IPC分类号:
B44C1/165 | B41M5/382 | B41M5/50 | B41M5/52 | G09F3/02 | B32B27/00 | B41M3/14 | B41M5/00 | B41M5/025 | B44C1/17 | B65C5/04 | D06P5/24 | D06Q1/12
国民经济行业分类号:
C2438 | C2436 | C2435 | C2434 | C2433 | C2432 | C2431 | C3076 | C3075 | C2439
当前申请(专利权)人:
エイベリィ デニスン コーポレイション
原始申请(专利权)人:
エイベリィ デニスン コーポレイション
当前申请(专利权)人地址:
アメリカ合衆国 カリフォルニア州パサデナ,ノースオレンジ グロウブ ブールバード 150
发明人:
ツァイ、クゥオリ | セイ、ドン - ツァイ | シュウ、リ | エドワーズ、デーヴィッド、エヌ. | モーゲンソー、アラン | チャオ、イ - ハン | ヒー、シャオ - ミン | 佐々木 幸彦 | ファーグソン、スコット、ウェイン
代理人:
廣江 武典 | 武川 隆宣 | ▲高▼荒 新一 | 西尾 務
摘要:
【課題】布製衣料品などの布にラベル付けするのによく適した熱転写ラベル。
【解決手段】熱転写ラベル811は、印刷された不変情報を受けることができるインキデザイン層825と、印刷された可変情報を受けることができるマーキング827とを伴うと共に、キャリヤー815を備える。キャリヤー815の一方の面は、インキデザイン層およびマーキングの剥離コーティング817と、前記インキデザイン層に印刷された不変情報と、前記マーキングに印刷された可変情報と、前記インキデザイン層およびマーキングの接着剤層823とを支持している。剥離コーティング817は、前記キャリヤーと前記インキデザイン層に印刷された不変情報との間、及び前記キャリヤーと前記マーキングに印刷された可変情報との間に配置されている。
【選択図】図9
技术问题语段:
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の1つの目的は、布製衣料品(これに限定しない)などの布にラベル付けを行う新規な方法を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、布にラベル付けする既存の方法に関連する上記欠点の少なくとも幾つかを克服する上記の方法を提供することである。
权利要求:
【請求項1】
印刷された不変情報を受けることができる1以上のインキデザイン層と、印刷された可変情報を受けることができる1以上のマーキングとを伴う熱転写ラベルであって、
キャリヤーを備えており、このキャリヤーの一方の面は、インキデザイン層およびマーキングの剥離コーティングと、前記インキデザイン層に印刷された不変情報と、前記マーキングに印刷された可変情報と、前記インキデザイン層およびマーキングの接着剤層とを支持しており、
前記剥離コーティングは、前記キャリヤーと前記インキデザイン層に印刷された不変情報との間、及び前記キャリヤーと前記マーキングに印刷された可変情報との間に配置されており、
前記インキデザイン層の印刷された不変情報は、接着剤層と剥離コーティングの間に配置されており、
前記接着剤層は、マーキングに印刷された可変情報と前記剥離コーティングとの間に配置されていることを特徴とする熱転写ラベル。
【請求項2】
印刷された情報をキャリヤーから表面に転写する方法であって、
請求項1に記載の熱転写ラベルを供給する工程と、
接着剤層と印刷された不変情報と印刷された可変情報とを表面に転写する工程と
を含む方法。
【請求項3】
印刷された情報をキャリヤーから布に転写する方法であって、
請求項1に記載の熱転写ラベルを供給する工程と、
接着剤層と印刷された不変情報と印刷された可変情報とを布に転写する工程と
を含む方法。
【請求項4】
前記インキデザイン層が、印刷された不変情報を有する第1のインキ層と、この第1のインキ層と接着剤との間の第2のインキ層とを含んでおり、前記接着剤層は、前記第2のインキ層と印刷された可変情報との間に配置されている請求項1に記載の熱転写ラベル。
【請求項5】
前記インキデザイン層の中の印刷された不変情報は、スクリーン印刷インキからなり、且つ前記マーキングの中の印刷された可変情報は、熱転写印刷インキからなる請求項1に記載の熱転写ラベル。
【請求項6】
前記マーキングの中の印刷された可変情報は、熱転写印刷インキからなる請求項1に記載の熱転写ラベル。
【請求項7】
前記キャリヤーは、実質的に光学的に透明であるプラスチックフィルムを含んでおり、印刷された不変情報および可変情報は、キャリヤーを通して可視である請求項1に記載の熱転写ラベル。
技术领域:
【0001】
(関連出願の説明)
本発明の出願は、米国特許法119(e)の下に、米国仮特許出願番号60/430,216、2002年12月2日出願、及び米国仮特許出願番号60/453,661、2003年3月11日出願の恩典を請求するものである。これらの出願を参考として本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、概して布のラベル付けに関係し、より詳細には布製衣料品のラベル付けに関するものである。
背景技术:
【0003】
衣料品及びその他の完成布(例えば、タオル、ベッドリネン、テーブルクロスなど)の製造業者にとって、製品寸法、繊維内容、取扱説明書及び製造業者名又は商標などの種々の情報項目を表示する一個以上のラベルを付けることは通例である。これらのラベルは、吊り下げのプライスタグなどと対照をなすものであって、通常は、製品購入後に消費者によって取り除かれることを意図したものではなく、むしろ製品に永久的に固定されることを意図している。実際に、このようなラベルは、耐久性の取扱注意指示ラベル(care label)として当業界で一般的に知られており、かつ通常は製品に直接縫い付けられた布製小片から成り、この布製小片は前記の情報を含んでいる。
【0004】
残念ではあるが、ラベルが着用者の皮膚に直接接触する下着又はその他の衣料品などの、ある種の製品に付けた耐久性取扱注意指示ラベルは、着用者を刺激する恐れがある。その結果、このような衣料品の着用者が、衣料品からこの耐久性取扱注意指示ラベルを典型的には切り取って又は単に引き裂くことによって、耐久性取扱注意指示ラベルを取り除くことがよくある。しかし、容易に理解できるように、このような行為はラベルに含まれる情報を失うばかりでなく、衣料品から耐久性取扱注意指示ラベルを切り取る又は引き裂く行為はそれ自身が、衣料品に著しいダメージを招く可能性がある。
【0005】
