選択される少なくとも1種の水混和性転写化合物を含む、請求項1または2に記載のデバイス(1)。
【請求項4】
前記インク(4)が、好ましくは、酢酸ブチル、ベンジルアルコール、イソドデカン、およびミリスチン酸イソプロピル、ならびにこれらの混合物とから選択される少なくとも1種の水不混和性転写化合物を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項5】
前記着色インク(4)が、120℃以下の沸点を有する液体溶媒も含み、かつ/または前記着色インク(4)が、顔料を全く含まず、かつ/または前記着色インク(4)が、粒状充填剤を全く含まず、かつ/または前記着色インク(4)が、200rpmで回転するスピンドルを備えたRheomat 180粘度計を使用して従来のプロセスに従って25℃で測定したときに1mPa.sから500mPa.sの範囲の粘度を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項6】
前記転写化合物が、20℃の温度で流体である、請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項7】
前記転写化合物が、前記着色インクの全質量に対して2%から80%の範囲、好ましくは10%から70%の範囲、好ましくは15%から70%の範囲、特に好ましくは20%から60%の範囲の質量含量で前記着色インク中に存在し、かつ/または前記転写化合物は、125℃以上の沸点を有し、かつ/または前記色素は、前記着色インクの全質量に対して0.01%から60%の範囲、好ましくは0.1%から40%の範囲、優先的には0.1%から20%の範囲の質量含量で前記着色インク中に存在し、前記色素は任意選択で1種または複数の染料からなり、かつ/または前記着色インクは、前記色素および前記転写化合物が存在している水を含み、前記水は、前記着色インクの全質量に対して19.9%から97.9%の範囲、好ましくは29.9%から89.9%の範囲、より優先的には39.9%から79.9%の範囲の質量含量で前記着色インク中に存在する、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項8】
前記転写面が、アプリケーターローラの外面、アプリケーターパッドの表面、シート形態の要素、パッチ、多孔質フォームの表面、特にスポンジまたはワイプ、粗いブラシ、微細なブラシ、または植毛チップのすべてまたは部分によって画定される、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項9】
前記基材(2)が、前記着色インク(4)でメイクアップされることが意図される前記ケラチン材料の性質に関する表示(7)を含み、かつ/または前記基材(2)は、少なくとも1つの半透明または透明な領域(5)を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項10】
前記着色インクのコートが、ラスタドットとして各々堆積された異なる色の数種の着色インクを含み、前記着色インク(4)は、中間流体化合物、特に液体を添加せずに前記ケラチン材料(P)上に特に転写することが可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
同じパッケージ内に、各々が請求項1から10のいずれか一項に記載されている複数の異なるデバイス(1)を含む、化粧品用アセンブリ(10)であって、前記デバイスは、それらが支持する前記着色インク(4)の化学的性質および/またはそれによって形成されるパターンおよび/または前記ケラチン材料に係合することが意図される前記転写面の形が異なっている、化粧品用アセンブリ(10)。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス(1)を製造するためのプロセスであって、少なくとも1種の化粧品用着色インク(4)のコートを、転写面(3)上に、少なくとも1つのデジタルプリンタを使用して印刷することにあるステップを含み、前記インクは、
· 色素と、
· 前記色素以外の、120℃以上の沸点を有する転写化合物と
を含み、
前記着色インク(4)は、あらかじめ定められたパターンに特に印刷され、前記プロセスは、使用者によってパターンを選択および/または作製し、印刷を行う前記プリンタに接続された機械を用いてこのパターンに関する情報を送信するステップを特に含むプロセス。
【請求項13】
請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス(1)を製造するための化粧品用アセンブリ(20)であって、同じパッケージ内に、
a)· 色素、
· 前記色素以外の、120℃以上の沸点を有する転写化合物
を含む化粧品用着色インクを含むプリンタカートリッジ(21)と、
b)前記着色インクで印刷されることが意図される転写面(3)と
を含む、化粧品用アセンブリ(20)。
【請求項14】
ヒトケラチン材料(P)をメイクアップするためのプロセスであって、前記ケラチン材料(P)に、請求項1から11のいずれか一項に記載のデバイス(1)上に存在する着色インク(4)を施与することにあるステップを含み、前記着色インク(4)は、皮膚表面(P)に、たとえば眼瞼、爪、唇、もしくは頭皮、または毛髪に特に施与され、
前記プロセスは、メイクアップ領域とメイクアップされていない領域との間の境界が薄くなるように、前記ケラチン材料上に得られたメイクアップを仕上げるステップであり、前記仕上げは、たとえば転写されたパターンの一部のみに、たとえば眼瞼に施与されたパターンの場合にはその上部に摩擦を引き起こすことで行われるステップ、および/または前記転写面(3)によって支持される着色インク(4)のコートによって形成されたパターンを仕上げるステップも特に含むプロセス。
【請求項15】
前記着色インクでコーティングされることが意図される前記ケラチン材料は、前記着色インクの施与前に、前記着色インクの転写を改善することが意図される中間流体化合物、特に水で覆われておらず、かつ/またはプロセスは、前記転写面により支持される前記着色インクに、前記転写を改善することが意図される中間流体化合物を添加するステップがない、請求項14に記載のプロセス。