この問題へのアプローチの1つは、衣料品を縫い付けた前記布製の耐久性取扱注意指示ラベルに置き換えて、熱転写ラベルを衣料品に適用することであった。このようなタイプの熱転写ラベル構造体の1つは、(a)支持部であって、(i)約4ミルの厚みを有するポリエチレンフィルムキャリヤー、及び(ii)このキャリヤーの表面に塗布した約3ミクロンのポリアクリレート/エステル/シリコーン剥離層を含む支持部、及び(b)転写部であって、(i)保護層であって、剥離層の表面に直接配置され、かつ約3.5ミクロンの厚みを有する保護層、(ii)保護層の表面に配置され、かつ約5から9ミクロンの厚みを有する1つ又は複数のインキ層、及び(iii)熱活性ポリエステル/エステル/シリコーン接着剤層であって、1つ又は複数のインキ層の表面に配置され、かつ約2ミルの厚み、及び約102から113℃の融点を有する接着剤層を含む転写部を含んでいる。典型的には、この支持部は、伸長されたウエブの形態であり、その上に複数の個別の転写部が間隔を置いて配置される。使用時、ラベル付けされる衣料品がマンドレルの上に置かれ、かつ転写部の1つの接着剤層が衣料品上に配置されるように、熱転写ラベル構造体が逆向きにされる。支持部の表面に加熱プレスを下ろして、衣料品に対して転写部の接着剤層を押圧し、支持部を通してラベル構造体を加熱する。この構造体を加熱することが、衣料品に対して接着剤層を活性化させる。次に、加熱プレスを支持部から離し、加熱された構造体を衣料品上で冷却する。ひとたび加熱された構造体が十分に冷却されると、支持部が転写部から剥離されて、その結果ラベル付けされた衣料品が得られる。次に、このラベル構造体は、別の転写部がマンドレルと連携するように前進することができ、この方法は別の衣料品に対しても反復できる。
【0006】
上記の熱転写アプローチの1つの問題は、衣料品にひとたび適用した転写部を支持部から剥離する前に冷却しなければならないことである。加熱された転写部を冷却するための時間を設定しない場合には、支持部から転写部の剥離がきれいにいかず、転写部は衣料品に完全に転写しないであろう。これは、数秒から1分以上の範囲の時間がいるかもしれない冷却ステップが、ラベル付けプロセスに更に時間を追加し、かつこれによりプロセスの処理能力に制約を加えるので、問題である。
【0007】
熱転写技術を用いた衣料品のラベル付けに関するその他の文献は、以下の米国特許を含み、これらの全部を参考として本明細書に援用する。
【特許文献1】
米国特許第6,423,466号公報
【特許文献2】
米国特許第6,383,710号公報
【特許文献3】
米国特許第5,813,772号公報
【特許文献4】
米国特許第5,411,783号公報
【特許文献5】
米国特許第4,786,349号公報
【特許文献6】
米国特許第4,256,795号公報
【特許文献7】
米国特許第3,992,559号公報
【特許文献8】
米国特許第3,959,555号公報
【特許文献9】
米国特許第3,920,499号公報
【特許文献10】
米国再発行特許第28,542号公報
发明内容:
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の1つの目的は、布製衣料品(これに限定しない)などの布にラベル付けを行う新規な方法を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、布にラベル付けする既存の方法に関連する上記欠点の少なくとも幾つかを克服する上記の方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
説明された、又は以下の説明から明らかになる上記の目的及びその他の目的を促進するために、かつ本発明の観点に従って、布製衣料品などの布製品にラベル付けする方法が提供される。この方法は、(a)熱転写ラベルを供給するステップであって、(i)転写部であって、インキデザイン層を含む転写部、(ii)支持部であって、前記転写部が、熱及び圧力の条件下で支持部から布製品に転写部を転写するために、この支持部上に配置されていて、(A)キャリヤー、及び(B)前記キャリヤー上に配置された剥離コーテイングであって、非ワックス性、非シリコーン性の剥離材料から作成された剥離コーテイングを含む支持部、を含むステップ、及び(b)熱及び圧力の条件下で支持部から布製品に転写部を転写するステップを含む。
【0011】
本発明の別の観点に従えば、布製衣料品などの布製品にラベル付けする方法が提供される。この方法は、(a)熱転写ラベルを供給するステップであって、(i)転写部であって、インキデザイン層を含む転写部、(ii)支持部であって、前記転写部が、熱及び圧力の条件下で支持部から布製品に転写部を転写するために、この支持部上に配置されていて、(A)キャリヤー、及び(B)前記キャリヤー上に配置されたワックス剥離層であって、前記転写層がこのワックス剥離層上に配置されたワックス剥離層を含む支持部、を含むステップ、及び(b)熱及び圧力の条件下で支持部から布製品に転写部を転写するステップを含む。
【0012】
本発明は、布製品のラベル付け用によく適した熱転写ラベルを対象にする。1つの観点に従えば、このような熱転写ラベルは、布のラベル付けによく適した熱転写ラベルを含む。この熱転写ラベルは(a)キャリヤー、(b)前記キャリヤー上にかつそれに直接接触して配置された剥離コーテイングであって、非ワックス性、非シリコーン性の剥離材料から作成された剥離コーテイング、及び(c)インキデザイン層であって、前記剥離コーテイング上にかつそれに直接接触して配置されたインキデザイン層を含む。
【0013】
別の観点に従えば、このような熱転写ラベルは、(a)キャリヤー、(b)前記キャリヤー上にかつそれに直接接触して配置された剥離コーテイング、及び(c)インキデザイン層であって、前記剥離コーテイング上に配置され、ポリ塩化ビニル樹脂を含むインキデザイン層を含む。
【0014】
また、別の観点に従えば、このような熱転写ラベルは、(a)支持部、及び(b)転写部であって、熱及び圧力の条件下で支持部から布製品に転写部を転写するために、前記支持部上に配置された転写部であって、(i)インキデザイン層、及び(ii)熱活性接着剤層であって、約15ミクロン以下の表面粗さを有する熱活性接着剤層を含み、(iii)前記インキデザイン層及び前記熱活性接着剤層が、それらの層の一方が他方の上に配置されるように、互いに関連して配置される転写部を含む。
【0015】
なお、別の観点に従えば、このような熱転写ラベルは、(a)支持部、及び(b)転写部であって、熱及び圧力の条件下で支持部から布製品に転写部を転写するために、前記支持部上に配置された転写部であって、(i)インキデザイン層、(ii)熱活性接着剤層、及び(iii)前記インキ層と前記熱活性接着剤層の間に配置されたRFID素子を含む転写部を含む。
【0016】