技术领域:
【0001】
本発明は、転写によるメイクアップ適用例に関する。
背景技术:
【0002】
基材上に印刷されたインクの堆積物を転写することによって、ケラチン材料、特に皮膚をメイクアップすることは難しい。この理由は、公知のインクの印刷が行われると非常に素早く乾燥して、ケラチン材料上への転写が行われなくなるからである。
【0003】
この問題を解決する1つの方法は、転写面、または水などの適切な溶媒で処理される領域を、湿らすことである。しかしこの方法は、施与される溶媒の量を精密に計量することが常に可能というわけではなく、「流れ」が生じてケラチン材料上への転写を不整および/または不明確にし、したがって満足のいかないメイクアップの結果をもたらすので、受け入れることができないと考えられる。
【0004】
さらにメイクアップデバイスは、印刷の直後またはその30分以内に行われる転写の場合、また印刷の数日後またはさらに数カ月後に行われる転写の場合にも、満足のいく転写メイクアップを提供することが望ましい。
【0005】
加えて、パターンは、ケラチン材料、特に皮膚上転写されたら、比較的安定に残されることも望ましい。言い換えれば、転写の直後またはたとえば転写から1時間以内のいずれかで、生成されたパターンを劣化させることなくメイクアップ領域を特に指で触れることができることが有利である。
【0006】
しかしながら、従来から生成されてきたメイクアップコーティングは、満足のいく安定性を持たない可能性がある。
【0007】
この安定性の欠如は、メイクアップパターンに高い精度が求められていないので、必ずしも問題ではない。一方、印刷によって得られた精密なパターンの場合、転写後に得られたメイクアップは安定であることが重要である。
【0008】
最後に、使用者は、たとえば輪郭を柔らかくし、メイクアップされていない領域との境界が滑らかにできるように、転写から数分以内に、転写されたパターンに手を加えることができることも有利と考えられる。
【0009】
その結果、使用者が印刷直後にパターンを転写しようとしていてもまたはデバイスのより長いもしくはより短い保管期間後に転写しようとしていても、溶媒を添加せずに、単純な接触によって転写メイクアップを得ることを可能にするメイクアップデバイスが求められている。
【0010】
転写の数分以内に、必要に応じてケラチン材料上に転写されたパターンに使用者が手を加えることができる、転写メイクアップデバイスを得ることも有利と考えられる。
【0011】
転写から1時間以内に安定したパターンを得ることを可能にする、利用可能な転写メイクアップデバイスを有することも求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】
米国特許第5 032 670号
【特許文献2】
米国特許第4 999 418号
【特許文献3】
米国特許第5 106 942号
【特許文献4】
米国特許第5 030 708号
【特許文献5】
米国特許第5 102 980号
【特許文献6】
米国特許第5 043 376号
【特許文献7】
米国特許第5 104 913号
【特許文献8】
米国特許第5 281 659号
【特許文献9】
米国特許第5 194 463号
【特許文献10】
米国特許第4 804 719号
【特許文献11】
国際公開第92/07913号
【特許文献12】
EP 1 048 282
【特許文献13】
国際公開第02/36083号
【特許文献14】
EP-A-1 410 785
【特許文献15】
EP-A-938 887
发明内容:
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、これらの必要性のすべてまたはいくつかを満たすことを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の態様によれば、本発明は、ヒトケラチン材料をメイクアップするための転写デバイスであって:
- 少なくとも1つの転写面を有する基材と、
- 転写面によって支持されかつ少なくとも1つのデジタルプリンタを使用して印刷することによって得られた少なくとも1種の化粧品用着色インクのコートであり、この着色インクは、転写によってケラチン材料上にメイクアップの結果が得られるように、ケラチン材料に施与され特に接触して配置されることが意図されるものであるコートと
を含み、この着色インクは:
· 色素と、
· 色素以外の、120℃以上の沸点を有する転写化合物と
を含むデバイスに関する。
【0015】
他に記述しない限り、すべての沸点は大気圧で、すなわち1013.25mbar(1013.25ヘクトパスカル(hPa)の圧力に対応する)で測定される。
【0016】
着色インクは水を含んでいてもよい。
【0017】
比較的高い沸点の転写化合物が着色インク中に存在することは、有利には、ケラチン材料にメイクアップデバイスを適用している最中に、メイクアップされるケラチン材料上への着色インクの良好な転写を得るのを可能にする。
【0018】
さらに、デジタルプリンタを使用して印刷することによって得られた着色インクのコートの使用は、標準的なメイクアップ適用例と比較した場合、有利なことに、複雑でカスタマイズ可能なメイクアップ結果を得ることが可能になる。
【0019】
色素は、以下に記述される1種または複数の染料を含んでいてもよい。
【0020】
好ましくは、デバイス上に存在する着色インクは、25℃で空気に接触してかつ通常の湿度測定法(相対湿度55%)で、転写面への印刷後15分で、特に24時間後、さらに良好には7日後に完全には乾燥しない。
【0021】
ケラチン材料上への、完全には乾燥していない着色インクの施与は、インクの転写を容易にする。
【0022】
着色インクは、転写面によって支持される場合およびケラチン材料に施与させる前に、液体の形をとってもよい。
【0023】
有利には、インクは、25℃で1mPa.sから500mPa.sの範囲、好ましくは1mPa.sから300mPa.sの範囲の粘度を有する。
【0024】