また、本発明は、熱転写ラベルの製造方法を対象にする。1つの観点に従えば、このような方法は、(a)剥離性支持体を提供するステップ、(b)次に、前記剥離性支持体上にインキデザイン層を印刷するステップ、(c)次に、前記インキデザイン層上に熱活性接着剤層を印刷するステップ、及び(d)次に、前記熱活性接着剤層上にマーキングを直接印刷するステップを含む。この方法の好ましい実施形態は、マーキングを形成するための種々の印刷技術を用いて専用ラベルを作り出す。熱転写ラベルの製造業者が、インキデザイン層を適用することができ、その後でラベルの購入者が、製品にラベルを転写する直前に種々のマーキングを適用できる。
【0017】
別の観点に従えば、このような方法は、(a)剥離性支持体を提供するステップ、(b)次に、前記剥離性支持体上に熱活性接着剤層を印刷するステップ、及び(c)次に、前記熱活性接着剤層上に第一のインキデザイン層を直接印刷するステップを含む。この方法の好ましい実施形態は、第一のインキデザイン層を形成するために種々の印刷技術を用いて専用ラベルを作り出す。
【0018】
本明細書及び特許請求の範囲のために、本明細書で用いる「上」(「on」、「over」)などのある種の用語が、熱転写ラベルの二つ以上の層の相対的位置関係を表すために用いられ、この場合、この用語は、これらの層がラベルの転写部が製品へ転写される前にどのような位置関係にあるかを、文脈中で表すために主として用いられ、転写後、層の配置は逆転して、関係する支持シートから最も離れていたこれらの層が、ラベル付けした製品に最も接近することが理解されなければならない。
【0019】
本発明の追加の目的、特徴、利点及び観点が、以下の説明で部分的に明らかにされるであろう。かつ、それらは、説明から部分的に判明するか、又は発明の実施により習得できる。説明の中で添付の図面を参照するが、この図面は一部分を形成し、かつ本発明を実施するための特定の実施形態が例証として示される。これらの実施形態は、当業者が発明を実施できるように十分詳細に説明されており、その他の実施形態が利用可能であること、及び本発明の範囲から離れることなく構造上の変更が可能であることが理解されなければならない。それ故、以下の詳細な説明が限定的な意味で捉えられるべきでなく、かつ本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって最もよく限定される。
【0020】
添付の図面が、本明細書に援用され、かつ明細書の一部を構成する。この図面は、本発明の好ましい実施形態を例証し、記述内容と共に、本発明の原理の説明に役立っている。図中、対応する参照番号は同様な部分を表している。
【0021】
図1は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの1番目の実施形態の略断面図である。
【0022】
図2は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの2番目の実施形態の略断面図である。
【0023】
図3は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの3番目の実施形態の略断面図である。
【0024】
図4は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの4番目の実施形態の略断面図である。
【0025】
図5は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの5番目の実施形態の略断面図である。
【0026】
図6は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの6番目の実施形態の略断面図である。
【0027】
図7は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの7番目の実施形態の略断面図である。
【0028】
図8は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの8番目の実施形態の略断面図である。
【0029】
図9は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの9番目の実施形態の略断面図である。
【0030】
図10は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの10番目の実施形態の略断面図である。
【0031】
図11は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの11番目の実施形態の略断面図である。
【0032】
図12は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの12番目の実施形態の略断面図である。
【0033】
図13は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの13番目の実施形態の略断面図である。
【0034】
図14は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの14番目の実施形態の略断面図である。
【0035】
図15は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの15番目の実施形態の略断面図である。
【0036】
図16は、図15の熱転写ラベルを作成するために用いるサブコンビネーション(sub-combination)の略断面図である。
【0037】
図17は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの16番目の実施形態の略断面図である。
【0038】
図18は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの17番目の実施形態の略断面図である。
【0039】
図19は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの18番目の実施形態の略断面図である。
【0040】
図20は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの19番目の実施形態の略断面図である。
【0041】
図21は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの20番目の実施形態の略断面図である。
【0042】
図22は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの21番目の実施形態の略断面図である。
具体实施方式:
【0043】
(好ましい形態の詳細な説明)
図1を参照する。図1には、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの1番目の実施形態の略断面図が示され、この熱転写ラベルは、本発明の教示に従って構成され、概して参照番号11により表される。
【0044】
ラベル11は支持部13を含む。順番に、支持部13は、キャリヤー15を含む。キャリヤー15は、紙基体、ポリマーコーテッド紙基体、又はポリマーフィルム基体でもよい。好ましくは、キャリヤー15は、約60℃から250℃の範囲のガラス転移温度、室温で1.0×1010ダイン/cm2から2.0×1010ダイン/cm2の範囲の貯蔵弾性率、及び100℃で5.0×107から1.5×1010ダイン/cm2の範囲の貯蔵弾性率をもつポリマーフィルム基体である。キャリヤー15として用いるために特に好ましい材料の例は、ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム及びポリ(エチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレート)(PEN)フィルム、及び延伸ポリプロピレンフィルム、特に熱安定化、延伸ポリプロピレンフィルムを含む。その理由は、少なくともポリエチレン及び非延伸ポリプロピレンのようなある種のその他のプラスチック材料と比較すると、ポリエステルが、より優れた機械的特性をもち、かつ印刷に適したより優れた基体となるからである。加えて、ポリエチレンとは異なり、ポリエステルは、熱転写時に通常遭遇する温度で、軟化し粘着性になる傾向がない。
【0045】
より好ましくは、さらに光学的に透明な上記の種類のプラスチックフィルムである。容易に理解できるように、キャリヤー15として透明材を用いる1つの利点は、所望により、キャリヤー15を通してラベルの印刷内容を観察することにより印刷内容の品質を検査することができることである(キャリヤー側からの透視では、印刷内容はラベル付けした製品上にあるように見える)。これは、ラベルの接着剤層を通して印刷内容を観察するのとは対照的である(接着剤層側からの透視では、印刷内容は、ラベル付けした製品上に現れるものの鏡像として現れる)。
【0046】
キャリヤー15は、好ましくは約0.5から7ミルの厚み、より好ましくは約0.9から3.0ミルの厚み、更により好ましくは約1.4から2ミルの厚みをもつ。
【0047】
また、支持部13は、剥離層又はコーテイング17を含み、好ましくはコーテイング17が、キャリヤー15の表面に直接塗布される。コーテイング17は、好ましくは以下に説明するラベル11の転写部からきれいに剥がれる剥離材料であり、かつラベル付けされた製品上にラベル11の転写部と共に、視覚的に識別可能な程度に、転写されることがない(本明細書及び特許請求の範囲のために、「視覚的に識別可能」は裸眼又は肉眼の関係で解釈されるべきである)。更に、ラベル11の転写部からきれいに剥がれることに加えて、好ましくは、コーテイング17は、転写部が布製品に適用された後に、直ちに(即ち、数秒の内に)ラベル11の転写部とコーテイング17を分離させる。好ましくは、剥離コーテイング17は、キャリヤー15との関係で先に述べたことと同様な理由で透明である。
【0048】
コーテイング17は、好ましくは約0.01から10ミクロンの厚み、より好ましくは約0.02から1ミクロンの厚み、更により好ましくは約0.1ミクロンの厚みをもつ。
【0049】
好ましくは、コーテイング17及びキャリヤー15は、単位幅の感圧接着テープをコーテイング17から180度で剥離するに必要な剥離力が、約89g/cm以上約893g/cm以下の範囲(約0.5から5.0ポンド/インチ)、より好ましくは約267g/cm以上約625g/cm以下の範囲(約1.5から3.5ポンド/インチの範囲)、更により好ましくは約373g/cm以上約429g/cm以下の範囲(約2.1から2.4ポンド/インチの範囲)になるように選ばれる。本発明の明細書及び特許請求の範囲のために、単位幅の感圧接着テープをコーテイング17から180度で剥離するに必要な剥離力は、接着試験法PSTC-4Bに従って測定され、この方法は、感圧接着テープの試験法、第13版、PressureSensitive Council刊行、ノースブルック、イリノイ州(2000年)に記載されており、これを参考として本明細書に援用する。
【0050】
種々の異なる物質をキャリヤー15に塗布して、コーテイング17を形成できる。このような物質の1つは、以下に提供される限定された程度を除いて、ワックス又はシリコーンを含有しないオレフィン性材料である(用語「非ワックス」及び「非シリコーン」は、本明細書及び特許請求の範囲で、このような物質から形成される剥離層又はコーテイングを説明又は定義するために用いる場合、下記の限定的例外を除いて、剥離層又はコーテイングから全くワックス及びシリコーンの存在を排除することと本明細書で定義する)。このオレフィン性物質から形成されるコーテイングは、約25から35mN/m(好ましくは約30mN/m)の総表面エネルギーを有し、その内の約0.1から4mN/m(好ましくは約1.3mN/m)が極性表面エネルギーである。XPS(X線光電子分光法)で測定する時、このコーテイングは、約90から99.9%(好ましくは約97%)の炭素含有量(原子%で)及び約0.1から10%(好ましくは約3%)の酸素含有量(原子%で)である。上記のようなキャリヤー15及びコーテイング17を含む支持部13の例は、デユポン社(ウイルミントン、デラウエア州)からマイラー(登録商標)A701-142規格フィルム及びマイラー(登録商標)A701-200規格フィルムとして市場で入手できる。単位幅の感圧接着テープをマイラー(登録商標)A701-142規格フィルムのコーテイング17から180度で剥離するに必要な剥離力は、2.117ポンド/インチであり、マイラー(登録商標)A701-200規格フィルムのコーテイング17では、2.386ポンド/インチである。
【0051】
熱転写ラベルの連続ウエブをロールに巻き取ることは通例であるから、熱転写ラベル構造中に上記のような非ワックス、非シリコーン性剥離コーテイングを用いる利点の1つは、剥離コーテイングがワックス又はシリコーンで転写部の接着剤層を汚染する機会がないということである。このことは、接着剤層へのワックス又はシリコーンの残渣の転写が、ラベル転写時に接着剤層の接着特性に悪影響を及ぼす恐れがある故、重要な利点である。
【0052】
ワックス剥離コーテイングに優る非ワックス剥離コーテイングの別の利点は、通常ワックス剥離コーテイングが、その融点に加熱されなければならないので、非ワックス剥離コーテイングが、ワックス剥離コーテイングに比べて広範囲な操作温度で使用できることである。
【0053】
シリコーン剥離コーテイングに優る非シリコーン剥離コーテイングの別の利点は、通常、非シリコーン剥離コーテイングが、シリコーン剥離コーテイングに比べて優れた印刷特性をもつことである。
【0054】