本発明のインクの粘度は、当業者に公知の何らかのプロセスを介して、特に下記の従来のプロセスに従って測定されてもよい。25℃で、200rpmで回転するスピンドルを備えたRheomat 180粘度計を使用して、当業者は、それらの一般的な知識に基づいて、測定を行うことができるように、スピンドルM1、M2、M3、およびM4から粘度を測定するためのスピンドルを選択することができる。
【0025】
特に好ましい手法では、着色インクは、中間流体化合物、特に液体を添加せずにケラチン材料上に転写することが可能である。言い換えれば、着色インクは、デカル転写の場合のように、インクの転写を改善することが意図される中間液体を必ずしも施与させる必要なしに、メイクアップされることが意図される領域と前記着色インクとの単純な接触によってケラチン材料上に転写されてもよい。
【0026】
着色インクのコートは、いくつかのインクを含んでいてもよい。
【0027】
印刷することによって堆積された着色インクは、ハーフトーン画像、たとえば単色または多色画像を形成するように、ラスタドットおよび/またはラスタラインの形で転写面上に堆積されてもよい。
【0028】
着色インクのコートは、ラスタドット内に各々堆積された異なる色のいくつかの着色インクを含んでいてもよい。
【0029】
転写面に印刷された着色インクによって形成されたパターンは、何らかのタイプのものであってもよい。
【0030】
パターンは、皮膚の起伏および/または色の不均質性、たとえばしみまたは痣の外観を再現してもよい。
【0031】
転写面によって支持される着色インクのコートによって形成されたパターンは、可視領域(400nm〜800nm)の白色光の下で観察した場合着色されていてもよい。変形形態として、パターンは、可視領域の白色光の下で無色であるが、UV(365nm〜400nm)への曝露など、化学的および/またはエネルギーの刺激に供された場合、たとえば着色インクがフォトクロミックまたは蛍光色素を含有する場合に、着色されたように見えてもよい。
【0032】
有利には、転写化合物は、120℃以上、特に120℃から350℃の範囲、特に120℃から300℃の範囲の沸点を有する。
【0033】
転写化合物は、有利には室温(25℃)で液体の形である。
【0034】
転写化合物は、好ましくは:グリセロール(沸点:290℃)、エチレングリコール(沸点:197℃)、ジエチレングリコール(沸点:245℃)、トリエチレングリコール(沸点:285℃)、1,5-ペンタンジオール(沸点:242℃)、1-ペンタノール(沸点:138℃)、1-ヘキサノール(沸点:157℃)、ベンジルアルコール(沸点:205℃)、1-ヘキサナール(沸点:130℃)、1-ヘプタナール(沸点:153℃)、2-ピロリドン(沸点:245℃)、N-メチル-2-ピロリドン(沸点:203℃)、N-エチルピロリジン(沸点:211℃)、炭酸プロピレン(沸点:240℃)、1,3-ジアミノプロパン(沸点:140℃)、2-イミダゾリジノン(沸点:131℃)、2-アミノ-1-ブタノール(b.p.=178℃)、2-アミノプロパノール(沸点:173℃)、エタノールアミン(沸点:171℃)、酢酸ブチル(沸点:126℃)、およびこれらの混合物から選択される。
【0035】
本発明の第1の実施形態によれば、転写化合物は、25℃の水中で混和性であり(特に、少なくとも5重量%の水中溶解度を有する)、好ましくは、C5〜C6モノアルコール、C2〜C6ポリオール、C6〜C10エステル、C5〜C8ケトン(特に、環状ケトン)、C6〜C7アルデヒド、C3〜C8環状カーボネート、C3〜C8環状尿素、C2〜C6アミノアルコール、C3〜C6ジアミン、水混和性アミノシリコーン、たとえば、NoveonによってSilsense Q-Plus Siliconeという名称の下で販売されるシリコーンクオタニウム-8(INCI名)、たとえば、NoveonによってSilsense A-21 Siliconeという名称の下で販売されるPEG-7アモジメチコン(INCI名)およびそれらの混合物などから選択される。
【0036】
着色インクは、各々が120℃以上の、特に120℃から350℃の範囲の沸点を有する、複数の異なる転写化合物、好ましくは少なくとも3種の異なる転写化合物、好ましくは少なくとも4種の異なる転写化合物を含んでいてもよい。
【0037】
一実施形態の実施例では、転写化合物は、少なくとも2種の異なるC2〜C6ポリオールの、特に少なくとも3種の異なるC2〜C6ポリオールの、特に少なくとも4種の異なるC2〜C6ポリオールの混合物を含む。
【0038】
本発明の第2の実施形態によれば、転写化合物は、水中で不混和性である(25℃の水中で5重量%未満の溶解度)。そのような転写化合物は、化粧品に通常使用される揮発性または不揮発性油から選択されてもよく、これらは、単独でまたは混合物として、任意選択で分枝している天然または合成の炭素系油、炭化水素系油、またはフルオロ油から選択されてもよい。
【0039】
「不揮発性油」という用語は、室温および大気圧で少なくとも1時間皮膚上に残ることが可能であり、特に室温(25℃)および大気圧で0.01mmHg(1.33Pa)未満の非ゼロ蒸気圧を有する油を意味する。
【0040】
特に、不揮発性炭素系油、特に、植物、無機物、動物、または合成由来の炭化水素系油、たとえば流動パラフィン(またはワセリン)、スクアラン、水素化ポリイソブテン(Parleam油)、パーヒドロスクアレン、マカダミア油、大豆油、スイートアーモンド油、ビューティーリーフ(beauty-leaf)油、パーム油、グレープシード油、ゴマ油、トウモロコシ油、アララ油、ナタネ油、ヒマワリ油、綿実油、アプリコット油、ヒマシ油、アボカド油、ホホバ油、オリーブ油、小麦胚芽油、またはシアバター油; 