上記状況にも拘わらず、上記非ワックス、非シリコーン性のオレフィン性物質から形成する代わりに、剥離コーテイング17は、RA-150W剥離コーテイング(Mayzo社、ノルクロス、ジョージア州)などのリン酸エステルコーテイング、カーバメートコーテイング、シリコーンコーテイング、フロロカーボンコーテイング、又は下記の種類のポリエチレンベースワックスコーテイングなどのワックスコーテイングを含むことができる。
【0055】
支持部13として使用できるその他の種類のコーテッドポリマーフィルムは、PCT出願番号PCT/US00/17703、2001年1月18日公告、及び欧州特許出願番号819,726、1998年1月21日公告に記載されており、両文献を参考として本明細書に援用する。前記の2件の特許出願は、好ましくは、
(i)ポリエチレンテレフタレート及びポリ(エチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレート)などのポリエステル、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィン、及びポリアミドからなる群から選ばれたポリマーであって、ポリマーフィルム表面を形成するポリマー、及び
(ii)プライマーコーテイングであって、
(A)官能化α-オレフィン含有コポリマー、好ましくはエチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸コポリマー、エチレン/ビニルアセテート/アクリル酸ターポリマー、エチレン/メタクリルアミドコポリマー、エチレン/グリシジルメタクリレートコポリマー、エチレン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、エチレン/2-ヒドロキシエチルアクリレートコポリマー、プロピレン/アクリル酸コポリマーなどからなる群から選ばれた酸官能化α-オレフィン含有コポリマー、及び
(B)アミノホルムアルデヒド樹脂、多価金属塩、イソシアネート、ブロックドイソシアネート、エポキシ樹脂、及び多官能性アジリジンからなる群から選ばれた架橋剤を含むプライマーコーテイング、
(iii)但し、このプライマーコーテイングが、好ましくは非晶質又は半延伸状態のポリマーフィル表面にプライマーとして塗布され、かつ1軸又は2軸延伸及び熱セットする間に形成された新たに発生したポリマーフィルム表面と反応させられること、
を含むコーテッドフィルム構造を教示する。
【0056】
適切な支持部13の別の例が、米国特許第6,423,406号に見出すことができ、これを参考として本明細書に援用する。
【0057】
コーテイング助剤、界面活性剤(シリコーン系界面活性剤を含む)などの湿潤剤、滑剤、静電防止剤などの添加剤が、添加剤未添加のコーテイング固形分の総重量をベースにして0から50%の水準で剥離コーテイングに混合することができる。
【0058】
上記剥離コーテイング17は、単一の支持部13上に複数の転写部を含むラベルアッセンブリがロール状に巻き取られる時、転写部の接着剤層がキャリヤー15の裏面に接着することを防ぐために、ポリマーキャリヤー15の底部表面に更に塗布することができる。
【0059】
ラベル11は、転写部21を更に含む(図1に、ただ1つの転写部21が、僅かに過大なサイズの支持部13上に示されているが、支持部13に対して1つだけの転写部21を配置する必要はなく、それよりはむしろ、複数の同一又は異なる転写部21を支持部13の細長い通常のウエブの上に、規則的な間隔をあけて配置することができることが理解される)。転写部21は、好ましくは(i)剥離層17の所望領域の表面に直接印刷された保護ラッカー層23、(ii)ラッカー層23の所望領域上に直接印刷されたインキデザイン層25、(iii)インキデザイン層25、保護ラッカー層23の任意の露出領域、及び剥離層17の周辺領域上に直接印刷されたプライマー層26、及び(iv)プライマー層26及び剥離層17の周辺領域上に直接印刷された熱活性接着剤層27を含む。
【0060】
好ましくは約2から3ミクロン(約0.1ミル)の厚みを有する保護ラッカー層23は、その得られたラッカー層23が布製品として容認できる程度の耐摩耗性を有する限りでは、水ベース及び溶媒ベースの広い範囲の異なる樹脂から作成できる。印刷できる保護ラッカー層23用の好ましい配合は、PKHHフェノキシ樹脂(InChem社、ロックヒル、サウスカロライナ州)などの溶媒ベースで高Tgのフェノキシ樹脂、及びEstane 5715ポリウレタン樹脂(Noveon社、クリーブランド、オハイオ州)などの溶媒ベースで低Tgのポリウレタン樹脂の組み合わせを含み、好ましくはこのような樹脂は、シクロヘキサン及び/又は二塩基酸エステル(例えば、アジピン酸ジメチル)などの有機溶媒と1対3の比率で組み合わされる。加えて、好ましくはNB80高分子脂肪族イソシアネート接着助剤(Nazdar Ink社、ショーニー、カンサス州)などの接着助剤が、印刷品質を高めるために配合に含有され、この接着助剤は、約0から10重量%の量で、より好ましくは2から8重量%の量で存在する。また、少量(1%未満)の界面活性剤、例えばZonylFSOフッ素系界面活性剤(デユポン社、ウイルミントン、デラウエア州)が、印刷前の配合に添加できる。
【0061】
前記の低Tgのポリウレタンと高Tgのフェノキシポリマーの組み合わせは、これが中間のTg混合物をもたらし、適切なポリマーモジュラスをもつソフトな感覚を生み、ラベル構成が自己巻取りロールとして製造される時、ラベル構成のブロッキングを防ぐので、特に望ましい。
【0062】
印刷できる保護ラッカー層23用の別の好ましい配合は、100部のNazdar 9627クリヤーオーバープリントワニス(Nazdar Ink社、ショーニー、カンサス州)及び5部のNB80接着助剤を含む。
【0063】
その他の適切な保護ラッカー層23は、下記の特許の中に見出すことができ、それらの全てを参考として本明細書に援用する:米国特許第5,800,656号、第6,033,763号、第6,083,620号、及び第6,099,944号。
【0064】
保護ラッカー層23を形成するために、上記の種類のラッカー分散液又は溶液が、好ましくはスクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、又は同様な技術によって、剥離層17の所望の領域上に配置される。(ラッカー層23などの所定の層を印刷するためにスクリーン印刷、グラビア印刷又はフレキソ印刷を使用するかどうかを決定することに関する考察は、印刷される組成物の粒子径、及び印刷したい層の厚みがある。スクリーン印刷は、厚い層が望まれ(即ち、約5から200ミクロン)かつ大きい粒子径(即ち、約100から200ミクロンもの大きさ)を有する組成物に最も適している。グラビア印刷は、薄い層が望まれ(即ち、約1から2ミクロン)かつ小さい粒子径(即ち、約1又は2ミクロン以下)を有する組成物に最も適している。フレキソ印刷は、約1から10ミクロンの薄い層が望まれ、かつ数ミクロン以下の粒子径を有する組成物に適している。)
【0065】
層17の所望の領域上にラッカー組成物を配置後、この組成物の揮発性成分が蒸発し、それらの非揮発性成分だけを残してラッカー層23を形成する。
【0066】
実際に単一のインキ層又は複数のインキ層のいずれかを含むことができる転写部21のインキデザイン層25は、1種又は複数の広範囲の異なるインキから形成できるが、但し、得られた層25が、保護ラッカー層23及びプライマー層26の両者に容認できる程度の接着力を持つことが条件である。例えば、保護ラッカー層23が水ベース樹脂を含む場合、Nazdar2700系Aquasafe Gloss P.O.P.水ベースのスクリーンインキ(Nazdar、ショーニー、カンサス州)などの水ベースのインキを用いることができる。これに対して、保護ラッカー層23が溶媒ベース樹脂を含む場合、Nazdar9600系ポリエステルインキなどの溶媒ベースインキを用いることができる(Nazdar 9600系ポリエステルインキを用いる場合、印刷に先立って、このようなインキは、Nazdar 9630系シンナーなどの約5から10%のシンナーで希釈できる)。好ましくは、NB80接着助剤などの接着助剤が、インキ配合中に含有されて印刷品質を高め、この接着助剤は、約0から10重量%、より好ましくは2から8重量%の量で存在する。好ましいインキ配合の例は、100部のNazdar96PB22青インキ及び5部のNB 80接着助剤を含む。
【0067】
好ましくは約5ミクロン(約0.2ミル)の厚みを有するインキデザイン層25は、従来の手法で、好ましくはスクリーン印刷によって、ラッカー層23の1つ又は複数の所望の領域上に、1種又は複数の前記種類のインキ組成物を配置することにより形成される。その後、インキ組成物の揮発成分を蒸発させて、非揮発性インキ成分だけを残して層25形成する。
【0068】
説明を容易にするために、インキデザイン層25は、図1中で(その他にも、本出願の図面中で)ラッカー層23上の連続層として示されているが、インキデザイン層25は、通常、連続層の形態ではなく、むしろ典型的には複数の個別要素の形態であり、ラベルの所望の画像及び/又は文字を形成することを理解すべきである。
【0069】
容易に理解できるように、ラベルを取り付ける特殊な用途に応じて、インキデザイン層25は、耐久性の取扱注意指示ラベル、企業(institutional)ID、固体(individual)IDなどの表示を組み込むことができる。更に、以下で詳細に述べるように、転写層21の少なくとも一層(即ち、ラッカー層23、インキデザイン層25、プライマー層26、接着剤層27)が、偽造検出などの製品セキュリテイ(security)のためにラベル付けした製品の判別検査を可能にするために、追加的に又は代替的に、「透かし」を組み込むことができ、或いは特定波長の光の照射又は熱で活性化する色素で印刷されたマーキングを組み込むことができる。
【0070】
インキ層25と接着層27の間の接着を助けるプライマー層26は、組成的には保護層23と同一であることが好ましく、実際に一層のプライマー層か又は複数のプライマー層を含むことができる。好ましくは、プライマー層26は約0.2から0.5ミルの厚みを有する。
【0071】
転写層21の構造的整合性及び凝集性を維持するために、保護ラッカー層23及びプライマー層26の両者の存在が必要でない場合、保護ラッカー層23又はプライマー層26のいずれかを省略できる。
【0072】
好ましくは約10から13ミクロン(約4から5ミル)の厚みを有する接着剤層27は、1種又は複数の熱活性樹脂を含み、布に強固に接着できる。接着層27の形成に適する接着組成物の一例は、約30gの5184pポリエステル粉末接着剤(Bostik-Findley、ミドルトン、マサチューセッツ州)、約60gの水、バインダーとして約10gのPKHW35水ベースのフェノキシ分散液(InChem社、ロックヒル、サウスカロライナ州)、約1gのDehydran 1620消泡剤(Cognis社、アンブラー、ペンシルバニア州)及び約2から3gのTafigelPUR 61シックナー(Ultra Additives社、クローバー、サウスカロライナ州)を含む。好ましくは、前記ポリエステル粉末接着剤は、接着剤配合物のスクリーン印刷を容易にするために、約80ミクロン以下の、より好ましくは約38から40ミクロン以下の粒子径を有する(ポリエステル粉末接着剤の粒子径が大き過ぎると、接着剤配合物のスクリーン印刷が難しくなる恐れがある)。
【0073】
別の接着剤組成物は、10gのSancure 1601ポリウレタン分散液(Noveon社、クリーブランド、オハイオ州)が、PKHW35水ベースのフェノキシバインダーの代わりに用いられる点で、先行の組成物と異なるが、前者の組成物は、後者よりきわめて好ましく、その理由は、後者が、反復して行われる洗濯サイクル後にラベルの黄変色を起こす傾向があるからである。このような変色は、ポリウレタンバインダーと洗濯条件又は環境の間の有害反応により引き起こされると考えられる。
【0074】
好ましくは、接着剤層27は、(i)プライマー26、又はラッカー層23及びインキ層25の任意の露出部、及び(ii)剥離コーテイング17の周辺領域上に、上記の種類の接着剤組成物をスクリーン印刷などにより配置され、次にこの組成物の揮発性成分を蒸発させ、層27を形成するために非揮発性固体成分だけを残して形成される。
【0075】
ラベル11は、転写部21を支持部13から剥離させるように、かつ接着層27を所望の製品に結合させるために加熱活性化させるように、キャリヤー15の底部に(例えば、加熱されたプラテンを用いて)十分な熱を与えながら、接着剤層27を布衣料品などの布製品と接触させることにより用いることができる。ラベル11は、綿、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、スパンデックス及びそれらの組み合わせ(これらに限定されない)を含む広い種類の布に使用できる。
【0076】
マット仕上げを生むために転写後直ちに転写部21から支持部13を剥離(「熱剥離」)するか、又は光沢仕上げを生むために転写に続く短時間の冷却期間後に転写部21から支持部13を剥離するかのいずれかにより、ラベル付けした製品上の転写部21の仕上げの見栄えを調節することができる。
【0077】
本発明者は、ラベル11を布の装飾に用いる時、程度が良好なラベル接着性及び耐磨耗性が得られることに気付いた。例えば、ひとたび布に適用されれば、ラベルの転写部は、その本来のサイズを超えて関連する布と共にストレッチ(stretch)されることがあり、かつ著しく破れることがなく又は画像品質を損なうことがなく多数回の洗濯サイクルに耐えることができる。加えて、ラベル11は、製品上に少しもしわを作ることなく、ラベル付けした製品上に滑らかな表面を形成する転写部21を生み、かつ指触して「ソフト感覚」を生む。さらに、ラベル11は、布上に視覚的に識別可能な残渣を残さず、それによりラベル付けした製品に「非ラベル的外観」を与える。