6個超、特に6から30個の炭素原子を含有する直鎖状、分枝状、または環状エステル、たとえばラノリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、またはステアリン酸のエステル;長鎖酸またはアルコール(すなわち、6から20個の炭素原子を含有する)から誘導されたエステル、特に、式RCOOR’(式中、Rは、7から19個の炭素原子を含む高級脂肪酸残基を表し、R’は、3から20個の炭素原子を含む炭化水素をベースにした鎖を表す)のエステル、特に、C12〜C36エステル、たとえばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸または乳酸2-オクチルドデシル、コハク酸ビス(2-エチルヘキシル)、リンゴ酸ジイソステアリル、およびトリイソステアリン酸グリセリルまたはジグリセリル;特にC14〜C22の高級脂肪酸、たとえばミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、またはイソステアリン酸;特にC16〜C22の高級脂肪アルコール、たとえばセタノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、またはリノレニルアルコール、イソステアリルアルコール、またはオクチルドデカノール;およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0041】
デカノール、ドデカノール、オクタデカノール、ベンジルアルコール、4から10個の炭素原子の液体脂肪酸トリグリセリド、たとえばヘプタン酸またはオクタン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド;無機または合成由来の直鎖状または分枝状炭化水素、たとえば流動パラフィンおよびその誘導体、ワセリン、ポリデセン、および水素化ポリイソブテンであってパーリームなど;特に脂肪酸の合成エステルおよびエーテル、たとえばプルセリン油、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-オクチルドデシル、エルカ酸2-オクチルドデシル、またはイソステアリン酸イソステアリル;水酸化エステル、たとえば乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソセチル、または脂肪アルキルヘプタノエート、オクタノエート、およびデカノエート;ポリオールエステル、たとえばプロピレングリコールジオクタノエート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート、またはジエチレングリコールジイソノナノエート;およびペンタエリトリトールエステル;12から26個の炭素原子を含有する脂肪アルコール、たとえばオクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、または2-ウンデシルペンタデカノールを挙げてもよい。
【0042】
揮発性化合物の中で、非シリコーン揮発性油、特にC8〜C16イソパラフィン、たとえばイソドデカン、イソデカン、およびイソヘキサデカンを挙げてもよい。
【0043】
より優先的には、室温、特に20℃で液体であるアルカン、より具体的にはデカン、ヘプタン、ドデカン、イソドデカン、イソヘキサデカン、シクロヘキサン、およびイソデカン、およびこれらの混合物を挙げてもよい。
【0044】
水不混和性転写化合物の中で、イソドデカン(沸点: 180℃)、ミリスチン酸イソプロピル(沸点: 168℃)、ベンジルアルコール(沸点: 205℃)、イソステアリルアルコール(沸点: 331℃)、ネオペンタン酸イソデシル(沸点: 272℃)、イソノナン酸イソノニル(沸点: 285℃)、オレイルアルコール(沸点: 315℃)、2-オクチルドデカノール(沸点: 358℃)、パルミチン酸イソプロピル(沸点: 340℃)、イソステアリン酸イソプロピル(沸点: 361℃)、およびこれらの混合物を使用してもよい。
【0045】
本発明による着色インクは、ワックスを含んでいてもよい。
【0046】
「ワックス」という用語は、室温(25℃)で固体である親油性化合物であって、状態の可逆的な固/液変化を伴い、その融点が30℃以上であり最高で120℃であってもよい親油性化合物を意味する。ワックスを液体状態(融解)にすることによって、存在し得る油と混和性にすることおよび微視的に均質な混合物を形成することが可能になるが、混合物の温度が室温に戻ると、混合物の油中のワックスの再結晶が得られる。ワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)、たとえばMettler社によってDSC 30という名称の下で販売される熱量計を使用して測定されてもよい。
【0047】
ワックスは、炭化水素をベースにしたワックス、フルオロワックス、および/またはシリコーンワックスであってもよく、植物、無機物、動物、および/または合成由来のものであってもよい。特に、ワックスは、25℃よりも高い融点を有し、さらに良好には45℃よりも高い融点を有する。着色インクに使用され得るワックスとして、ビーズワックス、カルナバワックス、またはカンデリラワックス、パラフィン、微結晶質ワックス、セレシン、またはオゾケライト;合成ワックス、たとえばポリエチレンワックスまたはフィッシャートロプシュワックス、シリコーンワックス、たとえば16から45個の炭素原子を含有するアルキルまたはアルコキシジメチコンを挙げてもよい。
【0048】
ワックスの性質および量は、所望の機械的性質およびテクスチャに依存する。指針として、着色インクは、着色インクの全重量に対してワックスを、0.01重量%から30重量%、さらに良好には1重量%から20重量%含有していてもよい。
【0049】
着色インクは、有利には、各々が25℃の水中で混和性である複数の転写化合物の混合物を含む。変形形態として、着色インクは、各々が水不混和性である複数の転写化合物の混合物を含む。別の変形形態として、着色インクは、複数の転写化合物の混合物を含み、1種または複数の水混和性転写化合物と1種または複数の水不混和性転写化合物との両方を含む。
【0050】
一実施形態の実施例では、着色インクは、沸点が120℃未満の液体である(25℃で)有機溶媒も含む。そのような有機溶媒の例として、n-ヘキサン(沸点: 69℃)、シクロヘキサン(沸点: 81℃)、酢酸エチル(沸点: 76℃)、n-ヘプタン(沸点: 98℃)、酢酸イソブチル(沸点: 116℃)、酢酸メチル(沸点: 57℃)、エタノール(沸点: 78℃)、ブタノール(沸点: 117℃)、イソプロパノール(沸点: 81℃)、n-プロパノール(沸点: 97℃)、およびこれらの混合物を挙げてもよい。
【0051】
着色インクは、水溶液、水性ゲル、またはエマルジョンの形をとってもよい。
【0052】
転写化合物は、インクの全質量に対して2%から80%の範囲、好ましくは10%から70%の範囲、好ましくは15%から70%の範囲、特に好ましくは20%から60%の範囲の質量含量で、着色インク中に存在してもよい。
【0053】
着色インクでの十分量の転写化合物の使用は、そのケラチン材料上への転写をさらに改善するのを、特に転写を改善することが意図される中間流体化合物の使用をなくすのを、可能にする。
【0054】
好ましくは、着色インクは顔料を全く含まない。
【0055】
また好ましくは、着色インクは粒状充填剤を全く含まない。
【0056】
色素は、インクの全質量に対して0.01%から60%の範囲、好ましくは0.1%から40%の範囲、優先的には0.1%から20%の範囲の質量含量で着色インク中に存在してもよい。
【0057】
着色インクは、インクの全質量に対して19.9重量%から97.9重量%の範囲、好ましくは29.9重量%から89.9重量%の範囲、優先的には39.9%から79.9%の範囲の質量含量で水を含んでいてもよい。
【0058】
基材および転写面
一実施形態の実施例では、本発明で使用される基材は、少なくとも1つの半透明または透明な領域を含む。
【0059】
半透明または透明な領域では、使用者は、基材を通して見ることが可能になり、したがって化粧品用インクを転写する前に、メイクアップおよび/または処理される表面をより容易に視覚化することが可能になる。したがって半透明または透明な領域の存在は、有利には、ケラチン材料上での精密なメイクアップ結果の生成を容易にするのに寄与する。
【0060】
基材の半透明または透明な領域上には、全体としてまたは部分的に化粧品用インクの層を重ねることができ、特に層をオーバーラップさせてもよい。
【0061】
化粧品用インクのコートは、その全体を、基材の半透明または透明な領域上に重ねてもよい。変形形態として、化粧品用インクのコートの一部のみを、基材の透明な領域上に重ねる。
【0062】
基材は、透明なまたは半透明の材料で作製されてもよい。この場合、半透明または透明な領域は、基材の全面にわたって拡がる。
【0063】
変形形態として、基材は、その面の全体にわたってまたは部分が不透明である。
【0064】
基材は、シート形態の材料、特に透明な材料を含んでいてもよい。
【0065】
基材は、可撓性シートまたは剛性プレートであってもよい。基材はプラスチック(たとえば、ポリエチレンまたはポリスチレン)で作製されてもよい。基材は織られていても不織であってもよい。基材は有機または無機材料で作製されてもよい。基材はアルミ箔であってもよい。
【0066】
基材は、優先的に、非吸収性材料、たとえばプラスチック被膜をベースにする。基材は、有利には、少なくともプリントを受容することが意図される面上が非多孔質である。
【0067】
転写面は、毛管作用によって化粧品用インクを保持してもよい。
【0068】
転写面は、平らであってもそうでなくてもよい。
【0069】
基材の転写面は:アプリケーターローラの外面、アプリケーターパッドの表面、シート形態の要素、パッチ、多孔質フォームの表面、特にスポンジまたはワイプ、粗いブラシ、微細なブラシ、または植毛チップのすべてまたは部分によって画定されてもよい。
【0070】
アプリケーターローラは、適正な(right)シリンダの形を有していてもよい。一変形形態では、ローラは、不規則なシリンダの形、たとえば砂時計の形を有する。
【0071】
一変形形態では、ローラは「プリモールド」され、すなわちローラは、メイクアップされる領域の一般的な形に対応して当初は平らではない形を有し、たとえば唇、眼窩、足首、または前腕の原版である。
【0072】
一変形形態では、基材は、メイクアップされる領域のインプリントに対して転写するときにめっきされ、したがって転写面は、メイクアップされる領域の起伏を再現するようになる。
【0073】
転写面は、たとえば、アプリケーターローラまたはパッドの表面に取り付けられた変形可能なシートの表面のすべてまたは部分によって画定される。
【0074】
転写面は、弾性的に変形可能であってもよい。したがって、第1の構成では、転写面は平らであってもよく、第2の構成では、転写面は湾曲していてもよい。
【0075】
一変形形態では、基材は、印刷中に転写面が第1の形をとるように、たとえば実質的に平らになるように、またケラチン材料への着色インクの施与中には、第1の形とは異なる第2の形をとるように構成される。第2の形は、有利には、着色インクでコーティングされることが意図されるケラチン材料の表面の形に対応し、たとえば爪の形または顔の一部に対応する。
【0076】
基材は、優先的に、非吸収性材料、たとえばプラスチック被膜をベースにする。基材は有利には、少なくともプリントを受容することが意図される面が非多孔質である。
【0077】
一実施形態では、着色インクが頬および/または爪に施与されることが意図される場合、基材は、1mm以上、特に3mm、たとえば1から5mmの範囲の厚さを有していてもよい。
【0078】
一実施形態では、着色インクが目の周りの領域および/または唇に施与されることが意図される場合、基材は、3mm以上、特に1mm、たとえば3から20mmの範囲の厚さを有していてもよい。
【0079】
一実施形態の実施例では、着色インクが鼻および/または耳の領域に施与されることが意図される場合、基材は、1cm以上、特に3cm、たとえば1から4cmの範囲の厚さを有していてもよい。
【0080】
したがって基材は、有利には、メイクアップされるケラチン材料の領域に適合される厚さを有する。
【0081】
基材の厚さは、転写面に垂直に測定された、その最大寸法に対応する。
【0082】
基材は、可変の厚さを有していてもよい。
【0083】
基材はプリモールドされていてもよい。
【0084】