【0078】
更に、ラベル11に関連する利点の1つは、転写部21が熱及び圧力の条件下で布に適用された後、支持部13が転写部21から直ちに(即ち、数秒以内に)剥離できることである。従って、ラベル11は実質的に連続的ラベル付けが可能であり、現存するラベル構成で可能とするものより優れた処理能力を生み出す。
【0079】
図2を参照する。図2は、布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの2番目の実施形態の略断面図が示され、この熱転写ラベルは、本発明の教示に従って構成され、概して参照番号111により表される。
【0080】
熱転写ラベル111は支持部113を含み、支持部113は、キャリヤー115及び剥離層117を含む。キャリヤー115は、ラベル11のキャリヤー15と同一であり、剥離層117は、ラベル11の剥離層17と同一である。
【0081】
また、熱転写ラベル111は、転写部121を含む(図2に、ただ1つの転写部121が、僅かに過大なサイズの支持部113上に示されているが、支持部113に対し1つだけの転写部121を配置する必要はなく、それよりはむしろ、複数の同一又は異なる転写部121を支持部113の細長い通常のウエブの上に、規則的な間隔をあけて配置することができることが理解される)。転写部121は、好ましくは(i)剥離層117の所望する領域上に直接印刷されたインキデザイン層125、(ii)インキデザイン層125上(並びにインキデザイン層125内の剥離層117の任意の露出された領域上)及び剥離層117の周辺領域上に直接印刷されたプライマー層126、(iii)プライマー層126及び剥離層117の周辺領域上に直接印刷された熱活性接着剤層127を含む。
【0082】
転写部121のインキデザイン層125は、1つのインキ層又は複数のインキ層を実際に含むことができるものであり、1種又は複数の広範囲な異なるインキから作成することができるが、但し、得られた層125が、プライマー層126に対して容認可能な程度の接着力を所有し、かつ剥離層117からよく剥がれる場合に限られる。好ましくは、インキデザイン層125は、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂を含有するインキを用いて印刷される(本明細書及び特許請求の範囲のために、用語ポリ塩化ビニルは、塩化ビニルのホモポリマー及びコポリマーの両者を包含することと定義される)。好適なPVC含有インキの例は、100部のGNSBear’s Navyインキ(PolyOne社、エイボンレイク、オハイオ州)、10部のAcumistB9ワックス(Honeywell International社、モリスタウン、ニュージャージ州)、5部のGeon137PVC樹脂(PolyOne社、エイボンレイク、オハイオ州)及び架橋剤として1部の酸化亜鉛(Sigma-Aldrich社、ミルウオーキー、ウイスコンシン州)を含む。
【0083】
好ましくは約0.1から30ミクロン、より好ましくは約1から20ミクロンの厚みを有するインキデザイン層125は、従来の手法で、好ましくはスクリーン印刷により、剥離層117の1つ以上の所望する領域上に上記の種類の1種又は複数のインキ組成物を配置し、かつその後に、層125を形成するためにインキ組成物の揮発成分を蒸発させて、非揮発性インキ成分だけを残すことにより形成される。上記PVC含有インキの場合、このような揮発性成分がないが、印刷された層は、典型的にはIR又はUVオーブン中で加熱され、層を溶融させるか又は「硬化」させなければならない。
【0084】
容易に理解できるように、ラベルを取り付ける特殊な用途に応じて、インキデザイン層125は、耐久性の取扱注意指示ラベル、企業ID、固体IDなどの表示を組み込むことができる。更に、以下で詳細に述べるように、転写層121の少なくとも一層(即ち、インキデザイン層125、プライマー層126、接着剤層127)が、偽造検出などの製品セキュリテイのためにラベル付けした製品の判別検査を可能にするために、追加的に又は代替的に、「透かし」を組み込むことができ、或いは特定波長の光の照射又は熱で活性化する色素で印刷されたマーキングを組み込むことができる。
【0085】
プライマー層126は、転写層121の構造的整合性を与え、かつインキ層125と接着層127の間の接着を助けるものであり、一層のプライマー層か又は複数のプライマー層を含むことができる。好ましくは、プライマー層126は、少なくとも1種の下記ポリマーを含むプライマー組成物を用いて印刷される:1種又は複数のポリウレタンポリマー、1種又は複数のフェノキシポリマー、及び1種又は複数のポリ塩化ビニルポリマー。好ましいプライマー組成物の例は、100部のPrintableAdhesive PVCプライマープラスチゾル(PolyOne社、エイボンレイク、オハイオ州)及び15部のGeon124 PVC樹脂(PolyOne社、エイボンレイク、オハイオ州)を含む。
【0086】
プライマー層126は、好ましくは約0.1から50ミクロン、より好ましくは約1から20ミクロンの厚みをもち、従来の手法で、好ましくはスクリーン印刷、グラビア印刷、又はフレキソ印刷により、インキ層125上、インキ層125内で剥離層117の露出された領域上、及びインキ層125を囲む剥離層117の領域上に上記の種類のプライマー組成物を配置し、かつその後に、層126を形成するためにプライマー組成物の揮発成分を蒸発させて、非揮発性プライマー成分だけを残すことにより形成される。
【0087】
好ましくは約10から200ミクロン、より好ましくは20から80ミクロンの厚みを有する接着剤層127は、1種又は複数の熱活性樹脂を含み、布に強固に接着でき、接着剤層127は、好ましくは約60から150℃の範囲、より好ましくは約80から120℃の範囲の融点を有する。接着剤層127の形成に適した樹脂の例は、HMP5184 Vポリエステル粉末接着剤樹脂(Bostik-Findley、ミドルトン、マサチューセッツ州)などのポリエステル樹脂、及びGriltex2AP1ポリアミド樹脂(Griltech社、サムター、サウスカロライナ州)などのポリアミド樹脂を含む。接着剤層127の形成に適した接着組成物の特殊な例は、接着剤として450部のHMP5184 Vポリエステル粉末接着剤樹脂(Bostik-Findley、ミドルトン、マサチューセッツ州)、バインダーとして150部のPKHW35フェノキシ分散液(InChem社、ロックヒル、サウスカロライナ州)、110部のTafigel PUR 61シックナー(Ultra Additives社、クローバー、サウスカロライナ州)、12部のDehydran 1620消泡剤(Cognis社、アンブラー、ペンシルバニア州)、6部のZonyl FSA湿潤剤(DuPont社、ウイルミントン、デラウエア州)、及び1800部の水を含む。