一実施形態の実施例では、基材は、転写されることが意図されるものと同じインクで印刷されたまたは印刷されていない、表示を含む。表示は、たとえば着色インクでメイクアップされることが意図されるケラチン材料の性質について述べ、または正しい縮尺で、拡大して、縮小して、もしくはその他の状態で示されており、堆積されたパターンには「表を上にして(right-side up)」、基材上には「逆さに(wrong-side up)」が示されている。
【0085】
一実施形態の実施例では、転写面は、基材の一部から取外し可能である。
【0086】
基材は、再使用可能であってもよい。
【0087】
たとえば、印刷は基材上で行われ、これは転写のためにアクセス可能であるがプリンタから離れない。したがって使用後に、プリンタを基材に再度統合することができ、清浄化し、新しいプリントの準備をすることができる。
【0088】
基材は、印刷前に、着色されていてもよいかつそれ自体をヒトケラチン材料上に転写することが可能と考えられる、コーティングを含んでいてもよい。コーティングは、印刷するのが難しい色で、たとえば白もしくは黒で、またはメイクアップされる皮膚の肌のトーンに近い色、たとえば肌色に着色されていてもよい。変形形態として、コーティングは、それ自体が着色されていない。
【0089】
これまたはこれらのコーティングは、着色インクで印刷された後に、基材に施与されてもよい。
【0090】
その態様の別のものによれば、本発明は、同じパッケージ内に、本発明による複数のデバイスを含む、化粧品用アセンブリに関し、これらのデバイスは、それらが支持する着色インクの化学的性質および/またはそれによって形成されるパターンおよび/またはケラチン材料に係合することが意図される転写面の形が異なっている。
【0091】
本発明の対象は、上記にて定義したデバイスを製造するためのプロセスであって:
· 色素と、
· 色素以外の、120℃以上の沸点を有する転写化合物と
を含む、少なくとも1種の化粧品用着色インクを、転写面に、少なくとも1つのデジタルプリンタを使用して印刷することにあるステップを含む、プロセスでもある。
【0092】
一実施形態の実施例では、着色インクのコートはあらかじめ定められたパターンで印刷される。プロセスは、使用者によってパターンを選択および/または作製し、印刷を行う少なくとも1つのプリンタに接続された機械を用いてこのパターンに関する情報を送信するステップを含んでいてもよい。
【0093】
機械は、コンピュータ、「スマートフォン」とも呼ばれる最新式携帯電話、またはタブレットコンピュータであってもよい。機械は、物理的にかつ/またはデータ交換網を用いて、前記プリンタに接続されてもよい。
【0094】
プリンタは、インクジェットプリンタ、たとえば感熱式もしくは圧電式プリンタ、昇華型プリンタ、または3Dプリンタであってもよい。プリンタは、本発明の文脈において使用されるように改良された、標準的な商用プリンタであってもよい。
【0095】
一実施形態の実施例では、印刷は、特にローラの外面に対応して、平らではない転写面上に直接行われる。
【0096】
印刷は、本発明によるいくつかの異なるインク、特に異なる色のインクを使用してもよい。
【0097】
印刷は、少なくとも3種の、特に少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、または12種の異なる色の着色インクを使用してもよい。
【0098】
印刷は、原色の着色インクのみを使用してもよい。変形形態として、印刷は、原色の着色インクと、非原色の少なくとも1種のインクとの両方を使用する。
【0099】
着色インクのコートの印刷は、3色または4色の印刷であってもよい。
【0100】
印刷することによって得られたパターンは、異なる色のいくつかの領域を含んでいてもよい。変形形態として、印刷することによって得られたパターンは平板な色調である。
具体实施方式:
【0151】
図1および図2は、その正面が転写面3を画定する基材2を含む、本発明によるメイクアップデバイス1を示す。デバイス1は、図示されるように、転写面3を画定するただ1つの面を有していてもよく、これは本発明による少なくとも1種の化粧品用着色インクのコート4を支持している。
【0152】
一変形形態では、図示しないが、基材2の2つの対向面によって2つの転写面3が画定される。この場合、これらの面は異なる化粧品用インクのコートを支持してもよく、これらのコートはおそらく、それらの色、支持される着色インクの性質、および/または形成されたパターンが異なっている。
【0153】
図1および図2に示されるデバイス1では、転写面3によって支持される着色インク4のコートは、デジタルプリンタを使用して印刷することによって堆積され、このプリンタは、たとえばラスタの形で、再現される画像の画素に対応するインクドットを堆積するものである。このコート4は、ケラチン材料に施与させるときには完全には乾燥せず、たとえば、温度20℃で流体である転写化合物を含む。
【0154】
各着色インクは、色素と、この色素とは異なりかつ120℃以上の沸点を有する転写化合物とを含む。各着色インクは、先に詳述したように、複数の異なる転写化合物を含んでいてもよい。
【0155】
コート4は、何らかのタイプのパターンを、たとえば図示されるようにハートの形で形成してもよい。
【0156】
基材2は、透明なまたは半透明の、かつ全体的にまたは部分的にコート4が重ねられていてもよい、少なくとも1つの不透明ではない領域5を有していてもよい。透明領域5によれば、使用者は、基材2を通して見ることが可能になり、したがって、このデバイスが前記表面上に重ねられた場合、メイクアップされる表面がデバイス1を通して視覚化される。
【0157】
コート4のすべては、図示されるように、透明領域5上に重ねられてもよい。一変形形態では、図示しないが、コート4の一部のみが透明領域5上に重ねられる。
【0158】
基材2は、透明材料で作製されてもよい。次いで透明領域5は、基材2の全面にわたって拡がる。
【0159】
基材2は、表示7、たとえばプリントを保持していてもよく、この表示は、メイクアップのための推奨される位置決めに関する情報、たとえば図示されるような「右頬(right cheek)」という情報、または転写されるパターンの場所および正しい縮尺、縮小またはそうではないものの再現に関する情報、または着色インクでメイクアップされることが意図されるケラチン材料の性質などの情報を与えるものであり、また、カラーおよび/またはパターンリファレンスに関する情報を提供してもよい。
【0160】
基材2は、好ましくは可撓性材料で作製される。変形形態として、基材2は、剛性または半剛性材料で作製される。
【0161】
コート4上に重ねられた転写3の領域のすべてまたは部分は、好ましくは滑らかであり、1mm以下、特に1から100μmの間、好ましくは50μm以下の粗さを有する。粗さは、粗さ計を使用して測定され、その先端は10mmの曲率半径を有し、特徴付けられる材料に加えられるその力は6mNである。
【0162】
図3から図5は、本発明によるメイクアッププロセスの実施例の様々なステップを概略的に示す。図示されるように、デバイス1を、まず、好ましくは乾燥しているメイクアップされる皮膚Pの領域に近付けて、コート4が、メイクアップされる皮膚Pの領域に接触させて配置するようにし、次いで使用者は、圧力を加えて、メイクアップされる皮膚Pの領域上に着色インクを転写させる。ケラチン材料との接触中、基材2は、好ましくは、転写されるパターンの外観に影響を及ぼさないように、横に動かさない。
【0163】
ケラチン材料上に転写されるパターンは、基材2上に存在するとき(すなわち、メイクアップされるケラチン材料上に未だ転写されていないとき)にコート4によって形成されたパターンに対応する。
【0164】
一実施例において、図示しないが、プロセスは、ケラチン材料上に得られたメイクアップ結果を仕上げるステップも含む。仕上げは、たとえば、特殊効果が得られるように、デバイス1でメイクアップされる表面をラビングすることによって行われる。
【0165】
図6は、本発明による化粧品用アセンブリ10の、実施形態の実施例を示す。このアセンブリは、同じパッケージ内に、本発明による複数のデバイス1を含み、その各々は、コート4によって形成されたパターンおよび/またはコート4の色が異なる。パッケージは、インクが乾固しないように耐漏洩性であってもよい。パッケージは、早期の転写のリスクが低減するように、インクと転写面以外の面との接触を回避するための手段により作製されてもよい。たとえばパッケージは、その壁が、インクで覆われた基材の領域からある距離を延びる、熱成形されたシェルを含む。
【0166】
次に、本発明によるデバイスを製造するためのプロセスの実施例について、図8を参照しながら記述する。
【0167】
第1のステップ100では、たとえば機械のスクリーン上に表示することによって、様々なパターンが使用者に提示される。使用者によりパターンを選択するステップ101は、印刷されることが意図されるパターンを選択するために、タッチスクリーンを押すなどの動作を含んでいてもよい。
【0168】
機械は、使用者に対してメイクアップ結果のシミュレーションを提供してもよい。したがって機械は、選択されたまたは生成されたパターンでメイクアップされたケラチン材料の外観の、シミュレーションを表示してもよい。このようにするために、機械は、メイクアップされるケラチン材料の少なくとも1つの画像を獲得してもよい。
【0169】
一変形形態では、使用者は、自分が印刷したいパターンを持つコンピュータファイルを作成する。この場合、使用者は、そのようなパターンを作成するためのドローイングソフトウェアを使用し、それを編集し、たとえば画像フォーマットでファイルに編集してもよい。
【0170】
パターンが選択されまたは作製されたら、機械はステップ102で、パターンを印刷するのに必要なデータをプリンタに送信する。
【0171】
機械は、物理的にかつ/またはネットワークを用いて、印刷を行うプリンタに接続されてもよい。
【0172】
データが受信されたら、ステップ103でパターンを印刷する。
【0173】
プリンタドライバは、プリンタに実装された他のカートリッジの中から化粧品用インクカートリッジを、かつ/または印刷される基材の性質を選択するための、メニューを含んでいてもよい。変形形態として、プリンタは、実装されたカートリッジが本発明による化粧品用インクを含有することを自動的に認識し、その結果、操作パラメータを調節する。したがってカートリッジは、それが含有する着色インクの性質、特に化粧品の性質を持つこのインクに関連する情報をプリンタに提供するための識別装置、たとえば電子チップを含んでいてもよい。
【0174】
一実施形態の実施例では、プリンタは、ヒトケラチン材料、特に皮膚、爪、または唇に接触して配置することが意図されない組成物を含むカートリッジの存在が検出された場合、印刷を禁止するように構成される。
【0175】
変形形態として、プリンタは、ヒトケラチン材料、特に皮膚、爪、または唇に接触して配置することが意図されない組成物を含むカートリッジの存在が検出された場合であっても、印刷を行ってもよく、この非化粧品用インクカートリッジはおそらく、転写面によって支持される化粧品用着色インクおよび/またはメイクアップされるケラチン材料の性質に関する表示を基材上に印刷するために使用される。
【0176】
基材の印刷は、基材上に堆積されるインクの量が増加するように、同じ場所でインクを連続して堆積させるために数回のパスで行ってもよい。基材は、たとえばプリンタ内で1から20回の間のパスを行ってもよく、堆積される化粧品用インク乾燥物質の量は、たとえば0.01mg/cm2から100mg/cm2、さらに0.1mg/cm2から10mg/cm2、さらに良好には0.2mg/cm2から10mg/cm2、特に0.2mg/cm2から5mg/cm2の範囲である。
【0177】
パターンは、単色またはさらに良好には多色であってもよい。この場合、印刷は、プリンタ内を通過するたびに、再現される色に応じて、微視的規模で局所的に並置される数種の化粧品用インクで行ってもよい。印刷解像度は、16dpiから1600dpiの間であってもよい。
【0178】