【0088】
好ましくは、接着剤層127は、スクリーン印刷などにより、プライマー126及び剥離コーテイング117の周辺領域上に上記の種類の接着剤組成物を配置し、次に層127を形成するためにこの組成物の揮発成分を蒸発させて、非揮発性固体成分だけを残すことにより形成される。
【0089】
ラベル111は、ラベル11と同様な手法で用いることができる。ラベル11のように、ラベル111は、画像品質、構造的整合性、又はラベルの柔軟性に著しい損失を受けることがなく、多数回の(即ち、50回もの)洗濯サイクルに耐えることができるラベル付け製品をもたらす。
【0090】
図3を参照する。布製品のラベル付けによく適した熱転写ラベルの3番目の実施形態の略断面図が示され、この熱転写ラベルは、本発明の教示に従って構成され、概して参照番号211により表される。
【0091】
熱転写ラベル211は支持部213を含み、支持部213は、キャリヤー215及び剥離層217を含む。キャリヤー215は、ラベル11のキャリヤー15と同一であり、剥離層217は、ラベル11の剥離層17と同一である。
【0092】
また、熱転写ラベル211はワックス層219を含み、ワックス層219は支持部213の剥離層217を被覆している。ワックス層219は、支持部213から以下に述べる転写層の剥離を容易にする役割があり、好ましくは約1から20ミクロン、より好ましくは約4から15ミクロンの厚みを有し、かつ好ましくは約60から130℃、より好ましくは約80から120℃の融点を有する。好ましくは、ワックス層219は、ポリエチレンベースのワックスを含み、かつ1350部のAcumistD5粉末化ワックス(Honeywell社、モリスタウン、ニュージャージ州)、450部のME 48040 M2ワックスエマルジョン(Michaelman社、シンシナチー、オハイオ州)、300部のTafigelPUR 61シックナー(Ultra Additives社、クローバー、サウスカロライナ州)、36部のDehydran 1620消泡剤(Cognis社、アンブラー、ペンシルバニア州)、Zonyl FSA湿潤剤(DuPont社、ウイルミントン、デラウエア州)、及び5400部の水を含む組成物から(好ましくはスクリーン印刷により)印刷できる。
【0093】
好ましくは、前記配合は、均質な、安定なワックススラリーを作製するためにHockmeyerミキサー(HockmeyerEquipment社、エリザベスシテイ、ノースカロライナ州)を用いて作成され、このスラリーは密閉容器を用いて室温で安定に貯蔵される。この配合物のスクリーン印刷は、250メッシュのスクリーンを用いて時間当たり2,100刷りこみの印刷速度で行うことができる。この印刷されたワックス層は、Smagプレス(SmagGraphique社、Savigny-Sur-Orge Cedex、フランス)のUV及びIRランプからの熱により乾燥され、かつ溶融される。ワックスの固体化及び結晶化は、加熱領域を抜け出た後の強制空気冷却により行われる。
【0094】
支持部213から転写部の望ましい剥離を達成するために、ラベル211中に剥離層217及びワックス層219の両者を包含することは、あらゆる場合に必要ではないことは理解されねばならない。それ故、このような場合、ラベル211から剥離層217及びワックス層219の1つを省略することができる。
【0095】
更に、熱転写ラベル211は転写部221を含む(図3に、ただ1つの転写部221が示されているが、支持部213に対し1つだけの転写部221を配置する必要はなく、それよりはむしろ、複数の同一又は異なる転写部221を支持部213の細長い通常のウエブの上に、規則的な間隔をあけて配置することができることが理解される)。転写部221は、好ましくは(i)ワックス層219の所望する領域上に直接印刷されたインキデザイン層225、(ii)インキデザイン層225上(並びにインキデザイン層225内のワックス層219の任意の露出された領域上)及びワックス層219の周辺領域上に直接印刷されたプライマー層226、(iii)プライマー層226及びワックス層219の周辺領域上に直接印刷された熱活性接着剤層227を含む。
【0096】
転写部221のインキデザイン層225は、1つのインキ層又は複数のインキ層を実際に含むことができる。好ましくは、インキデザイン層225は、少なくとも1種の架橋剤を用いて架橋したポリ塩化ビニル(PVC)を含み、この少なくとも1種の架橋剤は、好ましくは分子当たり1種より多い官能基をもち、前記官能基はイソシアネート、アジリジン、カルボジイミド、アルコキシルメチル、及びメチロールの少なくとも一つである(本発明の作用について如何なる特定の理論に制約されることを望まないが、本発明者は、インキデザイン層225中のPVC樹脂の架橋が、熱転写時に、インキデザイン層225に対しインキの拡散を阻止すると考える)。インキデザイン層225製造用の適切なインキ組成物の例は、144部のGeon137 PVC樹脂(PolyOne社、エイボンレイク、オハイオ州)、80部のCYMEL303ヘキサメトキシメチルメラミン架橋剤(Cytec社、ウエストパタスン、ニュージャージ州)、54部のSanticizer 160ベンジルブチルフタレート可塑剤(Ferro社、クリーブランド、オハイオ州)、54部のジオクチルフタレート可塑剤(ChemCentral社、ベッドフォードパーク、イリノイ州)、25.2部のCYCAT296-9触媒(Cytec社、ウエストパタスン、ニュージャージ州)、20.08部のVioletPC着色剤(PolyOne社、エイボンレイク、オハイオ州)、15.48部のBlue PC着色剤(PolyOne社、エイボンレイク、オハイオ州)、及び5.04部のBright Yellow PC着色剤(PolyOne社、エイボンレイク、オハイオ州)を含む。
【0097】
好ましくは約0.1から30ミクロン、より好ましくは約1から20ミクロンの厚みを有するインキデザイン層225は、従来の手法で、好ましくはスクリーン印刷、グラビア印刷、又はフレキソ印刷により、ワックス層219の1つ又は複数の所望する領域上に上記の種類の1種又は複数のインキ組成物を配置し、かつその後に、層を形成するためにインキ組成物の揮発成分を蒸発させて、非揮発性インキ成分だけを残すことにより形成される。
【0098】
容易に理解できるように、ラベルを取り付ける特殊な用途に応じて、インキデザイン層225は、耐久性の取扱注意指示ラベル、企業ID、固体IDなどの表示を組み込むことができる。更に、以下で詳細に述べるように、転写層221の少なくとも一層(即ち、インキデザイン層225、プライマー層226、接着剤層227)が、偽造検出などの製品セキュリテイのため