プリンタは、基材上にあらかじめ堆積されたインクが、インクの新しいコートを印刷する前に十分に乾燥したか否かを、たとえば2点間の電気伝導を測定することによって検出するように設計されてもよい。
【0179】
プリンタおよび/またはプリンタドライバは、すでに印刷された基材上に新しい印刷を行う前に、あらかじめ定められた時間を待つ必要があることを使用者に知らせるように作製されてもよい。プリンタおよび/またはドライバは、十分乾燥させるのに十分な時間が経過しなかった場合、すでに印刷された基材の印刷を自動的に見合わせてもよい。プリンタは、印刷されるインクのコートのすべてが印刷されていない限り、印刷された基材を送出しないように、好ましくは配置構成される。
【0180】
図7は、本発明による化粧品用アセンブリ20の実施形態の実施例を示す。化粧品用アセンブリ20は、同じパッケージ内に:
a)本発明による化粧品用着色インクを含むプリンタカートリッジ21と、
b)たとえば基材シートによって画定された、着色インクで印刷されることが意図される転写面3と
を含む。
【0181】
この化粧品用アセンブリは、必要な場合、カートリッジを使用することが意図されるプリンタで使用者に提供されてもよい。
【0182】
図9は、本発明によるプロセスの変形形態を示し、転写面3が加熱部材30の熱に曝され、その結果着色インク4のコートが流動化するようになり、たとえば最初は固体の形または流体には至らない形をとる。
【0183】
次いでこのように熱によって流動化された着色インク4のコートを、任意選択で、加熱から得られた最高温度に対してたとえば着色インクのコートが少なくとも5℃失うのに十分であるが、十分な熱さである時間が過ぎた後に、メイクアップされるケラチン材料に接触させて配置する。
【0184】
図11は、水51などの溶媒がインク4のコート上にスプレーされる、本発明による別のプロセスの変形形態を示す。前記コートは、たとえば固体の形をとり、このように表面にスプレーされた溶媒は、コートを濡らす。インクは固体でなくてもよいが、表面にスプレーされる溶媒は、コートをより流動的にするのを助ける。次いで濡らした着色インクを、ケラチン材料に接触させて配置する。溶媒は、たとえば、使用者によって作動されるエアロゾル型の加圧容器50を使用してスプレーする。
【0185】
図10は、転写面3が、表面にインクのコートが存在するアプリケーターローラ40の外面からなる、本発明によるデバイスの実施形態の変形形態を示す。そのような面は、有利には、背中、おなか、または脚などの広い面積上で転写メイクアップ施与を行うのを可能にする。
【0186】
(実施例)
(実施例1)
下記の表に示される配合物に対応する、本発明による4種の組成物を調製した:
【0187】
【表1】
【0188】
下記の表に示される配合物に対応した、本発明の範囲外にある4種の組成物を調製した:
【0189】
【表2】
【0190】
これらの組成物は、Canonプリンタカートリッジ内に置かれ、次いでCanon Pixma IP100インクジェットプリンタと共に使用されるが、これはたとえばPowerPoint(登録商標)ソフトウェアで生成されたメイクアップパターンを印刷することが要求される。印刷は、インクの各々を独立して使用して、商用プリンタ用の透明プラスチックシート(滑らかな面)上で行われる。
【0191】
各々の印刷後、待機時間8分を順守し、次いで転写面が皮膚の領域、たとえば腕に施与される。
【0192】
鮮明かつ明瞭に見えるパターンが、本発明による配合物の場合に得られる。逆に、本発明の範囲外にある配合物の場合、パターンはあまり良く見えないまたは見えない。
【0193】
(実施例2)(図12に対応)
メイクアップパターンを、異なる色を使用して生成する。
【0194】
このパターンは、ブラックラインおよびぼかし領域を含む。パターンの2つの部分は互いに隔てられており、メイクアップ結果の精密さをもたらしている。
【0195】
実施例1におけるように、透明プラスチックプリンタシートを、インクのコートを受容するための基材として使用する。
【0196】
実施例1の本発明によるインクを、プラスチックシート上に印刷する。同じ実験を、実施例1の発明の範囲外にある配合物を使用して行う。
【0197】
5分後、シートを眼瞼に施与させて転写を行う。
【0198】
本発明によるインクで生成されたパターンのみが、転写を実現させる。
【0199】
結果は精密であり、従来のメイクアップ手段によって得難いものであることがわかった。
【0200】
2分以内で、図12に示されるように、縁部を柔らかくしそれによって境界が消えるようにするために、パターンはその上部が拡がった。逆に、底部領域(ラインと、ラインおよび領域の間のスペース)では拡がらないように注意が払われる。
【0201】
(実施例3)
水不混和性転写化合物を含む配合物の実施例
下記の表に示される配合物に対応する、本発明による4種の組成物を調製した:
【0202】
【表3】
【0203】
プロセスは、実施例1におけると同様に、Canonプリンタカートリッジ内に導入されたこれらの組成物を使用し、次いでCanon Pixima IP100インクジェットプリンタと共に使用して行う。
【0204】
各インクごとに、商用プリンタ用の透明プラスチックシートの滑らかな面に印刷した後、待機時間8分を順守し、次いで転写面が、皮膚の領域、たとえば腕に施与される。
【0205】
鮮明かつ明瞭に見えるパターンが、本発明による配合物の場合に各インクごとに得られる。
【0206】
「含む(comprising)」という表現は、「少なくとも1つを含む(comprising at least one)」同義と理解すべきである。
【0207】
「...から...の間(between...and...)」または「...から...の範囲(ranging from ...to...)」という表現は、限界値を含むとして理解すべきである。
【符号の説明】
【0208】
1 メイクアップデバイス
2 基材
3 転写面
4 着色インク
5 透明領域、不透明ではない領域
7 表示
8 コーティング、保護コーティング
10 化粧品用アセンブリ
20 化粧品用アセンブリ
21 プリンタカートリッジ
40 アプリケーターローラ
50 加圧容器
51